仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
Xのタイムラインに流れてくる「コピートレード参加者募集」「勝率92%」「先月は月利18%」といった投稿。固定ポストには右肩上がりのグラフが貼られ、「詳細はDMで」「負けた分は補填します」と添えられている。この記事は、こうした投稿を見て申し込もうか迷っている方と、すでに申し込んだ方に向けたものです。
先に結論を書きます。勝率と月利の数字だけでは、コピーする価値があるかは判断できません。見るべきなのは、どのくらいの期間の成績か、途中でどれだけ資金を減らしたか、その口座が実在の業者の本物の口座か、そしてあなたの注文がどこで出されるのか、です。また、「損失は補填する」「必ず勝てる」という約束は、登録を受けた金融商品取引業者なら法律で禁じられている内容です。この言葉が出てきた時点で、慎重になる理由があります。
特定のアカウントやサービスを詐欺と断定するものではありません。一般的な確認の手順として読んでください。
Xを入口にした被害は、まだ多くはないものの急に増えています。令和7年の確定値(警察庁)では、最初の接点がXだったSNS型投資詐欺は815件でした。前の年と比べると99.8%の増加で、ほぼ倍になっています。Instagram、YouTube、LINEに比べれば少ないものの、増え方は目立ちます。ダイレクトメッセージを入口にした被害では、30代〜40代でInstagramとXによるものが多いとされています。
返信欄の声は、同じ運営者が別アカウントで書いているかもしれません。数や熱量を判断材料にしないでください。
勝率は、全取引のうち利益で終わった取引の割合にすぎません。1回あたりの利益と損失の大きさが分からなければ、口座が増えたのか減ったのかは分からないのです。たとえば、小さな利益を9回重ねても、1回の大きな損失でそれを上回ることがあります。1万円の利益が9回、10万円の損失が1回なら、勝率は90%でも差し引き1万円の損失です。
数字が良いほど安心するのではなく、数字の出どころを確かめる。この順番を守るだけで、判断はかなり変わります。
コピー元の成績を公開しているページやアプリを見せられたら、次の5点を順に確かめてください。どれか1つでも答えがない場合は、申し込みを急ぐ理由はありません。
| 項目 | 見るところ |
|---|---|
| 運用期間 | 少なくとも数年分の推移が途切れずに出ているか。直近数か月だけではないか |
| 最大の下落幅 | 途中でいちばん資金が減ったとき、何割減ったか(ドローダウンと呼ばれます) |
| 取引の中身 | 取引回数、1回あたりの損益、保有期間。損失の出た取引を長く抱えていないか |
| 口座の種類と業者 | リアル口座かデモ口座か。口座がある業者の名前と、日本での登録の有無 |
| 成績の置き場所 | 勧誘する側が運営するサイトの画面か、第三者や取引業者の画面か |
最後の項目が特に大切です。勧誘する側が用意したサイトやアプリの中の数字が、市場で本当に約定した売買を映しているという保証はどこにもありません。警察庁は、偽の投資アプリで運用収益が上がっているように見せかけ、繰り返し振込みを求める手口を紹介しています。
仮にコピー元の成績が本物だったとしても、それをコピーした人の口座が同じように増えるとは限りません。理由はいくつかあります。
募集の投稿でこうした差について何も触れていないなら、それ自体が説明不足のしるしです。参加する前に、費用の一覧と、コピーした側の成績(コピー元ではなく参加者の平均など)を示せるかを尋ねてみてください。示せないなら、判断の材料が足りません。
金融商品取引法は、登録を受けた金融商品取引業者やその役職員に対して、次のような行為を禁じています。
つまり、「負けても補填するから安心」「このシグナルなら必ず勝てる」とうたう募集は、登録業者が行えば法律に反する内容です。登録を受けていない者が同じことを言っている場合は、そもそも国内のルールの外で営業している疑いがあります。どちらにしても、申し込みの根拠にはなりません。
補填の約束が守られるかどうかも別の問題です。約束した本人と連絡が取れなくなれば、補填を求める相手はいなくなります。
コピートレードでは、コピー元の取引を受け取って注文を出す「業者」と、その業者の口座が必ず存在します。国内に住む人向けにFXなどを業として扱うには金融商品取引法上の登録が要るので、最初に業者名を聞き出し、金融庁の金融事業者一括検索機能で確かめます。金融商品取引業者登録一覧(PDF)では、FXを扱う業者は「第一種」の欄に丸が付き、金融先物取引業協会などの加入協会も欄ごとに示されています。
金融先物取引業協会によれば、FX業者には自動売買ソフトの使用を規約で認めていないところが多く、事前に規約を読んでおくよう同協会は勧めています。「このツールを入れれば、どの業者でもコピーできる」と言われたら、その業者の規約で自動売買が許されているかを自分で読んでください。
業者の名前を最後まで明かさない、あるいは「登録はないが海外では有名」と説明される場合は、申し込みを見送る判断が妥当です。
Xのアカウントは名前やIDを変えられ、ポストも削除できます。申し込みの前でも後でも、まず記録を残してください。保存が済んだら、Xの報告機能でアカウントやポストを報告しておきます。
ツール代や会費をカードで払った場合はカード会社に、銀行振込ならその金融機関に、事情を伝えて相談します。取引サイトに入金して出金を断られている場合は、出金のための追加の支払いに応じず、警察に相談してください。記録の取り方は証拠の残し方、カード払いについてはカード払いの取り戻しの考え方にまとめています。
Xの投資広告に表示されるべき事項と登録番号の照合はXの「AIで月利◯%」ポストの見分け方で、コピートレードの相談の全体像はコピートレード詐欺の相談窓口で扱っています。
A. 勝率は利益で終わった取引の割合で、1回ごとの損益の大きさは分かりません。運用期間、途中の最大の下落幅、口座がリアルかデモか、成績がどこに表示されているかを確かめてください。
A. 登録を受けた金融商品取引業者が損失の補填を約束することは、金融商品取引法第39条で禁じられています。そうした約束をする募集は、国内のルールの外にある可能性を疑ってください。
A. 勧誘する側が用意した画面より手がかりにはなりますが、それだけで安全とは言えません。コピーの注文が出される業者が日本で登録を受けているか、その業者の規約で自動売買が認められているかも確かめてください。
A. 送った内容を記録し、同じパスワードを使っているサービスがあれば変更してください。本人確認書類の画像を送った場合は、警察に相談するときにその旨を伝えます。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。