仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
LINEグループで「クラウドマイニングのプランを買えば毎日報酬が出る」「人を紹介すればボーナスが入る」と誘われたとき、最初に見てほしいのは紹介報酬がどこから出ているかです。商品や権利を買わせて紹介料を払う形なら特定商取引法の「連鎖販売取引(マルチ商法)」のルールがかかり、法定の書面を手にした日を1日目として20日目までは、無条件で契約を解除する「クーリング・オフ」が使えます。後から入った人のお金を先に入った人へ配るだけの形であれば、無限連鎖講(ねずみ講)として法律で禁じられており、加入や勧誘そのものが罰則の対象になりえます。
この記事は、LINEグループでマイニング関連の投資を勧められている人、すでにプランを買った人、友人を誘うよう言われている人に向けたものです。消費者庁の特定商取引法ガイド、e-Gov法令検索の条文、国民生活センターと青森県消費生活センターの相談事例をもとにまとめました。個別のグループや事業者を違法と断定するものではありません。
マイニング関連の勧誘がLINEグループで広がるときは、知人の紹介から始まることが少なくありません。国民生活センターが2018年に公表した事例では、久しぶりに会った友人から「海外の事業者のスーパーコンピューターに出資すれば3カ月で元がとれる」「人を紹介すると仮想通貨でマージンが入る」と誘われ、友人の口座に振り込んだという相談が紹介されています。
2024年の国民生活センターの注意喚起でも、20歳代の男性が知人に誘われて副業グループの説明を聞き、暗号資産の自動売買ソフトを買ったものの利益が出なかったという事例が載っています。このケースでも、誰かを勧誘すると紹介料がもらえるという話が出ていました。
警察庁の資料では、SNS型投資詐欺でバナー等の広告やダイレクトメッセージを入口とした被害のうち、約9割がLINEに誘導されていました。入口が知人の紹介であっても広告であっても、LINEグループは話を大きくする場として使われやすいと考えておくとよいでしょう。
紹介報酬つきの投資話は、報酬の出どころによって当てはまる法律が変わります。どれに当たるかは契約の中身しだいなので、最終的な判断は消費生活センターや弁護士に委ねるとして、目安を表にまとめます。
| 仕組みの形 | 主に関係する法律 | ポイント |
|---|---|---|
| マイニング機器の利用権やプランなどを買わせ、次の購入者を紹介すると報酬が出る | 特定商取引法(連鎖販売取引) | 1円以上の負担があり、紹介による利益(特定利益)をうたえば該当しうる。書面交付義務やクーリング・オフがある |
| 出資金を集め、マイニング事業の収益を分配するとうたう | 金融商品取引法(集団投資スキーム) | ファンドの募集には原則として登録が必要。無登録なら関わらないよう金融庁が注意喚起 |
| 実体のある事業がなく、後から入った人のお金で先の人に配当する | 無限連鎖講の防止に関する法律 | 開設・運営だけでなく、加入や加入の勧誘も禁止されている |
消費者庁の解説によれば、お金を出させる名目が入会金でも保証金でも商品代でも、取引に加わる条件として何らかの金銭負担があれば連鎖販売取引の対象になります。「プラン代」「ノード代」「アカウント有効化費用」などの呼び方でも、紹介報酬と組み合わさっていれば同じ目で見てよいということです。
一方、グループ内で「マイニングはしていないが、紹介が続けば配当が出る」といった説明が出てくるなら、それは事業の収益ではなく参加者の資金が回っている可能性を示します。無限連鎖講の防止に関する法律は、この種の配当組織を、終局において破たんすべき性質のものとしています。
グループの中では、判断を急がせる投稿が繰り返されます。次のような投稿を見かけたら、内容を一度メモに書き写して、冷静に読み直してみてください。
連鎖販売取引に当たる場合、事業者は契約の前に「概要書面」を、契約の後に「契約書面」を渡さなければなりません。契約書面には、クーリング・オフについての事項を赤枠の中に赤字で記載することも決められています。LINEで画像やPDFが流れてきただけで、統括者の名称・住所・電話番号が書かれていないなら、その時点で説明が足りていないと言えます。
すでにプランを買った場合でも、連鎖販売取引に当たるなら特定商取引法のルールが使えます。
法定の書面を受け取った日、または商品を受け取った日のうち遅いほうを初日として20日間は、はがき等の書面やメールで解除を通知できます。勧誘した側がうその説明や脅すような態度で解除を思いとどまらせたときは、20日が過ぎた後でも解除が認められます。書面に不備がある、そもそも書面を受け取っていないといった事情があるときも、期間の数え方に影響することがあるため、日数が過ぎたと思っても諦めずに相談してください。
クーリング・オフの期間が過ぎた後も、連鎖販売契約は将来に向かって解除できます。さらに、入会して1年がたっておらず、受け取って90日以内で使っていない商品であれば、その商品の売買も解除の対象になります。
勧誘のときの説明がうそで、それを本当だと思い込んで申し込んだ場合や、大事な事実をわざと伏せられていた場合は、申込みそのものを取り消せます。
青森県消費生活センターが紹介した事例では、知人の紹介で暗号資産の投資システムを契約した人がクーリング・オフを通知し、事業者から返金の連絡があったと報告されています。ただし、事業者の所在地や連絡先がわからない海外の業者の場合は、消費生活センターでも扱いが難しく、金融庁の相談窓口を紹介することになるとも書かれています。通知を送る相手を特定できるかどうかが、実際には大きな分かれ目になります。
グループの中で「紹介すればすぐ元が取れる」「家族にも教えてあげて」と言われても、声をかける前に立ち止まってください。
すでに誰かを誘ってしまった場合は、その人にも事情を伝え、一緒に消費生活センターへ相談するのが現実的です。自分だけで返金の責任を背負い込まず、仕組みを作った側への対応を専門の窓口と考えましょう。
いったん退出すると、過去の投稿や管理者のアナウンスは見返せなくなります。抜ける前の段階で、次の5点を手元に残しましょう。
トーク履歴はLINEの機能でテキストとして書き出せますが、画像は含まれません。スクリーンショットと合わせて残す方法は証拠の残し方を参考にしてください。
書面で送るなら特定記録郵便や内容証明郵便、メールで送るなら送信済みのメールを保存しておくことが、消費者庁のガイドで勧められています。通知の宛先は、書面に書かれた統括者や販売業者です。LINEのメッセージだけで済ませず、形が残る方法を選びましょう。
相談のときは、誘われた日、支払った日と金額、書面を受け取った日の3つを伝えると、使える制度の判断が早くなります。入口ごとの違いを知りたい人は仮想通貨マイニング投資詐欺の見分け方を、知人からの紹介で誘われた暗号資産の話は友人に「ビットコインで必ず儲かる」と誘われたらにまとめています。手続きの全体の流れは相談の流れをご覧ください。
A. 仕組みによって異なります。商品や権利の販売に紹介報酬がつく形なら連鎖販売取引として特定商取引法のルールに従う必要があり、後から入った人のお金を配るだけの形なら無限連鎖講として加入や勧誘が禁止されています。どちらに当たるかは契約内容で決まるため、188で相談してください。
A. 法律で決められた事項が書かれた書面を受け取った日から数えます。統括者の名称・住所・電話番号やクーリング・オフの記載が欠けているなど、書面に不備がある場合は期間の扱いが変わることがあります。日数だけで判断せず、消費生活センターに書面を見せて相談してください。
A. 解約の通知を送る相手が特定できないと、国内の制度を使うのは難しくなります。支払いの記録とグループの記録を残したうえで、#9110や188、金融庁の金融サービス利用者相談室に相談してください。運営元が海外だと説明されている場合、越境消費者センター(CCJ、国民生活センター)も相談先の候補です。
A. まず友人に状況を伝え、追加の支払いや次の勧誘を止めてもらいましょう。そのうえで、二人それぞれの支払い記録を持って消費生活センターに相談するのが現実的です。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。