仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
知らない番号から「マイニング機械を1台買えば、海外のデータセンターで運用して毎月収益を送る」「マイニング事業に出資しませんか」と電話がかかってきたら、まず何を買わされようとしているのかを聞き分けてください。機械そのものを買う話なのか、事業への出資なのか、暗号資産を買う話なのかで、確かめるべき登録と、契約後に使えるルールが違います。機械などの販売を電話で持ちかけられたケースは特定商取引法の「電話勧誘販売」に当たりえ、法定の書面が届いた日を含めて8日間は無条件で解除できます。出資を集めて収益を分配する話であれば、金融商品取引法の登録が原則として必要です。
この記事は、電話でマイニング関連の投資を勧められた人、電話の後に契約や支払いをしてしまった人、親が勧誘を受けているかもしれないと心配する家族に向けています。消費者庁の特定商取引法ガイド、金融庁、国民生活センター、警察庁の公開資料をもとに整理しました。記事の内容は一般的な注意点で、電話をかけてきた個別の会社を詐欺と決めつけるものではありません。
電話でのマイニング関連の勧誘は、話の組み立てによって大きく3つに分けられます。電話口ではこれらが混ざって語られることが多いため、「結局、私は何にお金を払うのですか」と一度聞き直すのが近道です。
| 型 | 電話での言い方の例 | お金の行き先 |
|---|---|---|
| 機械購入・預け運用型 | 「マイニングマシンを買っていただき、当社が海外の施設で預かって稼働させます」 | 機械の代金と、保管・電気代などの管理費 |
| 出資・ファンド型 | 「マイニング事業の出資者を募集しています。収益を毎月分配します」 | 事業者への出資金 |
| 暗号資産・権利購入型 | 「採掘された新しいコインを先行価格で買える権利があります」 | 暗号資産やトークン、その権利の代金 |
どの型でも、電話勧誘をする事業者は、勧誘に先立って自社の名称、勧誘者の氏名、商品の種類、勧誘目的であることを告げなければならないと特定商取引法で定められています(第16条)。最初にこれらを名乗らない電話は、それだけで警戒してよい理由になります。
型が分かったら、それぞれ次の公的な情報と照らし合わせます。電話口で「金融庁に届け出ている」と言われても、名称と番号を自分で調べるまでは信用しないでください。
金融庁の説明では、複数の人からお金を集めて何かの事業にあて、そこから出た利益を配る仕組みの権利は「集団投資スキーム(ファンド)持分」と呼ばれ、法的形式や事業の内容を問わず金融商品取引法の対象になるとしています。その募集を業として行うには、原則として第二種金融商品取引業の登録が必要です。登録や届出の有無は、金融庁の「金融事業者一括検索」で名称や電話番号から探せます。金融庁に寄せられた相談事例には「金融庁の認可を受けているがファンドに出資しないか」と勧誘されたものや、「紹介者にもメリットがあり出資者も損はしない」と誘われたものが挙げられています。
暗号資産の売買や交換を仲介する事業者は、金融庁・財務局への登録が必要です。金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」に、登録番号、本店所在地、代表電話番号、取り扱う暗号資産が載っています。電話で案内されたコインが、どの登録業者の取扱い一覧にもない場合は、とくに慎重に考えたほうがよいでしょう。
機械の販売は、それ自体に金融庁の登録は要りません。代わりに、電話勧誘販売としての書面の交付やクーリング・オフのルールがかかります。確認の中心は次の見出しで説明する「機械が実在し、自分のものになるか」です。
「買った機械を海外で預かって運用する」という契約は、機械が本当にあるのか、自分の所有物として管理されているのかを、購入者が自分の目で確かめにくいのが特徴です。電話の相手に、次の点を書面で出してもらえるか尋ねてみてください。
bitcoin.orgのFAQは、参加者が増えるほど報酬を得る難しさが自動的に上がり、マイニングは利益の保証がない競争の激しい分野だと説明しています。「毎月◯万円を確約」という説明と、この仕組みの説明が合っているかを比べてみるのも一つの確かめ方です。
なお、事業者から「事業として買う契約なので特定商取引法は関係ない」と言われる場合があります。営業のための契約は法の適用除外ですが、当てはまるかどうかは契約の実態で判断されます。個人が勧誘を受けて買った場合、自分で結論を出さずに消費生活センターに確認してください。
電話の勧誘は、一本では終わらないことがあります。国民生活センターが2018年に紹介した相談事例では、システム会社を名乗るA社から「B社の暗号資産の自動売買システムが欲しいが、B社からメールが届いた人しか買えない」と電話があり、届いたメールをきっかけに高額な購入代金の立て替えを求められるという、複数の会社が登場する流れが報告されています。
マイニングの話でも、次のような組み合わせには気をつけてください。
固定電話に投資の勧誘がかかりやすい家庭では、留守番電話に設定して、知らない番号には出ないようにしておくと安心です。最近、見慣れない会社の封書や宅配便が届く、通帳から定期的に引き出しがあるといった変化があれば、責めずに「どんな電話が来ているか」を一緒に確認しましょう。警察庁の資料によると、令和7年には犯行に使われた固定電話番号539件と050で始まるIP電話番号1,320件が利用停止されています。かかってきた番号を警察に伝えることにも意味があります。
電話を切った直後にやっておくと、後で役に立つことをまとめます。
相手から郵送された資料があれば、封筒ごと保管します。記録の残し方は証拠の残し方も参考にしてください。
電話勧誘販売に当たる契約なら、法定の書面が届いた日を1日目として8日目までに、はがきや内容証明郵便、メールで解除を通知すれば足ります。事業者がクーリング・オフについてうそを言ったり威迫したりして妨げた場合は、8日を過ぎても解除できます。通知は特定記録郵便や内容証明郵便で送るか、送信したメールを保存しておくことが勧められています。事実と違う説明を信じて契約したときの取消し(第24条の3)や、通常必要な量を著しく超える購入の解除(第24条の2)という手段もあります。
ファンド型の出資は、無登録の事業者であれば金融庁が一切関わらないよう呼びかけている取引です。払ったお金を取り戻せるかは相手の実態しだいで、確実な方法はありません。支払いの記録と契約書類をそろえ、警察と消費生活センター、必要に応じて弁護士に相談してください。
契約後に「解約すると違約金がかかる」「今やめると損をする」と引き止められても、解約の可否は法律と契約書で決まります。電話口の言葉だけで判断しないでください。
相談のときは、電話のメモ、受け取った書面、支払いの記録を手元に置いてください。抜けがないか確かめるにはチェックリストが便利です。SNSやアプリ経由の誘いとの違いは仮想通貨マイニング投資詐欺の見分け方、電話で暗号資産そのものを勧められたケースは電話で「ビットコインは必ず儲かる」と勧誘されたらで扱っています。
A. 電話勧誘販売に当たる場合は、法律で決められた書面を受け取った日から8日以内なら、書面か電子メールなどで解除できます。事業者が「事業用なので対象外」と言っても、実態で判断されるため、188に契約書を見せて確認してください。
A. 金融庁の「金融事業者一括検索」に会社名や電話番号を入れて探します。ファンドの募集には原則として金融商品取引業の登録が必要で、無登録の業者からの勧誘には関わらないよう金融庁が呼びかけています。
A. 特定商取引法第17条は、契約しない意思を示した人への再勧誘を禁じています。断った日時をメモし、着信拒否を設定したうえで、続くようなら188か#9110に相談してください。
A. 解約の通知は契約した本人の名前で出すのが基本ですが、家族が手続きを手伝うことはできます。書面を受け取った日を確かめ、8日以内かどうかを早めに188で相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。