電話で突然連絡が来た宅配業者を装ったSMSの証拠保全方法
電話で突然連絡が来た宅配業者を装ったSMSに注意が必要なケース n 電話で突然連絡が来た宅配業者を装ったSMSのような状況に遭遇した場合、その内容に不審な点がな…
X(旧Twitter)で「電気代の補助金はこちらから申請」「未受領分がまもなく失効」といった投稿を見ても、リンクから手続きをする必要はありません。2026年7月から9月使用分を対象にした国の「電気・ガス料金支援」は、利用者の申請が不要で、契約している電力会社などが毎月の料金から自動で値引きする仕組みです。
この記事は、Xで電力会社や国を名乗る電気代の案内を見かけた人、すでに投稿のリンク先で名前や番号を入れてしまった人を想定しています。資源エネルギー庁の公表内容をもとに制度の中身を確認し、便乗した偽の案内の見分け方と、入力後の対処を整理します。投稿に名前を使われる電力会社は、なりすまされる側であることが多い点も念頭に置いてお読みください。
資源エネルギー庁の特設サイトによると、この支援は、燃料の輸入価格の上昇が料金に反映されていくことを見込み、使用量が増える7月から9月に電気・ガス料金の負担を和らげる目的で実施されています。値引きの単価は次のとおりです。
| 対象 | 2026年7月・9月使用分 | 2026年8月使用分 |
|---|---|---|
| 電気(低圧・主に家庭) | 1kWhあたり3.5円 | 1kWhあたり4.5円 |
| 電気(高圧・主に企業) | 1kWhあたり1.8円 | 1kWhあたり2.3円 |
| 都市ガス | 1㎥あたり14.0円 | 1㎥あたり18.0円 |
「7月使用分」とは、原則として7月中の検針日から8月中の検針日までの使用分を指します。一般家庭などの利用者は申請不要で、制度に参加している事業者が使用量に応じて毎月の料金から値引きします。なお、プロパンガス(LPガス)はこの支援の対象外とされています。
筆者が強調したいのは、「申請が要らない制度」について申請を促してくる案内は、その時点で制度の説明と矛盾しているという点です。細かな文面の真偽を見分けるより、この一点を覚えておくほうが確実です。
資源エネルギー庁は2026年6月25日、同庁の名をかたり、料金支援の受け取りに関するオンライン手続きを求めるメールが届いているという情報が寄せられたとして注意を呼びかけました。同庁はそうしたメールを送った事実は一切ないとし、支援にあたって電気を使う人に申請などの手続きや個人情報、手数料を求めることはないと明記しています。
特設サイトでも、値引きについて生年月日、住所、家族構成といった個人情報や手数料を求める不審な電話が発生していると注意喚起しています。メールだけでなく電話でも同じ話が持ちかけられているということです。
Xでは、こうしたメールと同じ内容が投稿や返信、広告の形で流れてくることが考えられます。災害やニュースに便乗した詐欺メールやSMSについては、迷惑メール相談センターも繰り返し注意を促しています。
「申請しないと値引きが受けられません」「今月末で受付終了」と期限を示し、リンク先で氏名や住所、口座番号、カード情報を入力させる形です。
電力会社の公式アカウントに料金や停電について質問した人に、「サポート窓口です。DMで詳しくご案内します」と別のアカウントが返信してくる形です。名前やアイコンを公式に似せていることがあります。
大きな停電や自然災害の後に、「停電の補償金を受け取れます」「被災世帯への電気代免除の申請はこちら」と投稿される形です。不安が大きい時期ほど、確かめずに押してしまいがちです。
節約術のような体裁で、リンク先で検針票の情報を入力させ、切替えの申込みにつなげる形も考えられます。
どれにも共通するのは、Xの外のページで個人情報やお金の情報を入力させようとする点です。
本当に値引きを受けられているか気になる場合は、Xの投稿ではなく、自分の使用量から目安を計算してみると安心できます。
計算例として、家庭で7月使用分が300kWhだった場合は、300×3.5円で約1,050円、8月使用分が同じ300kWhなら300×4.5円で約1,350円が値引きの目安になります。特設サイトには、使用量を入れると月々の値引き額の目安を出せる計算の機能も用意されています。
実際の値引きの表示のしかたは、契約している会社やプランによって違います。検針票や請求書、会員ページの明細を見ても分からない場合は、契約先に公式の番号で問い合わせるか、特設サイトに載っている問い合わせ窓口(0120-013-305、平日9時〜17時)に確認してください。特設サイトでは、値引きを行っている事業者を調べることもできます。
値引きの対象は「使用分」で区切られているため、9月使用分の値引きは、9月の検針日から10月の検針日までの使用にかかる請求に反映されます。つまり、制度の対象期間が終わった後の10月以降に届く請求書にも、値引きが載っていることがあります。「期間が終わったのに値引きがない」「失効した分を取り戻す手続きが要る」と不安になる前に、検針日と請求のタイミングを見比べてみてください。
また、国の支援を名乗る投稿なのに、リンク先のアドレスが「go.jp」で終わらない、見慣れないドメインになっている場合も、立ち止まるきっかけになります。ただし、短縮URLで本当の行き先が隠されていることもあるため、アドレスを見て安心するのではなく、自分で公式サイトを開き直す手順を基本にしてください。
Xを使っていない家族にも、同じ話が電話や手紙で届く可能性があります。特設サイトが注意を促している不審な電話は、まさに値引きを口実に生年月日や家族構成を聞き出そうとするものでした。こうした情報は、後から別の詐欺の電話で「ご家族の状況は把握しています」と信用させる材料に使われるおそれがあります。
家族には次の3点を短く伝えておくと、迷ったときの判断材料になります。
筆者は、細かい手口の説明より「申請は要らない」という一文だけを覚えてもらうほうが、高齢の家族には伝わりやすいと感じています。
| 渡してしまったもの | すぐにすること |
|---|---|
| 生年月日・住所・家族構成などの個人情報 | 今後の電話や訪問、郵便を警戒する。家族にも共有し、同じ話の電話には応じないよう決めておく |
| クレジットカードの情報 | 発行元のカード会社へ電話して止めてもらい、新しいカードへの切替えと明細の点検を進める |
| 銀行口座の情報やネットバンキングのID | 銀行に連絡し、パスワードの変更や不正な取引がないかの確認を依頼する |
| 「手数料」として振り込んだお金 | 振込先の銀行と警察に連絡し、口座の凍結を求める |
| 電力会社の会員IDとパスワード | 公式アプリなどからパスワードを変更し、同じパスワードを使う他のサービスも変える |
入力した日時、見た投稿のURL、アカウント名、入力したページのアドレスをメモしておくと、窓口への説明がスムーズです。記録の残し方は証拠の残し方を参照してください。
DMで電力会社の名前を使った連絡が届いたケースは、Instagramのメッセージで未払いや返金を告げられた場合の記事で扱っています。金銭の被害について個別に相談したい場合は相談予約からどうぞ。被害の回復を保証するものではありません。
A. 資源エネルギー庁によると、一般家庭などの利用者は申請不要です。制度に参加している電力会社などが、使用量に応じて毎月の料金から値引きします。申請を求める案内には応じないでください。
A. この支援は申請なしで料金から値引きされる仕組みのため、未受領分を申請で受け取るという説明は制度と合いません。リンクは開かず、気になる場合は特設サイトの問い合わせ窓口(0120-013-305)で確かめてください。
A. Xの認証マークには有料で付くものもあるため、それだけで公式とは判断できません。公式サイトからリンクされているアカウントかどうかを確かめてください。
A. 資源エネルギー庁の特設サイトでは、プロパンガス(LPガス)は今回の支援の対象外とされています。プロパンガスの値引き手続きを案内する連絡にも注意してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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