Facebookで電力会社や代理店を名乗る勧誘が来たら|乗り換え話の確かめ方

Facebookの広告やMessengerで、電力会社やその代理店を名乗る相手から「電気代が半額になります」「検針票の写真を送ってもらえれば見積もりします」と持ちかけられたら、検針票の情報は送らず、どの会社との契約になるのかを先に確かめてください。検針票に載っている番号があれば、本人が知らないうちに契約の切替えを申し込まれてしまうおそれがあります。

この記事は、Facebookで電気の料金プランの見直しや乗り換えを勧められた人、話を進めたあとで知らない会社から請求が届いた人に向けて書いています。電力・ガス取引監視等委員会、資源エネルギー庁、国民生活センターの公表情報をもとに、相手の確かめ方と、困ったときの動き方を整理します。名前を出される大手電力会社は、なりすまされている側である場合が多いことにも留意してください。

電気の契約をめぐる相談は、いまも四半期ごとに数百件

電力・ガス取引監視等委員会が2026年6月に消費者庁・国民生活センターと連名で出した資料によると、同委員会に寄せられた電気の契約トラブルなどの相談は、2024年度の7〜9月が628件、10〜12月が699件、2025年度に入っても4〜6月が545件、2026年1〜3月が591件と、四半期ごとに数百件の水準が続いています。

同じ資料では、過去の相談として、高齢の親族が解約時の違約金に気づかないまま電話勧誘で別の会社に切り替え、前の契約先から違約金を請求された例や、大学進学で一人暮らしを始めた子どもが大手電力に申し込んだつもりが、別の会社から請求書が届いた例が紹介されています。国民生活センターも、大手の電力・ガス会社を名乗って勧誘するケースがみられるとして、勧誘してきた会社と新たに契約する会社の名前や連絡先をはっきり確かめるよう呼びかけています。

これらは主に電話や訪問での勧誘の例ですが、筆者は、SNSでの勧誘でも「誰と契約することになるのか」があいまいなまま話が進む構図は同じだと考えています。

Facebookで見られる入口の形

「電気代が半額」などの広告や投稿

節約の話題や地域の情報のような体裁の広告から申込みフォームへ進ませ、氏名や住所に加えて、検針票に載っているお客さま番号や供給地点特定番号を入力させる形です。フォームの送信が、そのまま別の事業者への切替えの申込みになっていることがあります。

Messengerでの個別の案内

「◯◯電力の代理店です」「地域の皆さまに料金プランの見直しをご案内しています」と、個別のメッセージで話しかけてくる形です。やり取りの途中で「検針票の写真を送ってください」「スマートメーターの確認に契約番号が必要です」と頼まれることがあります。

料金の払い戻しや特典をかたる広告

電力会社の名前やロゴを使い、「過払い料金の返金」「ポイント還元」をうたって偽サイトへ誘導し、カード情報を入力させる形です。こちらはフィッシングにあたるため、見分け方の基本はインスタのDMで届く電力会社名義の偽案内についての記事と同じです。

Facebookの画面で見ておきたい点

  • 広告を出しているページの名前が、案内の中で名乗っている会社名と一致しているか
  • 申込みフォームのリンク先が、その会社の公式サイトのドメインか、まったく別のアドレスか
  • Messengerの相手のプロフィールに、所属する会社の名前や連絡先が示されているか
  • ページやアカウントが最近作られたものではないか

一つひとつは決め手になりませんが、会社名とページ名、リンク先がばらばらなら、その案内から申し込むのは見送り、会社の公式サイトを自分で開いて同じプランがあるかを確かめるのが無難です。

相手が本当に電気を売れる会社か、代理店かを確かめる

電気を家庭に販売できるのは、電気事業法にもとづいて登録を受けた小売電気事業者です。登録を受けた会社は資源エネルギー庁のサイトで一覧になっていて(2026年9月14日現在、計820事業者)、社名で探すことができます。

代理店と名乗る場合も、ルールの外にいるわけではありません。電気事業法第2条の13は、小売電気事業者だけでなく、契約の媒介・取次ぎ・代理を仕事として行う者にも、契約前に料金その他の供給条件を説明し、その内容を書いた書面を渡すことを求めています。さらに第2条の14は、契約が成立したときに、事業者の名前と住所、契約年月日、供給条件などを書いた書面を遅滞なく渡すよう定めています(本人の承諾があれば電子的な方法でも構いません)。

そこで、話を進める前に次の3つを尋ねてみてください。

  • 「契約の相手は、登録一覧に載っているどの会社になりますか」
  • 「あなたはどの小売電気事業者の代理店として活動していますか」
  • 「料金や解約の条件を書いた書面を、申し込む前に送ってもらえますか」

はっきり答えない、書面は契約後にしか出せないと言う、といった場合は、そこで話を止めるのが安全です。

こんな説明をされたら立ち止まる

電力・ガス取引監視等委員会は、電力の小売全面自由化にまつわる勧誘で使われがちな誤った説明を「5つの嘘」としてまとめ、こうした勧誘を受けたら同委員会に相談するよう呼びかけています。

  1. 契約した会社が倒産したら、ただちに電気が止まってしまう
  2. 規模の小さい会社と契約すると、電気が不安定になる
  3. 電力会社を変えると、新しく電線を引かなければならない
  4. スマートメーターに取り換えると費用がかかる
  5. 期限までに何もしないと、電気が止まってしまう

Facebookのメッセージでも、「今のままでは来月から電気が止まる」「手続きしないと割高な料金に自動で切り替わる」のように、不安をあおって手続きを急がせる言い方には注意してください。電気の契約は、本人が納得して選ぶものです。

検針票の情報を送る前に考えたいこと

「電気ご使用量のお知らせ」、いわゆる検針票には、切替えの手続きに必要な項目が一通りそろっています。名義人の名前、住所、お客さま番号、そして電気を使う場所ごとに割り振られた供給地点特定番号です。国民生活センターが、切り替えるつもりがないならこれらを人に伝えないよう勧めているのはそのためです。

同センターが2018年に公表した資料では、契約していた大手電力会社を名乗る電話で契約番号を尋ねられて答えたところ、知らない事業者との契約に切り替わっていたという相談や、スマートメーターの設置を名目に契約情報を聞き出されたという相談が紹介されています。切り替える意思がないなら、検針票の情報は伝えないことが最大の予防策です。

Facebookでは、写真を1枚送るだけで済むぶん、電話よりも気軽に渡してしまいがちです。送る前に、上の3つの質問に相手が答えられるかを確かめてください。

知らないうちに切り替わっていたときの手順

  1. 請求や書面の差出人を確かめる:どの会社から、いつから、どのプランで契約したことになっているのかを書き出します。
  2. 新しい契約先に連絡する:契約する意思がなかったことを伝え、契約の経緯と解約の条件を尋ねます。やり取りは日時と担当者名を記録します。
  3. 元の契約先にも連絡する:切替えの手続きがどう進んでいるかを確認し、戻す場合の手順や、違約金などが生じるかを聞きます。
  4. クーリング・オフなどを検討する:電話勧誘や訪問販売で契約した場合は、クーリング・オフなどができる場合があると国民生活センターは案内しています。Facebookから自分で申し込んだ場合は扱いが変わるため、契約の経緯が分かるメッセージや画面を持って相談してください。

身に覚えのない請求書が届いても、慌てて支払ったり、そのまま放っておいたりせず、まず上の手順で経緯を確かめてください。契約先が変わっても電気は同じ電線を通って届くため、請求書を見るまで切替えに気づかないことがあります。月に一度、検針票や明細の差出人の名前を見る習慣をつけておくと、早く気づけます。

Messengerのやり取りや広告の画面は、削除せずに保存しておきましょう。保存の手順は証拠の残し方で紹介しています。偽の広告やアカウントを見つけたときは、Facebookの報告機能で運営に知らせることもできます。

相談先

  • 電力・ガス取引監視等委員会:相談窓口の電話は03-3501-5725です(平日の9時30分から18時15分まで)。契約の切替えや勧誘のしかたに関するトラブル、事業者の法令違反の疑いを相談・情報提供できます。ウェブのフォームやチャットボットもあります。なお、この相談窓口ではあっせんや仲裁は受け付けていません。
  • 消費者ホットライン:188。地域の消費生活センターで、解約やクーリング・オフの進め方を相談できます。
  • フィッシングの報告:返金や特典をうたう広告から偽サイトに飛ばされたなら、フィッシング対策協議会へ。
  • 警察:カードの不正利用などお金の被害があれば#9110や最寄りの警察署へ。

Xで電気代の補助金をうたう投稿を見た場合は2026年夏の電気・ガス料金支援と偽ポストの記事を参考にしてください。個別の相談は相談予約から受け付けています。解決を保証するものではありません。

よくある質問

Q. Facebookで電力会社の代理店を名乗る人から連絡が来ました。本物か確かめる方法は?

A. 契約の相手になる会社の名前を聞き、資源エネルギー庁の登録小売電気事業者一覧で探してください。そのうえで、その会社の公式サイトに載っている窓口へ自分で連絡し、その代理店が実在するかを確かめると確実です。

Q. 見積もりのためと言われて検針票の写真を送ってしまいました。

A. まずは契約している電力会社の窓口へ、検針票などに書かれた番号で電話し、写真を送った経緯を説明してください。そのうえで、覚えのない会社から書類や請求が来たときは、188か電力・ガス取引監視等委員会に相談してください。

Q. 「手続きしないと電気が止まる」と言われました。本当ですか?

A. 電力・ガス取引監視等委員会は、「何もしないと電気が止まる」という説明を勧誘で使われる誤った説明の一つとして挙げています。急かされても手続きせず、契約先の窓口か同委員会に確かめてください。

Q. 知らない会社に切り替わっていました。前の会社の違約金は払う必要がありますか?

A. 契約の経緯や前の契約の条件によって扱いが変わるため、一概には言えません。新旧両方の会社に経緯を確かめたうえで、書面ややり取りの記録を持って消費生活センターや電力・ガス取引監視等委員会に相談してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。