インスタのDMからメール交換サイトへ誘導されたら|DMの残し方と登録後の手順

インスタグラムのDMで親しくなった相手から「ここでは話しにくい」「メールで続けたい」と言われ、案内されたサイトに登録した。そこでメッセージを送るたびにポイントが減っていく。この記事は、そんな状況にいる人と、登録の一歩手前で迷っている人に向けて書いています。

先に結論を書きます。登録前なら、案内されたURLは開かずにやり取りを止めるのがいちばん安全です。登録やポイント購入をしてしまった後なら、次の3つを順番に進めてください。

  1. ポイントの買い足しと送金をいったん止める
  2. インスタのDMと、移った先のサイトの画面を両方とも残す(DMは相手がアカウントを消すと見られなくなります)
  3. 支払った方法ごとに窓口へ連絡し、そのうえで188(消費生活の相談)や#9110(警察の相談)で状況を話す

相手が本当は誰だったのかを突き止めるのは、利用者の側ではほとんど不可能です。それより、手元の記録をどれだけ残せるかが、その後の相談の進み方を左右します。

インスタのDMからメール交換サイトへ移るまでの流れ

消費者庁はサクラサイトの注意喚起で、無料のSNSで好きなタレントのページを見ていた人に「本人」からメッセージが届き、別のサイトへ移ったあと、メール交換のためのポイント代として260万円を支払った事例を紹介しています。入口がSNSで、お金がかかるのは移った先のサイト、という形です。インスタグラムのDMから始まる場合も、おおむね次の順に進みます。

  1. 投稿へのいいねやフォローをきっかけに、相手からDMが届く
  2. 数日から数週間、趣味や悩みの話で打ち解ける
  3. 「インスタは運営に見られる」「DMは消されるかもしれない」などと言われ、メールアドレスの交換や別サイトへの登録を勧められる
  4. 登録は無料だが、メッセージの送信や閲覧、連絡先の交換に「ポイント」が必要になる
  5. 「あと少しで直接連絡できる」「文字化けを直す手数料が要る」など、支払いの名目が増えていく

警察庁の統計でも、DMが入口になる被害は増えています。2025年のSNS型投資詐欺では、最初の接触手段がダイレクトメッセージだった件数は3,549件で、前年から1,416件増えました。警察庁は、Instagram・LINE・FacebookのDMから始まる件数の増加を被害増加の主な要因に挙げています。投資詐欺とサクラサイトは手口が違いますが、「DMで信頼をつくり、別の場所でお金を払わせる」という骨組みは共通しています。

DMの段階で気づきたい、移動を急がせる言い方

サイトに登録する前なら、被害はまだ出ていません。DMの中に次のような言い方が出てきたら、いったん手を止めて読み返してください。

DMで言われること立ち止まって考えたい点
「インスタだと事務所や運営にチェックされる」本当に困っているなら、なぜ有料のサイトを指定するのか
「このサイトなら安全に話せる。登録は無料」登録が無料でも、送信や閲覧が有料の仕組みは珍しくない
「メールアドレスだけ教えて。こちらから招待する」招待メールのリンク先が、そのままサイトの登録画面になっていることがある
「今日中に移らないと、もう連絡できない」期限を切るのは、考える時間を与えないため
「ほかの人には言わないで」秘密にさせるのは、家族や友人に止められないため

どれか一つが当てはまっただけで相手を詐欺と決めつける必要はありません。ただ、会話を続けたいのならインスタのDMのままで十分なはずです。「わざわざ有料の場所に移る理由」を相手が説明できないなら、それ以上は進まないのが無難です。

もう一つの目安は、相手のアカウントそのものです。フォロワーや投稿が少ない、作られて間もない、プロフィールの写真がほかの人のものに見える。こうした特徴は、それだけで偽物の証拠にはなりませんが、URLを開く前の判断材料にはなります。

相手が消える前に、インスタ側の記録を残す

サイトに登録した後でも、インスタのDMは大事な記録です。「誰に、どんな言葉で、どのサイトへ誘われたか」を示せるのはDMだけだからです。ところが、相手がアカウントを削除したり、名前を変えたりすると、やり取りの画面は見られなくなることがあります。ブロックや報告をする前に、次の順で残してください。

1. 画面を撮る

  • 相手のプロフィール画面(表示名だけでなく、@から始まるユーザーネームが写るように)
  • DMの最初の1通から、サイトのURLやメールアドレスが出てくるところまで
  • 「インスタでは話せない」など、移動を勧めた発言の部分

撮った画像はスマートフォン1台に閉じ込めず、別の保存先にも複製を置いておきましょう。機種変更や故障で消える心配が減ります。

2. 自分のアカウントの情報を書き出す

インスタグラムには、自分のアカウントの情報をまとめて書き出す機能があります。Instagramのヘルプセンターによると、設定からMetaのアカウントセンターに進み、「あなたの情報とアクセス許可」の「あなたの情報をエクスポート」を選ぶと、情報の種類や期間、形式を選んでエクスポートを作成できます。準備ができたことを知らせるメールが届くまで最大30日かかる場合があり、準備ができたら4日以内にダウンロードするよう案内されています。スクリーンショットだけでは漏れが出やすい長いやり取りの控えとして使えます。

3. 残してから、報告とブロック

記録を取り終えたら、相手のプロフィールのメニューから報告し、ブロックします。順番を逆にすると、相手の画面をもう開けなくなることがあります。

証拠の残し方全般は証拠の残し方でまとめています。

移った先のサイトで、どこまで進んだかによってやること

移った先のサイトでの対応は、どこまで手続きをしたかで変わります。自分がどの段階にいるかを確かめてから動いてください。

URLを開いた・メールアドレスを伝えただけ

お金を払っていなければ、支払いの義務が生じる場面はまだ限られます。登録を促すメールや「未払い」を名乗る連絡が来ても、慌てて返信しないこと。受信したメールは消さずに専用のフォルダへ移し、そのうえで送信元を受信拒否にします。

会員登録をした

登録した日時、使ったメールアドレス、サイト名とURLをメモします。サイトの「特定商取引法に基づく表記」のページがあれば、事業者名・住所・電話番号・料金が書かれているかを撮影してください。特定商取引法は、通信販売を行う事業者に、広告で氏名(名称)・住所・電話番号・販売価格などを示すよう求めています(消費者庁の特定商取引法ガイドで概要を確認できます)。表記が見当たらない、住所が海外だけ、電話番号がない、といった点も、それ自体が相談で伝える材料になります。

ポイントを買った・お金を払った

まず買い足しを止めます。そのうえで、購入履歴の画面、ポイント残高、相手とのメッセージを保存してから、次の章の窓口に連絡します。サイトを退会するのは、記録を取り終えてからで構いません。退会するとメッセージ履歴が見られなくなるサイトもあるためです。

「退会すると相手が傷つく」「今やめると登録料が無駄になる」というメッセージが来ても、それは支払いを続けさせるための言葉として受け止めてください。

払った方法ごとの連絡先と、急ぐ順番

国民生活センターは、決済が済んでしまった後の対応として、支払い方法ごとに早めに連絡先へ相談するよう呼びかけています。急ぐ順に並べると、次のとおりです。

払った方法最初の連絡先知っておきたいこと
銀行振込振込先の金融機関と警察振り込め詐欺救済法では、振込先の口座に残っているお金が被害者に分配される可能性がある。引き出された後では支払いを受けられないため、最優先で動く
クレジットカードカードの発行会社分割払いやリボ払いで一定の条件を満たす場合、割賦販売法の「支払停止の抗弁」を申し出る方法がある(1回払いは対象外)
コンビニで買った電子マネーカードに書かれた発行元と、警察国民生活センターは、番号を相手に伝えてしまうと回収はかなり難しいと注意している。まだ使われていない残高がないか、発行元に急いで問い合わせる
携帯料金と合算(キャリア決済)契約している携帯電話会社請求月・金額・サイト名を控えてから連絡する

金融庁は、振り込め詐欺救済法の対象について、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺でも預金口座への振込で被害にあった場合は対象になると説明しています。サクラサイトへの振込が対象になるかは個別の事情によりますが、振込で払ったなら、早いうちに振込先の金融機関へ事情を伝えておくことに損はありません。

カードの手続きについてはカード払いの取り消し・返金の考え方も参考にしてください。どの窓口に連絡しても、お金が戻ると決まるわけではない点は理解しておいてください。そのうえで、動き出しが早い人ほど選べる手段が多く残る、という点はどの支払い方法にも当てはまります。

相談先と、相談の前に手元に揃えるもの

相談先は目的で使い分けます。

  • 188(消費者ホットライン):住まいの地域の消費生活センターなどを案内してもらえる番号です。サイトとの契約をどう整理するか、返金をどう求めるかの助言がほしいときに。
  • #9110(警察の相談窓口):うそを言われて支払わされた、おどすような連絡が続く、という場面で。振込の被害は警察への届け出と金融機関への連絡を並行して進めます。
  • 弁護士:金額が大きい、事業者と直接やり取りしたくない、といった場合。費用が心配なら法テラスで立替制度の条件を確認できます。

相談の前に、次のものを一つのフォルダにまとめておくと話が早く進みます。

  1. インスタの相手のユーザーネームと、DMのスクリーンショット
  2. 移った先のサイト名・URL・登録日と、登録したメールアドレス
  3. 特定商取引法に基づく表記のページの画像(なければ「なかった」とメモ)
  4. 支払いの一覧(日付・金額・支払い方法・名目)と、その合計
  5. 相手に約束されたことと、それが果たされなかった経過のメモ

一覧の作り方は相談前チェックリスト、メール誘導型サクラサイトの全体像はメール誘導型サクラサイトの手口と対処法で説明しています。芸能人を名乗るDMだった場合はインスタで芸能人からDMが来たときの確かめ方も読んでみてください。

よくある質問

Q. インスタのDMの相手にメールアドレスを教えただけです。何かされますか?

A. アドレスを教えただけで支払いの義務が生じるわけではありません。ただ、勧誘や登録を促すメールが増えることはあります。届いたメールのリンクは開かず、受信拒否の設定をしてください。「未払い」をうたう請求が来ても、支払う前に188へ相談を。

Q. 相手がインスタのアカウントを消してしまいました。DMはもう残せませんか?

A. 相手がアカウントを削除すると、画面上でやり取りを見られなくなることがあります。撮っておいたスクリーンショットや、通知メール、移った先のサイトのメッセージ履歴など、残っているものを集めて相談に持っていきましょう。

Q. メール交換サイトを退会すれば、払ったお金は戻りますか?

A. 退会しても、それだけで支払ったお金が戻るわけではありません。退会の前に購入履歴やメッセージを保存し、支払い方法ごとの窓口と188に相談してください。返金につながるかは個別の事情によります。

Q. インスタで報告すると、相手に通知されますか?

A. Instagramのヘルプでは、知的財産権の侵害の報告を除き、報告は匿名で行われると案内されています。報告の前に、相手のプロフィールとDMの画面を残しておくことを忘れないでください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。