占い詐欺は警察に相談できる?#9110・被害届・告訴の違い

占い詐欺かもしれないと感じたとき、警察に相談することはできます。ただし警察は犯罪を捜査する機関で、支払ったお金を取り戻す交渉を代わりにしてくれるところではありません。返金を求めるなら消費生活センターや決済手段側の手続きを、相手を処罰してほしい・脅されていて怖いという場合は警察を、と役割を分けて考えると動きやすくなります。

この記事は、警察に行くべきか迷っている方、行く前に何を準備すればいいか知りたい方に向けて、相談の窓口、被害届と告訴の違い、持っていく資料、並行して進める手続きを順に説明します。2026年9月24日時点の法令と警察の案内に基づいています。

警察にできること・できないこと

警察への相談を考えるときに最初に押さえたいのは、警察の役割は刑事事件の捜査であり、民事上のお金のやりとりには原則として立ち入らないという点です。

警察にできること警察の役割ではないこと
被害届・告訴を受け、犯罪として捜査する本人に代わって事業者と返金交渉をする
脅迫や付きまといなど、身の危険への対応支払ったポイント料金の返金を命じる
犯罪に使われた疑いのある口座などの情報を扱う契約の取消しを代わりに主張する

占いの結果が外れた、思ったより高かった、というだけでは刑事事件として扱うのは難しいのが一般的です。一方で、事実と異なる説明でお金を払わせた疑いがある、脅すような連絡が来ているといった事情があれば、相談する意味は十分にあります。

国民生活センターも、占いサイトで不審に思ったりトラブルに遭ったと感じたりしたら、消費生活センターや警察、弁護士会へ相談するよう呼びかけています。

詐欺罪(刑法第246条)と占いトラブルの関係

刑法第246条第1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」と定め、第2項は同じ方法で財産上不法の利益を得た場合も同様としています。

一般に詐欺罪は、だます行為、それによる相手の誤解、誤解に基づくお金などの交付、という一連の流れがそろって成り立つと説明されます。占いのトラブルに当てはめると、次のような事情が捜査の検討材料になり得ます。

  • 最初から結果を出すつもりがないのに「必ず宝くじの高額当選に導く」と約束していた疑い
  • 病気や余命など、事実かどうか分からない話でお金を出させた疑い
  • 鑑定士とされる人物が実在せず、同じ文面が多数の人に送られていた疑い

ただし、詐欺罪が成り立つかどうかを判断するのは捜査機関と裁判所です。本人や家族の側で「詐欺に違いない」と決めつけるより、起きた事実を時系列でそろえて伝えるほうが、話を聞いてもらいやすくなります。

#9110・110番・警察署・オンライン窓口の使い分け

窓口使う場面
110番今まさに危険がある。自宅に来ると言われた、脅されているなど緊急の場合
#9110(警察相談ダイヤル)緊急ではないが、悩みや不安を相談したい。相談内容に応じて窓口を案内してもらえる
最寄りの警察署被害届や告訴を出したい。資料を持って直接相談したい
オンライン受付ネット上の詐欺などのサイバー事案について、情報提供や相談をしたい

警視庁の案内では、#9110は犯罪や事故がまだ起きていない段階の悩みごとを受け付ける番号で、相談は最寄りの警察署でも直接受け付けています。通話料はかかります。受付時間は都道府県警察ごとに決まっているため、つながらないときは住んでいる地域の警察本部のウェブサイトで確認してください。

警察庁の「サイバー事案に関する相談窓口」では、生命に関わる緊急の場合は110番、被害の届出は最寄りの警察署へ、と案内したうえで、e-Govの電子申請を使ったオンラインでの届出・相談・情報提供の仕組みも紹介しています。占いサイトでのやりとりのように証拠の多くが画面上にあるケースでは、まずオンラインや#9110で相談し、被害届を出すなら警察署に出向く、という順番が現実的です。

被害届と告訴はどう違うか

被害届

犯罪の被害に遭ったことを警察に申告するものです。犯罪捜査規範第61条は、警察官は犯罪による被害の届出をする者があったときは、管轄区域の事件かどうかを問わず受理しなければならないと定めています。口頭の届出の場合は、被害届に記入を求めるか、警察官が代わりに書くとされています。

告訴

被害者などが捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思を示すものです。犯罪捜査規範第63条は、司法警察員たる警察官は告訴を受理しなければならないと定めています。告訴は処罰を求める意思まで含む点で、被害届より一歩踏み込んだ手続きです。告訴状の作成を弁護士に頼む方法もあります。

「相談」で終わることもある

窓口では、話を聞いたうえで「まず相談として記録する」「消費生活センターにも相談を」と案内されることがあります。そのときは、担当者の名前と部署、相談した日時をメモし、後日追加の資料を持って再度相談できるか確認しておきましょう。準備の詳細は警察に被害届を出す前の準備にまとめています。

警察への相談を優先したい場面

占いサイトのトラブルの多くは、まず消費生活センターで相談するのが近道です。ただ、次のような事情があるときは、編集部は警察への相談を後回しにしないよう勧めます。

  • 身の危険を感じる言葉がある:「家に行く」「家族に知らせる」「払わないと大変なことになる」など、脅しと受け取れる連絡が来ている。
  • 個人情報をたてに支払いを迫られている:登録した住所や勤務先を持ち出して、支払いを続けるよう求められている。
  • 支払いを止めても請求が続く:やりとりをやめた後も、名目を変えた請求や督促が届く。
  • 未成年や高齢の家族が巻き込まれている:国民生活センターの事例には10代の電話占いの相談もあり、判断を本人だけに任せにくい場合がある。
  • 同じ振込先に何度も送金している:振込先口座の情報は、警察にとっても金融機関にとっても重要な手がかりになる。

国民生活センターは2020年の占いサイトの注意喚起を、消費者庁や内閣府消費者委員会とともに警察庁生活安全局生活安全企画課にも情報提供しています。占いサイトのトラブルは、行政と警察の双方が把握している問題だということです。

相談するとき、「警察に言うと鑑定の効果が消える」「誰にも話してはいけない」と相手に言われていても、気にする必要はありません。そうした言葉自体が、第三者への相談を妨げるためのものである可能性があります。

警察に持っていく資料

警察では「誰が、いつ、どのように、何を言って、いくら払わせたか」を具体的に聞かれます。消費生活センター向けの準備と重なる部分もありますが、警察の場合は相手に関する情報とお金の流れを特に厚めにそろえます。

  1. 時系列メモ:登録から最後の支払いまでを日付順に1枚にまとめたもの
  2. 相手の情報:サイト名・URL、鑑定士の名前、運営会社として表示されている名称と住所
  3. お金の流れ:振込先の銀行名・支店名・口座名義、カード明細の加盟店名、電子マネーのレシートとカード番号
  4. やりとりの記録:スクリーンショットの印刷と、元のデータが入ったスマートフォン本体
  5. 脅しの記録:「払わないと不幸になる」「家に行く」などの文面や着信履歴

印刷した資料は2部用意し、1部を自分の控えにしておくと、再相談のときや消費生活センター・弁護士に相談するときにもそのまま使えます。スマートフォン本体の中身を確認したいと言われることもあり得るので、出かける前にバックアップを取っておくと安心です。話すときは、推測や感想よりも「いつ、何と言われ、いくら払ったか」という事実を先に伝えてください。

画面の保存は、退会する前に済ませておくのが鉄則です。保存の方法は証拠の残し方で解説しています。

警察への相談と並行して進める返金の手続き

警察に相談しても、それだけでお金が戻るわけではありません。取り戻しにつながる手続きは、支払い方法ごとに自分で進める必要があります。

銀行振込で払った場合

振込先の金融機関に連絡し、口座が犯罪に使われている疑いを伝えます。金融庁によると、振り込め詐欺救済法は預金口座への振込みが使われた詐欺被害が対象で、金融機関が犯罪利用の相当な理由を認めた口座は、名義人の権利を消滅させたうえで残高が被害者に分配されます。預金保険機構のウェブサイトで公告される申請期間(30日以上)を過ぎると申請できないため、口座情報は早めに伝えてください。分配金を受け取れるまでには半年以上を要するのが通例とされ、被害者が複数いれば残高を按分するため、払った額がそのまま戻るわけではありません。

電子マネー・カードで払った場合

現金の手渡しや電子マネーなど、口座を通さない支払いは救済法の対象外です。電子マネーは発行会社へ、カードはカード会社へ、それぞれ早めに連絡します。警察に相談した日付や担当部署を伝えられると、金融機関やカード会社に事情を説明するときの助けになることがあります。

返金の話し合いについては消費生活センターへの相談方法、全体の流れは占い詐欺の完全ガイドを参考にしてください。

よくある質問

Q. 占い詐欺を警察に相談したら、お金は返ってきますか?

A. 警察は捜査をする機関で、返金の交渉を代わりにするところではありません。振込なら金融機関への連絡と振り込め詐欺救済法の手続き、カードならカード会社への相談を並行して進めてください。

Q. 被害額が少なくても警察に相談していいですか?

A. 金額にかかわらず相談はできます。緊急でなければ#9110で相談し、窓口を案内してもらうのが気軽な方法です。脅されているなど危険がある場合は110番してください。

Q. 被害届を受け付けてもらえないことはありますか?

A. 犯罪捜査規範第61条は、犯罪による被害の届出があれば受理しなければならないと定めています。ただ、窓口で話を聞いた結果、まず相談として扱われることもあります。担当者名と日時を控え、資料をそろえて再度相談しましょう。

Q. 「警察」や「弁護士」を名乗って返金を持ちかける連絡が来ました。

A. こちらから相談していないのに届く返金の案内には応じないでください。手数料や保証金を求められたら特に注意が必要です。警察署や相談窓口の番号を自分で調べてかけ直し、確かめてください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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詐欺返金相談ナビの相談前整理事例

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。