占いの無料トライアル後に自動課金|特商法の最終確認画面と取消し

「無料」「お試し」と書かれた占いに申し込んだら、数日後に月額料金が引き落とされていた。こうしたトラブルでまず確かめたいのは、申込みボタンを押す直前の画面(最終確認画面)に何が書かれていたかです。

2022年6月1日に施行された改正特定商取引法により、インターネット通販の事業者は、最終確認画面に分量、代金、支払時期、提供時期、申込期間、解約に関する事項などを表示することが義務づけられました(第12条の6)。表示がなかったり、誤認させる表示があったりして、そのせいで誤解して申し込んだ場合は、申込みを取り消せる場合があります(第15条の4)。

この記事は、占いの無料トライアルから自動で有料課金に移った人に向けて、表示のルール、取消しを主張する手順、ストア経由の課金との違いを説明します。内容は2026年9月24日時点の法令と公的資料にもとづいています。

占いの無料トライアルが有料に切り替わる仕組み

占いサービスの「無料トライアル」は、一般に、最初の一定期間は料金がかからず、期間が終わると自動で有料の定額課金に移る形の契約です。申込みの時点でカードなどの支払い方法を登録する仕組みなら、何もしなければそのまま請求が始まります。

国民生活センターが2020年11月に公表した占いサイト・アプリのトラブル資料にも、「無料と思って占いアプリをインストールしたが、無料で利用できるのは最初の3日間だけだった」という相談が挙がっています。占い以外でも、「初回無料」「お試し」をうたう通信販売の定期購入トラブルは多く、同センターの集計では、通信販売の定期購入(商品)に関する相談は2025年度に93,065件ありました。

無料期間からの自動移行そのものは、条件が正しく表示されていれば違法ではありません。問題になるのは、いつから・いくら払うことになるのかが分かりにくく表示されていた場合です。

最終確認画面に表示しなければならないこと

特定商取引法第12条の6は、インターネットで申し込ませる「特定申込み」の画面に、次の事項を表示するよう事業者に求めています。消費者庁の特定商取引法ガイドの整理にそって並べます。

表示が必要な事項占いのサブスクで言えば
分量提供期間、期間内に使える鑑定の回数など
販売価格・役務の対価トライアル後の月額・週額、年額プランの金額
代金の支払時期・方法いつ課金されるか、カードかキャリア決済か
役務の提供時期鑑定やコンテンツがいつから使えるか
申込みの期間の定め(ある場合)「本日限り」などの期限があればその内容
申込みの撤回・解除に関する事項解約の方法、期限、条件

消費者庁の「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」は、サブスクリプションについてさらに踏み込んでいます。無償または割引の期間を経て自動的に有償契約へ移るものは、有償に移る時期と、支払うことになる金額が明確に分かるよう、あらかじめ表示する必要があるとしています。無期限のサブスクリプションならその旨を明確にし、自動更新がある契約なら自動更新であることも表示する必要があるとされ、1年分の支払額など期間を区切った目安を示すことが望ましいとも書かれています。

「誤認させる表示」に当たるおそれがある例

同法第12条の6第2項は、申込みになることや、上の表示事項について人を誤認させる表示を禁じています。ガイドラインから、占いの無料トライアルに当てはまりそうな指摘を抜き出します。

  • 「お試し」「トライアル」を殊更に強調する表示:試しの契約だ、簡単に解約できる、と受け取られやすいため、実際には定額課金になっていたり解約に条件があったりすると、誤認させる表示に該当するおそれが強いとされています。
  • 「いつでも解約可能」と強調しながら条件がある表示:文字どおり無条件で解約できると受け取られるため、条件を付けているなら誤認させる表示に当たるおそれがあるとされています。
  • 初回の条件だけ大きく、後の条件を小さく離れた場所に書く表示:定期的な契約ではないと誤認させる場合は、禁止される表示に該当するおそれがあるとされています。
  • 解約の方法を特定の手段に絞る場合:電話したうえでメッセージアプリの操作も必要、受付時間が限られているなど、利用者が想定しにくい制限は、リンク先に任せず最終確認画面でも明確に表示する必要があるとされています。
  • 表示した電話番号がつながらない場合:解約の電話を受け付けるとしていながら一切つながらない、折り返しの連絡がないといった場合は、解約に関する事項の不実表示に当たるおそれがあると書かれています。

該当するかどうかの最終判断は個別の事情によります。ただ、自分が見た画面がこれらに近いと感じたら、取消しを検討する価値があります。

誤認して申し込んだときに取消しを主張する手順

第15条の4は、表示義務違反の不実表示・不表示や、禁止された誤認表示によって誤認し、それで申し込んだ場合に、申込みの意思表示を取り消せると定めています。取消権は、追認できる時から1年、契約から5年で時効により消えます(同条第2項が準用する第9条の3第4項)。

  1. 画面を保存する:申込みページ、最終確認画面、広告、申込み完了メールを保存します。すでに画面が変わっているなら、同じ広告からもう一度申込み直前まで進み、表示を撮っておく方法もあります(申込みボタンは押さない)。
  2. 誤認した点を書き出す:「3日後に月額○円がかかると画面のどこにも見当たらなかった」など、何をどう誤解したかを具体的に書きます。
  3. 解約と取消しの意思を伝える:まず今後の課金を止める解約をし、そのうえで、特定商取引法第15条の4にもとづいて申込みを取り消す旨と返金を求める旨を、メールや書面など記録が残る方法で事業者に伝えます。
  4. 返答を記録する:返事の内容と日付を残します。返事がない、または拒否されたら、ここまでの記録を持って消費生活センターに相談します。

申し出の文面に入れておきたい項目

  • 申し込んだ日、サービス名、登録したメールアドレス
  • 最終確認画面にどう表示されていたか(または何が表示されていなかったか)
  • その表示によって、どう誤解したか
  • 特定商取引法第15条の4にもとづき申込みを取り消すこと
  • 支払った金額と、返金を求める口座や方法

取消しが認められるかどうかは、表示の内容と誤認との因果関係で判断されます。返金を約束できる手続きではありませんが、期限がある権利なので、気づいた時点で動き始めてください。保存のコツは証拠の残し方にまとめています。

App Store・Google Playのアプリ内課金だった場合

占いアプリのトライアルをApp StoreやGoogle Playのアプリ内課金で始めた場合、申込みの最終確認はストアが表示する購入画面で行われます。この場合に特定商取引法の表示義務をどう当てはめるかは、事業者とストアの役割分担など個別の事情で変わるため、この記事では断定しません。まずはストアの仕組みで止めて、返金を求めるのが現実的です。

  • これ以上の課金を止める:Appleは、トライアルの更新を望まないならトライアル終了の24時間以上前に解約するよう案内しています。すでに有料に移っていても、次回分を止めるためにすぐ解約します。手順は占いアプリのサブスク解約手順で説明しています。
  • 返金を申請する:App Storeならreportaproblem.apple.comから返金をリクエストします。Google Playなら購入から48時間以内はGoogle Playで、それ以降はアプリのデベロッパーに問い合わせるよう案内されています。
  • アプリ内の表示も保存する:アプリ内でトライアルを案内した画面(料金や更新の説明が書かれたもの)は、ストアの購入画面とは別の証拠になります。

ストアで返金されず、アプリ内の案内に誤解を招く表示があったと感じる場合は、その画面を持って消費生活センターに相談してください。

無料トライアルを始める前のチェックリスト

国民生活センターは、定期購入トラブルを防ぐために最終確認画面をスクロールして最後まで確認し、契約条件の画面をスクリーンショットで保存するよう呼びかけています。占いのトライアルに合わせると、確かめたいのは次の点です。

  • 無料期間は何日間で、何月何日の何時に有料へ移るか
  • 有料になった後の金額と、課金の間隔(週・月・年)
  • 自動更新なのか、1回きりなのか
  • 解約の方法(アプリの設定、マイページ、メール、電話)と、受付期限
  • 解約したときに、残りの期間がどう扱われるか
  • 運営者の名称、所在地、連絡先が表示されているか

編集部のおすすめは、トライアルを始めたその日のうちに、終了日の前日にリマインダーを入れることです。解約するかどうかをその時点で落ち着いて決められます。占いサイトでポイント制の課金が膨らんでいる場合は占いサイトを退会・解約できない時の対処法も参考にしてください。

よくある質問

Q. 無料トライアル後に自動で課金されました。これは違法ですか?

A. 無料期間から有料への自動移行そのものは、条件が正しく表示されていれば違法ではありません。ただし、有料に移る時期や金額が最終確認画面に表示されていなかったり、誤認させる表示があったりして誤解して申し込んだ場合は、特定商取引法第15条の4で申込みを取り消せる場合があります。

Q. 取消しはいつまでできますか?

A. 特定商取引法第15条の4の取消権は、追認できる時(誤認に気づいた時など)から1年、契約から5年で時効により消えます。期限があるので、気づいた時点で画面を保存し、早めに行動してください。

Q. 「いつでも解約できる」と書いてあったのに、解約に条件がありました。

A. 消費者庁のガイドラインは、「いつでも解約可能」と強調しながら実際には解約条件を付けている表示は、人を誤認させる表示に当たるおそれがあるとしています。その表示の画面を保存し、事業者への取消しの申し出や消費生活センターへの相談に使ってください。

Q. 占いサービスの最終確認画面を保存していませんでした。もう無理でしょうか?

A. あきらめる必要はありません。申込み完了メール、広告の画面、同じ広告から申込み直前まで進んだときの表示なども材料になります。カード明細と合わせて、消費者ホットライン188に相談してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。