インスタのDMで副業に誘われたら|友達の乗っ取りと知らない相手の見分け方

Instagramで、知らないアカウントから「在宅でできるお仕事に興味ありませんか?」とDMが届いた。あるいは、仲のいい友達のアカウントから「いい副業見つけたからLINEで話そう」と連絡が来た。この記事は、インスタのDMから副業の誘いを受けた方、とくに10代後半から20代の方を想定して書いています。

判断の分かれ目は、誰から届いたかです。知らない相手なら、返信しないで報告するのが基本になります。友達のアカウントから届いた場合は、本人がアカウントを乗っ取られていないか、DM以外の方法で確かめるのが先です。Metaは自社のヘルプで、既存のアカウントに不正アクセスして本人の友達をだまそうとする手口があると説明しています。

数字で見るInstagram起点の被害|令和7年の警察庁統計

警察庁が2026年6月に公表した令和7年の確定値では、SNS型投資詐欺の当初接触ツールとしてInstagramが最も多く、1,934件でした。ダイレクトメッセージが最初の接触手段になったケースに絞っても、Instagramは1,000件で最多です。

区分(令和7年)Instagramの件数補足
SNS型投資詐欺の当初接触ツール1,934件ツール別で1位
うちDMが当初の接触手段1,000件前年比 +83.8%
SNS型ロマンス詐欺の当初接触ツール1,288件マッチングアプリに次ぐ2位

被害が起きたときの連絡ツールは、投資詐欺・ロマンス詐欺ともにLINEが9割以上を占めています。インスタのDMで知り合い、LINEに移ってからお金の話が本格化する流れが、数字の上でも確認できます。

この統計は「投資」「ロマンス」の区分で、副業名目だけを数えたものではありません。ただ、警察庁は同じ資料の中で、DMを入口にする被害が増えていることを被害増加の主な要因として挙げています。副業の誘いでも、入口の構図は変わらないと考えておくのが無難です。

DMからLINEへ移る誘いによくある形

インスタのDMで届く副業の誘いには、いくつかの決まった形があります。どれも最終的に「詳しくはLINEで」と、Instagramの外へ移るよう求めてくる点が共通しています。

  • フォローされた直後にDMが来る。「投稿を見て素敵だと思いました。一緒にお仕事しませんか」と、褒め言葉から入るものです。
  • ストーリーズへの反応をきっかけにする。ストーリーズに返信やリアクションが付き、会話が始まった数往復後に副業の話が出てきます。
  • 「スマホだけ」「1日10分」をうたう。国民生活センターは、「“いいね”を押すだけ」「スクリーンショットを撮るだけ」などスキマ時間で簡単に稼げるかのような広告について、詐欺の可能性があるとして注意を促しています。
  • 「インフルエンサーのアシスタント募集」などの肩書きを使う。実在の有名人の名前や写真が使われていても、その人の公式な募集である保証はありません。

Metaのヘルプにも、Facebookの外へ会話を移したがる相手を警戒すべきだという趣旨の記述があります。Facebook向けに書かれたものですが、同じMetaが運営するInstagramにも通じる考え方です。プラットフォームの外に出たがる相手には、それだけで一歩引いて接してください。

友達のアカウントから副業DMが来たら、まず乗っ取りを疑う

知らない人のDMなら警戒できても、友達のアイコンと名前で届くと、つい信じてしまいます。MetaはFacebookの詐欺対策ヘルプで、詐欺の例として「既存のソーシャルメディアアカウントに不正アクセスしたりして、あなたや友達を欺いたり、金銭、個人情報、アカウントへのアクセス許可をだまし取ろうとしたりすること」を挙げています。

確かめ方

  1. DMでは返事をしない。乗っ取った側が返信してくるので、DMで「本当に本人?」と聞いても確認になりません。
  2. 別の連絡手段で本人に聞く。電話、学校や職場で直接、共通の友人経由など、Instagram以外の方法で「インスタで副業の話を送った?」と確かめます。
  3. 本人でないとわかったら知らせる。乗っ取られた本人は、Instagramのヘルプにある手順(ログインリンクのリクエストなど)でアカウントの復旧を試みることができます。

こんなメッセージは要注意

  • 「このURLから投票して」「認証コードが届いたら教えて」と、ログインにつながる操作を頼んでくる
  • いつもと口調が違う、絵文字の使い方が不自然
  • 「急いで」「今日だけ」と期限を切ってくる

認証コードやパスワードを教えると、今度は自分のアカウントが乗っ取られ、自分の名前で友達に同じ副業DMが送られることになりかねません。

10代後半〜20代がとくに気をつけたいこと

国民生活センターは、SNSをきっかけとした消費者トラブルが10〜20歳代の若者にも増えているとして、若者向けの注意喚起を出しています。その中で挙げられているポイントのうち、副業DMにかかわるものを整理します。

身分証の画像を送らない

学生証、運転免許証、健康保険証などの身分証明書の情報をSNSで送ってしまうと、後から取り戻すのは難しく、より大きなトラブルに発展することがある、と国民生活センターは指摘しています。「本人確認のため」「報酬の振込に必要」と言われても、相手の会社名や所在地を確認できないうちは送らないでください。

18歳になると一人で契約できる

成年年齢は2022年4月から18歳です。未成年のうちは、親の同意のない契約を原則として取り消せますが、18歳を過ぎるとその仕組みは使えません。国民生活センターによると、契約当事者が18歳・19歳の相談件数は2025年度に10,250件で、2021年度以降で最多でした。相談内容では「内職・副業」などお金に関するものが多いとされています。

SNSの運営会社は、利用者同士のトラブルに責任を負わないのが普通

国民生活センターは同じ注意喚起の中で、SNS運営事業者の利用規約には「SNSがきっかけでトラブルが発生しても責任を負わない」という趣旨の定めがあることがほとんどだと指摘しています。インスタで知り合った相手にお金を払っても、Instagramの運営が代わりに返金してくれるわけではありません。DMで話が合うことと、その人を信用してよいかどうかは、切り離して考えてください。

借金や画面共有を勧められたら、その場で終わりにする

国民生活センターは、20歳代を中心に、副業のサポート費用を払わせるために遠隔操作アプリで画面を共有させ、消費者金融からの借入れを指南する手口を繰り返し取り上げています。「お金がないならこの方法で」と言われた時点で、話を打ち切ってください。

DMとアカウントを報告し、自分のアカウントを守る

Instagramで報告する

Instagramのヘルプによると、コミュニティ規定に違反していると思われるプロフィールやコンテンツは報告でき、理由の選択肢には「詐欺、不正行為、スパム」があります。他人へのなりすましを理由にプロフィールを報告することも可能です。知的財産権侵害の報告を除き、報告は匿名で行われ、相手には誰が報告したかわからないと説明されています。

報告の前に、相手のユーザーネーム、プロフィール画面、DMのやり取りをスクリーンショットで残しておくと、後で相談するときに役立ちます。

LINEまで進んでいた場合

すでにLINEで友だち追加していたら、LINE側でも通報できます。トーク画面右上の[≡]→[設定]→[通報]から、理由を選んで送信します。LINEの公式ガイドは、知らない人からのメッセージを受け取らないよう[プライバシー管理]の[メッセージ受信拒否]をオンにする方法も紹介しています。

自分のアカウントの守り方

  • 二段階認証を有効にする(Metaのヘルプでも、不正アクセス対策として有効な手段の一つとされています)
  • ほかのサービスと同じパスワードを使い回さない
  • DMで届いたリンクからログインしない

LINEで話を聞いた・お金を払った後の相談先

LINEに移って話を聞いただけで、お金も個人情報も渡していなければ、ブロックと通報で区切りをつけて問題ないことがほとんどです。すでに何かを渡してしまった場合は、次のように動きます。

渡してしまったもの相談先・対応
登録料・教材費・サポート費188(消費者ホットライン)で消費生活センターへ。クレジットカードならカード会社にも連絡
銀行振込でのお金振込先の金融機関と警察(#9110)へすぐに連絡
身分証の画像・口座番号個人情報を提供してしまった場合の手順を確認
消費者金融で借りたお金借入先の貸金業者に事情を伝え、消費生活センターにも相談

未成年のうちに契約してしまった場合は、親の同意がなかったことを理由に取り消せる可能性があるので、早めに保護者と一緒に消費生活センターへ相談してください。家族が被害に気づいたときの動き方は親や家族がクリック副業にお金を払ったらも参考になります。当サイトの相談予約からも、経緯の整理についてご相談いただけます。

同じシリーズでは、Xの副業ポストからLINEへ誘導された場合やYouTubeの動画や広告から誘われた場合も扱っています。

よくある質問

Q. インスタのDMで副業に誘われました。返信しなければ問題ありませんか?

A. 返信やリンクのタップをしていなければ、多くの場合はそのまま報告・ブロックで問題ありません。Instagramではプロフィールやコンテンツを「詐欺、不正行為、スパム」などの理由で報告でき、報告は匿名で行われます。

Q. 友達のインスタから副業の誘いが来ました。どう確かめればいいですか?

A. DMで返事をせず、電話や直接会ったときなど、Instagram以外の方法で本人に確認してください。乗っ取られたアカウントから友達に同じメッセージが一斉に送られるケースもあります。本人でなければ、本人にアカウントの復旧手続きを勧めましょう。

Q. インスタで知り合った人に身分証の写真を送ってしまいました。

A. 送った画像を取り戻すことは難しいため、悪用を防ぐ手当てを優先します。身に覚えのない契約や借入れの連絡が届いていないかをしばらく注意して見ておき、不安があれば188番か#9110番に電話してみてください。個人情報を渡した後の具体的な対応は当サイトの別記事にまとめています。

Q. 高校生でも副業DMのトラブルを相談できますか?

A. はい。188番の消費者ホットラインに年齢の制限はありません。18歳未満の契約は、親の同意がなければ原則として取り消せる場合があるため、一人で抱え込まずに保護者にも伝えてください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。