マッチングアプリの料金体系|定額制とポイント制で高額課金の起きやすさは違う

これからマッチングアプリに課金しようとしている人、使っているうちに想定より支払いが増えて戸惑っている人に向けた記事です。

先に結論を書きます。高額課金になりやすいかどうかは、1か月に払う金額の上限が自分で読めるかどうかでほぼ決まります。消費者庁のインターネット消費者取引連絡会に提出された資料(2021年12月作成)は、マッチングアプリは「月額の定額制が基本」、いわゆる出会い系サービスは「メッセージの送信ごとに料金が発生する等、従量課金制のサービスが主」と整理しています。定額制なら支払いの天井が見えますが、従量課金ではやり取りが続くほど請求が増えます。自分が使うサービスがどちらの型か、課金ボタンを押す前に確かめるところから始めてください。

公的資料で整理された3つの料金の型

消費者庁の連絡会資料(三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成「マッチングアプリの動向整理」)では、ネットで相手を探すサービスを次のように比べています。個々のサービスで違いはあるものの、料金の考え方をつかむには役に立つ整理です。

サービスの型主な料金の取り方支払いの上限
結婚相談所月会費に加え、数万円以上の入会金がかかるものも少なくない契約時に総額が見えやすい
マッチングアプリ月額の定額制。1か月・3か月・6か月・12か月などのプランプラン料金+任意のオプション
出会い系サービスメッセージ送信などの行為ごとに料金がかかる従量課金制使った分だけ増える

同じ資料によると、マッチングアプリは男性が一部無料・女性が無料で使えるものが多く、男性は無料のままだとマッチング後のメッセージが1通目までに限られるなど、やり取りを続けるには有料会員になる仕組みが一般的です。男性の会費は月額の定額制で、自動更新になっていることが多いとも書かれています。

定額制のアプリにも「別払い」はある

定額制のアプリでも、検索条件の拡充、検索結果の上位表示、メッセージの既読確認といったオプションは男女とも別料金になっている場合があります。「いいね」を追加で送る、プロフィールを非表示にするといったアイテムと交換するポイントを販売しているアプリもあります。月額プランだけ見て「上限はこの金額」と考えると、オプションとポイントの分を見落とします。

定額制のアプリで支払いが膨らむ3つの経路

定額制だから安心、とは言い切れません。月額の範囲に収まらない支払いは、主に次の3つの経路から生まれます。

  1. 長期プランの一括払い:6か月・12か月プランは1か月あたりが割安に見えますが、支払いはまとめて発生します。途中でやめても残りの期間分が戻らない定めになっていることがあるため、規約で確認してから選びましょう。
  2. オプションとポイントの重ね買い:「上位表示」「いいね追加」などを都度買うと、月額プランとは別に請求が積み上がります。
  3. 自動更新:更新日を過ぎると次の期間分が自動で請求されます。使っていない月の料金に後から気づく相談は、サブスク全般でよく見られます。止め方は自動更新を止める手順にまとめました。

ほかの利用者はどのくらい払っているか

前出の資料には、20〜40代の利用経験者516人へのアンケート結果が載っています。有料で使ったことがある人は20代34.0%、30代42.7%、40代31.7%で、性別では男性64.3%、女性9.7%でした。有料利用者の1か月あたりの平均支払額は、3,000円以下が20代47.1%、30代52.3%、40代66.7%を占め、1万円を超えて払っている人は20代2.9%、30代8.0%、40代9.1%にとどまっています。2021年の調査で料金水準は今と同じではありませんが、月1万円を超える支払いは少数派という傾向は、自分の支払いを見直すときの目安になります。

ポイント制(従量課金)で請求が増えていく流れ

従量課金のサービスでは、メッセージの送信、画像の閲覧、連絡先の交換など、行為ごとにポイントを消費します。支払額を決めるのは自分の使い方だけではありません。相手が返信を続ける限り、こちらも送るたびにポイントが減っていきます。

国民生活センターのまとめでは、出会い系サイトに関してPIO-NETに登録された相談は2025年度に3,399件あり、2023年度の6,938件からは減ったものの、今も年に数千件規模で寄せられています(2026年5月31日時点の集計)。同センターが挙げる最近の事例にも、連絡先の交換や直接会うことを目当てにポイントを買い続けたのに、約束が果たされなかったという訴えがあります。

高額化する前に出やすいサイン

  • 「連絡先はもう少し話してから」と交換が先送りされ、その間もポイントを使い続けている
  • 会う日取りが決まりかけると、相手の都合で延期になる
  • 無料ポイントが尽きた直後から、相手の話題が急に魅力的になる
  • 1回の購入額が、最初に買ったときより大きくなっている

編集部の見解として、支払額を相手の返信ペースに委ねる料金体系は、月の上限を自分で決めていない限り避けたほうがよいと考えます。無料登録からポイント課金に移る仕組みそのものは出会い系の「無料登録」から高額課金になる仕組みで詳しく扱っています。

課金ボタンの前に料金画面で見る6項目

特定商取引法は、ネットで申し込みを受ける事業者に、申込みを確定する直前の画面に、サービスの分量、料金、支払う時期と方法、サービスを受けられる時期、申込みの撤回や契約解除の条件といった事項を載せることを義務づけています(第12条の6)。つまり、正規に運営されているサービスなら、これらは申込み前の画面で読めるはずです。次の6項目を画面で確かめ、分からなければ申し込まないのが安全です。

  1. 表示されている金額が1か月分か、3か月・12か月分をまとめた額か
  2. 自動更新があるか、次の更新日はいつか
  3. 解約はどの画面から行うのか(アプリ内、ストアの設定、Webのマイページ)
  4. ポイント制なら、1通・1回あたり何ポイント使うか、1ポイントがいくらか
  5. 支払い経路(App Store、Google Play、Webのカード決済、キャリア決済)
  6. 運営会社の名称・住所・電話番号(特定商取引法に基づく表記)

最終確認画面をめぐる法律上の扱いや、表示に問題があった場合に申込みを取り消せる制度は、無料ポイントが有料に切り替わる境目の解説に詳しく書きました。

業界の自主基準も判断材料になる

同じ消費者庁資料では、特定非営利活動法人結婚相手紹介サービス業認証機構のインターネット型の認証制度の基準として、「課金方式は月額料金などの定額方式とし、従量課金としていないこと」「自動更新の前に更新通知をおこなうこと」「最終確認画面を明示的に表示すること」などが紹介されています。認証の有無はサービス選びの参考になります。インターネット異性紹介事業の届出の確かめ方はマッチングアプリ詐欺の見抜き方を参照してください。

使い方別に見る、料金プランの選び方

同じアプリでも、使う目的と期間によって無理のないプランは変わります。

初めて有料会員になる人

まずは1か月プランにして、登録した当日に次の更新日をカレンダーに入れておきます。使い勝手が分かる前に長期プランを選ぶと、合わなかったときの負担が大きくなります。

短期間だけ集中して使いたい人

1か月プランを選び、申し込んだ直後に自動更新をオフにしておくと、うっかり更新を防げます。オフにしても、支払い済みの期間は使えるのが一般的です(Google Playのヘルプにも、解約しても支払った期間の終わりまでは使い続けられるという説明があります)。

半年以上続けるつもりの人

長期プランの割安さは魅力ですが、途中解約時の扱いと、更新時に同じ長期プランで自動更新されるかを確かめてから選びましょう。オプションを足す場合は「月いくらまで」と先に決めておくと、合計額が見えやすくなります。

ポイント制のサービスを使う人

月の上限額を決め、上限に達したらその月は買い足さないと決めておきます。上限の決め方や、端末側で購入のたびに認証を求める設定は課金しすぎを防ぐ設定で紹介しています。

払いすぎたと感じたら、支払い経路で次の行き先が決まる

想定以上に払ってしまったときは、まず「どこで払ったか」を確かめます。行き先が支払い経路ごとに違うためです。

どの経路でも、料金画面・購入完了画面・領収書メールのスクリーンショットは残しておきましょう。残し方は証拠の残し方にまとめています。どこに聞けばよいか迷ったら、消費者ホットラインの188番に電話すると、近くの消費生活センターにつないでもらえます。返金されるかどうかは個別の事情で変わるため、この記事で結果を約束することはできません。

よくある質問

Q. マッチングアプリは女性なら完全に無料ですか?

A. 消費者庁の会議資料では、女性は無料で使えるマッチングアプリが多いと整理されています。ただし検索の上位表示などのオプションは、男女とも別料金になっている場合があります。料金表で自分が使う機能に料金がかかるか確かめてください。

Q. 定額制のアプリなら、月額以上は請求されませんか?

A. 月額プランの料金自体は一定でも、オプションやポイントを追加で買えばその分は別に請求されます。長期プランは一度に数か月分を払う形になることもあります。プラン料金とは別に「月いくらまで」を決めておくと安心です。

Q. ポイント制のサービスは使わないほうがいいですか?

A. 使うかどうかは本人の判断ですが、支払額がやり取りの量で増える仕組みだと理解したうえで、月の上限額を先に決めることをおすすめします。連絡先交換や会う約束のたびに追加購入を求められる状態が続くなら、いったん支払いを止めて消費生活センター(188)に相談してください。

Q. 料金表や運営会社の表記が見つからないアプリはどう判断すればいいですか?

A. 特定商取引法は、ネットで申し込みを受ける事業者に、料金や解除に関する事項などの表示を求めています。申込み前に料金や運営者が確認できない場合は、課金を急がず、アプリストアの掲載情報や公式サイトの特定商取引法に基づく表記を確かめてから判断してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。