ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
「友だちの知り合いだから大丈夫」。そう思えることが、軍人を名乗る相手との関係を深める後押しになる場合があります。けれども、紹介した友人が相手の素性を知っているとは限りません。友人自身が同じ相手とやり取りしている途中かもしれませんし、友人のアカウントが乗っ取られて紹介文が送られてきた可能性もあります。
この記事では、友人の紹介や「共通の友達」がきっかけで軍人を名乗る相手と知り合った方に向けて、紹介の経路ごとの確かめ方と、とくに注意したい口座や荷物の受け渡しを頼まれる場面について説明します。お金の受け渡しに関わると、だまされた側であっても手続き上の不利益を受けるおそれがあるためです。
一口に紹介と言っても、どの経路で知り合ったかによって確かめる相手が変わります。まず自分の場合がどれに当たるかを整理してください。
| 紹介の形 | よくある場面 | 最初に確かめること |
|---|---|---|
| 友人が直接つないだ | 友人から「海外の軍人と知り合った。あなたにも紹介したい」と連絡先を渡された | 友人が相手と会ったことがあるか、相手とどう知り合ったか |
| 「友人の友人」を名乗って連絡が来た | 「〇〇さんから聞いた」とSNSでメッセージが届いた、共通の友達が多いので申請を承認した | 名前を出された友人に、本当に紹介したかを直接聞く |
| 友人のアカウントから紹介が届いた | 友人のLINEやFacebookから「素敵な人がいるから連絡してみて」とメッセージが来た | そのメッセージを友人本人が送ったかを、電話など別の方法で確かめる |
いつ、誰から、どのアプリで、どんな言葉で紹介されたのかを、覚えているうちにメモしておきましょう。紹介のメッセージが残っていれば画面を保存します。後から友人に確かめるときも、相談窓口で説明するときも、この記録が出発点になります。紹介した友人が「そんな話はしていない」と言う場合には、どこで話が食い違ったのかを突き合わせる材料にもなります。
どの形でも共通するのは、紹介されたという事実は、相手の身元の裏付けにはならないという点です。紹介は「どこで知り合ったか」を説明するだけで、相手が名乗った職業や経歴を確かめたことにはなりません。
友人が悪意を持って紹介したとは限りません。むしろ多いのは、友人自身が相手を信じ込んでいて、善意で紹介しているケースだと考えられます。
外務省は、国際ロマンス詐欺の詐欺師は単独犯とは限らず、集団で共謀して友人や弁護士、空港係官などの役を演じることがあり、1年以上かけて信頼関係を築いてからだます場合もあると説明しています。在日米国大使館のページにも、一人の人物を装って複数の詐欺師が入れ替わりで連絡してくることがある、という趣旨の記述があります。
こうした説明を踏まえると、次のような状況には注意が必要です。
当てはまる場合、友人も支援が必要な立場にいるかもしれません。友人を責めるのではなく、「私たち二人とも確かめたほうがいい」という形で話を切り出すと受け入れられやすくなります。
友人のアカウントから紹介のメッセージが届いた場合は、そのメッセージを友人本人が書いたのかを最初に確かめます。確かめ方の基本は、届いたメッセージとは別の経路で友人に連絡することです。
友人が「そんなメッセージは送っていない」と答えたら、友人のアカウントが第三者に使われている可能性があります。友人にはパスワードの変更やログイン中の端末の確認を勧め、あなたは紹介された相手との連絡を控えてください。友だちのアカウントからの不審な依頼への対応は友だちのLINEから番号を聞かれたときの記事も参考になります。
Facebookなどで、友達申請の画面に共通の友達が何人も表示されると安心しがちです。けれども、その人数は、相手の申請を承認した人がほかにもいるという意味でしかありません。承認した人たちが相手をよく知っているとは限らず、同じように声をかけられた人の集まりである可能性もあります。
友人を介した関係で特に気をつけたいのが、「お金を受け取ってほしい」「荷物を受け取って転送してほしい」「あなたの口座を少しの間使わせてほしい」といった頼みごとです。直接お金を払う話ではないため軽く考えがちですが、ここには別の危険があります。
令和7年に警察庁が集計した数字では、SNSを使った投資・ロマンス詐欺で現金などの受け取り役として摘発された304人について、加わったきっかけは「SNSから応募」が119人(39.1%)、「知人等紹介」が115人(37.8%)でした。知り合いからの紹介が、犯罪の受け取り役につながる経路の一つになっていることが分かります。
口座を貸す話にも注意が必要です。大阪府警の案内によると、通帳・キャッシュカードやネットバンキングのログイン情報を、正当な理由がないのに他人に渡すこと(受け取ることも含む)は、お金をもらったかどうかに関係なく罪に問われます。同府警は、2026年7月10日から罰則が重くなったことも伝えています。さらに、譲渡した口座が犯罪に使われると、ほかの口座まで凍結されたり、新しく口座を作れなくなったりするおそれがあるとも説明しています。
頼みを断ると「あなたの友人は協力してくれたのに」と比べられることがあります。友人が引き受けたかどうかは、あなたが引き受ける理由にはなりません。荷物の受け取りを頼まれた場合の詳しい考え方はSNSの恋人に荷物の受け取り・転送を頼まれたときの記事にまとめています。
紹介してくれた友人との関係を大切にしたい気持ちは自然なものです。相手への疑いを伝えるときは、次のような順番が話しやすいでしょう。
「だまされているよ」「どうして気づかないの」と結論から突きつけると、友人は相手をかばう側に回りやすくなります。相手の人柄を否定するより、「お金の話が出たら、送る前に一度一緒に確かめたい」と、行動についての約束を頼むほうが受け入れてもらいやすいでしょう。友人がその場で納得しなくても、あとで不安になったときに相談できる相手として、あなたの存在が残ることに意味があります。
相手を信じたい気持ちが強い友人に、すぐ納得してもらうのは難しいこともあります。家族が被害に遭っている場合の向き合い方は家族のロマンス詐欺被害を支える記事も参考にしてください。
すでにお金を送った、あるいは口座や荷物の受け渡しに関わってしまった場合は、隠さずに早めに相談することが大切です。事情を説明できるよう、次のものを手元に集めてください。
相談先は、最寄りの警察署か警察相談専用電話の#9110、そして消費生活センターにつながる188です。自分の口座にお金が振り込まれ、転送を指示されている場合は、指示に従う前に口座のある銀行と警察に連絡してください。犯人や犯行拠点につながる情報を持っている場合は、警察庁が案内している匿名通報ダイヤル(0120-924-839)もあります。
集めた資料の保存方法は証拠の残し方、相談の進め方は相談から解決までの流れで確認できます。
A. 紹介を受けたことは、相手の身元を確かめたことにはなりません。友人も会ったことがないなら、相手について分かっているのはメッセージの内容だけです。お金や個人情報の話が出たら、送る前に家族や警察(#9110)に相談してください。
A. 応じないでください。口座を使わせる、入金されたお金を指示どおりに送るといった行為は、犯罪の受け取り役に関わるおそれがあります。すでに入金がある場合は、自分で動かす前に銀行と警察に連絡してください。
A. 一緒に行くことはできます。警察や消費生活センターには、それぞれのやり取りと送金の記録を持っていきましょう。友人が乗り気でない場合も、まず自分の分だけ相談しておくと、あとで友人が動くときの助けになります。
A. 共通の友達の人数は、ほかにも申請を承認した人がいるということを示すだけです。その人たちが相手をよく知っているとは限りません。承認するかどうかは、共通の友達の一人に「この人を知っているか」と聞いてから決めても遅くありません。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。