仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
LINEの投資グループに招かれ、「このコレクションはフロア価格を運営が守っている」「値下がりしたら買い戻すので損はしない」「NFTを預けておけば毎日報酬が入る」と説明された。周りの参加者も利益報告を続けていて、自分だけ乗り遅れている気がする——。そんな状態で検索した人に向けた記事です。
はじめに要点をまとめます。NFTの売買価格は、その時々の売り手と買い手の合意で決まるもので、発行者やグループの主催者が将来の値段を約束できる性質のものではありません。「保証」「固定利回り」という言葉が出てきた段階で、お金やNFTを渡すのは待ってください。以下では、その理由と、グループ内の話を自分で確かめるための具体的な手順、すでに参加してしまった場合の動き方を説明します。
グループでの勧誘は、個別の一対一の勧誘よりも「みんながやっている」という空気を作りやすいのが特徴です。NFTを題材にした話では、次のような言い回しがよく使われます。
金融庁の金融サービス利用者相談室は、LINEグループに参加させたあと、犯人側が複数のアカウントをサクラとして使い、投資がうまくいっているように見せて参加者を誘う手口があると説明しています。個人名義の口座へ入金させたり、暗号資産を送らせたりする例も挙げられています。
警察庁の令和7年の確定値(2026年6月公表)でも、SNS型投資詐欺9,523件のうち、だまされていく過程で使われた連絡手段はLINEが8,906件で、全体の9割を超えました。最初の接点がLINEだった件数も1,211件あります。LINEのグループという場そのものが、投資を持ちかける側に多く利用されている実態がうかがえます。
フロア価格とは、あるNFTコレクションの中で、いま売りに出されている最も安い価格のことです。NFTマーケットでは出品者が自由に値段をつけるため、売りたい人が増えればフロア価格は下がり、買いたい人が減れば取引自体が成立しなくなります。
国民生活センターの『国民生活』2023年10月号は、2021年から2022年にかけて投機的に高騰したNFT市場が、2022年後半から大きく失速したと振り返っています。人気の高いコレクションであっても、市場全体の冷え込みの影響を受けるということです。
後から入った参加者のお金を先に入った人への支払いに回す構造だと、新しい参加者が途切れた時点で行き詰まります。その仕組みについては暗号資産のポンジ・スキームを扱った記事で詳しく説明しています。編集部としては、「値下がりしない」「元本割れしない」とうたうNFTの勧誘は、中身を調べる前に断ってよいと考えます。
NFTを預ける、担保にする、ステーキングする、といった説明にはいくつかの型がありますが、確かめるべき点は共通しています。
| 説明の内容 | 確かめること | 注意が必要なサイン |
|---|---|---|
| NFTをプールに預ければ報酬が入る | 預けたNFTが自分のウォレットに残るのか、相手のアドレスに移るのか | 相手のアドレスへ送らせる、または全NFTの移動を許可させる |
| NFTを担保に貸し出して利息を得る | 借り手は誰で、返済されなかったときにどうなるか | 借り手が明かされず、利率だけが固定で示される |
| 運用報酬は毎日自動で入る | 報酬の原資と、いつでも元のNFTを引き出せるか | 引き出しに「ロック期間」「解約手数料」が後から追加される |
| 運営会社がしっかりしている | 会社名・所在地・登録の有無 | 海外法人名だけ、または名前が一切出ない |
利用者の暗号資産を預かったり交換したりする事業には、国内で暗号資産交換業の登録が必要になる場合があり、出資を集めて運用する形なら金融商品取引業の登録が関わることもあります。金融庁は、登録を受けていない業者とは関わらないよう呼びかけ、登録業者を名乗るなりすましにも注意を促しています。暗号資産交換業者の登録一覧は金融庁のサイトで公開されています。ただし、登録があることは投資の安全を意味しない点も金融庁自身が明記しています。
答えを濁されたら、それ自体が判断材料になります。
質問しただけで「信じられないなら抜けていい」「疑う人は稼げない」と感情に訴える返事が返ってくる場合、編集部はその時点で参加を見送ることを勧めます。具体的な事実で答えられない運用話に、大切なお金を預ける理由はないからです。
グループに参加している全員が本物の投資家とは限りません。金融庁が説明するように、複数のアカウントを一人または少人数で動かし、利益報告や感謝の言葉を流す手口があります。次のような点が重なっていたら、報告の内容をそのまま信じないほうが安全です。
グループで知り合った人から個別に連絡が来て、NFTとは別の投資話に移っていくこともあります。SNSを入口にした暗号資産の勧誘全体についてはSNSの暗号資産勧誘の記事もあわせて参考にしてください。
LINEグループは、主催者がグループを削除したり、自分が退会したりすると、それまでのトークが見られなくなることがあります。抜ける前に、次のものを保存してください。
スクリーンショットは日時が写る形で撮り、トーク履歴のテキスト保存もしておくと、後から時系列を組み立てやすくなります。画面の撮り方やバックアップの手順は証拠の保存について書いた記事が参考になります。
国民生活センターは、SNSで勧誘される詐欺的な暗号資産の投資話について、いったん送金すると被害の回復は極めて困難だと注意を促しています(見守り新鮮情報、2025年12月)。だからこそ、追加の支払いを止めることが何より先です。
金融庁は、被害を取り戻すと言って近づいてくる相手の中に詐欺グループの関係者がいて、さらにお金を失う二次被害が起きていると注意しています。同じLINEグループや別のSNSで「返金を手伝う」と声をかけられても、費用を払う前に公的な窓口で確認してください。
A. フロア価格は出品者がつける最安値で、市場の需給で動きます。発行者が買い支えを表明する例はあっても、将来の価格を確実に守れる仕組みではありません。「保証」と言い切る勧誘は、根拠と運営者を確かめるまで応じないでください。
A. 相手のアドレスへ送った、または全NFTの移動を許可した場合、相手の同意なしに戻す方法は通常ありません。追加の手数料は払わず、送付記録とグループのトークを保存して、警察と消費生活センターに相談してください。
A. 利益報告をしているアカウントが実在の参加者かどうかは確かめられません。金融庁も、サクラのアカウントで成功を装う手口を紹介しています。報告の数より、運営者の名前や登録、NFTの移動先を確認するほうが判断材料になります。
A. 少額で利益が出て出金できても、その後の高額な入金を促す段階の一部である場合があります。国民生活センターの事例でも、最初の出金に成功したあとで高額の支払いを求められています。試す前に、この記事のチェック項目を確かめてください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。