仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
SNSで知った投資話に仮想通貨(暗号資産)が絡んでいるなら、「どの段階まで進んだか」で打つ手が変わります。警察庁の統計を見ると、SNS型投資詐欺の多くは「広告やDMで接触する」「LINEの投資グループに移す」「振込や暗号資産でお金を出させる」という同じ道筋をたどっています。道筋が決まっている以上、途中で気づけば引き返せます。
この記事は、SNSで仮想通貨の投資を勧められている人、家族がそうした勧誘に乗りかけていると感じている人に向けた総合ガイドです。3つの段階それぞれで見える目印と、その場でできる対策、すでに送金した後の相談の順番をまとめました。X・Instagram・YouTubeなど媒体ごとの詳しい手口は、最後の章から個別の記事へ進めます。
2025年(令和7年)の1年間の確定値を警察庁の資料で見ると、SNSを入口にした投資詐欺は9,523件、被害額にして1,288.0億円にのぼります。前年は6,413件・871.1億円で、1年で件数も金額も約5割増えた計算です。
お金の渡し方で見ると、銀行振込(振込型)が7,135件で全体の約7割を占め、次に多いのが暗号資産送信型の1,898件(被害額215.5億円)です。暗号資産送信型は前年のおよそ2.5倍に増えました。警察庁は、暗号資産送信型は振込型に比べて20代〜40代の被害の割合が高く、高齢者に限らず幅広い年代に及んでいると分析しています。
| 項目(令和7年・SNS型投資詐欺) | 警察庁の公表内容 |
|---|---|
| 最初の接触手段 | バナー等広告が最多、次いでダイレクトメッセージ(DMは前年比66.4%増) |
| 最初の接触ツール | Instagramが最多、次いでYouTube(YouTubeは前年の約21倍) |
| その後の流れ | 広告・DMのどちらで接触した場合も、約9割がLINEへ誘導されている |
| 暗号資産送信型 | 1,898件・215.5億円(前年比約2.5倍) |
SNS型ロマンス詐欺でも暗号資産送信型は2,177件・247.7億円と前年から177.0%増えており、恋愛感情を入口にした勧誘でも仮想通貨が使われる場面が目立ちます。
最初の接触は、著名人の写真を使った広告、見知らぬアカウントからのDM、利益を誇る投稿のいずれかであることが多いです。2025年の夏ごろからは、有名人の写真や映像を勝手に使った広告での被害が増えたと、警察庁の資料は指摘しています。
著名人の名前が出てきたら、その人物の公式サイトや本人の公式アカウントで同じ案内をしているかを確かめます。本人が「なりすまし広告に注意」と告知している例も少なくありません。DMはアプリの設定で知らない相手からの受信を制限でき、広告は各SNSの報告機能で運営に知らせられます。この段階では、まだお金も個人情報も出ていません。返信しない、友だち追加をしないだけで話は終わります。
LINEに移ると、グループの中で「先生」や「アシスタント」を名乗る人物が相場の解説を配信し、他の参加者が利益の報告を書き込む光景が続きます。やがて「このアプリなら上場前のコインが買える」「この取引所で口座を開いて」と、特定のアプリやサイトへの登録を勧められます。
金融庁も、元本保証や「必ず儲かる」をうたう勧誘を詐欺的な勧誘の典型として挙げています。こうした言葉が1つでも出たら、判断を急がされていると受け止めてください。
筆者は、3つの段階の中でここがいちばん止めやすい地点だと考えています。確かめる材料が手元にそろっていて、まだ送金前だからです。
金融庁は、日本の居住者を相手に暗号資産交換業を行うには、海外の事業者であっても登録が必要だと説明しています。登録一覧に見当たらない場合は、口座開設や本人確認書類の送付の前に手を止めてください。
運転免許証やマイナンバーカードの画像、顔写真をアプリに送っていた場合は、その情報が別の口座の開設などに使われるおそれがあります。送った日時と送り先を記録し、警察への相談の際に伝えてください。身に覚えのない契約や口座の案内が届いたら、すぐにその会社へ問い合わせることも大切です。
最後の段階では、国内の登録業者で仮想通貨を買い、グループで指示されたウォレットアドレスへ送るよう求められることがよくあります。国内の取引所を使うため安心してしまいがちですが、取引所の外へ送った時点で、お金は相手の管理下に移ります。
送付の手続きで、取引所から送り先の名義や利用目的を尋ねられることがあります。ここで「友人への送金」などと、指示されたとおりの答えを入れていないでしょうか。取引所の確認は、利用者を守るための最後の関門の一つです。答えに迷ったら送付を中断し、取引所のサポートに事情をそのまま話してください。
最初の少額だけ出金に応じて信用させ、次に大きな金額を入れさせるのは、SNS経由の投資勧誘で繰り返し語られる流れです。国民生活センターが載せている相談事例にも、引き出そうとしたら追加の入金や税金の支払いを求められたというものがあります。一度出金できたかどうかではなく、相手が登録業者かどうかで判断してください。
本人が「先生を信じている」と言い張るときは、議論で説得するより、案内されたアプリの運営会社名を一緒に金融庁の一覧で調べるほうが話が進みやすいものです。調べた結果を画面で見せ、判断の材料を本人に渡しましょう。
すでに暗号資産を送った、あるいは振り込んだ場合は、次の順で動くと記録が散らばりません。
勧誘や契約の経緯を相談したいときは消費者ホットラインの188、暗号資産の制度面の質問なら金融サービス利用者相談室(金融庁、0570-016811)が受け付けています。なお、送った暗号資産は、相手を特定できなければ取り戻すのが難しいのが実情です。「取り戻せる」と近づいてくる業者による二次被害は解決業者を名乗る二次被害で詳しく説明しています。
同じSNS経由の勧誘でも、媒体ごとに声のかけ方が少しずつ違います。自分の状況に近い記事から読んでください。
勧められた取引所そのものの確認方法は金融庁の無登録業者リストの読み方、相談前の準備は相談前チェックリストにまとめています。
A. すべてがそうとは言い切れません。ただ、見知らぬ相手からのDMや著名人の顔を使った広告をきっかけにLINEへ誘われ、特定のアプリや送金先を指定される流れは、警察庁が公表しているSNS型投資詐欺の典型と重なります。この流れに当てはまるなら、お金を出す前に金融庁の登録一覧で業者を確かめてください。
A. 入っただけでお金を失うことはありませんが、グループでは利益報告や締切の告知が続き、判断が揺らぎやすくなります。送金や本人確認書類の提出をしていなければ、グループを退出して相手をブロックすれば区切りをつけられます。退出前にトーク画面を保存しておくと、後で相談するときに役立ちます。
A. 送った先の相手を特定できなければ、取り戻すのは難しいのが実情です。それでも、取引所・警察への連絡と記録の保存は早いほど選択肢が残ります。「必ず取り戻せる」と言う業者には注意し、相談予約や公的な窓口で状況を整理してください。
A. 真っ向から否定されると、本人はかえって意固地になりがちです。案内された取引所やアプリの運営会社名を一緒に金融庁の登録一覧で調べ、結果を見せるところから始めてください。家族だけで抱え込まず、188や#9110に同席して相談する方法もあります。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。