仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
Facebookのフィードに、著名人の写真や「〇〇国の金融ライセンスを取得」「世界〇万人が利用」といった文言つきで海外FX業者の広告が流れてくる。本物の業者なのか確かめたい、というのがこの記事の出発点です。
結論から言うと、確かめるべきことは二つあります。一つは日本で登録を受けているか。海外のライセンスがあっても、日本に住む人を相手に営業するには日本の登録が必要だと金融庁は説明しています。もう一つは、広告のリンク先が、その業者の本物のサイトかどうかです。実在する業者の名前やライセンス番号をそのまま借りた偽のサイトもあるため、名前を検索して業者が実在すると分かっただけでは安心できません。
海外FX業者の広告やサイトには、所在国や地域の当局から受けたとするライセンスの名前と番号が並んでいることがよくあります。これを見て「きちんと認可を受けた会社だ」と受け取る人は多いのですが、日本の制度から見ると話は別です。
金融庁の整理では、会社の所在地が国外でも、日本国内の居住者を顧客として金融商品の取引を業として営むなら、国内での登録を受けなければなりません。消費者庁も、国外の許可だけを持ち国内の登録がない業者とFXをすることについて、トラブルが多いとして注意喚起を出しています。
さらに、ライセンスといっても中身は国や地域によってまちまちです。顧客のお金をどう保管させているか、苦情をどこで受けるか、当局がどこまで立ち入って監督しているかは、制度ごとに大きく違います。広告のライセンス表示は、「どこかの国で何らかの登録をしている」以上のことを保証するものではないと考えておく方が安全です。筆者は、日本語の広告を出して日本の利用者を集めているのに日本の登録がない業者は、それだけで利用を見送る理由になると考えています。
海外FXの広告では、日本語のサポート窓口、日本円での入出金、国内の銀行口座への振込といった便利さが強調されます。ところが、これらはどれも日本の登録とは関係がありません。むしろ、日本の利用者を積極的に集めていることを示す材料です。国内の銀行口座に振り込む仕組みの場合、振込先は業者本体ではなく、決済を代行する会社や個人の口座になっていることもあります。振込先の名義が業者名と違うときは、なぜ違うのかを業者に確かめ、納得できる説明がなければ入金を見送ってください。
もう一つ厄介なのが、実在する業者の名前や所在地、ライセンス番号をそのまま使った偽のサイトやアプリです。英国の金融行動監視機構(FCA)は、こうした手口を「クローン会社」と呼び、次のような特徴を挙げて注意を呼びかけています。
FCAがすすめる確かめ方は、当局の登録簿に載っている連絡先と、自分が受け取った連絡先が一致するかを照らし合わせることです。電話の相手や広告のサイトに書かれた連絡先は使わず、登録簿の側から連絡先をたどる、という考え方は日本の利用者にもそのまま役立ちます。
なりすましの場合、業者本体はあなたの口座の存在すら知りません。偽サイトに入金したお金は、本物の業者に問い合わせても出てこないことになります。
広告をクリックする前か、口座を開く前に、次の順で確認してください。所要時間は10分ほどです。
1で見つからない時点で、2から4に進まずに見送ってかまいません。4段階すべてを確かめるのは、「どうしても使いたい理由がある」ときの話です。
警察庁の集計では、2025年に認知されたSNS型投資詐欺は9,523件、被害額は約1,288億円で、前の年から件数・金額とも5割近く増えました。最初の接触手段として最も多かったのはバナーなどの広告で、3,785件にのぼります。広告が入口になるケースが、DMよりも多いということです。
金融庁は、FacebookやInstagramで著名人のアカウントや広告を装った偽物から、LINEのグループや偽のサイトへ誘導される手口を示しています。広告の段階では「無料で学べる」「投資のコツを配信」とだけ書かれ、海外FXの業者名はグループに入ってから初めて出てくることもあります。
気になる広告は、Facebookの広告メニューから報告できます。金融庁も、投資詐欺が疑われる広告についての情報提供を受け付けています。
広告から口座を開いてしまった人は、まず自分が使っているのが本物のサイトかどうかを確かめます。上の3と4の方法で、当局に登録されたドメインと自分がログインしているサイトのドメインを比べてください。
出金を試し、処理されるかを確かめます。取引履歴と入出金の記録を保存し、以後の入金は控えます。出金を断られたときの対応は、同じシリーズの出金拒否の記事で詳しく扱っています。
ログインに使ったパスワードを、ほかのサービスで使い回していれば変更します。入金に使った手段ごとに、銀行、カード会社、暗号資産の交換業者へ連絡し、警察にも相談します。本物の業者に「偽サイトがある」と知らせておくと、ほかの人の被害を防ぐ助けになります。
どちらの場合も、広告の画面、リンク先のURL、やり取りしたメッセージは消さずに残してください。画面の保存方法は証拠の残し方が詳しいです。
カード会社に連絡するときは、利用日、金額、明細に表示された加盟店名を伝え、「広告から偽のサイトに誘導されて入金した可能性がある」と経緯を話します。明細の加盟店名が業者名とまったく違う場合は、その点も伝えてください。調査に応じてもらえるかどうか、結果がどうなるかはカード会社の判断によります。
相談の前にそろえるものはチェックリストで確認できます。案内メールをきっかけに海外FXを知った場合の見分け方はこちらの記事が参考になります。
電話で相談するときは、広告を見た日付、広告に出ていた人物や文言、リンク先のURL、口座を開いた日と入金額を先にメモしておくと、限られた通話時間の中で要点を伝えやすくなります。
A. 海外のライセンスがあっても、日本の居住者を相手に営業するには日本の登録が必要だと金融庁は説明しています。日本で登録を受けていない業者とはトラブルが起きても追及が難しいため、利用は慎重に考えてください。
A. 実在する業者の名前やライセンス番号をかたる偽サイトもあります。当局の登録簿に載っているウェブサイトや連絡先と、自分が見ている広告のリンク先が一致するかを確かめてください。
A. 金融庁は、著名人になりすました偽のアカウントや広告から投資に誘導する手口に注意を呼びかけています。本人の公式アカウントや所属事務所の発表で、本当に本人の発信かを確かめてください。
A. 見つからないことだけで違法と決めつけることはできませんが、日本で登録を受けていない可能性を考える材料になります。判断に迷うときは、金融庁の相談ダイヤルに業者名を伝えて相談できます。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。