仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
知らない番号から電話があり、「海外FXの口座を開けば高いレバレッジで効率よく増やせる」「以前の投資の損失を取り戻せる」と誘われた。この記事は、そうした電話を受けて迷っている人や、話を聞くうちに口座を開いてしまった人に向けています。
先に答えを書いておきます。日本では、FXについて、頼んでもいない個人に電話や訪問で勧誘することが法律で禁じられています。これは日本で登録を受けた正規の業者にも課されているルールです。つまり、突然の電話でFXをすすめてくる相手は、正規の業者のルールの外にいる可能性が高いと考えてよい、ということになります。
金融商品取引法第38条は、登録を受けた業者とその役職員に対して、いくつかの勧誘行為を禁じています。その一つが第4号の「不招請勧誘」です。勧誘してほしいと頼んでいない顧客のところを訪ねたり、電話をかけたりして、一定の契約を勧めることが禁止されています。
対象となる契約は政令で定められていますが、金融庁は個人向けのFXについて、勧誘の要請をしていない顧客に訪問や電話で店頭FX取引を勧誘することは禁止されていると説明しています。金融庁の別の注意喚起でも、頼まれていない顧客へのFXやバイナリーオプション、暗号資産の取引の勧誘は原則として禁じられていると書かれています。
海外の業者で日本の登録を受けていない場合は、話の前提がさらに違います。日本の居住者を相手に営業すること自体が、金融商品取引法第29条の登録なしにはできません。電話で勧誘してくる海外FX業者やその代理を名乗る人は、登録の有無にかかわらず、この二つのルールのどちらか、あるいは両方から外れていることになります。
筆者は、この点を知っているだけで、電話を受けたときの迷いの大半は消えると考えています。内容を聞いて判断する必要はありません。「FXの電話勧誘である」という時点で、断る理由として十分だからです。
同じ第38条は、うそを告げて勧誘すること(第1号)や、不確実なことについて「必ず上がる」「確実にもうかる」と断定して勧誘すること(第2号)も禁じています。電話で「元本は保証します」「今月中に倍になります」と言われたなら、それは登録業者であれば許されない言い方です。こうした言葉を聞いたら、日時と言い回しをそのままメモしておくと、相談の際に役立ちます。
電話の相手は、最初からFXの話をするとは限りません。公的機関の注意喚起や相談事例に出てくる流れをもとにすると、次のような切り出し方が考えられます。
どの話でも、最後は口座の開設と入金に向かいます。関東財務局も、無登録の海外業者とのFXやバイナリーオプションで「出金に応じてもらえない」といったトラブルが相次いでいるとして、取引をしないよう呼びかけています。
「先ほどお電話した件で」とSMSやメールでリンクが送られてきたり、逆に「資料をお送りしたので確認のお電話を」とかかってきたりすることがあります。リンク先で口座開設の画面に進ませ、電話でその操作を案内する形です。リンクは開かず、業者名だけを控えて登録の有無を自分で調べてください。電話とメッセージの両方が来た場合は、両方の記録を残しておくと、同じ相手からの勧誘だと示しやすくなります。
電話での勧誘では、「手続きを一緒に進めましょう」と言われて、その場で情報を伝えてしまいがちです。次の5つは、相手が誰であっても電話口では渡さないでください。
もし伝えてしまったなら、銀行やカード会社、携帯電話会社に連絡して、不正な手続きが進んでいないかを確かめてください。認証コードを伝えた場合は、関係するサービスのパスワードを変えることも忘れずに。
金融商品取引法第38条第6号は、登録業者に対して、契約しないという意思を示した顧客への勧誘を続けることも禁じています。ただ、相手が日本の登録を受けていないなら、このルールを持ち出しても電話は止まらないかもしれません。そこで、着信そのものを減らす工夫が役に立ちます。
警察庁の特殊詐欺対策ページは、令和7年に確認された詐欺の電話の約75.5%で国際電話番号が使われていたとしています。「+1」「+44」のように、プラスと国番号で始まる番号です。固定電話の場合は、国際電話の取り扱いをやめる手続きを専用の受付センター(0120-210-364)で申し込めば、国外との通話を費用をかけずに休止できます。ウェブや郵送でも申し込めます。携帯電話では、知らない番号や非通知からの着信を制限する設定、通信会社の迷惑電話対策サービスを確認してください。
断るときは、相手の会社名、担当者名、かかってきた番号、日時をメモし、可能なら通話を録音します。「FXの勧誘は受けません。今後電話しないでください」と一度はっきり伝え、それ以上の説明はしないで切ってかまいません。名簿の出どころを尋ねても、正直な答えが返ってくることは期待しない方がよいでしょう。
通話を録音する場合は、スマートフォンの録音機能や、固定電話の録音つき機器を使います。録音があれば、相手が名乗った会社名や勧誘の言い回しを後から正確に確かめられ、相談窓口への説明もしやすくなります。
電話で勧められるまま口座を開き、入金までしてしまった場合、まず確かめたいのは次の三つです。
FXの取引口座に入れたお金は、クーリング・オフのような「理由を問わず解除できる制度」で取り戻すのは難しいのが一般的です。金融商品取引法の書面による解除は、政令で定める契約に限られているためです。一方、電話でツールや情報サービスを買わされた場合は、特定商取引法の電話勧誘販売として8日間のクーリング・オフを使える可能性があります。こちらはFX自動売買ツールの電話勧誘の記事で詳しく説明しています。
いずれの場合も、追加の入金は止め、出金を一度試して結果を記録してください。出金を断られたときの動き方は出金拒否の記事を参照してください。
電話での勧誘は、日中一人で家にいる高齢の家族にも届きます。細かい見分け方を伝えるより、「投資やFXの電話は、その場で何も決めずに切って、家族に知らせる」という一つのルールを共有しておく方が、実際には守られやすいと筆者は考えます。固定電話の国際電話を止める手続きも、家族と一緒に済ませておくと安心です。
相談の前にそろえるものは相談前チェックリストで確認できます。
A. 話を聞くこと自体で損をするわけではありませんが、個人向けのFXは頼んでいない相手への電話勧誘が禁じられています。電話でFXをすすめる相手は正規のルールの外にいる可能性が高いため、話を聞く前に断ってかまいません。
A. そのコードが使われたサービス(銀行、携帯電話会社、取引口座など)に連絡し、不正な手続きがないかを確かめ、パスワードを変えてください。お金が動いていれば警察にも相談します。
A. 固定電話であれば、0120-210-364に連絡して国際電話の利用休止を申し込めます。手数料はかかりません。携帯電話は、知らない番号の着信を制限する設定や通信会社の迷惑電話対策サービスを確認してください。
A. FXの取引口座への入金は、クーリング・オフで取り戻すのが難しいのが一般的です。ただし、電話でツールや情報サービスを買った場合は特定商取引法のクーリング・オフが使える可能性があるため、契約の中身を確かめて消費生活センターに相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。