Facebookの海外在住男性に「借りてでも投資を」と言われたら|借入前に止める方法

最初にお伝えしたいのは、「借りてでも投資しよう」と言われた時点で、その話からは降りてよいということです。投資の元手を借金でまかなうよう勧める相手は、あなたの生活が壊れることを気にかけていません。国民生活センターは2026年5月、投資や副業の名目で消費者に複数の貸金業者から次々と借り入れをさせる手口が目立つとして、注意を呼びかけました。

この記事は、Facebookで知り合った海外在住を名乗る男性に投資を勧められ、手持ちのお金が足りなくなったところで「ローンで借りればいい」「すぐに返せる」と言われた人に向けたものです。借りる前に止める方法と、借りてしまった後に何が残るかを、公的機関の資料をもとに説明します。

Facebookが入口の被害は1件あたりの金額が大きい

ロマンス型の被害で、相手と最初に出会った場がFacebookだったのは2025年の1年間で1,049件ありました。全体の18.6%にあたり、入口の多さでは3位です(警察庁・令和7年確定値)。

注目したいのは金額です。令和8年上半期(暫定値)では、Facebookが入口の被害は件数で449件(17.9%)なのに対し、被害額は63.2億円で全体の25.6%を占めています。被害額を件数で単純に割れば、Facebook経由は1件約1,400万円。ロマンス型の平均である約980万円より4割ほど高い計算です。

金額が膨らむ理由を警察庁は説明していませんが、筆者は、手元の預金を使い切った後に借入や資産の取り崩しへ進んだケースが含まれているのではないかと見ています。Facebookは実名での登録を基本とするため、相手のプロフィールにも一定の信頼を置いてしまいやすいのかもしれません。いずれにせよ、この入口では「使えるお金を使い切った後」の局面まで話が進みやすいと考えて、身構えておく価値があります。海外在住を名乗る相手は、会えない代わりに長文のメッセージや毎日の通話で距離を縮めてきます。やり取りの量が多いほど、お金の頼みを断ることに罪悪感を覚えやすくなる点も意識しておいてください。

国民生活センターが注意する「借りさせる」手口

国民生活センターの注意喚起「副業サポートや投資の名目で借金させる業者に注意!」(2026年5月20日公表)には、次のような特徴がまとめられています。

  • 「簡単に儲かる」「すぐに返済できる」と説明し、借金をさせて支払わせる
  • 短い期間にいくつもの貸金業者から借りさせ、結果として年収を大幅に上回る借金を負わせる例がある
  • 説明に必要だと言って遠隔操作のアプリを入れさせる、あるいは画面の共有を求める
  • 借入の申込みで、実際と違う内容を申告するよう指示することがある

ロマンス型の勧誘でも同じ流れが報告されています。国民生活センターが2022年3月に紹介した事例では、30歳代の女性が、アプリで出会った「外国人の経営者」を名乗る男性の勧めで投資を始めています。元手が多いほど儲かると押し切られ、女性は銀行と消費者金融の両方から借りて、最終的に約500万円をつぎ込みました。出金しようとすると保証金を求められ、そのためにさらに50万円を借りています。

借入の申込みで使いみちや年収を偽るよう言われた場合は、絶対に従わないでください。国民生活センターも、業者に促されても虚偽の申告はしないよう強く注意しています。

借りたお金は、だまされても返す義務が残る

借入を勧める相手は「利益が出たらすぐ返せる」と言います。しかし、借入先の銀行や消費者金融との契約は、投資の話とは別の契約です。投資のお金をだまし取られたとしても、借りたお金を返す義務は原則として残ります。

国民生活センターの注意喚起でも、FX投資の業者に言われて消費者金融から約150万円を借りて振り込んだものの、出金できず、借入先には自分で返済するしかなくなった相談が紹介されています。

つまり、借りて送った場合の損失は、送ったお金そのものに加えて、利息と返済の負担が何年も続くことになります。「投資で増やして返す」という計画は、投資が本物であることを前提にしています。その前提が崩れたとき、手元に残るのは借金だけです。筆者が、借入の話が出た時点で降りるべきだと考えるのはこのためです。

「すぐ返せる」を自分の数字で計算し直す

試しに、100万円を年15%の金利で借り、3年間の元利均等で返す場合を計算してみます。毎月の返済は約3万4,700円、3年間で払う総額は約125万円になり、利息だけで約25万円かかります。投資のお金が戻らなければ、この125万円を自分の収入から払い続けることになります。

相手が「すぐ返せる」と言うとき、その根拠は画面に表示された利益だけです。借りる前に、毎月の返済額を自分の手取りと並べてみてください。実際の数字を前にすると、勧誘の言葉がいかに楽観的かが見えてきます。

借入以外に勧められやすいお金の出どころ

「借りて」とは言わなくても、次のようなお金を投資に回すよう勧められることがあります。どれも、失えば取り返しがつきにくいお金です。

勧められるお金気をつけたい点
クレジットカードでの暗号資産購入国民生活センターの事例では、330万円をカードで決済して交換業者に入金し、その後の税金や保証金もカードで約170万円払っていた。カードの支払いは翌月以降に請求が来る
保険の解約や定期預金の取り崩し解約すると元に戻せない。保障がなくなる
退職金や老後資金国民生活センターは、退職金の運用を学ぶつもりで投資グループに入り、計500万円を振り込んだ事例を紹介している
家族や友人からの借金人間関係まで壊れる。家族に内緒で借りるよう求められることもある

こうした手続きを、相手とビデオ通話や画面共有をつなぎながら進めるよう言われた場合は、特に危険です。相手は、手続きが止まらないよう画面の向こうから一つずつ指示を出し、途中で考え直す時間を与えないようにします。手続きの画面を相手に見せないこと、相手の指示を受けながら申込みをしないことを守ってください。

借りる前にかけられるブレーキ

「頼まれたら断り切れないかもしれない」と感じるなら、先に仕組みでブレーキをかけておく方法があります。

貸付自粛制度

自分で申告すると、その情報が個人信用情報機関に登録され、貸金業者や銀行が審査のときに参照します。登録は最長5年続き、最初の3か月は取り消せない決まりです。日本貸金業協会(Web・郵送・来協)と全国銀行個人信用情報センター(郵送)で受け付けています。

ただし、日本貸金業協会は2026年10月23日13時から26日9時29分まで申告手続きを休止し、26日から制度の運用を一部変更すると9月17日に告知しています。申告を考えている人は、手続きの前に協会のページで最新の案内を確認してください。また、登録しても融資を必ず止められるとは限らないこと、登録前に結んだ契約の枠からは借りられる場合があることも案内されています。

自分で設定できる制限

  • ネットバンキングの振込限度額を下げておく
  • カード会社によっては、キャッシング枠を減らしたり0にしたりできる
  • 大きな支払いの前に、家族や信頼できる人に一度話すと決めておく

すでに借りて送ってしまったときの相談先

借入をして送金してしまった場合は、これ以上借りないことと、返済が滞る前に相談することが大切です。まず、借入の全体像を一枚の紙に書き出してください。

書き出す項目理由
借入先ごとの残高と金利どこから優先して返すか、相談先が判断しやすくなる
毎月の返済日と返済額延滞しそうな月を前もって把握できる
借りたお金を送った先と日付警察や消費生活センターで、被害の流れを説明する材料になる

延滞が始まると信用情報に記録が残り、その後の生活にも響きます。返せる見込みが立たないと感じた段階で、早めに窓口を頼ってください。

  • #9110・最寄りの警察署:送金の経緯と相手の情報を届け出ます。
  • 188:消費生活センターで、返金の求め方や今後の進め方を相談できます。
  • 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター:0570-051-051(9時〜17時)。借入や返済についての相談を受け付けています。
  • 0570-050588:投資の話そのものが疑わしいときは、金融庁の専用ダイヤルへ。

相手のFacebookアカウントは、ブロックする前にプロフィールとメッセンジャーのやり取りを保存してください。報告と記録の順番は偽アカウントの報告とブロックの順番で説明しています。返済が苦しくなってきた場合の債務整理の考え方は送金で借金が残ったときの相談先、家族への打ち明け方は送金した後、家族にどう話すかが参考になります。

記事中の数字と制度の説明は、2026年9月25日に確認できた公表資料によります。借入や返済の扱いは契約内容で異なるため、個別の判断は専門家に確認してください。返金や減額を保証するものではありません。

よくある質問

Q. Facebookで知り合った海外在住の男性に、カードローンで借りて投資を増やすよう言われました。

A. 借りないでください。国民生活センターは、投資の名目で消費者金融などから次々に借り入れさせる手口に注意を呼びかけています。投資のお金をだまし取られても、借りたお金の返済義務は原則として残ります。

Q. 借入の申込みで、使いみちを「生活費」と書くよう言われました。

A. 虚偽の申告はしないでください。国民生活センターも、業者に促されても事実と違う申告をしないよう注意しています。偽りの申告は、後であなた自身の立場を不利にするおそれがあります。

Q. 自分で借入を止める方法はありますか?

A. 貸付自粛制度があります。本人の申告で信用情報機関に登録され、登録は最長5年で、申告から3か月は取り消せません。日本貸金業協会は2026年10月23日〜26日に手続きを休止するため、最新の案内を確認してください。

Q. 詐欺にあったと伝えれば、借入先への返済は待ってもらえますか?

A. 返済義務そのものがなくなるわけではないのが一般的です。返済が難しくなりそうなら、滞る前に借入先や貸金業相談・紛争解決センター、弁護士などに相談してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。