海外在住男性から国際電話で投資の催促|+番号の見方と着信を止める手続き

結論から書くと、見覚えのない「+」から始まる番号の着信には出ず、固定電話なら国際電話の着信そのものを止めてしまうのが確実です。警察庁は、特殊詐欺の犯人からの電話を直接受けないための対策として「国際電話の着信ブロック」を強く勧めています。警察庁によれば、2025年中に特殊詐欺の犯行で使われた電話番号のうち、国際電話番号がおよそ4分の3(約75.5%)を占めています。

この記事は、海外在住を名乗る男性と恋愛関係のようなやり取りをしていて、本人や「取引所の担当者」「彼の上司」などから国際電話で入金を急かされている人、あるいは家族がそうした電話を受けていて心配な人に向けたものです。電話の止め方と、出てしまったときの受け答えをまとめました。

やり取りはLINEが中心なのに、なぜ電話が来るのか

ロマンス型の被害者が、お金を渡した時点で相手と連絡を取っていた手段を見ると、LINEが93.8%です(令和7年、警察庁)。ふだんの会話はメッセージアプリで続くのが普通です。それでも電話番号あての着信が入るのは、次のような場面が多いと筆者は見ています。

  • 信頼を深めるための本人からの通話:声を聞かせて「実在する人」だと思わせる
  • 第三者を名乗る人物からの電話:取引所のサポート、彼の上司、弁護士、税関の職員などを名乗り、支払いを迫る
  • 返信が途絶えたときの催促:メッセージを読まなくなった相手に、電話で直接圧力をかける

とくに二つ目は、恋人一人の話ではなく「公的な手続き」「会社の規則」であるかのように装うため、断りにくくなります。電話口の相手が名乗る肩書きは、その場では確かめようがありません。金融庁は、金融庁などの職員が金融商品の取引を勧めたり、被害の調査をしたりすることはないと明言しています。

「+」から始まる番号の読み方

電話番号の先頭についている「+」の後ろの数字は国コード(国番号)です。警察庁のSOS47は、日本の国コードは「+81」であり、それ以外の国コードでかかってきた電話には注意が必要だと説明しています。例として挙げられているのは「+1」「+44」などです。

表示の例読み方
+81で始まる日本の番号。国内の番号が国際形式で表示されている
+1で始まるアメリカ、カナダなどの国コード
+44で始まるイギリスの国コード
そのほかの+番号海外の番号。相手が名乗る居住国と一致するかどうかは本人確認にならない

海外在住を名乗る相手の場合、「住んでいる国の番号だから本物だ」と感じるかもしれません。しかし、番号の国コードは発信に使われた回線の情報にすぎず、電話をかけてきた人が誰なのかを示すものではありません。国コードが一致していることを信用の根拠にしないでください。

逆に、相手が「海外にいる」と言っていたのに、国内の携帯番号や+81の番号からかかってくることもあります。「日本に出張中」「友人の電話を借りた」といった説明が添えられるかもしれませんが、いずれにしても番号から相手の身元は分かりません。番号の種類で安心も不安も決めず、話の中身、とくにお金の要求があるかどうかで判断してください。

なお、警察庁の約75.5%という数字は特殊詐欺全体で使われた電話番号の割合で、ロマンス型だけの数字ではありません。それでも、見知らぬ国際番号からの電話に用心すべきだという点では同じです。

固定電話は国際電話の着信を無料で止められる

自宅の固定電話で海外と通話する必要がないなら、「国際電話不取扱受付センター」に申し込めば、国際電話の利用を無料で休止できます。KDDI、ソフトバンク、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモビジネスの5社が共同で提供している窓口です。

項目内容
できること国際電話の着信の休止。KDDI・ソフトバンクの国際電話については発信の休止も可能
対象の番号03や06などから始まる10桁の固定電話。070・080・090の携帯電話や050のIP電話は対象外
申込み方法ウェブ、電話(0120-210-364)、郵送
電話の受付時間オペレーターは平日9時〜17時、自動音声は土日祝も含め24時間

自分での申込みに不安があれば、近くの警察署に連絡する方法もある、と警察庁のページに書かれています。高齢の親の家の電話に、恋人や関係者を名乗る国際電話がかかっているようなら、家族が一緒に申し込むのが早道です。休止した後で海外との通話が必要になった場合は、休止した固定電話から同じ番号へ電話すれば再開の申込みができます(再開は電話受付のみ)。ためらわずに申し込んで構いません。

携帯電話でできる設定

国際電話不取扱受付センターは携帯電話を対象にしていません。携帯電話については、警察庁が次のような対策を挙げています。

  • 非通知の着信は受けない設定にする
  • 番号が表示されない(通知不可能な)着信も拒否する
  • 連絡先に入っていない番号からの着信を拒否する
  • 留守番電話に切り替わるようにし、残された声を聞いてから折り返すかを決める
  • 国際電話の発着信を規制できる警察庁推奨アプリや、都道府県警察の防犯アプリを使う
  • 携帯電話会社などが提供するセキュリティ対策アプリを使う(有料の場合がある)

設定の方法は機種や携帯電話会社によって違います。店頭で「国際電話や知らない番号からの着信を止めたい」と伝えれば、設定を手伝ってもらえることが多いはずです。

恋人を名乗る相手の番号だけを着信拒否にしても、別の番号からかけてくることがあります。個別の番号をブロックするより、知らない番号全体を留守番電話に回す設定のほうが効果は続く、というのが筆者の考えです。

電話に出てしまったときの受け答え

着信に出てしまい、投資の追加入金や手数料の支払いを急かされた場合は、次の点を守ってください。

  1. その場で約束しない:「今日中に」「この電話を切ったら手遅れ」と言われても、「家族と相談してから」と答えて電話を終えます。
  2. 個人情報を答えない:口座番号、暗証番号、カード番号、身分証の番号、ワンタイムパスワードは、誰に聞かれても伝えません。
  3. かけ直すなら自分で調べた番号に:相手が名乗った会社や役所には、相手から聞いた番号ではなく、公式サイトなどで自分が確かめた番号にかけます。
  4. 記録を残す:着信の日時、表示された番号、相手の名乗り、話の内容をメモします。機種によっては通話を録音できる機能もあります。

電話で話すと、メッセージより断りにくく感じるものです。沈黙を埋めようとして返事をしてしまう人も少なくありません。「この件は電話では決めません」と一文だけ用意しておき、それを繰り返して切る、という準備をしておくと慌てずに済みます。

恋人本人からの電話で「声を聞けたから安心した」と感じることもあるでしょう。ただ、声が聞けたことと、その人の話す投資が本物かどうかは別の問題です。通話の温かさに流されず、お金の話だけは切り離して判断してください。着信履歴や通話メモの保存方法は証拠の残し方で紹介しています。

離れて暮らす家族の電話を守るために

海外在住を名乗る相手とのやり取りは、本人が家族に話していないことも少なくありません。親や兄弟の様子が気になるときは、次のような形で電話まわりを一緒に点検してみてください。

  • 固定電話と携帯電話の着信履歴に、「+」から始まる番号が並んでいないかを見る
  • 海外と通話する予定がなければ、国際電話不取扱受付センターへの申込みを一緒に済ませる
  • 固定電話を留守番電話に切り替え、知らない番号には出ない習慣をつける
  • 録音や警告の機能がついた電話機に替えることも検討する(全国防犯協会連合会が「優良防犯電話」を推奨機器として紹介している)

点検を切り出すときは、「最近こういう詐欺が多いらしいから」と一般的な話題として持ちかけると、責められていると感じさせずに済みます。本人がすでに相手とやり取りしている様子なら、電話の設定より先に、話を聞く時間をつくることを優先してください。

相談先と関連記事

国際電話での催促が続いている場合や、電話でお金の話をしてしまった場合は、次の窓口に相談してください。

  • #9110:警察の相談専用電話。着信の記録を手元に置いて相談します。
  • 188:消費者ホットライン。投資の契約や支払いの扱いについて助言を受けられます。
  • 国際電話不取扱受付センター:0120-210-364。固定電話の国際着信を止める申込み窓口です。

弁護士や空港職員など、恋人の関係者を名乗る人物からの電話の見分け方は劇場型の電話の確かめ方で詳しく説明しています。電話で出金のための税金や保証金を求められている場合は「出金には税金が必要」と言われたらも読んでください。まだ送金していないかどうかを整理したいときはチェックリストが使えます。

本記事は2026年9月25日時点で警察庁・国際電話不取扱受付センター等が公表している情報をもとにした一般的な解説です。電話の設定方法は機種や契約によって異なります。

よくある質問

Q. 海外在住の彼から+で始まる番号で電話が来ます。国コードが彼の住む国と同じなら本物ですか?

A. 国コードは発信に使われた回線の情報にすぎず、電話の相手が誰かを示すものではありません。国コードの一致を本人確認の根拠にしないでください。

Q. 固定電話の国際電話の着信を止めるにはどうすればいいですか?

A. 申込み先は国際電話不取扱受付センターで、電話なら0120-210-364、ほかにウェブや郵送でも受け付けています。料金はかからず、対象は03などから始まる10桁の固定電話です。自分での手続きが不安なら、近くの警察署も相談に乗ってくれます。

Q. 携帯電話の国際着信も同じ窓口で止められますか?

A. 携帯電話やIP電話は対象外です。非通知や電話帳登録外の番号の着信拒否、留守番電話の活用、国際電話の発着信を規制できる警察庁推奨アプリなどで対策してください。

Q. 電話で取引所の担当者を名乗る人から入金を急かされました。

A. その場で約束せず、電話を切ってください。確かめたい場合は、相手から聞いた番号ではなく、公式サイトなどで自分が調べた番号にかけ直します。心配なときは#9110に相談してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。