インスタで見た開運ブレスレットの高額購入|PR表記の見方とカード払いの対処

Instagramで見かけた開運ブレスレットを、DMでのやり取りを経て高額で買ってしまった。そんなときに最初に確かめたいのは、投稿が広告だったのか、販売者はだれか、代金を何で払ったかの3点です。2023年10月1日から、広告であることを隠した宣伝(ステルスマーケティング)は景品表示法違反になりました。また、クレジットカードで分割払いやリボ払いにしている場合は、条件を満たせば割賦販売法に基づいて支払いの停止を申し出られます。

この記事は、インフルエンサーの紹介やリール動画をきっかけに石を買った方、DMで個別に値段を提示された方、これから買うか迷っている方に向けて、見分け方と買った後の動き方をまとめたものです。効果そのものの真偽ではなく、表示と契約の中身から判断する方法を扱います。

Instagramから購入に至る入口のパターン

写真と短い動画が中心のInstagramでは、石の色つやや「つけてから人生が変わった」という語りが強く印象に残ります。購入につながる入口は、おおむね次の4つに分けられます。

  • フィード投稿・リール:著名人やインフルエンサーが身につけている様子を見せ、プロフィールのリンクから販売ページへ誘う。
  • ストーリーズやライブ配信:「今から○名限定」「配信中だけの価格」と時間を区切る。
  • コメントへの返信からのDM:投稿にコメントした人に「あなたの誕生日だと相性の良い石があります」と個別に連絡する。
  • 鑑定つきの受注:DMで生年月日や悩みを聞き取り、「あなた専用の組み合わせ」として数万円から数十万円の見積もりを出す。

このうち下の2つは、販売ページを通さずDMだけで話が進むため、事業者の情報や返品の条件を見ないまま支払いに進みやすいのが特徴です。値段の説明が「あなた専用」「特別な調整」に寄っているほど、比較の手がかりがなくなります。

DMで生年月日や悩みを聞かれたら

鑑定の名目で、フルネーム、生年月日、家族の状況、仕事や恋愛の悩みを詳しく尋ねられることがあります。話した内容が多いほど、「だからこの石が必要です」という提案に結びつけられやすくなります。答える前に、販売者の名称と料金の決まり方を先に聞いておくと、話の主導権を手放さずに済みます。答えを渋られるなら、そこでやり取りを止めてかまいません。

ステマ規制で変わったこと:その投稿は広告か

消費者庁によると、2023年10月1日から、景品表示法に基づく告示で「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」が不当表示に指定されました。広告なのに、見た人が広告だと分からないものが対象で、SNSの投稿やレビューも含まれます。

ポイント消費者庁の説明
規制されるのはだれか商品を売る事業者(広告主)。依頼を受けて投稿したインフルエンサーなどの第三者は、この規制の対象ではない
何が問題になるか事業者が依頼・指示した投稿なのに、第三者の自由な感想に見えるもの
問題にならないものテレビCMのように、見れば広告だと分かるもの

見る側としては、「PR」「広告」「プロモーション」「提供」といった表示があるか、Instagramの「タイアップ投稿」のラベルが付いているかを確認します。表示がないまま「私も使っています」と語る投稿から購入ページへ誘導されている場合、感想としてではなく宣伝として読むのが安全だと当編集部は考えます。消費者庁には景品表示法に関する情報提供の窓口があり、気になる投稿を知らせることもできます。

「金運が上がる」「願いが叶う」とうたう表示の読み方

石の効果をうたう表示には、別の規制もかかわります。景品表示法は、商品の品質や効果を実際より著しく良く見せる表示(優良誤認表示)を禁じています。消費者庁は、効果や性能をうたう表示に疑いがあるとき、事業者に期間を定めて裏付けとなる合理的な根拠の資料を出すよう求めることができ、提出の期限は、求める文書が交付された日から15日です。資料が出されなかったり、根拠と認められなかったりすると、その表示は不当表示とみなされます(不実証広告規制)。

もっとも、ある表示が違反に当たるかどうかを決めるのは行政で、購入者が個別に判定できるものではありません。買う側にとって実用的なのは、次のように値段を分解して考えることです。

  • 石の種類、粒の大きさ、本数など、物としての説明はどれだけあるか。
  • 同じ種類・大きさの石が、一般の天然石店でいくらで売られているか。
  • 差額の理由が「浄化」「波動調整」「鑑定料」など、確かめようのない項目になっていないか。

差額が大きく、その説明が目に見えないものばかりなら、いったん購入を保留する理由として十分です。当編集部としては、効果の話を聞く前に、返品の条件と販売者の連絡先を先に確認する順番をおすすめします。効果は買ってからでないと試せませんが、条件は買う前に確かめられるからです。通販広告の表示と返品のルールは開運グッズのネット通販は返品できる?でも扱っています。

クレジットカードで払ったときの動き方

Instagram経由の購入は、販売ページのカード決済か、DMで送られてくる決済リンクで払うことが多いと思われます。カードで払った場合は、販売者に連絡するのと並行して、カード会社にも早めに事情を伝えてください。

分割払い・リボ払いなら支払停止の申出を検討

日本クレジット協会の案内によると、商品が届かない、見本と現物が違うといった問題があるとき、割賦販売法の適用を受けるクレジット契約であれば、カード会社への支払いの停止を申し出られる場合があります。ただし、分割払い手数料を含めた支払総額が4万円未満(リボ払いは現金価格が3万8千円未満)のときや、割賦販売法の適用を受けない契約は対象外です。翌月一括払いのように割賦販売法がかからない払い方もあるので、自分の支払方法をカード会社に確認してください。

申出の前にしておくこと

  1. まず販売者に、問題の内容と希望(返品・返金など)を文字で伝え、返事を記録する。
  2. 連絡がつかない、または解決しないときに、利用したカード会社に申し出る。
  3. 申出日と内容の控えを残す。

1回払いでも、カード会社が加盟店に事情を問い合わせることがあります。対応はカード会社ごとに異なるため、利用明細の日付と金額を手元に置いて問い合わせましょう。カード会社への申告の具体的な進め方は、クレジットカードのチャージバック解説で順を追って説明しています。

DMで買った石を返したいとき

Instagramで宣伝し、DMや販売ページで注文を受ける取引は、通常は特定商取引法の「通信販売」として扱われます。訪問販売と違ってクーリング・オフの仕組みはありません。代わりに、返品の可否や条件を販売者が広告に書いていないときは、届いた日を含めて8日以内であれば契約をやめて商品を送り返せます。その際の送料は買った側の負担です。

DMだけでやり取りした場合、返品特約がどこにも書かれていないことがあります。その場合は、受け取った日を記録し、8日以内に「返品します」とDMとメールの両方で伝え、送り状の控えを保管します。

返品を断られたときに伝えること

「オーダー品なので返品不可」と言われることがあります。その条件が注文前にどこかへ表示されていたかを、保存した画面で確かめてください。表示が見当たらない場合は、そのことを添えて改めて文字で返品を申し出ます。相手が応じないときは、やり取りの記録をそろえて188に相談すると、次に何を書けばよいか助言を受けられます。

「このブレスレットを外すと不幸が戻る」など、霊感を理由に不安をあおられて契約したのであれば、通信販売でも消費者契約法の取消しを検討できます。詳しくはパワーストーン・開運グッズ詐欺の対策をご覧ください。

相談先と、スクリーンショットで残しておくもの

Instagramの投稿やストーリーズは、削除されたり24時間で消えたりします。相談の前に、見えているうちに保存してください。

  • 購入のきっかけになった投稿やリールの画面(投稿者名、日付、PR表示の有無が分かるように)
  • DMのやり取りの全体(値段、効果の説明、支払い方法の案内)
  • 販売ページの事業者情報と返品に関する記載
  • カードの利用明細、決済完了メール

相談先は目的で分けます。返品や取消しの進め方は消費者ホットライン188、カードの支払い停止は利用したカード会社、広告表示についての情報提供は消費者庁の景品表示法の窓口です。脅すようなメッセージが届いたら、警察の相談窓口 #9110 にも連絡してください。相談全体の順番は相談前チェックリストが役立ちます。

Instagramのアプリには、投稿やアカウントを運営に報告する機能もあります。報告すると相手に気づかれて投稿が消されることもあるので、保存を済ませてから使うのが順番として安全です。同じアカウントから別の人が勧誘を受けるのを減らすことにもつながります。

よくある質問

Q. インスタで紹介していたインフルエンサー本人に返金を求められますか?

A. ステマ規制の対象は商品を売る事業者で、依頼を受けて投稿した第三者は規制の対象外とされています。返金の話し合いの相手は、原則として代金を受け取った販売者です。個別の責任の有無は事情によるため、判断に迷うときは188や弁護士に相談してください。

Q. 「PR」と書いてある投稿なら安心して買ってよいですか?

A. PR表示は「広告であること」を示すもので、商品の品質や効果を保証するものではありません。広告だと分かったうえで、販売者の情報、値段の内訳、返品条件を確認してから判断しましょう。

Q. DMで送られてきた決済リンクで払いました。どこに連絡すればよいですか?

A. まず決済に使ったカード会社や決済サービスの問い合わせ窓口に、利用日と金額を伝えます。あわせて販売者に文字で返品や返金を求め、返事がなければ188で相談してください。リンク先の画面も保存しておきましょう。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。