インスタのDMで仲良くなった相手にFXを勧められたら|アカウント情報の確かめ方

インスタグラムのDMで知り合った相手と毎日やり取りするうちに、「FXで生活している」「一緒にやれば二人の未来が楽になる」と言われた。そんなときは、相手の言葉を検討する前に、相手のアカウントそのものを数分かけて確かめることをおすすめします。インスタグラムには、そのアカウントがいつ作られ、ユーザーネームを何回変えたかなどを表示する「このアカウントについて」という画面があります。

この記事は、まだ入金していない人、あるいは少額だけ試した人に向けて、アカウントの見方と、FXの業者を調べる手順をまとめたものです。見た結果が「怪しくない」でも、会ったことのない相手の指示で投資しない、という原則は変わりません。確認はあくまで判断の材料の一つとして使ってください。

先に筆者の考えを書いておくと、アカウントの確認は「相手を疑うため」ではなく「自分の判断を相手の言葉だけに預けないため」の作業です。気まずさを感じる必要はありませんし、確かめたことを相手に報告する必要もありません。

インスタのDMが入口になる投資の誘いは増えている

2025年(令和7年)の警察庁の統計を見ると、SNS型ロマンス詐欺で犯人側が最初に声をかけてきた場としてインスタグラムが1,288件あり、マッチングアプリに次いで2番目に多い入口でした。最初の接触手段の9割以上はダイレクトメッセージで、そのうちインスタグラムのDMが1,247件を占めています。

恋愛を装わない投資話でも同じ傾向があります。同じ年のSNS型投資詐欺では、最初の接触ツールとしてインスタグラムが1,934件で最多でした。さらに2026年(令和8年)上半期の暫定値について、警察庁はSNS型投資詐欺の認知件数でインスタグラムなどが増加傾向にあると説明しています。

つまり、インスタのDMで親しくなった相手が投資の話を始めるのは、統計の上でもよく見られる流れです。相手が悪い人かどうかを決めつける必要はありませんが、お金の話が出た時点で一度立ち止まる理由は十分にあります。

「このアカウントについて」で見られる項目と読み方

インスタグラムのヘルプセンターによると、「このアカウントについて」には、すべてのアカウントで表示される項目と、一部のアカウントでだけ表示される項目があります。相手のプロフィール画面のメニューから開けるので、スクリーンショットを撮っておきましょう。

項目表示される内容読むときのポイント
利用開始日アカウントが作られた日「何年もFXで成功している」と言うのに、アカウントが数週間前に作られていないか
過去のユーザーネーム数ユーザーネームを変えた回数短い期間に何度も名前が変わっていれば、別の人物として使い回された可能性を考える
アカウント所在地(一部のみ)アクティビティから判断された国本人が話す居住地と大きく食い違っていないか
共通のフォロワーがいるアカウント(一部のみ)フォロワーが多く重なる他の公開アカウント似た雰囲気の投資アカウントばかり並んでいないか
認証済み(一部のみ)インスタグラムやThreadsで認証済みかどうか有名人や専門家を名乗るのに認証がない場合は慎重に

読み方の注意

所在地はアクティビティから判断されたもので、旅行中の人などでは実際の住まいと違うことがあります。反対に、表示に不自然な点がないからといって、本人が名乗るとおりの人物だと言えるわけでもありません。筆者は、利用開始日と相手の話との食い違いを一番の手がかりにすることをすすめます。「5年前からFXで生計を立てている」と言う人のアカウントが最近作られたものなら、少なくともその話を確かめる根拠はアカウントにはないことになります。

確かめた結果を相手にぶつけない

食い違いを見つけると、「アカウントが最近できたのはなぜ?」と問いただしたくなるかもしれません。ただ、相手は「前のアカウントが乗っ取られた」「仕事用に作り直した」など、もっともらしい説明を用意していることが多く、問い詰めてもこちらが納得させられて終わりがちです。問いただすより、黙って記録を残し、入金の話には乗らないと自分の中で決めるほうが安全だと筆者は考えます。

投稿とプロフィールから読み取れること

アカウント情報に加えて、投稿そのものも手がかりになります。次のような特徴が重なっていないか見てください。

  • 生活の豊かさを見せる写真が中心:高級ホテル、車、腕時計、海外の景色などが並び、本人の日常の細かい様子や友人との関わりが見えにくい。
  • 取引画面の画像:含み益の大きな画面を載せているが、どの会社の口座なのかが分からない。
  • 投稿の時期が偏っている:数年分の投稿があるように見えて、実際には短い期間にまとめて載せられている。
  • コメント欄のやり取り:外国語の定型的なコメントや、同じ人からの称賛ばかりで、知人らしい会話が見当たらない。

写真が別人のものではないかを調べる方法は、画像検索の手順と限界を写真詐称アカウントを画像検索で調べる記事で紹介しています。インスタの写真にも同じ考え方が使えます。

国民生活センターは、マッチングアプリなどで知り合った人に騙されないためのチェックリストの中で、投資で稼いでいることや資産運用が趣味であることを話す相手の特徴や、早い段階で別のSNSへ連絡手段を移したがる点を挙げています。DMの中で「LINEのほうが話しやすい」と言われて移った経緯があれば、それも記録に残しておきましょう。

FXの話が出たら、業者のほうを調べる

相手のアカウントよりも確実に調べられるのが、勧められているFX業者です。確認の手順は次のとおりです。

  1. 業者名とサイトのURLを控える:相手から送られたリンクや、アプリの名前を画面ごと保存します。
  2. 金融庁の「金融事業者一括検索」で探す:名称や電話番号で、金融商品取引業の登録を受けているかを確かめられます。
  3. 警告書の一覧を見る:無登録で営業しているとして金融庁や財務局が警告した業者の名前が公表されています。載っていなくても安全とは限らない点には注意してください。
  4. 倍率や約束の内容を見る:金融庁によれば、個人が国内で店頭FXを行う場合、証拠金は取引金額の4%以上が必要で、レバレッジにすると25倍以下です。数百倍の倍率や「元本保証」をうたう話は、国内の登録業者の説明とは合いません。

金融庁は、海外に拠点がある業者であっても日本の居住者を相手にFX取引を業として行うには登録が必要で、無登録の業者とはトラブルが起きても追及が極めて難しいと注意を促しています。相手が「海外の業者だから日本の登録は関係ない」と言っても、その説明はそのまま受け取らないでください。

相手が口座開設を手伝うと言ってきたら

「登録が難しいから画面を共有して」「本人確認の書類を送ってくれればやっておく」と言われることがあります。身分証の画像やログイン情報を渡すと、口座を相手に操作されたり、名義を別の申込みに使われたりするおそれが生じます。口座開設を他人に任せないこと、パスワードや認証コードを伝えないことは、相手がどれだけ親しくても守ってください。すでに渡してしまった場合の手当ては海外FX口座を作らされた後の対処の記事で詳しく説明しています。

DMの記録を残し、アカウントを報告する

やり取りを続けるかどうかに関わらず、記録は今のうちに残しておきます。相手がアカウントを消したり、名前を変えたりすると、後から同じ画面を見ることができなくなるからです。

  • 相手のプロフィール画面と「このアカウントについて」の画面
  • DMの最初のメッセージから、投資の話が出た部分まで
  • 送られてきた取引画面の画像、業者のURL、アプリの名前
  • LINEなど別のアプリに移った場合は、移る前後のやり取り

保存するときは、日時が画面に写るようにし、元の画像は加工せずに残してください。保存の手順は証拠の残し方でも説明しています。

そのうえで、インスタグラムの報告機能を使ってアカウントを報告できます。警察庁によると、2025年中にSNS型投資・ロマンス詐欺に使われたとしてMeta社に情報提供されたFacebookとインスタグラムのアカウントは351件でした。報告は、ほかの人が同じ相手に近づかれるのを防ぐことにもつながります。

迷ったときの相談先

「まだ何も払っていないけれど不安」という段階でも、相談してかまいません。むしろ入金前のほうが、選べる手立てが多く残っています。

  • 消費生活センター(電話188で案内):近くの窓口に回してもらえます。勧められた業者が海外にある場合も対象です。
  • 金融庁の投資詐欺の相談窓口:業者の登録や勧誘の内容を聞きたいときは0570-050588へ。IP電話は03-6206-6066です。
  • 警察相談専用電話 #9110:お金を求められている、脅されているといった場合に。

すでに入金した後で出金を断られている、手数料を求められているなら、FX投資型の恋愛詐欺の記事や相談の流れを参考に、支払いの記録を揃えてから相談に進んでください。弁護士に相談したい場合は相談予約から申し込めます。

よくある質問

Q. インスタの「このアカウントについて」に所在地が出ない相手は怪しいのですか?

A. 所在地は一部のアカウントでしか表示されない項目なので、出ないだけで判断はできません。利用開始日と過去のユーザーネーム数はすべてのアカウントで見られるので、そちらを本人の話と照らし合わせてください。

Q. インスタのDMの相手が勧めるFX業者を金融庁の検索で調べたら、見つかりませんでした。

A. 金融商品取引業の登録を受けていない可能性があります。入金はせず、業者名とURLを控えて金融庁の相談ダイヤルか188に相談してください。

Q. 相手のアカウントは何年も前からあり、投稿もたくさんあります。信じてもいいでしょうか?

A. 古いアカウントが乗っ取られたり、売買されたりして使われる場合もあります。アカウントの古さは判断材料の一つにとどめ、会ったことのない相手の指示で投資しないという原則を優先してください。

Q. 相手をブロックする前にやっておくことはありますか?

A. 相手のプロフィールと利用開始日などが出ている画面、それにDMの履歴を画像で手元に残しておきましょう。ブロックの後は相手の画面が見られなくなることがあります。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。