ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
SNSで知り合った海外在住の相手から「荷物の受け取りにお金が要る」「帰国の費用を一時的に立て替えてほしい」と頼まれている。そんなときにYouTubeで国際ロマンス詐欺の解説動画を見かけ、自分の状況とよく似ていてどきっとした——この記事は、まだ送金する前の段階で、動画の内容と自分のやり取りを冷静に照らし合わせたい人に向けたものです。
結論から言うと、会ったことのない相手からの送金依頼は、相手の国籍や話の筋書きに関係なく、送る前に第三者へ相談するのが安全です。動画で紹介された手口と細部が違っても、安心材料にはなりません。以下では、公的統計から見た実態、動画の知識を自分の状況に当てはめるための質問、送金手段ごとの注意点、窓口で確かめられること、相談先を順に説明します。
この記事は2026年9月時点の公的機関の資料をもとにした一般的な情報です。個々のやり取りが詐欺にあたるかを判定するものではなく、送金したお金の回収を保証するものでもありません。
令和7年(2025年)の警察庁の確定値(2026年5月公表)によれば、SNSを通じて恋愛感情や親近感につけ込むロマンス詐欺は1年間に5,645件あり、被害は総額546.4億円と、件数・金額とも前年より増えました。接点になったサービスで最も多いのはマッチングアプリの1,846件。InstagramとFacebookがそれぞれ1,288件、1,049件で続き、上位三つで約7割を占めます。やり取りの途中で連絡手段がLINEに移っていた例は5,294件と、9割を超えています。
見落とされやすいのが、犯人が名乗った身分です。警察庁によると、日本国内の人物を名乗ったケースが3,461件で約6割を占め、ほかに東アジアや東南アジア、海外にいる日本人(統計上は「日本(国外)」)といった海外の地域を名乗る例もみられます。職業としては投資家、会社員、会社役員が多く、医療関係や芸能関係を名乗る例も確認されています。
つまり、動画のタイトルに「外国人」とあっても、実際の手口は国籍を問いません。相手が外国人かどうかより、「会ったことのない相手からお金を求められている」という一点で判断するほうが確実だと、編集部は考えています。
次の質問に、はい・いいえで答えてみてください。「はい」が増えるほど、送金を止めて相談する理由がはっきりしてきます。
国民生活センターが紹介している相談の中には、SNS上で親しくなった女性に日本宛ての荷物を受け取ってほしいと頼まれ、配送業者を名乗る相手から受取人払いで50万円かかると告げられ、数日以内に国際送金で払うよう急かされたというものがあります。第三者が登場して費用を求め、期限を区切る流れは、動画で紹介される筋書きとも重なりやすい部分です。
反対に「いいえ」ばかりだったとしても、それで相手が本物だと確かめられたわけではありません。質問はあくまで立ち止まるきっかけを作るためのものです。金額が大きい、借金をしてまで送ろうとしている、といった場合は、答えに関係なく先に相談してください。
相手がどの方法で送らせようとしているかも、判断材料になります。
| 指定された方法 | 気をつけたい点 |
|---|---|
| 銀行から海外の口座への外国送金 | 一度相手側の銀行に着金すると、取り消しには相手側の協力が要り、手数料や為替差で目減りすることもある |
| 日本国内の個人名義の口座への振込 | 「代理人」「友人」の口座を使うと言われたら要注意。名義が本人と違う理由を説明できないなら送らない |
| 送金アプリや国際送金サービス | 運営会社が資金決済法の登録を受けた資金移動業者かを確認する |
| 暗号資産を買って指定のアドレスへ送る | 送った後に相手を特定するのが難しく、取り戻しにくい傾向がある |
| ギフトカードや電子マネーの番号を送る | 番号を伝えた時点で使われてしまうことが多い。支払いの手段として求められること自体が不自然 |
警察庁の統計でも、SNS型ロマンス詐欺のうち暗号資産を送信させるタイプは2,177件で、前年の約2.8倍に膨らんでいます。銀行の窓口で止められにくい方法へ誘導する狙いがあるとみられ、「暗号資産で送って」と言われた段階で一度手を止めてください。
海外へお金を送るとき、銀行の窓口で身分証の提示を求められたり、送金の目的や相手との関係を聞かれたりします。外為法(外国為替及び外国貿易法)第18条は、銀行などに対し、外国へ向けた支払いの為替取引を行う際に、政令で定める小口のものを除いて顧客の本人確認を義務づけています。窓口での質問は手続きの一部であり、相手から「銀行には贈り物だと言って」と指示されているなら、その指示こそ疑うべきサインです。
銀行以外で送金を業として扱えるのは、資金決済法第37条に基づいて内閣総理大臣の登録を受けた資金移動業者です。金融庁は登録業者の一覧を公開しているので、アプリや運営会社の名前がそこにあるか確かめてください。同法第62条の2は、日本で登録を受けていない外国の資金移動業者が国内の人に勧誘することを原則として禁じています。
登録があったとしても、それは送金サービスが正規であることを示すだけで、送り先の相手が信用できる証明にはなりません。この点は取り違えないようにしてください。
送金の目的を聞かれたときに、相手とのやり取りのスマートフォン画面を見せて「SNSで知り合った人に頼まれた」と正直に話すと、窓口の担当者が過去の事例に照らして注意点を教えてくれることがあります。恥ずかしさから理由をぼかすと、せっかくの確認の機会を自分で手放すことになります。
一人で判断がつかないときは、身近な人に見てもらうのも有効です。その際は、見た動画のURLと、相手とのやり取りのスクリーンショットを並べて見せると、どこが似ていてどこが違うのかを一緒に確かめやすくなります。相手から「誰にも話さないで」と言われていても、お金が絡む話である以上、話してかまいません。
動画は、自分の状況に気づくきっかけとしては役に立ちます。ただ、送るか送らないかの最後の判断は、動画の内容ではなく、第三者の目を通して決めることを勧めます。
国民生活センターは、海外の人とのやり取りで手数料を求められても応じず、送金の前に消費者ホットライン188に相談するよう呼びかけています。
保存の手順は証拠の残し方、SNSで始まるロマンス詐欺全体の流れはSNS型ロマンス詐欺とは、送金を求められたときの基本的な対処は外国人を名乗る相手から送金を頼まれたときの基本で説明しています。ご自身の状況を相談したい方は相談予約もご利用ください。
A. 細部の違いは安心材料になりません。手口は時期によって変わり、名目や送金方法も入れ替わります。会ったことのない相手からお金を求められているなら、送る前に188や#9110に相談してください。
A. 警察庁の統計では、SNS型ロマンス詐欺で犯人が名乗った身分は日本国内の人物が約6割で、海外在住の日本人を名乗る例もあります。国籍や居住地ではなく、送金を求められている事実で判断してください。
A. 外為法は、銀行などに外国への送金の際の本人確認を義務づけており、窓口での確認は正規の手続きです。相手から「銀行には本当の理由を言わないで」と言われている場合は、送金を止めて相談することを勧めます。
A. 金融庁が公開している資金移動業者の登録一覧で、運営会社の名前を確認できます。ただし、登録のあるサービスでも、送り先の相手が信用できるかどうかは別の問題です。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。