メールで案内が届いた特定商取引法とサクラサイトを疑ったときの確認方法
メールで案内が届いた特定商取引法とサクラサイトに注意が必要なケース n メールで案内が届いた特定商取引法とサクラサイトのような状況に遭遇した場合、その内容に不審…
知らない番号から電話があり、「あなたに受け取っていない支援金がある」「受け取るにはこのサイトへの登録が必要」と言われた。あるいはSMSで「至急お電話ください」と届き、かけてみるとサイトへの登録とポイントの購入を勧められた。電話がきっかけでサクラが疑われるサイトにお金を払った場合、通常のネット通販とは別のルールが使えることがあります。
この記事の要点です。
サクラが疑われるサイトの多くは、ウェブ上の申込みでポイントを売る形をとっています。それでも、電話が絡む場面はあります。
「以前登録したサイトに未受取の支援金がある」「限定の会員枠が空いた」などと電話があり、通話の中でサイトへの登録やポイントの購入を勧められるケースです。
「重要なお知らせがあります。本日中にお電話を」とだけ書かれたメッセージが届き、かけてみたら登録やポイント購入の勧誘だった、というケースです。
どちらの場合も、支払いそのものは電話を切った後、サイト上で申し込んだり、コンビニで電子マネーを買って番号を伝えたりして行われることがあります。「最後は自分でネットから申し込んだのだから普通の通販だ」と決めつけず、勧誘がどこで行われたのかを振り返ってください。
特定商取引法2条3項は、電話勧誘販売を、事業者が電話をかけ、または政令で定める方法で電話をかけさせ、その電話での勧誘によって消費者から「郵便等」で申込みを受け、または契約を結ぶ販売・役務の提供と定めています。
電話勧誘販売の規制は、商品の売買だけでなく、有償で役務を提供する契約(役務提供契約)にも及びます。メッセージのやり取りに使うポイントを買う契約は、サイトが提供するサービスの対価を前払いする形なので、役務提供契約として検討するのが自然です。適用除外(26条)に当たる取引かどうかも含め、判断に迷うときは消費生活センターで確認してください。
反対に、利用者が自分でサイトを見つけ、問い合わせのために自分から電話をかけた場合は、2条3項の要件を満たさず、原則として電話勧誘販売には当たりません。また、契約の申込みのために電話してほしいと利用者の側から頼んだ場合も、書面交付やクーリング・オフなどの規定は適用されないことになっています(26条7項1号)。どのメッセージを見て、何と書かれていたから電話したのか、その経緯を残しておくことが区別の決め手になります。
電話勧誘販売で申し込んだ人は、18条・19条の法定書面の受領日から8日が過ぎるまで、書面か電磁的記録による通知で、申込みを撤回し、または契約を解除できます。通知は発信した時点で効力が生じ(24条2項)、事業者は損害賠償や違約金を請求できず(同条3項)、受け取った金銭を速やかに返さなければなりません(同条6項)。
鍵になるのは書面です。18条・19条の書面には、役務の種類、対価、支払いの時期と方法、クーリング・オフに関する事項などを書くことが求められ、特商法ガイドは事業者の名称・住所・電話番号なども記載事項に挙げています。書面を受け取っていなければ8日間は始まっていないと考えられます。クーリング・オフについて事業者から嘘の説明を受けたり、威圧されたりして行使できなかったときは、期間の経過後でも行使できる場合があります。
特商法ガイドは、電子メールで通知したなら送信済みメールを、ウェブのフォームで通知したなら画面のスクリーンショットを保存しておくよう勧めています。
勧誘の電話で、役務の内容、対価、支払方法、契約を必要とする事情などについて事実と違うことを告げられ(21条1項)、それを信じて申し込んだ場合、その申込みを取り消せます。対価などについて故意に事実を告げられなかった場合(21条2項)も同じです。行使できる期間は、追認できる時から1年、契約締結から5年までです(24条の3第2項が準用する9条の3第4項)。
日常生活で通常必要とされる回数や分量を著しく超える役務の契約は、契約から1年以内なら解除できるという規定もあります。ポイントの購入に当てはまるかは事案しだいですが、短い期間に高額の購入を繰り返し勧められた場合は、相談のときに伝えてください。
電話勧誘販売には、勧誘の前に事業者名・勧誘者名・勧誘目的などを告げる義務(16条)、断った人への再勧誘の禁止(17条)もあります。名乗らない、断っても何度もかけてくるといった事実も、相談や行政への情報提供の材料になります。
電話勧誘販売に当たるかどうか、電話で何を言われたかは、後から証明しにくい部分です。次のものをそろえておきます。
通話を録音できる環境なら、録音も有力な記録になります。メモは覚えているうちに日付を入れて書き、後から清書し直さずに元のまま残しておくほうが、内容を信用してもらいやすくなります。保存のしかたは証拠の残し方も参考にしてください。
サイトにお金を払った後、「過去の被害金を取り戻せる」という電話やメールが届くことがあります。国民生活センターの公表資料には、同センターの職員をかたる人物から、以前使った出会い系サイトでの課金について示談金を払えるという連絡が来た事例が載っています。同センターは、相談を受けていない人へ自分からメールや電話をすることはないとしています。
同センターは2016年12月にも、インターネットで見つけた「無料相談」「返金可能」の窓口に相談したところ、実際には探偵業者に数万円で「調査」を頼む契約になっていた、という相談が急増していると公表しました。探偵業務は、特定の人の所在や行動を聞込みや尾行などで調べて依頼者に報告する業務です(探偵業法2条1項)。一方、弁護士法72条は、弁護士や弁護士法人ではない者が、報酬目的で、法律事件に関する代理・和解などの法律事務を業として取り扱うことを禁止しています。
電話で次のように言われたら、その場で契約や支払いをせず、いったん切ってください。
相談先の番号は、かかってきた電話で教えられたものではなく、188(消費者ホットライン)や#9110(警察相談専用電話)のように、自分で確かめた公式の番号を使ってください。
この3点がそろっていると、電話勧誘販売として扱えるか、クーリング・オフの期間が進んでいるかを相談窓口が判断しやすくなります。クーリング・オフや取消しの判断は消費生活センター(188)、だまし取られた疑いが強いときは警察(#9110)、請求を具体的に進めるなら弁護士や法テラス(0570-078374)が窓口です。
電話で勧誘してきた事業者を行政に知らせる方法は申出制度の記事で、支払い方法ごとの法律上の扱いは決済手段の記事で説明しています。当サイトの相談予約もご利用ください。
A. 電話での勧誘によって申し込む意思が決まったのであれば、電話を切った後にネットで申し込んだ場合も電話勧誘販売に当たる可能性があります。消費者庁の特商法ガイドもそのように説明しています。
A. 8日間は法定の書面を受け取った日から数えるため、受け取っていなければ期間はまだ始まっていないと考えられます。記載事項が大きく欠けた書面の場合も争う余地があるため、消費生活センターに確認してください。
A. 勧誘目的であることを告げずに電話をかけるよう求める方法は、特商法施行令2条の「電話をかけさせる方法」に当たり得ます。SMSの画面と着信・発信の履歴を保存しておいてください。
A. 先に手数料を求める、公的機関を名乗るといった場合は特に注意が必要です。弁護士でない者が報酬目的で返金交渉を業として行うことは弁護士法72条で禁じられています。188など自分で調べた窓口に相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。