メールで案内が届いたサクラサイトの仕組みと見分け方の特徴と確認すべきポイント
メールで案内が届いたサクラサイトの仕組みと見分け方に注意が必要なケース n メールで案内が届いたサクラサイトの仕組みと見分け方のような状況に遭遇した場合、その内…
「未受取の支援金があります」「あなた宛てのメッセージが届いています」といったメールからサイトに登録し、ポイントを買ってしまった。サクラが相手だったのではないかと気付いたとき、最初に確かめたいのは「何で払ったか」です。決済手段ごとに、関係する法律と取れる手続きが違うからです。
この記事では、支払いの側から使える制度を、割賦販売法と資金決済法を中心に説明します。
国民生活センターが紹介する出会い系サイトの相談の中には、お金に困っていて支援金の話に返信したらサイトへ案内され、ポイントを購入しても受け取り方法が示されなかったというものや、ポイントを贈るという内容のメールがきっかけで、電子マネーでポイント代を払ったのに約束のお金は入らなかったというものがあります。
メールから誘導されるサイトでは、手続きのたびに「カードが通らないので電子マネーで」「今回だけは振込で」と支払い方法を変えるよう言われることがあります。その結果、一人の被害がカード・電子マネー・振込に散らばり、窓口もばらばらになりがちです。まず手元の記録から、支払いを次の表のように仕分けてください。
| 支払い方法 | 主に関係する法律・制度 | 最初の連絡先 |
|---|---|---|
| カードの分割・リボ・2か月を超える後払い | 割賦販売法(支払停止の抗弁) | カード会社 |
| カードの1回払い | カード会社の規約・国際ブランドのルール | カード会社 |
| プリペイド型電子マネー・ギフトカード | 資金決済法(前払式支払手段) | 発行会社の窓口 |
| 銀行振込 | 振り込め詐欺救済法 | 振込元・振込先の金融機関、警察 |
| コンビニ払い(収納代行) | 収納代行会社との契約関係 | 受付票に書かれた収納代行会社 |
割賦販売法30条の4は、包括信用購入あっせん(クレジットカードの分割払いなど)で受けた役務について、販売側に対して生じている事由をもって、カード会社からの支払請求に対抗できると定めています。リボ払いも30条の5で同じように扱われます。
日本クレジット協会の案内では、まず販売側に連絡して解決を図り、連絡がとれない、または解決しないときにカード会社へ申し出る流れが示されています。サクラが疑われるサイトでは運営者と連絡がとれないことも多いので、問い合わせを送った記録や返信がない事実も残しておきます。カード会社から求められたら、抗弁の内容を書いた書面を出すよう努める必要があります(30条の4第3項)。同協会は「支払停止等の申出書」の書式を公開しています。
抗弁で止められるのは、申し出の後に来る支払請求です。すでに引き落とされた分が当然に戻る制度ではない点に注意してください。
1回払いは抗弁の法律上の対象ではありません。国際ブランドのルールにもとづく売上の取消し(いわゆるチャージバック)を申し立てるかどうかはカード会社の判断で、利用者が求められる権利ではないとされています。それでも、経緯を早く伝えておくと、カード会社が加盟店に事情を確認したり、今後の請求の扱いを検討したりするきっかけになります。
サイト運営者とカード会社のあいだに、決済代行業者が入っていることがあります。割賦販売法は、加盟店とカード番号の取扱契約を結ぶ事業者(クレジットカード番号等取扱契約締結事業者)に経済産業省への登録を義務づけ(35条の17の2)、契約前と契約後に加盟店を調査する義務を課しています(35条の17の8)。
この調査義務は、カード番号の適切な管理や不正利用の防止を目的としたもので、利用者への返金を約束する規定ではありません。ただ、カード会社や決済代行業者が事情を知ることは、その加盟店との取引を見直すきっかけになり得ます。カード会社に連絡するときは、明細に表示された名義が実際に使ったサイトの名前と違っていないかも確かめ、違っていればその点も伝えてください。
サクラサイト被害全国連絡協議会の裁判事例集によると、東京高裁平成27年9月30日判決は、サイト運営業者の違法行為を認識し、または通常の注意で認識できたのに、適切な調査や契約の解除をしないまま収納代行を続けて利益を得た場合には、不法行為が成立し得るという考え方を示したと紹介されています。一方、同じ事例集には決済に関わった事業者への請求が認められなかった判決も載っており、この種の請求は簡単ではありません。
コンビニで買うプリペイド型の電子マネーやギフトカードは、資金決済法の「前払式支払手段」に当たります(3条1項)。発行者以外の店でも使える第三者型の発行業務は、内閣総理大臣の登録を受けた法人でなければ行えません(7条)。
知っておきたいのは、資金決済法20条5項が、前払式支払手段の保有者への払戻しを原則として禁じていることです。払戻しが義務になるのは、発行の業務を廃止した場合などに限られます(20条1項)。使われてしまった電子マネーを発行会社が返してくれる仕組みは、法律上は用意されていません。
それでも、発行会社への連絡は急ぐ価値があります。未使用の番号なら、発行会社の判断で利用停止の措置がとられることがあります。どこで使われたかの記録が発行会社に残っていれば、警察や弁護士が照会するときの手がかりにもなります。連絡の際は、購入時のレシートやカードの台紙と、サイトに番号を伝えた画面を手元に用意してください。
サイトで買ったポイントも、そのサイトでしか使えない前払式支払手段(自家型)と見られることがあります。ただし、発行の日から6か月以内に限って使えるものは資金決済法の適用外です(4条2号、資金決済法施行令4条2項)。自家型の発行者に届出義務が生じるのは、基準日の未使用残高が1,000万円を超えた場合です(5条1項、同施行令6条)。事業者が届出をしているかは外から分かりにくく、未使用分の払戻しを期待するより、支払った全額について取消しや損害賠償を求めるほうが話の中心になると筆者は考えています。
銀行振込で払った場合は、振込先口座の凍結と、振り込め詐欺救済法にもとづく被害回復分配金の手続きが中心になります。口座に残高が残っているうちに動くことが大切なので、振込元の金融機関と警察にすぐ連絡してください。手順は振込後の対処法にまとめています。
コンビニで受付番号を伝えて払う方式は、収納代行会社が事業者に代わって代金を受け取る仕組みであることが多く、電子マネーとは扱いが異なります。受付票やレシートに書かれた収納代行会社に、支払った日時・金額・受付番号を伝え、どの事業者の代金として受け取ったかを確かめます。収納代行会社が返金に応じる義務を負うとは限りませんが、支払先の事業者名が分かれば、取消しや損害賠償を請求する相手がはっきりします。
メールそのものを止める方法(特定電子メール法など)は迷惑メールの止め方で解説しています。
A. 法律上の支払停止の抗弁が使えるのは、2か月を超える分割払いやリボ払いなどで、一般的な1回払いは外れます。それでもカード会社に経緯を伝えると、加盟店への確認などの対応がとられることがあるため、早めに連絡しておきましょう。
A. 割賦販売法施行令21条の基準(分割は支払総額で4万円、リボは現金価格で3万8千円)を下回る取引には、抗弁の規定が働きません。その場合は、サイト運営者への取消しや損害賠償の請求など別の手段を検討します。
A. 資金決済法は前払式支払手段の払戻しを原則として禁じており、返金は発行会社の法律上の義務ではありません。まだ使われていなければ利用を止められる場合があるため、すぐに発行会社へ連絡してください。
A. 被害の後に届く返金の案内が、さらにお金を払わせる入口になることがあります。連絡先は、メールに書かれた番号ではなく、188など自分で調べた公式の窓口を使ってください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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