X副業に反応したら知らない番号から電話|番号の出どころと断った後のルール

X(旧Twitter)で副業のポストに「いいね」をした、DMに返信した、プロフィールのリンクから無料マニュアルを受け取った。その数日後に知らない番号から「副業の件で」と電話がかかってきた、という方に向けた記事です。

先に要点を書きます。電話ではその場で申し込まず、お金も送らないこと。相手には「この番号をどこで知ったのか」を尋ねてかまいません。電話勧誘販売であれば、一度「契約しません」と伝えた人に同じ勧誘を続けることは特定商取引法第17条で禁じられています。さらに、Xの広告やポストを見て自分から電話をかけた場合でも、2023年6月1日施行の政令改正により電話勧誘販売として扱われる余地が広がりました。以下、番号の出どころ、断り方、契約してしまった後の期限の順に整理します。

Xの副業から電話がかかってくるまでの3つの経路

電話がどこから来たのかによって、次に取る行動が変わります。まず自分の記憶と端末の履歴を照らし合わせてください。

1. 自分で電話番号を入力していた

Xのポストやプロフィールに貼られたリンク先で「無料で稼ぎ方を配布」「診断を受け取る」といったフォームに名前・メールアドレス・電話番号を入れた場合です。LINEの友だち追加後に届いたアンケートで番号を書いたケースもこれに含まれます。フォームの画面やLINEのトークが残っていれば、どの事業者に番号を渡したかを後から特定する手がかりになります。

2. DMで「詳しくは電話で」と言われ、自分からかけた

DMのやり取りの中で番号を案内され、こちらから発信した形です。自分でかけた電話でも、事業者の働きかけ方によっては電話勧誘販売のルールが及びます(後の見出しで詳しく扱います)。DMは削除せずに残しておきましょう。

3. まったく心当たりがない

番号を教えた覚えがないのに副業の電話が来た場合は、別のサービスで登録した情報が回ってきた可能性や、無作為に番号を打って発信している可能性が考えられます。どちらなのかを電話口で判断する必要はありません。「どこでこの番号を知ったのか」を尋ね、答えを記録しておくだけで十分です。

「この番号をどこで知りましたか」と聞いてよい理由

番号の出どころを尋ねるのは失礼ではありません。個人情報保護法には、本人が事業者に対して自分の情報の扱いを確かめたり止めたりするための仕組みがあります。相手が同法の個人情報取扱事業者に当たる場合に使える主な条文は次のとおりです。

やりたいこと根拠となる条文中身
番号をどこから入手したか知りたい第30条・第33条第5項他社から個人データを受け取った事業者は、提供元の名称や取得の経緯を確認し、記録を作る義務がある。本人はこの「第三者提供記録」の開示を請求できる
今後その番号を使わせたくない第35条第5項利用する必要がなくなった場合や、本人の権利または正当な利益が害されるおそれがある場合に、利用停止・消去・第三者提供の停止を請求できる
不正に取得されたと思う第35条第1項不正な手段で取得された保有個人データについて、利用停止・消去を請求できる

電話口では、次のように短く伝えれば足ります。

  • 「この番号はどこから入手されましたか。会社名と住所も教えてください」
  • 「今後、私の番号を使わないでください。削除をお願いします」

名乗らない、住所を答えない、答えがあいまいといった反応は、それ自体が契約を見送る判断材料になります。請求の書き方や、相手が応じないときの進め方に迷ったら、個人情報保護委員会が設けている相談ダイヤル(電話03-6457-9849、平日9:30~17:30)に問い合わせる方法があります。

一度はっきり断れば、同じ勧誘を続けることは禁じられている

特定商取引法第17条は、電話勧誘販売で「契約を締結しない」という意思を示した人に対し、事業者がその契約の勧誘をすることを禁じています。いわゆる再勧誘の禁止です。

このルールを働かせるには、断る意思が相手にはっきり伝わっていることが前提になります。「考えておきます」「今は忙しいので」では、断ったと受け取られないおそれがあります。

伝え方の例

  • 「この副業の契約はしません。今後この件で電話をかけてこないでください」
  • 「家族に相談する必要はありません。契約しないと決めています」

断ったあとに残しておくこと

  • 断った日時と、相手の番号・名乗った会社名や担当者名
  • 断ったときの自分の言葉(メモでよい)
  • その後にかかってきた電話の日時と番号(着信履歴のスクリーンショット)

断ったのに別の担当者や別の番号から同じ副業の勧誘が続く場合は、この記録を持って消費生活センターに情報提供してください。着信拒否の設定は、記録を残してから行うと後で困りません。

Xの広告やポストを見て自分からかけた電話も対象になりうる

「自分から電話したのだから、何を言われても自己責任」と考える必要はありません。特定商取引法施行令第2条第1号は、事業者が消費者に電話をかけさせる方法として、電話・郵便・電磁的方法やビラの配布に加え、新聞・雑誌などの刊行物、ラジオ・テレビ放送、ウェブページ等を利用した広告を挙げています。契約の勧誘が目的だと告げずにこれらで電話を求め、その電話で勧誘した場合は電話勧誘販売に当たります。広告やウェブページを使う方法は、2023年2月1日公布の政令改正で加わり、2023年6月1日から施行されています。

消費者庁が公開している電話勧誘販売のQ&Aには、テレビCMで見た拡大鏡を注文しようと電話をかけたら、CMに出ていないサプリメントを勧められたという設例が載っています。サプリメントの勧誘目的を告げずに電話を求めたといえるなら、電話勧誘販売に当たるという整理です。

Xに置き換えると、次のような流れが考えられます。

  • 「無料で副業の始め方を教えます。お電話ください」という広告やポストを見て電話した
  • 電話では無料の説明は数分で終わり、数十万円のサポートプランを勧められた

この場合、広告に書かれていなかった有料プランの勧誘を電話で受けたことになり、電話勧誘販売として扱われる可能性があります。当てはまるかどうかは広告の書き方や会話の中身で変わるため、広告画面・ポスト・DMのスクリーンショットを消さずに持って相談してください。

通話中にこの言葉が出たら、その場で電話を切ってよい

2026年5月20日に国民生活センターが出した注意喚起は、副業サポートや投資を名目に消費者金融から借入れをさせ、同じ日に複数の業者から次々と借りさせる手口を取り上げています。相談は20歳代以下の若い世代から多く寄せられていると公表しています。電話で次のような言葉が出たら、話を続ける必要はありません。

  • 「今日中に申し込めば半額」「残り1枠」など、期限や人数で決断を迫る
  • 「お金がなければ借りればいい。すぐに元が取れる」と借入れを勧める
  • 「借入れの審査では、用途を『生活費』と答えて」と申告内容を指示する
  • 「操作を手伝うので、このアプリを入れて画面を共有して」と求める
  • 「カード番号をこの電話で読み上げて」と求める
  • 「家族に話すと反対されるから内緒で」と口止めする

借入れの審査で用途を偽ると、返済の責任はそのまま自分に残ります。画面共有アプリを入れると、ネットバンキングや消費者金融の申込み画面を相手に見られるおそれがあります。「一度切って考えます」と言って電話を終えることに、遠慮はいりません。

契約してしまったときの期限:8日と、うその説明があった場合

電話勧誘販売に当たる契約であれば、次の2つの手段を検討できます。

クーリング・オフ(特定商取引法第24条)

申込書面または契約書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面のほか、メールなどの電磁的記録で通知して、申込みを撤回したり契約を解除したりできます。事業者から「解約はできない」といったうその説明を受けて8日を過ぎてしまった場合は、改めてクーリング・オフができる旨を書いた書面を受け取るまで期間は進みません。書面が届かない、届いた書面の記載に不備があるといったケースの扱いは、TikTok副業の電話勧誘で契約書が届かない場合の記事で詳しく扱っています。

取消し(特定商取引法第24条の3)

勧誘の際に「月20万円は確実」など事実に反する説明を受け、本当だと思い込んで申し込んだ場合や、重要な事実をわざと告げられなかった場合は、契約を取り消せることがあります。ただし取り消せる期間には限りがあり、追認できる時(誤りに気づいた時など)から1年、または契約した時から5年が過ぎると使えなくなります。

どちらを使うにしても、電話で交渉を始める前に、契約書面・支払いの記録・通話メモをそろえて消費生活センターに見てもらうのが安全です。

相談先と、通話の記録のまとめ方

相談の前に、通話ごとに次の項目を1行ずつ書き出しておくと、話が早く進みます。

項目書き方の例
日時9月10日 20時15分ごろ、約40分
相手の番号・名乗り050から始まる番号、会社名は名乗らず担当者の名字だけ
きっかけXのポスト→プロフィールのリンク→フォームに番号を入力
提示された金額サポートプラン48万円、分割可と言われた
自分の返答「契約しません」と伝えた/その場で申し込んだ

相談先

  • 消費者ホットライン188:契約の解除や取消し、再勧誘の相談。最寄りの消費生活センターにつながる
  • 個人情報保護委員会の相談ダイヤル(03-6457-9849):番号の入手元の開示請求や利用停止の請求の進め方
  • 警察相談専用電話 #9110:脅すような言葉、借入れの強要、金銭をだまし取られた疑いがあるとき

証拠の残し方は証拠の残し方、X経由の副業勧誘の全体像はTwitter副業の見分け方、電話のアンケートから始まる勧誘はアンケート副業の電話勧誘の記事にまとめています。弁護士への相談を考えている方は相談予約も確認してください。

よくある質問

Q. XのLINE登録から副業の電話が来ました。番号を教えた覚えがありません。

A. LINE登録後のアンケートやフォームで入力していないか、トーク履歴とブラウザの履歴を確かめてください。心当たりがなければ、相手に入手元を尋ね、答えを記録しておきます。相手が個人情報取扱事業者なら、個人情報保護法第33条第5項により第三者提供記録の開示を、第35条により利用停止や消去を請求できる場合があります。

Q. 断ったのに、別の担当者から同じ副業の電話がかかってきます。

A. 電話勧誘販売で契約しない意思を示した人への勧誘は、特定商取引法第17条で禁じられています。最初に断った日時と、その後の着信の日時・番号を記録し、消費者ホットライン188に伝えてください。着信拒否は記録を取ってから設定するのがおすすめです。

Q. Xのポストにあった「電話で無料相談」にかけて、そのまま有料プランを契約しました。クーリング・オフできますか?

A. 2023年6月1日から、ウェブページ等の広告で勧誘目的を告げずに電話をかけさせ、その電話で勧誘する方法も電話勧誘販売に含まれています。広告にない有料プランを電話で勧められたのなら、書面を受け取ってから8日以内のクーリング・オフを検討できる可能性があります。ポストや広告の画面を保存し、早めに消費生活センターへ相談してください。

Q. 番号の削除を頼んだら「うちは関係ない」と言われました。

A. やり取りの日時と相手の返答を記録し、個人情報保護委員会の相談ダイヤル(03-6457-9849)で、次にどう動くかを相談できます。副業の勧誘そのものについては188へ。名乗らない相手の場合、請求を重ねるより、着信拒否と記録の保存を優先してかまいません。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。