ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
知らない番号から電話があり、「国連の事務所の者です」「あなたの恋人の休暇申請に費用がかかる」「空港で国連関係の荷物を預かっている」などと言われたら、その場で結論を出さず、いったん電話を切ってください。国連広報センターは、国連や国連関係者が一般の人に個人的に近づいて料金の支払いや立て替えを求めることは一切ないと公表しています。
この記事は、国連職員を名乗る相手本人、あるいはその「関係者」から電話を受けた人に向けて書いています。税関・警察庁・外務省の公表情報をもとに、表示された番号を手がかりにしない理由、自分で調べた番号にかけ直して確かめる手順、電話口で伝えないこと、着信を減らす方法、話してしまった後の動き方をまとめました。
国連職員を名乗る人物とのやり取りが続いている最中に、別の人物から電話が入る、という形がよく見られます。誰を名乗り、何を求めてくるかを整理すると、次の表のようになります。
| 名乗る立場 | よくある用件 |
|---|---|
| 国連の事務所・人事担当 | 恋人の休暇や退任の手続きに、あなたの署名と手数料が必要 |
| 空港・税関・配送業者 | あなた宛ての荷物を預かっている。保管料や通関料を払え |
| 弁護士 | 恋人が移動中に拘束された。解放のための費用が要る |
| 大使館・領事館 | 来日の査証や書類に費用がかかる |
| 本人 | 任地から急いで話している。今日中に送ってほしい |
外務省の注意喚起によれば、国際ロマンス詐欺は一人の犯行とは限りません。複数の人間が組んで、弁護士や空港の職員といった「脇役」まで用意して信じ込ませる例があるとされています。経由地で警察に拘束されたので保釈金が要る、という話も典型例として挙げられています。ジェトロも、婚約者が海外の当局に拘束されたとして弁護士を名乗る者が費用を求める手口を紹介しています。
国連職員を名乗る本人からの電話でも、声が聞けたことを安心材料にしすぎないでください。外務省も、AIなどで声や映像を作れてしまう現在では、通話を重ねて打ち解けた相手でも本人とは限らないと警告しています。
電話は文字のやり取りよりも考える時間が短く、相手の声の調子に気持ちが引っぱられがちです。「電話では決めない」と先に決めておくだけでも、落ち着いて対応しやすくなります。
電話の画面に出る番号や、相手が名乗る所属は、どちらも本物である保証になりません。
国連の職員が任地から電話してくる、という設定そのものは、国際電話番号での着信を不自然に感じさせない効果もあります。番号の見た目や相手の話し方の丁寧さではなく、次の章の「かけ直し」で確かめてください。
理由を長く説明する必要はありません。短く伝えて切り、同じ番号から続けてかかってきても出ないようにします。自分でかけ直すのが不安なら、家族や友人に代わりに問い合わせてもらうのも一つの方法です。
かけ直そうとすると「今切ったら手続きが無効になる」「恋人が危険な目にあう」と引き止められることがあります。そうした言葉が出ること自体、確かめられると困る事情があるサインとして受け止めてよいでしょう。
かけ直す前でも後でも、次のことは電話で求められても応じないでください。
国連本部の Fraud Alert には、口座の情報のような私的な情報を国連が個人に尋ねることはない、という趣旨の記載があります。電話の相手が国連の名前を出して口座や番号を聞いてきた時点で、公式の説明から外れていると考えられます。
「確認用の書類をメールで送る」「このリンクから本人確認をして」と言われることもあります。届いた書類やリンクは開かずに保存だけしておき、相談のときに見せてください。リンク先で名前や番号を入力すると、次の請求の材料にされることがあります。
ギフトカードの番号を頼まれる形については、電話でギフトカード番号を頼まれたときの記事でも詳しく扱っています。
一度電話に出ると、別の名目で何度もかかってくることがあります。着信を減らす仕組みを使っておくと、断る負担が軽くなります。
家の電話で海外と話すことがないなら、国際電話の発信と着信を止める手続きがあります。受け付けているのは「国際電話不取扱受付センター」という窓口です(フリーダイヤル 0120-210-364)。休止にも再開にも費用はかかりません。オペレーターが出るのは平日9時〜17時で、自動音声なら土日祝も含めていつでも申し込めます。手続きが難しいときは、最寄りの警察署でも相談に乗ってもらえます。
警察庁は、非通知や番号を通知できない着信の拒否、電話帳に登録していない番号の着信拒否、留守番電話で相手を確かめてからのかけ直し、国際電話の着信を制限できるアプリの利用などを勧めています。
「国連の任地にいる恋人からの電話を受けられなくなるのでは」と心配になるかもしれません。相手が本当に連絡を取りたいなら、文字のメッセージでも用件は伝わります。お金の話を電話で急いで決めなければならない事情は、ふつうは考えにくいものです。
着信を止めたあとも、SNSやメッセージアプリで連絡が続くことがあります。その場合の連絡の断ち方は連絡が止まらないときの対処を参考にしてください。
相談するときは、電話の回数と日時、相手が名乗った所属ごとの用件、払った金額と方法を時系列に並べたメモがあると、窓口の担当者が状況をつかみやすくなります。国連職員を名乗る相手とのSNSのやり取りがあれば、その画面もあわせて持っていきましょう。
返金は約束されませんが、口座の停止は早いほど意味を持ちます。電話のあとで「被害を取り戻す手続きをする」という別の電話が来ることもあるので、同じように切ってから確かめてください。記録のまとめ方は証拠の残し方、相談の流れはご相談の流れにあります。
A. 国連本部は、手数料と引き換えに軍の休暇や年金を承認することはないとしています。国連広報センターも、国連関係者が一般の人に支払いを求めることはないと公表しています。いったん切り、支払わずに #9110 などに相談してください。
A. 税関は、実在する番号が表示される不審電話を確認していると公表しています。番号が本物に見えても、いったん切り、機関の公式サイトなどで自分で見つけた番号を使って問い合わせるのが確実です。
A. 国際電話不取扱受付センターの休止は固定電話が対象で、携帯電話には及びません。海外の家族とはスマートフォンの通話アプリなどでやり取りし、固定電話は止めておく、という使い分けを考える人もいます。
A. その口座のある金融機関に連絡し、事情を伝えて利用の停止や見守りを相談してください。暗証番号やパスワードも伝えていたら、すぐに変更し、警察にも相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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