ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
X(旧Twitter)で航空関係の話題に反応したのがきっかけで、客室乗務員やパイロットを名乗る相手とDMをするようになった。やがてLINEに移り、「次の日本便で会いに行く」と約束してくれたのに、そのたびに予定が変わる。最近は、会うための費用の話も出てきた。この記事は、そうした状況で気持ちの整理がつかない方に向けて書いています。
結論から書くと、見るべきは相手の職業が本物かどうかより、「会えない理由が続いたあとに、お金の話が出てきたか」です。外務省は、一度も直接会ったことのない人から資金援助などお金の話を出されたら、必ず警戒してすぐに送金しないよう呼びかけています。この記事では、会えない理由を記録して並べる方法と、X上で自分で確かめられることを具体的に紹介します。
X上では、次のような流れで距離が縮まることが多いようです。
令和7年に警察が把握した恋愛感情を利用するSNS型の詐欺は5,645件で、お金を送った時点で使われていた連絡手段は、LINEが5,294件(93.8%)にのぼります。最初の接点がXのような「その他SNS」だった場合も、最後はLINEに移ってお金の話が進む、という形が大半だと考えられます。
知らない相手からのDMそのものを減らしたい場合は、Xの設定で、メッセージを受け取る相手の範囲を絞ることもできます。
連絡手段を変えること自体は珍しくありませんが、X上のやり取りは移った後に消されやすく、相手のアカウントがいつの間にか消えていることもあります。LINEに移る前のDMも、早めに画面を保存しておいてください。
一つひとつの理由はもっともらしく聞こえても、並べてみると見え方が変わります。次のような表を、メモアプリや紙に作ってみてください。
| 日付 | 約束していたこと | 相手が説明した理由 | その後に出た話 |
|---|---|---|---|
| (例)○月○日 | 来週、成田に着く便で会う | 急にシフトが変わった | なし |
| (例)○月○日 | 休暇を取って日本に行く | 休暇の申請に費用がかかる | 費用の一部を立て替えてほしい |
| (例)○月○日 | ビデオ通話をする | 乗務中で機内から映せない | なし |
航空会社で働いていると名乗る相手からは、次のような説明が聞かれることがあります。一つだけなら気にしなくてよいものもありますが、いくつも重なるなら注意して見てください。
表を作ると、次の点が確かめやすくなります。
食い違いを見つけても、相手を問い詰める材料にする必要はありません。問い詰めると、別の理由がすぐに用意されるだけのことが多いからです。表は、家族や相談窓口に状況を説明するときの資料として使うのが一番役に立ちます。
顔を見せる、声を聞かせるといった確認も、決め手にはなりません。外務省の注意喚起によれば、ネット上の写真とAIを組み合わせれば声や映像も作り出せるため、通話で顔を合わせていても、画面の向こうが本人とは言い切れません。
外務省の注意喚起には、仲良くなった後に持ち出される話として、次のような例が挙がっています。航空会社の勤務を名乗る相手の場合も、筋書きの骨組みはほぼ同じです。
「社員なら自社の便に乗れるはず」「会社に頼めばいい」と矛盾を指摘したくなるかもしれません。ただ、相手の説明の正しさを議論しても、送金するかどうかの判断には役立ちません。外務省は、詐欺師が友人や弁護士、空港係官などの役を演じ分けることがあり、1年以上かけて信頼関係を作ってからだます場合もあると説明しています。長く続いた関係であることも、安心材料にはならないということです。
筆者の考えでは、会うための費用を求められたときの返事は「お金は送れない。会える日まで待つ」の一言で十分です。本当に会う気がある相手なら、それで関係が終わることはないはずです。この返事のあとに怒る、泣きつく、別の名目を持ち出す、という反応が続くなら、それが答えだと受け止めてください。
それぞれの名目の詳しい特徴は、保釈金・違約金・治療費を頼まれたら、税関で荷物が止まっている名目の送金要求、空港職員や弁護士を名乗る電話が来たらで取り上げています。
相手がXのアカウントを残しているなら、次の点は自分で確認できます。
| 見るところ | 確かめられること | 確かめられないこと |
|---|---|---|
| プロフィールの利用開始時期 | アカウントが作られた時期。最近作られたばかりか | 中の人が誰か |
| 過去のポスト | 航空関係の投稿がいつから始まったか、写真に一貫性があるか | 写真が本人のものか(画像検索が必要) |
| 認証マーク | 有料プランに加入しているかどうか | 職業や勤務先。マークは職業の証明ではない |
| フォロー・フォロワー | 実在の知人らしいつながりがあるか | フォロワー数が本物の人間か |
写真については、画像検索で同じ写真が別の名前で使われていないかを調べる方法があります。手順はインスタで客室乗務員・パイロットを名乗る相手で詳しく説明しています。
保存が済んだら、Xの報告機能でアカウントを運営に知らせておくと、同じアカウントからほかの人に届くDMを減らす助けになります。ブロックは記録を取り終えてからにしてください。
アカウントの画面は、ユーザー名(@から始まる部分)とプロフィールのURLが入る形で保存しておきましょう。表示名は簡単に変えられますが、URLやユーザー名の記録があれば、後から同じアカウントだと説明できます。
送ったお金を取り戻せるかどうかは、支払い方法と、どれだけ早く動けたかで大きく変わります。
振り込んだ銀行と、振込先の口座がある銀行に連絡し、詐欺の疑いを伝えます。相手の口座が凍結されれば、振り込め詐欺救済法にもとづいて、残っている残高を被害者に分配する手続きが行われることがあります。凍結された口座と申請の受付期間は、預金保険機構のウェブサイトで確認できます。
警察庁の統計では、SNS型ロマンス詐欺で暗号資産を送らせる形の被害は2,177件と、前年から177.0%増えました。使った取引所のアプリから送金の明細を開き、送った日時と数量、相手のアドレス、取引の識別番号が写るように保存してから、取引所の窓口と警察に知らせてください。
カードの番号を相手に伝えた場合は、発行元の問い合わせ窓口にすぐ連絡します。使われる前なら止められる可能性があります。購入時のレシートも捨てずに残してください。
送金のあとで、「失ったお金を取り戻せる」と持ちかける業者や、相手の「上司」「弁護士」を名乗る人物から連絡が来ることがあります。前払いの費用を求められたら、その時点で応じずに警察や188に相談してください。
借り入れをして送った場合の返済の相談先はSNS恋愛詐欺の送金で借金が残ったらにまとめています。
一人で抱え込まないことを、外務省は繰り返し求めています。お金を送る前の段階で、身近な人か警察に話してください。家族に話しにくいときは、「恋愛の相談」ではなく「お金を頼まれて困っている」という形で切り出すと、話しやすくなることがあります。記録した「会えない理由」の表を一緒に見てもらうのも一つの方法です。
打ち明けられた家族がどう受け止めればよいかは家族向けの対応ガイド、経路別の違いは航空会社社員をかたる詐欺被害で確認できます。
A. IDカードや制服の画像は、ネット上の画像を加工したり、他人の写真を使ったりして用意できます。外務省も、写真やAIを使えば誰でも他人になりすませると注意しています。画像があることより、会ったことのない相手からお金の話が出ているかどうかで判断してください。
A. 送金を断った途端に態度が変わるなら、関係がお金を前提にしていた可能性を示す手がかりです。感情的なやり取りに応じる必要はありません。やり取りを保存し、つらい気持ちも含めて家族や#9110に相談してください。
A. 問い詰めても、別の理由を用意されたり、アカウントを消されて記録が失われたりすることが多く、得られるものは少ないと考えます。記録を保存してから連絡をやめ、X上では報告機能を使うほうが安全です。
A. 金額にかかわらず相談できます。同じ相手からほかの人も被害を受けている可能性があり、少額の段階で相談すれば、次の送金を防ぐことにもつながります。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。