Facebookで見たコロナ給付金の申請ページ|偽サイトの見分け方と通報先

Facebookのフィードに「給付金の申請受付中」という広告が流れてきた。地域のグループに「まだ受け取っていない人は急いで」という投稿があり、リンク先の申請ページに進んだ。この記事は、そのページが本物か確かめたい方、すでに何かを入力してしまった方に向けて書いています。

判断の軸は3つです。URLのドメインが発行元と合っているか、給付の申請では通常求められない情報を入力させようとしていないか、そしてリンクをたどらずに公式サイトから同じページにたどり着けるか。この3つを確かめる前に、氏名や口座、カード番号を入力しないでください。以下、それぞれの見方と、入力後の対応を順に説明します。

Facebookで見かける給付金の案内の型

Facebook上の給付金の案内は、大きく3つの形で現れます。

  • スポンサー広告:「国の支援金」「給付金の申請はこちら」といった文言と、官公庁風の画像を組み合わせた広告。クリックすると外部サイトに移ります。
  • 公的機関を思わせるページ:自治体や省庁、支援団体に似た名前のFacebookページが投稿を続け、申請フォームへのリンクを貼る。
  • 地域グループやシェア投稿:住民向けの情報交換グループで、個人アカウントが「知り合いから聞いた」として案内を拡散する。投稿者に悪意がなく、善意でシェアしている場合もあります。

コロナ関連の国の給付金は、特別定額給付金や持続化給付金をはじめ、公表資料ではすでに受付を終えています(制度ごとの終了時期はこちらの一覧)。2026年時点で「コロナ給付金の申請受付中」とうたう広告は、その時点で公式情報と合いません。

偽の申請ページを見分ける3つの確認

1. ドメインを最後まで読む

ブラウザのアドレス欄で、URLの「https://」の直後から最初の「/」までを確認します。日本のドメイン名を管理するJPRSによると、「go.jp」は日本の政府機関や独立行政法人などが、「lg.jp」は地方公共団体とその行政サービスが登録できるドメインです。国の制度の案内が、こうした行政機関のドメインでない場所に置かれている場合は注意が必要です。

ただし、市区町村のサイトは「lg.jp」に限りません。たとえば札幌市の子育て情報サイトは「city.sapporo.jp」を使っています。ドメインだけで判定せず、次の2点と組み合わせてください。また、「go.jp」の文字が途中に含まれていても、末尾が別のドメインなら行政機関のサイトではありません。

スマートフォンのFacebookアプリからリンクを開くと、アプリ内のブラウザで表示され、アドレス欄が短く省略されることがあります。メニューから「外部ブラウザで開く」を選ぶか、リンクをコピーしてメモ帳に貼り付けると、URL全体を落ち着いて確認できます。

2. 入力項目を見る

次のような項目を入力させるページは、給付の申請としては不自然です。

  • クレジットカードの番号・セキュリティコード
  • キャッシュカードの暗証番号、ネットバンキングのログインパスワード
  • 「手数料」「事務手数料」の支払い

コロナ禍の特別定額給付金の際、総務省はチラシで「受給にあたり手数料を振り込ませることはない」と明示していました。給付を受ける側が先にお金を払う、という流れ自体が不自然です。

3. 公式サイトから同じページにたどり着けるか

広告のリンクではなく、検索や自治体のトップページから同じ制度のページを探します。公式サイトのどこからもたどり着けない申請ページなら、使わないでください。

広告を出しているページの素性を確かめる

Facebookの広告や投稿には、発信元のページ名が表示されます。そのページ名をタップすると、ページの詳細を確認できます。見るべき点は次の3つです。

  • ページの作成日:「ページの透明性」などの欄で、ページがいつ作られたかを確認できます。給付金の案内をしているのに作られたばかりのページは注意が必要です。
  • 名前の変更履歴:以前は全く別の名前(通販や趣味のページなど)だったのに、途中で行政機関らしい名前に変わっている場合があります。
  • 公式サイトとの相互リンク:本物の自治体や省庁のFacebookページなら、その機関の公式サイトからFacebookページへのリンクが張られていることが多いです。公式サイト側にリンクがなければ、名乗っている機関のページだという裏付けにはなりません。

フォロワー数や「いいね」の多さは、購入や使い回しで水増しできるため、判断材料としては弱いと考えてください。

行政機関のなりすましは実際に確認されている

行政機関の名前をかたる偽サイトは、過去に公式の注意喚起が出ています。2024年1月には、5万円の給付金をうたう偽のお知らせメールについて内閣府が注意喚起を出しました。送信元に「内閣府ホームページ」と表示し、受け取った人をマイナポータルに見せかけたページへ誘い込む手口で、内閣府自身はそのようなメールを出していないと説明しています。

入口がメールかFacebook広告かの違いはあっても、「実在する給付金に近い名前」と「公式サービスに似せた入力画面」を組み合わせる点は共通しています。補助金・助成金についても、中小企業庁は自らSNSやメールで勧誘することはないとしています。Facebook上で官公庁を名乗る広告を見かけたら、まずは本物ではない可能性を前提に確かめる、という姿勢で臨むのが安全です。

入力してしまった直後にやること

ページに情報を入力して送信してしまった場合、入力した項目によって優先順位が変わります。入力画面を覚えているうちに、何を入れたかを紙に書き出してから動いてください。

  1. カード番号を入れた:カードの裏に書かれた問い合わせ先に連絡して、カードを止め、新しい番号で作り直してもらいます。直近の利用明細に見覚えのない決済がないかも確認します。
  2. ネットバンキングやマイナポータルのログイン情報を入れた:正規のアプリや公式サイトから直接ログインしてパスワードを変えます。変更できない、ログインできない場合は金融機関の窓口に連絡します。
  3. Facebookのログイン情報を入れた:パスワードを変え、2段階認証を有効にします。自分のアカウントから同じ広告や投稿が拡散されていないかも確認します。
  4. 氏名・住所・電話番号だけ:お金の被害に直結はしにくいものの、今後の電話やSMSによる勧誘が増えることがあります。着信やメッセージへの対応は電話で給付金の話が来たときの記事を参考にしてください。

身分証の画像やマイナンバーカードの画像までアップロードした場合は、身分証・口座情報を送ってしまった場合の記事で情報ごとの連絡先を確認してください。

広告・ページの通報と情報提供

自分の対応が済んだら、同じ広告で被害に遭う人を減らすために通報しておきましょう。通報の前に、広告やページの画面、表示されたURL、ページ名を保存しておきます。通報後に広告が消えると、あとから確認できなくなるためです。

  • Facebookへの報告:広告や投稿の右上のメニューから報告できます。ページやアカウントそのものも報告の対象にできます。
  • フィッシング対策協議会:偽サイトのURLをWebフォームまたは電子メールで報告できます。寄せられた報告は、同協議会から警察や被害を受けた組織に共有されることもあります。
  • 名前をかたられた自治体・省庁:公式サイトの問い合わせ窓口に、広告の画面とURLを添えて知らせると、注意喚起につながることがあります。
  • 警察:支払いや入力をしてしまったなら、地元の警察署か #9110 に経緯を伝えます。

地域グループで案内をシェアした人がいる場合は、投稿者を責めるのではなく、公式情報のリンクを添えてコメントやメッセージで知らせるのが穏当です。

お金を払ってしまった場合の相談先

申請ページで「手数料」「登録料」などを支払ってしまった場合は、次の窓口を使い分けます。

  • カード払い:カード会社に、偽サイトでの決済であることを伝えて相談
  • 振込:相手口座のある銀行と警察に連絡して口座を止めてもらう。止まった口座にお金が残っていれば、預金保険機構の公告を経た被害回復の手続きにつながることがあります
  • コンビニで買ったギフトカード・電子マネーの番号を入力した:レシートと番号の控えを用意して、カードの発行会社に利用停止ができないか問い合わせる。時間がたつと残高が使われてしまうため、気づいた時点ですぐ連絡を
  • 取引全般の相談:消費者ホットライン 188

相談時には、広告の画面、申請ページのURLと画面、支払いの明細、入力した項目のメモをそろえておくと、状況を正確に伝えられます。記録の取り方は証拠の残し方、相談全体の流れは相談の流れにまとめています。

よくある質問

Q. Facebookの広告から給付金の申請ページに進みました。URLに「go.jp」と入っていれば本物ですか?

A. URLの途中に「go.jp」が含まれていても、ドメインの末尾が別の文字列なら行政機関のサイトではありません。「https://」の直後から最初の「/」までを最後まで読み、さらに公式サイトのトップページから同じページにたどり着けるかを確かめてください。

Q. 市区町村のサイトはすべて「lg.jp」ですか?

A. すべてではありません。地方公共団体は「lg.jp」を登録できますが、例えば札幌市の子育て情報サイトは「city.sapporo.jp」を使っています。ドメインだけで判断せず、自治体の公式トップページからたどれるかで確認してください。

Q. 偽の申請ページにカード番号を入力しました。どこに連絡しますか?

A. カードの裏にある問い合わせ番号へ連絡し、カードを止めて作り直してもらってください。あわせて利用明細に見覚えのない決済がないかを確認し、被害があれば警察にも相談します。

Q. Facebookのグループで知人が給付金の案内をシェアしていました。どう伝えればいいですか?

A. 投稿者が善意で共有していることもあるため、公式情報のリンクを添えて「受付は終わっているようです」と穏やかに知らせるのがよいでしょう。広告や投稿そのものはFacebookの報告機能で報告できます。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。