出会い系詐欺のよくある手口10パターン|入口・人物設定・名目で見分ける

出会い系のトラブルは、手口の名前を覚えても見分けにくいものです。同じ「サクラ」でも芸能人を名乗る場合と、お金をあげると持ちかける場合では、話の進み方がまるで違います。

そこでこの記事では、公的機関が公表している事例を「どこで接触したか(入口)」「誰を名乗っているか(人物設定)」「何の名目でお金を求めるか(名目)」の3つの軸に分けて、10のパターンに整理しました。いまやり取りしている相手がいる人、すでに支払いをしてしまい自分の状況を説明する言葉を探している人に向けた内容です。

結論を先に書くと、パターンは違っても最後は「会ったことのない相手、またはサイトの向こう側に、先にお金を払う」ところに行き着きます。その場面が来たら、どのパターンでも手を止めてください。

手口を3つの軸で分解する

最初に、10パターンの全体像を表にまとめます。自分の状況に近い行を探してみてください。

No.パターン主な入口お金の払い方
1会う約束の先送り出会い系サイトサイト内のポイント購入
2芸能人・有名人を励ます迷惑メール、SNSサイト内のポイント購入
3お金をあげる・遺産を分ける「支援金」などのメールサイト内のポイント購入、手続き費用
4閲覧料・文字化け解除料出会い系サイト名目つきの追加ポイント
5二人の将来のための投資マッチングアプリ、SNS振込、暗号資産
6会いに行くための旅費マッチングアプリ、SNS振込、電子マネー
7荷物・保証金・手数料SNS、マッチングアプリ振込
8悩みを聞けば報酬が出る出会い系アプリ、求人広告手続き費用としてのポイント
9簡単なタスクの副業SNS・動画広告振込、暗号資産
10身分や職業を偽った信用づくり全般ほかのパターンと組み合わさる

1〜4はサイトの中で課金させる型、5〜7はサイトの外で直接お金を送らせる型、8〜9は仕事や副業を装って引き込む型です。10はどの型にも重なる「土台」にあたります。

サイトの中で課金させるパターン(1〜4)

消費者庁は、サクラサイトの誘い文句を「出会い型」「同情型」「利益誘引型」「その他」の4つに分けて注意を呼びかけています。1〜4はこの分類に沿っています。

パターン1:会う約束が直前で流れ続ける

異性との出会いを餌に、メッセージのたびにポイントを消費させます。会う日時が決まっても、急な仕事や体調不良で流れ、また次の約束のためにやり取りが続きます。国民生活センターにも、出会い系サイトで知り合った相手と連絡先を交換したり会ったりするためにポイントを購入したのに、約束が守られないという相談が寄せられています。約束が流れた回数を数えてみると、自分の置かれた状況が見えやすくなります。

パターン2:芸能人や有名人を励ましてほしい

消費者庁が「同情型」として挙げる手口で、「精神的に病んだ芸能人をサイトで励ましてほしい」といった誘いです。同庁が紹介している事例では、タレントを名乗る相手とのやり取りで260万円を支払ったケースがあります。

パターン3:お金をあげる、遺産を一緒に受け取ろう

「利益誘引型」にあたり、莫大な遺産を共同で受け取る話などが例示されています。国民生活センターにも、「支援金をあげる」というメールに返信して出会い系サイトに誘導され、ポイントを買い続けても受け取り方がわからなかったという相談が寄せられています。

パターン4:個人情報閲覧料・文字化け解除料

「相手の連絡先を見るには閲覧料が必要」「メッセージが文字化けしているので解除手数料を」と、名目をつけて追加の購入を求めるものです。ポイント課金の仕組みそのものについては出会い系の「無料登録」から高額課金になる仕組みで詳しく扱っています。

サイトの外で直接お金を送らせるパターン(5〜7)

警察庁は、SNS型ロマンス詐欺でお金を求める名目の例として「二人の将来のための投資」「結婚資金」「旅費」「手数料」「仕入れや保証金」を挙げています。こちらは、サイトのポイントではなく、振込や暗号資産で直接お金を送らせる型です。

パターン5:二人の将来のための投資

警察庁の統計では、令和6年のSNS型ロマンス詐欺3,824件のうち、投資名目が2,797件(73.1%)、被害額では344.1億円(85.8%)を占めました。恋愛の話から始まり、投資アプリやサイトに入金させ、出金しようとすると追加の支払いを求める流れです。入金を迫られたときの具体的な動き方はマッチングアプリで投資を勧められたらで説明しています。

パターン6:会いに行くための旅費

「会いに行きたいが、渡航費や交通費が足りない」といった理由で費用を求めるものです。会う日が近づくたびに新しい費用が出てくる場合は、特に注意してください。海外にいると名乗る相手の場合は、海外在住・外国人を名乗る相手の出会い系詐欺も参考にしてください。

パターン7:荷物の受け取り・保証金・手数料

「あなた宛てに贈り物を送ったが、受け取りに手数料がかかる」「事業の仕入れに保証金が必要で、すぐ返す」と、一時的な立て替えのように見せる名目です。返してもらえる前提で話が進むため、送金の心理的な壁が下がりやすい点に注意が必要です。

仕事や副業を装って引き込むパターン(8〜9)

入口が「出会い」ではなく「収入」になっているパターンです。お金に困っているときほど応じやすいため、恋愛目的でサイトを使っていない人も巻き込まれます。

パターン8:悩みを聞けば報酬がもらえる

国民生活センターには、「出会い系アプリで悩みを聞けばお金がもらえると言われたが、サイト運営事業者に手続きには費用がかかると言われ、多額のポイント代を支払ってしまった」という相談が寄せられています。報酬を受け取る側のはずが、先に払う側に回されている点が特徴です。

パターン9:簡単なタスクの副業

国民生活センターは2026年5月、SNSや動画の広告からメッセージアプリに登録させ、動画の視聴や「いいね」などの簡単な作業で少額の報酬を払ったあと、高額報酬のタスクや「連帯責任」を理由に振り込みを求めるトラブルに注意を呼びかけました。支払い方法として銀行振込や暗号資産が挙げられています。マッチングアプリで知り合った相手から、LINE上でこうした副業を紹介される流れもあります。LINEに移った後の話の変化はマッチングアプリからLINEに誘導されたらで説明しています。

パターン10:身分や職業を偽って信用させる

どの手口にも共通するのが、相手の身分づくりです。警察庁の令和6年の統計では、SNS型ロマンス詐欺の犯人が名乗った職業は、投資家434件(11.3%)、会社員420件(11.0%)、会社役員264件(6.9%)のほか、芸術・芸能関係や医療関係などさまざまでした。

見落としやすいのは、名乗った地域です。同じ統計で、日本(国内)と名乗ったものが2,066件(54.0%)と半数を占めました。「外国人ではないから大丈夫」「会社員と言っているから普通の人だ」という判断は、この数字からは成り立ちません。

警察庁は、翻訳アプリや生成AIによって誰でも簡単に他人になりすませるとも注意しています。写真、日本語の自然さ、職業の具体性は、相手が本人である証明にはならないと考えてください。

どのパターンにも共通する5つのサイン

10のパターンを並べると、途中で必ず出てくる場面があります。次のうち一つでも当てはまったら、それ以上のお金を動かす前に誰かに相談してください。

  1. 会ったことのない相手が、お金の話を持ち出す。投資、立て替え、手数料、どんな形でも同じです。
  2. 「受け取るために先に払う」構図になっている。支援金、報酬、利益、贈り物を受け取るための費用。
  3. 支払い方法を細かく指定される。コンビニの電子マネー、個人名義の口座、暗号資産など。
  4. 期限で急かされる。「今日中に」「今を逃すと受け取れない」。
  5. 周りに話さないよう求められる。「家族に言うと反対されるから」「二人だけの秘密」。

編集部の見方では、この中で最も判断に使いやすいのは2番目です。受け取る側だったはずの自分が、いつの間にか払う側に回っている。この逆転に気づいたところが、止まる合図になります。

パターン別に、最初にやること

当てはまるパターンが見つかったら、最初の一手は次のとおりです。いずれの場合も、やり取りと支払いの記録を先に保存してください。

型最初にやること主な相談先
サイトの中で課金(1〜4)次のポイント購入をやめる。登録した決済手段を外す消費者ホットライン「188」
サイトの外で送金(5〜7)振込先の金融機関に連絡し、警察に相談する金融機関、警察(#9110)
仕事・副業を装う(8〜9)追加の「手続き費用」「タスク代」を払わない188、警察
身分を偽る(10)相手の名乗る身分を前提にした判断をいったん外す家族や信頼できる人、188

支払い方法ごとの取り戻しの手順は出会い系詐欺の返金・解約の手順、サイト側が用意した会員かどうか気になる場合は出会い系サイトのサクラとはにまとめています。どの窓口でも返金が約束されるわけではありませんが、自分がどのパターンにいるかを言葉にできると、相談はずっと進めやすくなります。

よくある質問

Q. 自分のケースがどのパターンにも当てはまりません。相談してもいいですか?

A. かまいません。この記事の10パターンは公的機関が公表した事例を整理したもので、すべての手口を網羅しているわけではありません。会ったことのない相手や、サイトの向こう側にお金を払うよう求められている時点で、消費者ホットライン「188」や警察相談専用電話「#9110」に相談できます。

Q. 相手は日本人の会社員だと名乗っています。それでも疑ったほうがいいですか?

A. 警察庁の令和6年の統計では、SNS型ロマンス詐欺の犯人が日本(国内)と名乗ったものが54.0%、会社員を名乗ったものが11.0%ありました。名乗っている身分だけで判断せず、お金の話が出たかどうかを基準にしてください。

Q. 複数のパターンが混ざっているように見えます。

A. 珍しくありません。たとえば、サイト内の課金から始まり、LINEに移って投資を勧められるなど、途中で型が変わることがあります。時系列で何が起きたかを書き出しておくと、相談先で状況を説明しやすくなります。

Q. まだ少額しか払っていません。様子を見てもいいですか?

A. 公的機関が紹介している事例には、短期間で支払いが大きく膨らんだものがあります。消費者庁の事例では、1週間で180万円になったケースも紹介されています。少額のうちに手を止め、記録を残して相談するほうが、失うお金を小さくできます。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。