メール占いの「引き延ばし」を見抜く6つの型と、やり取りを終わらせる手順

メール占いで、鑑定師から「あと少しで当選番号をお伝えできます」「ここでやめるとこれまでの鑑定がすべて無駄になります」と言われ続け、終わりが見えないまま支払いが増えていく――。国民生活センターは、こうしたやり取りの期間を引き延ばされるケースを占いサイトのトラブルの典型として報告しています。

結論として、終了の時期や総額を尋ねても具体的な答えが返ってこないなら、そこがやめどきです。やめる前にやり取りを保存し、終了の意思を一度だけ伝え、その後は返信しない――この順番を守れば、自分のペースで区切りをつけられます。この記事では、引き延ばしの典型的な型と、その見分け方、やり取りを終わらせる具体的な手順を説明します。

国民生活センターが報告した「やめられない」やり取りの特徴

国民生活センターは2020年11月の報告書で、占いサイトやアプリに関する相談が年間1,000件以上寄せられ、そのうち8割が女性のトラブルだと公表しました。件数は2018年度の1,430件から2019年度には1,837件へと増えていました(2016年度は1,490件、2017年度は1,406件)。報告書は、相談事例から見えた問題点として次の点を挙げています。

  • 無料で使うつもりだったのに、ポイントを買わないと続けられないやり取りに移されている
  • 「あなただけに」と思わせる文面が、実は大勢の利用者に一斉に届いている
  • 数字や記号、決められた言葉を何度も送らされ、そのたびに料金がかさんでいる
  • やめようとすると鑑定師に引き止められ、抜け出せなくなっている

特に3つ目と4つ目が「引き延ばし」にあたります。報告書によれば、「いずれ宝くじの当選番号を教えるが、その前に金運パワーを強めなければならない」などと言われてやり取りの期間を引き延ばされ、終わりが見えないやり取りによってポイント料金や鑑定料が高額になっているとされています。2023年の見守り新鮮情報でも、「もう少しで当たる」という言葉を信じて1回1,500円の送信を重ね、約400万円を支払ったという70歳代の事例が紹介されています。

引き延ばしによく見られる6つの型

報告書の事例や問題点を手がかりに、引き延ばしのパターンを6つの型に整理しました。鑑定師の言葉がどれかに当てはまるなら、いったん立ち止まって考える合図です。

型よくある言い方(報告書の事例から)立ち止まるための問い
ゴール先送り型「いずれ宝くじの当選番号を教える」「もう少しで当たる」「あと何通で、いつ結果が出ますか」と聞いて、答えは具体的か
儀式型祈りの言葉を唱えて漢字を1文字ずつ送る、スマートフォンを5秒胸に当ててから送信するその行為に、1回ごとに料金がかかっていないか
スコア型画像を選ぶと心の状態を点数化し、100点に達したら当選番号を教える点数が上がる基準を相手しか知らないのではないか
引き継ぎ型別の鑑定士を紹介される、師匠を名乗る人物が登場する相手が増えるたびに、支払いも増えていないか
約束・口止め型やり取りを口外しない、最後まで鑑定を受ける、と約束させられる誰にも相談できない状況に置かれていないか
不安・同情型「最後まで受けないと不幸になる」「鑑定士は病気で余命わずか」やめる理由より、続ける理由ばかり聞かされていないか

「2万人に1人の幸運の持ち主だ」「選ばれし者のみを鑑定している」――報告書によると、こうした特別扱いの言葉も、同じ文面が多くの利用者に送られていたことが分かっています。特別扱いされているという感覚そのものが、やり取りを続けさせる仕掛けになっている可能性があります。

「あと何通で終わりますか」を確かめる

やめるかどうか迷うときは、感覚ではなく、次の2つを文面で尋ねてみるのがおすすめです。

  1. 終了の条件:あと何通、あるいはいつまでで鑑定が終わるのか
  2. 総額の見込み:終わるまでに、あといくらかかるのか

国民生活センターの事例では、いつまで続けたら結果が出るのかを尋ねても明確な回答がなく、「波動が乱れているから調整が必要だ」などと言われたという相談が紹介されています。こちらが具体的に尋ねたのに、答えが「あなた次第」「流れが整えば」といった抽象的な言葉だけなら、終わりは相手の側でいくらでも延ばせる状態だと考えられます。

あわせて、自分の側でも上限を決めておきましょう。「今月はここまで」「この金額を超えたらやめる」と先に決めておけば、「今だけ」「最後の1通」と言われても判断がぶれにくくなります。これまでに払った総額を確かめる方法はメール占いの支払総額を明細と購入履歴から出す方法で説明しています。

やり取りを終わらせる5つの手順

やめると決めたら、次の順番で進めてください。順番を逆にすると、あとで必要になる記録が消えてしまうおそれがあります。

  1. やり取りを保存する:退会の手続きを先に済ませると、それまでのメッセージが画面から消えてしまうことがあります(国民生活センターの注意喚起より)。支払いの直前に言われた言葉は、とりわけ漏らさず残してください。
  2. 終了の意思を一度だけ伝える:「本日をもって鑑定の依頼を終了します。今後の有料のメッセージは不要です。」のように短く、理由は書かずに送ります。この1通にも料金がかかる場合は、送らずにサイトの問い合わせ窓口から伝えても構いません。
  3. 自動の課金を止める:アプリ内の定期購入があれば、iPhone は Apple のサブスクリプション解約の手順、Android は Google Play の定期購入の解約手順に沿って止めます。サイトにカードを登録している場合は、自動チャージの設定も確認します。
  4. 退会の手続きをする:規約に書かれた方法で退会し、完了画面や完了メールを保存します。
  5. 受信の設定を見直す:送信元のアドレスを受信拒否に入れ、フォルダ分けで目に入らないようにします。

2のメッセージを送った後に「最後にこれだけは」「あなたのために特別に」と返ってきても、返信する必要はありません。こちらの意思はすでに伝わっています。

終了を伝えるときの文例

状況に合わせて、次のような文面を使ってください。どれも理由や感情は書かず、事実だけを短く伝える形にしています。

  • 基本:「本日(○月○日)をもって、すべての鑑定の依頼を終了します。今後、有料のメッセージや鑑定の案内は送らないでください。」
  • 未使用のポイントがある場合:「本日をもって鑑定の依頼を終了します。購入済みで未使用のポイントの扱いについて、規約に基づく回答をお願いします。」
  • 別の鑑定師から連絡が来た場合:「貴サイトでの鑑定はすべて終了しています。今後の連絡は不要です。」

送った文面と送信日時は、画面ごと保存しておきましょう。後で「やめるとは聞いていない」と言われたときの記録になります。退会の手続きで困ったときは占いサイトを退会・解約できないときの対処法も参考にしてください。

やめた後に届くメッセージへの向き合い方

やり取りを終えた後も、しばらくはメッセージが届き続けることがあります。国民生活センターの報告書には、占いサイトに個人情報を入力したあと、知らないサイトからのメールが数十件届くようになったという事例も載っています。やめた後によくあるのは、次のようなものです。

  • 別の鑑定師の名前で「あなたのことが気になって連絡した」と届く
  • 「特別に無料で最後の鑑定をします」と、再開を誘う
  • 「このままでは家族に災いが及ぶ」と、不安をあおる

どれにも返信しないのが基本です。事前に承諾していない相手からの広告メールは、特定電子メール法などで規制されています。違反が疑われるメールは、日本データ通信協会の迷惑メール相談センターに情報提供できます。

3つ目のように、霊感などを持ち出して「このままでは重大なことが起きる、避けるにはこの鑑定が必要だ」と言われて支払ったお金については、消費者契約法の取消しの対象になることがあります。要件と手順は霊感等による勧誘の取消しを使う手順にまとめました。

払ったお金の相談につなげる

やり取りを終わらせることと、払ったお金について相談することは、別々に進めて構いません。先にやり取りを止め、記録を保存してから、落ち着いて相談先を選ぶのがよい順番です。

  • 消費者ホットライン「188」:最寄りの消費生活センター等につながります。国民生活センターも、トラブルに遭ったと感じたら消費生活センター等に相談するよう勧めています。
  • 警察相談専用電話「#9110」:脅すような連絡が続く、お金をだまし取られた疑いが強い、というとき。
  • 弁護士:金額が大きい、事業者と交渉が必要になりそう、というとき。

相談の際は、保存したやり取り、支払いの記録、退会の完了画面を持っていくと話が早く進みます。当サイトの相談予約でも、やめた後の整理からお手伝いしています。結果を約束するものではありませんが、記録の整え方や窓口の選び方を一緒に考えます。

よくある質問

Q. 返信をやめたら本当に不幸になると言われて怖いです。

A. 国民生活センターは、「鑑定を最後まで受けないと不幸になる」などと不安をあおって引き止める言葉を、やめられなくなるトラブルの特徴として挙げ、うのみにせずきっぱりやめるよう呼びかけています。怖さが消えないときは、一人で抱えず家族や消費生活センター(188)に話してください。

Q. 終了のメッセージを送るのにもポイントが必要です。

A. 送らなくても、返信をやめて退会すれば、やり取りは終わらせられます。意思をはっきり残したい場合は、サイトの問い合わせフォームなど、料金のかからない窓口から伝える方法もあります。どちらの場合も、退会前にやり取りを保存しておいてください。

Q. 家族がメール占いをやめられずにいます。どう声をかければいいですか。

A. 報告書には、家族に「騙されているのではないか」と言われて目が覚めたという事例があります。まずは責めずに、これまでにいくら払ったか、終わりの時期を鑑定師から聞いているかを一緒に確かめてみてください。消費生活センターには家族からも相談できます。

Q. 鑑定師に謝ったり、事情を説明したりしたほうがいいですか。

A. 必要ありません。終了の意思を一度伝えれば十分で、理由の説明や謝罪は、やり取りを再開するきっかけになりかねません。以後は返信せず、保存した記録をもとに相談を進めましょう。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。