メールで案内が届いた特定商取引法とサクラサイトを疑ったときの確認方法
メールで案内が届いた特定商取引法とサクラサイトに注意が必要なケース n メールで案内が届いた特定商取引法とサクラサイトのような状況に遭遇した場合、その内容に不審…
「〇〇(有名人の名前)です。突然のメールでごめんなさい」。そんな件名のメールが届き、差出人の欄にもその名前が出ている。所属事務所やファンクラブの名前で「特別なご案内」が来ることもあります。本当に本人や事務所からなのか、開く前に確かめたい。この記事は、そう考えている方のためのものです。
最初に押さえておきたいのは、メールの差出人欄に出る名前は、送る側がいくらでも自由に書けるという事実です。有名人の名前が表示されていることは、本人から届いた証拠になりません。確かめる材料は次の3つです。
確かめた結果、差出人を偽っている疑いが強ければ、返信もリンクのクリックもせず、迷惑メール相談センターに情報提供できます。以下、順番に見ていきます。
国民生活センターが2017年に公表した資料によると、迷惑メールに関する相談は2012年度の25,125件から、2016年度には45,387件まで増えていました。相談の中には、受信そのものの迷惑だけでなく、「お金がもらえるというメールに返信し、手続き費用を払ったのに受け取れない」「間違いメールを装ったメールに返事をしたら出会い系サイトに誘導された」といった、メールをきっかけに別のトラブルに発展したものが含まれています。
有名人の名前が使われるのは、こうした誘導の入口です。消費者庁はサクラサイトの誘い文句の一つとして、心を病んだ芸能人を励ましてほしいと同情を引く型を挙げています。旭川市の消費生活センターも、出会い系サイトの中で芸能人を名乗る人から「芸能生活のことで悩んでいる」と連絡が届き、やり取りを続けるうちにポイント代が高額になった相談事例を紹介しています。
つまり、有名人名義のメールは、それ自体で何かを売りつけてくるとは限りません。返信させ、会話を続けさせ、どこかのサイトに登録させることが目的になっている場合が多いと考えて、慎重に扱ってください。
メールアプリの一覧に出る「差出人の名前」は表示名で、その裏に実際のメールアドレスがあります。スマホでは、差出人の名前をタップすると本当のアドレスが表示されることが多いので、まずそこを開いてください。
| 見る場所 | 注意したい状態 |
|---|---|
| 「@」より後ろ(ドメイン) | 誰でも作れる無料メールのドメインになっている。公式サイトのドメインと1文字だけ違う、余計な単語が足されている |
| 「@」より前 | 有名人の名前や「official」「staff」が入っていても、それだけでは何の保証にもならない |
| 返信先 | 返信ボタンを押したときの宛先が、差出人のアドレスと違う |
ドメインを確かめるときは、メールの本文に書かれたURLではなく、自分で検索して開いた所属事務所の公式サイトのアドレスと並べて比べます。公式のドメインと一致しない時点で、そのメールを本物として扱う理由はなくなります。
表示名もアドレスも本物そっくりに作られていることがあります。そのときに役立つのがヘッダ情報です。迷惑メール相談センターの説明では、ヘッダ情報とは、受け取ったメールがどこからどのような経路で送られてきたかを記録したもので、迷惑メールの多くは身元を隠すために差出人のアドレスを偽ったり、経路をごまかしたりするとされています。
認証結果の欄に「spf=fail」「dkim=fail」「dmarc=fail」などの表示があれば、そのドメインから正規に送られたと確認できなかったことを示します。公式ドメインを名乗っているのに失敗していれば、なりすましの可能性が高いと考えられます。反対に「pass」と出ていても、それは「そのドメインの持ち主が送った」ことを示すだけです。偽物が自分で取得した紛らわしいドメインから送っていれば、passになります。passは本物の証明ではない、という点を覚えておいてください。
ヘッダの表示方法は、使っているメールサービスや携帯電話会社によって違います。迷惑メール相談センターのサイトには、携帯電話会社ごとの確認方法が載っています。
商品やサービスの宣伝を目的としたメールには、特定電子メール法のルールがかかります。迷惑メール相談センターの解説によると、原則として受信者があらかじめ同意した場合にだけ送ってよく(オプトイン規制)、同意を得て送る場合でも、次の表示が義務づけられています。
あわせて、送信者のアドレスなどを偽って送ることも禁止されています。送信者情報を偽って送った場合などには、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(法人は3,000万円以下の罰金)が定められています。
有名人を名乗るメールは、個人的な手紙のような体裁を取りつつ、最後にサイトのURLが置かれていることがあります。送信者の名称も住所も書かれていないまま、有料サイトへの登録に誘う内容であれば、表示義務を満たしていない疑いがあります。宣伝メールに当たるかどうかを自分で判断しきれなくても、次の見出しの情報提供先に任せてかまいません。
迷惑メール相談センター(日本データ通信協会)は総務省から委託され、法律違反が疑われるメール・SMSの情報を受け付けています。受付の対象として挙げられているのは、次のようなメールです。
提供するのはメールの全文です。差出人を偽ったメールとして提供する場合は、ヘッダ情報も必要とされています。氏名や住所、電話番号などの個人情報は求められていません。スマホやパソコンで受け取ったメールは、センターが案内している受付用アドレスに転送する方法で提供できます。携帯電話会社ごとの転送の手順もセンターのページにあります。
有名人の名前を使った誘いは、メールではなくSMS(電話番号あてのメッセージ)で届くこともあります。センターはSMSの情報も受け付けており、届いた日時と自分の番号、相手の番号(または画面に出た送信者名)をあわせて知らせる形になっています。
寄せられた情報の使い道は、違反した送信者に対して総務大臣・消費者庁長官がとる措置や、電気通信事業者による送信防止の取り組みです。ただし、個別のメールについて調査の結果や措置の状況を教えてもらうことはできません。情報提供は、自分の被害を取り戻す手続きではなく、同じメールが広がるのを止めるための協力だと考えてください。
ヘッダを見るのが難しい場合でも、公式の情報と照らし合わせるだけで判断がつくことはよくあります。
本人から個人的なメールが届くこと自体、ファンクラブの会員であっても通常は考えにくいものです。親しげな文面ほど、いったん距離を置いて確認してください。
確かめる前に返信してしまった、本文のURLを開いて登録してしまった、という場合もあると思います。その場合は、次の点を優先してください。
気づいた当日にすることは、芸能人名義のメールでサクラを疑ったときの初動に順番にまとめています。身に覚えのない登録完了の通知が届いた場合は、「登録完了」メールが届いたときの対処を参考にしてください。保存の方法は証拠の残し方で扱っています。
A. 可能性は高まりますが、差出人のアドレスは偽ることもできます。ヘッダの認証結果に失敗の表示がないか、返信先が別のアドレスになっていないかも確かめてください。迷ったら、公式サイトの問い合わせ窓口で確認するのが確実です。
A. 携帯電話会社のメールは、設定を変えないとヘッダが見られない場合や、ブラウザ版から見る必要がある場合があります。迷惑メール相談センターのサイトに会社ごとの手順が載っています。ヘッダが付けられなくても、同意していない広告宣伝メールであれば全文の提供だけで受け付けてもらえます。
A. 個別の調査結果や措置の状況についての問い合わせには応じていないと案内されています。提供した情報は、違反した送信者への措置や送信防止の対策に使われます。
A. やり取りをしていない、何も払っていないのであれば、情報提供をした後で削除してかまいません。返信や登録、支払いをした場合は、後の相談で必要になるので削除せずに残してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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