SNSの占い勧誘に注意|インスタ・XのDMから課金に進む流れと相談先

インスタグラムやX(旧Twitter)、TikTokで「無料で視ます」「あなたの守護霊が心配」と声をかけられ、占いサイトや個人の占い師に誘導されてお金が膨らむ相談が続いています。入口がSNSでも、お金が動くのはその先の有料サイト・サブスク・個人口座です。どこに、何で払ったかによって取れる手が変わります。

この記事は、SNSのDMや広告から占いを始めて支払いが止まらなくなっている人、家族がSNSの占い師とやりとりしていて心配な人に向けたものです。国民生活センターと消費者庁が公表している相談事例をもとに、SNSならではの入口の違い、DMが届いたときの見分け方、支払い方法ごとの取り戻し方、相談先をまとめました。占い全般のトラブルの相談先は占い詐欺の公的相談先にもまとめています。2026年9月24日更新。

SNSから占いトラブルに入る3つの入口

SNS経由の占いトラブルは、最初の接点で大きく3つに分かれます。自分がどこから入ったかを先に整理しておくと、後で相談するときに話が早く進みます。

入口1:タイムラインやストーリーに出る広告

「今だけ無料鑑定」「3日間のお試し」といった広告をタップし、占いサイトやアプリに登録する流れです。国民生活センターは2025年4月22日、SNS広告で見つけた占いサイトの「3日間で約200円」のトライアルに申し込んだところ、デビットカードからサブスク代金として約6,000円が引き落とされていたという相談事例を公表しました。サイトは日本語でも運営は海外事業者で、解約方法がわからなかったという内容です。

入口2:知らないアカウントからのDMやコメント

占い師・霊視鑑定士を名乗るアカウントから「投稿を見て気になった」「あなたには強い守護が付いている」と個別にメッセージが届くケースです。返信すると「ここでは詳しく話せない」とLINEや別サイトへ移るよう求められることが多く、移った先で有料の鑑定やポイント購入が始まります。

入口3:有名占い師やインフルエンサーのなりすまし

実在する占い師のアイコンや名前をまねたアカウントが「当選しました」「特別に無料で視ます」とDMを送ってくる形です。本物のアカウントかどうかは、フォロワー数ではなく、本人の公式サイトや公式アカウントからリンクされているかで確かめるのが確実です。

どの入口でも共通するのは、SNSの中では料金の話をせず、外に連れ出してから課金が始まる点です。SNS上のやりとりはアカウントが消えると見られなくなるため、早い段階で記録を残しておく意味が大きくなります。

公的機関の資料に見るネット占いの相談

占いに関する相談そのものは以前から多く、SNSが入口になる例が目立つようになってきました。公的機関が出している数字と事例を見ておくと、自分の状況が特別なものではないとわかります。

公表元・時期内容
国民生活センター(2020年11月26日)占いサイトやアプリの相談は年間1,000件以上で、2019年度は1,837件。約8割が女性の相談。
消費者庁(2022年8月 検討会資料)「開運商法」として登録された2021年度の相談1,435件のうち、54.4%が「占い・祈とうサービス(インターネット通信販売等)」。既支払金額の中央値は64,660円。
国民生活センター(2023年8月8日)スマホゲーム中の広告から占いサイトに入り、1回1,500円の送信を繰り返して約400万円を支払った70歳代の事例。
国民生活センター(2025年4月22日)SNS広告の占いトライアルが海外事業者のサブスク契約になっていた事例。意図しないサブスク契約は「SNS広告がきっかけの例が多く見られます」と説明。

数字はいずれも消費生活センターに寄せられた相談をもとにしたもので、被害の全体を示すものではありません。それでも、ネット経由の占いが相談の中心に移っていること、1回の単価が小さくても合計が数十万円から数百万円に達する例があることは読み取れます。

占い師を名乗るDMが届いたときの見分け方

DMが届いた時点で返事をしなければ、多くのトラブルは始まりません。次の表で2つ以上当てはまるなら、やりとりを続ける前に一度手を止めてください。

確かめる点気をつけたい状態
声をかけてきた理由フォローもしていない相手から「あなたを視て気になった」と突然届く
不安をあおる言葉「このままだと家族に不幸が」「期限までに浄化しないと手遅れ」など、急がせる言い回しがある
移動先LINEや別のサイトに移るよう求め、SNS上では料金を言わない
運営者の表示移動先のサイトに事業者名・住所・電話番号・料金の表示が見当たらない、または海外の会社になっている
支払い方法ギフトカードの番号を送らせる、個人名義の口座やスマホ決済への送金を指定する
秘密にさせる「家族や友人に話すと効果が消える」と口止めする

ネットで申し込む占いサービスは、事業者であれば特定商取引法の「通信販売」にあたり、広告に事業者名や住所、電話番号、料金、支払時期などを表示する決まりがあります。表示がない、またはたどれない相手には、個人情報もお金も渡さないのが基本の線引きです。

生年月日や本名、顔写真、家族の名前を「鑑定に必要」と求められることもあります。占いの材料として一般的な情報でも、身元のわからない相手に渡すと、後から別の勧誘や脅しに使われるおそれがあります。

やりとりを始めてしまった後にすること

すでに返信した、登録した、支払ったという場合でも、次の順で動けば取れる手は残っています。

  1. 追加の支払いを止める。「あと1回で結果が出る」と言われても、まず手を止めます。サブスクになっている場合は解約手続きを探し、見つからなければ利用規約(英語なら「Terms and Conditions」)を確認します。
  2. 相手のアカウント情報を残す。SNSのアカウント名だけでなく、ユーザーID(@から始まる文字列)とプロフィールのURLを控えます。表示名は簡単に変えられますが、IDとURLは追跡の手がかりになります。
  3. DMとLINEのやりとりを画面ごと保存する。日時が写るようにスクリーンショットを撮ります。国民生活センターも2023年8月の見守り新鮮情報で、退会するとそれまでのメッセージを見られなくなるおそれがあるため、画面を撮って残しておくよう勧めています。
  4. 支払いの記録をまとめる。カードやデビットカードの明細、振込の控え、ギフトカードの番号とレシート、スマホ決済の送金履歴を1か所に集めます。
  5. ブロックと通報は記録を取ってから。先にブロックすると相手の投稿やメッセージが見えなくなることがあります。

保存の具体的なやり方は証拠の残し方にまとめています。

支払い方法ごとの取り戻しの手順

SNSが入口でも、取り戻しの手続きはお金の出口で決まります。

クレジットカード・デビットカード

身に覚えのない請求や、トライアルのつもりがサブスクになっていた請求は、明細を確認したらすぐカード会社に連絡します。カード会社には加盟店への調査を依頼できる場合があり、分割払いやリボ払いで一定の条件を満たす取引なら、割賦販売法の「支払停止の抗弁」を申し出られることもあります。1回払いは抗弁の対象外なので、カード会社の対応と消費生活センターの助言を組み合わせて進めることになります。

銀行振込

個人名義や聞いたことのない会社名義の口座に振り込んだ場合は、警察と振込先の金融機関へ早めに連絡します。詐欺などに使われた口座と認められれば、振り込め詐欺救済法にもとづいて口座が凍結され、残っているお金が被害者に分配される可能性があります。金融庁は、SNS型の投資詐欺やロマンス詐欺も預金口座への振込みで被害にあった場合は対象になると説明しています。引き出された後では支払いを受けられないため、時間が勝負です。

ギフトカード・電子マネー

番号を送ってしまったら、カードの発行会社にすぐ連絡し、番号とレシートを伝えます。まだ使われていなければ利用を止められることがありますが、使われた後の取り戻しは難しくなります。

スマホ決済の個人間送金

送金アプリの運営会社の窓口に、送金日時と相手のアカウント情報を添えて連絡します。振り込め詐欺救済法は金融機関の預金口座等を対象とする制度なので、アプリ内の送金は運営会社と警察の両方に相談しておくと動きやすくなります。

返金を求めるときに関係する法律

返金を求めるときの手がかりになる法律も押さえておきます。

  • 霊感などを使った勧誘による契約の取消し(消費者契約法第4条第3項第8号):霊感などの特別な能力による知見だとして、本人や家族の生命・身体・財産などに重大な不利益が生じるという不安をあおり、契約が「必要不可欠」だと告げて結ばせた契約は取り消せる場合があります。取消しができる期間は、追認できる時から3年、契約から10年です(第7条)。
  • 通信販売にはクーリング・オフがない:ネットで申し込む占いサイトは通信販売にあたることが多く、訪問販売のような8日間のクーリング・オフはありません。SNSで知り合った相手でも、電話で勧誘されて契約した場合などは別の類型にあたる可能性があるので、経緯を相談員に伝えてください。
  • 海外事業者との取引:日本語のサイトでも運営が海外の場合があります。国民生活センターの越境消費者センター(CCJ)が海外事業者とのトラブルの相談を受け付けています。

どの制度が使えるかは、勧誘の言葉や支払いの経緯によって変わります。自分で判断しきれないときは、記録を持って相談窓口で確認するのが近道です。

相談先と、相談の前にそろえるもの

SNS経由のトラブルは、内容によって窓口を使い分けます。

  • 消費者ホットライン188:3桁の番号で近くの消費生活センターを案内してもらえます。サブスク解約や返金交渉の助言、事業者とのあっせんを受けられることがあります。
  • 警察相談専用電話 #9110:個人口座への振込や、脅し・つきまといがある場合。緊急時は110番です。
  • 越境消費者センター(CCJ):運営が海外事業者だった場合。
  • 法テラス・弁護士:金額が大きい、相手が交渉に応じないなど、法的な手続きを考える場合。

相談前に、①最初に接触してきたSNSとアカウントID、②移動先のサイト名・URL・LINEの名前、③支払いの日付・金額・方法の一覧、④不安をあおられた言葉のスクリーンショットをそろえておくと、1回の相談で状況が伝わります。準備の項目は相談前チェックリストで確認できます。188への相談の流れは占い詐欺を消費生活センターに相談する方法、警察に行くかどうか迷う場合は占い詐欺の警察相談が参考になります。SNSで知り合った占い師から個人口座への振込を求められている場合は占い師との直接取引のリスクもあわせて読んでください。

よくある質問

Q. インスタのDMで「無料で視ます」と言われました。返信しても大丈夫ですか?

A. 無料をうたう入口から有料サイトやポイント購入に移る流れは、公的機関の相談事例でも繰り返し出てきます。フォローしていない相手からの突然の申し出には返信しないのが安全です。気になる場合も、相手の運営者情報と料金の表示を確かめてからにしてください。

Q. SNSの広告から申し込んだ占いがサブスクになっていました。どうすればいいですか?

A. まず利用規約で解約方法を探し、解約の手続きを取ります。方法がわからない、事業者が海外で連絡がつかないという場合は、消費者ホットライン188や越境消費者センター(CCJ)に相談し、カード会社にも請求の状況を伝えてください。

Q. 相手のアカウントが消えてしまいました。もう相談できませんか?

A. アカウントが消えても、支払いの記録や移動先のサイト、振込先の口座があれば相談はできます。残っている画面や明細を集め、消費生活センターや警察に経緯を伝えてください。

Q. SNSで知り合った占い師に払ったお金は必ず戻りますか?

A. 返金されるかどうかは、支払い方法、相手が特定できるか、口座にお金が残っているかなどで変わり、必ず戻るとは言えません。振込やカード払いは早く動くほど選択肢が残るため、気づいた時点で相談窓口に連絡してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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詐欺返金相談ナビの相談前整理事例

サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。