占い師へのリピート課金の総額は?返金を求められる可能性と期限

同じ占い師に何度も鑑定を頼み、ポイントを買い足し続けてきた。ふと我に返って「全部でいくら払ったのだろう」「少しでも返してもらえないか」と考え始めた人に向けた記事です。

先に要点をまとめます。まず総額を、支払手段ごと・月ごとに一覧にしてください。返金を求められるかどうかは、支払った金額の大きさよりも、どんな言葉で勧められたか、いつ払ったか、どの方法で払ったかで左右されます。消費者契約法の取消しには期限があり、古い支払いから順に時間切れが近づいています。全額が戻るとは限りませんが、記録を整えて早めに消費生活センターへ相談すれば、選べる手段は増えます。

まず総額を出す|集める記録と一覧表の作り方

リピート課金は、1回あたりの金額が小さく、支払い方も複数にまたがりがちです。記憶に頼って総額を出すと、ほぼ確実に少なく見積もります。次の記録を一つずつ集めましょう。

記録の種類どこで確認するか注意点
クレジットカードの利用明細カード会社の会員サイト、紙の明細書Web明細は閲覧できる期間に限りがある。古い分はカード会社に再発行を依頼する
銀行振込の記録通帳、ネットバンキングの入出金明細振込先の名義と支店名も控える
キャリア決済携帯電話会社の利用明細通信料と合算されているため、決済サービスの項目を分けて拾う
電子マネー(プリペイドカード)コンビニのレシート、カード台紙、写真番号を相手に伝えた記録と対応させる
サイト内の購入履歴占いサイトやアプリのマイページ退会すると見られなくなることがある。先に保存する
購入完了メールメールアプリで「ポイント」「購入」「決済」を検索迷惑メールフォルダも探す

一覧表の作り方

表計算ソフトや手書きのノートで、「日付/支払手段/金額/買ったポイント数や鑑定名/そのとき占い師に言われたこと」の5列を作ります。最後の列が大切です。「このままでは縁が切れる」「今夜中に祈祷しないと間に合わない」といった言葉が書き込めれば、後で説明する取消しの判断材料になります。

ポイント制のサイトは円に直して数える

ポイントで料金を表示するサイトでは、画面上の数字と実際の支出が結びつきにくくなります。購入履歴から「何円で何ポイント買ったか」を拾い、1通や1分あたりの消費ポイントを円に換算しておきましょう。国民生活センターが紹介した事例のように1通1,500円分のポイントが必要な仕組みだと、1日10通のやりとりで1万5,000円、2週間続ければ21万円になる計算です(試算)。ボーナスポイントや無料分が混ざっている場合は、実際に支払った金額を基準にします。

アプリをやめた後で返金を考えても、残っていたのはコンビニで電子マネーを買ったときのレシートだけだった、という相談が国民生活センターに寄せられています。退会ボタンを押すのは記録を取り終えてからにしましょう。記録の集め方は証拠の残し方でも確認できます。

総額の大きさをどう受け止めるか

総額が出ると、「ほかの人と比べて多いのか少ないのか」が気になるかもしれません。公的な集計を見ると、金額の幅がとても広いことがわかります。

  • 占いサイト等の相談を2016年度以降について集計した国民生活センターの資料(2020年公表)によると、既支払金額は10万円以上100万円未満が34.1%、1万円以上10万円未満が24.2%、100万円以上500万円未満が22.6%で、平均は122万4,107円でした。
  • 消費者庁が2022年に示した「開運商法」の相談(2021年度)では、既支払金額の平均が96万9,160円だったのに対し、中央値は6万4,660円でした。

平均と中央値にこれほど差があるのは、一部の高額な被害が平均を押し上げているためです。筆者の意見としては、他人の金額と比べて「自分はまだ少ないから」と相談をためらう必要はありません。数万円でも、勧誘の中身に問題があれば取消しを検討する価値がありますし、少額訴訟のように少ない金額を想定した手続もあります。

返金の見込みを左右する4つの要素

返金の見込みは、主に次の4つの要素で変わります。

1. どんな言葉で勧められたか

勧められ方の例検討される規定(消費者契約法)
「悪い霊がついている、祈祷しないと家族が不幸になる」4条3項8号(霊感などによる知見で不安をあおる)
占い師に好意を持たせ、「続けないと関係が終わる」とほのめかす4条3項6号(恋愛感情などに乗じる。社会生活上の経験が乏しいことなどの要件がある)
料金や鑑定の内容について事実と違うことを言われた4条1項1号(不実告知)
明らかに多すぎる回数・量の鑑定を、事業者が承知のうえで勧めた4条4項(過量契約)

リピート課金で見落とされがちなのが4条4項です。この規定は、すでに結んだ同種の契約と合算した分量が、その人にとって通常の分量を著しく超えると事業者が知りながら勧誘した場合にも、取消しを認めています。同じ占い師への追加鑑定が何十回も重なっているなら、検討の余地があります。

2. いつ払ったか

取消しには期限があります(次の章の表を参照)。

3. どう払ったか

カードの分割払いか1回払いか、振込先が法人か個人かで、使える手続が変わります。

4. 証拠が残っているか

勧誘の言葉を示すメッセージや、料金表の画面が残っていれば、消費生活センターのあっせんでも話が進みやすくなります。

なお、自分から追加の鑑定を頼んだ場合でも、そこに至るまでに不安をあおる言葉があったなら、取消しの対象から外れるとは限りません。

取消しと返還請求の期限

期限は支払いごとではなく、契約(申込み)ごとに進みます。リピート課金では、古い回から順に期限が切れていく点に注意してください。

根拠期限補足
消費者契約法の取消し(霊感などによるもの)追認できる時から3年、契約から10年2022年の法改正で延長された
消費者契約法の取消し(上記以外)追認できる時から1年、契約から5年不実告知、恋愛感情への便乗、過量契約など
民法の詐欺による取消し追認できる時から5年、行為から20年相手がだますつもりだったことを示す必要があり、立証の負担は重い
取り消した後の返還請求(不当利得)権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から10年民法166条の一般的な消滅時効

「追認できる時」とは、だまされていた・困惑していたことに気づき、その状態から抜け出した時点を指すのが一般的な理解です。いつがそれに当たるかは事情によって異なるため、迷ったら早めに専門家へ確認してください。

支払手段ごとの動き方

取り消しや返金の請求をどこへ向けるかは、支払手段で変わります。

支払手段主な動き方
クレジットカード(分割・リボ)割賦販売法の支払停止の抗弁をカード会社に申し出る。対象は分割で手数料込み4万円以上、リボで現金価格3万8千円以上が目安
クレジットカード(1回払い)抗弁の対象外。カード会社に事情を説明し、調査や加盟店への照会を依頼する
銀行振込(個人名義の口座を含む)まず振込先の銀行に被害を伝え、警察にも相談する。銀行が口座を止めた場合、残っているお金から被害者に分ける手続(振り込め詐欺救済法)が始まることがあり、その公告は預金保険機構のサイトに載る
キャリア決済携帯電話会社の窓口に、決済の経緯と事業者名を伝えて相談する
電子マネー(プリペイドカード)カードの発行会社に、番号と購入日時を添えてすぐ連絡する。使われた後の返金は難しいことが多い

支払い方ごとの詳しい手順は占い詐欺の返金方法に、占い師の個人口座への振込については占い師から直接振込を求められた場合にまとめています。

請求の進め方と相談先

一覧表と証拠がそろったら、次の順で進めるのが一般的です。

  1. 消費生活センターに相談する(188)。相談員が事情を聞き、必要に応じて事業者とのあっせんを行います。消費者庁の2022年の資料では、占いサイトの相談で経緯書を事業者に送ってあっせんを行い、支払総額のうち一部の金額で和解した例が紹介されています。
  2. 事業者に書面で請求する。取消しの意思と返還を求める金額を書き、内容証明郵便などで送ると、いつ意思表示をしたかの記録が残ります。
  3. 裁判所の手続を検討する。60万円以下の金銭の支払いを求めるなら、原則1回の審理で終える少額訴訟という手続があります。相手の住所がわからないと利用しにくい点には注意が必要です。
  4. 弁護士に依頼する。金額が大きい、事業者が応じない、複数のサイトにまたがる、といった場合です。費用の立替えは法テラスで相談できます。弁護士選びの考え方は占い詐欺を弁護士に依頼する判断基準を参考にしてください。

「返金できます」という連絡には注意

被害を調べていると、「必ず取り戻せる」「成功報酬だけでよい」とうたう広告や連絡に出会うことがあります。返金を約束する業者に先に費用を払ってしまうと、損失がさらに広がるおそれがあります。依頼先を決める前に、消費生活センターや弁護士会の窓口で一度相談してください。

リピートをやめる段階の手順は占い依存の兆候とやめ方に、勧誘の経路ごとの特徴は占い師のリピート勧誘の相談先にまとめています。

よくある質問

Q. 何年前の占い代まで返金を求められますか?

A. 根拠によって異なります。霊感などで不安をあおられた場合の消費者契約法の取消しは、追認できる時から3年、契約から10年です。それ以外の消費者契約法の取消しは1年と5年です。期限は契約ごとに進むため、古い分から先に切れていきます。

Q. 自分から何度も鑑定を頼んだ場合でも返金を求められますか?

A. 自分から申し込んだという事情だけで取消しの対象外になるとは限りません。申込みの前に不安をあおる言葉があった、明らかに多すぎる回数を勧められた、といった経緯があれば検討の余地があります。申込みに至るまでのメッセージを残したうえで、188に電話して経緯を話してみてください。

Q. 払った全額が戻ってきますか?

A. 戻る金額は事案ごとに違い、全額とは限りません。消費生活センターのあっせんでは、支払総額の一部で和解する例もあります。事業者の対応、証拠の残り具合、支払手段によって結果は変わります。

Q. 占い師の個人口座に振り込んだ分はどうなりますか?

A. 銀行と警察への連絡は早いほど有利です。口座に残高があるうちに止まれば、振り込め詐欺救済法にもとづく分配の手続に進む可能性があり、対象口座は預金保険機構のサイトで公告されます。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。