婚活パーティーのサクラは返金される?会場での見抜き方と勧誘契約の対処法

婚活パーティーや婚活イベントで「参加者の中に主催者側の人が混じっていたのでは」と感じたとき、先に知っておきたい結論は2つです。1つ目、ネットで予約した単発のパーティー参加費には、法律上のクーリング・オフがありません。取り戻せるかどうかは、募集時の説明と当日の実態がどれだけ違ったか、キャンセル規定が妥当かにかかっています。2つ目、パーティーのあとに結婚相談所への入会や商品の購入を勧められて契約した場合は、8日以内なら無条件で解除できる可能性があります。

参加費そのものより、その場やその後に勧められる契約のほうが金額が大きくなりやすい、というのが当編集部の見方です。この記事では、会場で気づけるサイン、記録の残し方、参加費と勧誘契約それぞれの対処法、主催者への問い合わせ方を順に説明します。

婚活パーティーで「サクラ」と言われるものの正体

国民生活センターが2022年に紹介した民間調査(リクルート「婚活実態調査2022」)では、2021年に結婚した人のうち、結婚相談所・ネット系サービス・婚活パーティーやイベントといった婚活サービスを通じて結婚した人は15.1%でした。婚活パーティーはそれだけ身近な出会いの場ですが、参加者側からは他の参加者の素性が見えにくいという弱点もあります。

参加者が「サクラでは」と感じる相手は、おおむね次の3つに分かれます。

  • 主催者の関係者が参加者として座っている:人数や男女比を合わせるため、スタッフや知人が一般参加者のふりをしているケース
  • 謝礼を受けて参加している人:成立しそうな雰囲気を演出したり、会場を盛り上げたりする役割を頼まれているケース
  • 一般参加者として入り込み、別の勧誘をする人:主催者とは無関係に、投資、物販、別の有料サービスへ誘う目的で参加しているケース

最初の2つは主催者の運営の問題、3つ目は参加者個人による勧誘の問題で、相談の仕方も変わります。なお、人数調整のために関係者が参加する場合があると事前に告知しているイベントもあり、その告知があったかどうかが後の話し合いで大きな分かれ目になります。

会場で気づけるサイン

1回の参加で断定できるサインはほとんどありません。次の項目のうち複数が重なったときに、記録を取り始める合図と考えてください。

  1. 募集ページにあった男女比、年齢層、職業などの条件と、当日の参加者の様子が大きく違う
  2. 別の日程や別の会場のパーティーでも、同じ人を何度も見かける
  3. トークタイムで住まいや仕事の話になるとはぐらかされ、次回の有料イベントや入会の話ばかりになる
  4. カップル発表で、成立する人がいつも同じ顔ぶれに見える、または毎回ほとんど成立しない
  5. 連絡先を交換した相手が、数日以内に投資セミナー、副業、健康食品などの話を始める

気づいた場で相手に「サクラですか」と問い詰めるのはおすすめしません。本物の参加者だった場合にトラブルになりますし、主催者との話し合いで不利になることもあります。その場では記録に徹し、判断はあとで落ち着いて行うほうが結果的に有利です。なお、参加者個人による勧誘に気づいた場合は、主催者にも伝えておくと、同じ会場で別の参加者が誘われるのを防ぐきっかけになります。

募集ページと当日の様子を記録する方法

主催者に説明や返金を求めるとき、手がかりになるのは「募集時に何が約束されていたか」と「当日どうだったか」の差です。次のものをそろえておきましょう。

記録するものポイント
募集ページ日時、会場、参加条件(年齢・職業・年収など)、定員と男女比、参加費、キャンセル規定。ページは後から書き換えられることがあるので、URLと撮影日時が分かる形で保存
予約完了メール・決済記録申込番号、支払額、支払い方法、主催者の名称と連絡先
当日の配布物プロフィールカード、進行表、参加者番号。撮影や持ち帰りが禁止されている物は無理に残さず、内容をメモする
当日のメモ参加人数の実数、男女比、気になった点を、時刻とともにその日のうちに書く
参加後のやり取り連絡先を交換した相手とのメッセージ全文。勧誘が始まった日時が分かるように

記録の全体的な残し方は証拠の残し方・保存方法でも解説しています。

参加費は取り戻せる?キャンセル規定と消費者契約法

ネット予約のパーティーにクーリング・オフはない

ネットで申し込んだパーティーは、特定商取引法の通信販売に当たるのが一般的です。通信販売にある8日間の返品ルールは商品と特定権利が対象で、パーティーのようなサービス(役務)は対象外です。そのため、キャンセルや返金の扱いは、まず主催者のキャンセル規定に従うことになります。

消費者契約法で主張できること

  • 不実告知による取消し:重要な事項について事実と違う説明を受け、それを信じて申し込んだ場合は、申込みを取り消せます(消費者契約法第4条第1項第1号)。期限は、事実に気づくなど追認できる時から1年、申込みから5年です(同法第7条)
  • 高すぎるキャンセル料の無効:キャンセル料が、同じ種類の契約の解除で主催者に通常生じる平均的な損害を超える場合、超えた部分は無効です(同法第9条第1項第1号)

募集ページの「参加者は全員一般の独身者」といった説明が実態と違った場合、それが重要な事項に当たるかどうかは個別の判断になります。参加費が少額なら、裁判で争うのは費用や手間に見合わないことが多いでしょう。当編集部としては、まず主催者に文書で説明を求め、応じてもらえなければ消費生活センターに間に入ってもらう、という順番をおすすめします。

パーティー後の勧誘契約は8日以内に動く

パーティーをきっかけに別の契約を勧められた場合は、契約の種類によって強い解除の手段があります。

結婚相談所への入会を勧められた

期間が2か月を超え、入会金などを含めた総額が5万円を超える結婚相手紹介サービスは、特定商取引法の特定継続的役務に当たります。契約書面を受け取った日から数えて8日以内ならクーリング・オフができ、同時に買った指輪などの装身具も関連商品として解除できます。8日を過ぎても中途解約はでき、請求される額には上限があります。詳しくは結婚相談所と婚活サイトの法的な違いで説明しています。

連絡先を交換した相手に呼び出されて契約した

特商法ガイドによると、電話やSNSなどで販売目的を告げずに呼び出して契約させるやり方は、いわゆるアポイントメントセールスとして「訪問販売」に当たり得ます。この場合も、法定の書面を受け取ってから8日が過ぎていなければクーリング・オフの対象です。パーティーで知り合った相手に「会いたい」と呼び出され、喫茶店や事務所で商品やサービスの契約を勧められた、という流れなら当てはまる可能性があります。

投資の話を持ちかけられた

出会いをきっかけにした投資勧誘は、送金先が個人口座や海外サイトであることが多く、取り戻すのが難しくなりがちです。送金する前に婚活で知り合った相手からの投資勧誘を読んでください。

次に申し込む前に確かめたい主催者の情報

一度おかしいと感じた人ほど、次のパーティー選びで慎重になれます。申込みボタンを押す前に、少なくとも次の4点を見ておくと、同じ悩みを繰り返しにくくなります。

  • 運営者の表示:ネットで申し込むサービスでは、事業者の名称・住所・電話番号、価格、申込みの撤回や解除に関する事項などの表示が特定商取引法で求められています。表示が見当たらない主催者は避けたほうが無難です
  • 参加者の確認方法:身分証の確認や独身であることの申告など、参加者をどう確認しているかが書かれているか
  • 関係者の参加についての記載:人数調整でスタッフが参加することがあるなら、その旨が募集ページに書かれているか
  • キャンセル規定の具体性:何日前まで無料か、当日キャンセルはいくらか、主催者都合の中止はどう扱うかが、数字で示されているか

当編集部は、この4点のうち2点以上が確かめられない主催者には申し込まない、という基準を勧めています。条件のよさや参加費の安さより、運営の透明さを優先したほうが、結果として時間もお金も無駄にしにくいからです。

主催者に問い合わせるときの書き方

最初の連絡は、電話より記録が残るメールや問い合わせフォームが向いています。相手を責める言葉は避け、事実と求めることだけを書くと、話し合いが進みやすくなります。

件名:〇月〇日開催「〇〇パーティー」についての確認のお願い
申込番号:〇〇〇〇
募集ページには「男女各15名・参加者は全員独身の一般の方」と記載がありましたが、当日の参加者は〇名で、主催者のスタッフの方と思われる方が参加者として着席していました。
1. 当日、関係者の方が参加者として参加していたかどうか
2. 募集時の記載と異なる場合の参加費の扱い
について、〇月〇日までに書面またはメールでご回答をお願いいたします。

回答がない、または納得できない場合は、やり取りを残らず保存し、188(消費者ホットライン)へ電話してみてください。相談先ごとの役割は婚活サイトのサクラ被害の相談先にまとめています。

よくある質問

Q. 婚活パーティーにサクラがいたら、参加費は全額返してもらえますか?

A. 全額返金が保証されるわけではありません。募集時の説明と当日の実態の違いが重要な事項に当たると認められれば、消費者契約法の不実告知として取消しを主張できる余地があります。まずは記録をそろえて主催者に説明を求め、消費生活センターに相談してください。

Q. 主催者のスタッフが参加者として参加するのは違法ですか?

A. 一律に違法とは言い切れません。人数調整のために関係者が参加する場合があると事前に告知しているイベントもあります。告知がないまま「全員一般参加者」と説明していた場合などは、説明と事実の違いとして問題になり得ます。

Q. パーティーで知り合った人に呼び出され、その場で契約してしまいました。解約できますか?

A. 販売目的を告げずに呼び出して契約させた場合は、特定商取引法の訪問販売(アポイントメントセールス)に当たる可能性があり、書面の受領から8日を過ぎていなければクーリング・オフが使えます。日付を確認し、早めに消費生活センターへ相談してください。

Q. パーティー当日にキャンセルした場合、参加費の全額を払う必要がありますか?

A. まずは主催者のキャンセル規定に従います。ただし、キャンセル料のうち、同じ種類の契約で主催者に通常生じる平均的な損害を超える部分は無効です(消費者契約法第9条)。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。