仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
YouTubeの動画や広告で「海外FXならレバレッジ1000倍」「自動売買ツールで放置でも月利10%」と紹介されていても、紹介されている業者やツールの販売者が、金融庁の登録を受けているかを確かめるまでは口座開設もツールの購入もしないでください。動画の再生回数や登録者数、出演者の知名度は、業者が登録を受けているかどうかとは関係がありません。
この記事は、YouTubeをきっかけに海外FXや自動売買、投資サロンに興味を持った人、すでに概要欄のリンクから登録してしまった人に向けたものです。メールで届く案内については高レバレッジFXの案内メールの記事で扱っているので、ここでは動画と広告ならではの見極め方を中心に書きます。
令和7年のSNS型投資詐欺9,523件について、だましの最初の接点を警察庁が集計したところ、YouTubeは1,229件に上りました。その前の年は58件だったので、20倍を超える増え方です。接触の手段別に見ると、バナーなどの広告が入口になった被害のうち、YouTubeが1,024件で最も多くなっています。
同じ資料では、広告の中身についても触れています。有名人の写真や映像が本人の許可なく使われていたこと、確実にもうかる、元本は保証する、とうたう表現があったことが報告されています。国も動いており、2026年8月7日付で7つの府省庁がGoogleなど5社に、なりすまし広告を減らす取り組みを求める要請文を出しました。
YouTubeに流れる投資の動画や広告がすべて問題というわけではありません。ただ、入口として使われる件数が短期間で大きく増えている以上、動画で知った投資話は、ほかの経路より一段慎重に確かめる理由があります。
| 動画での説明 | 国内のルール・公的機関の説明 |
|---|---|
| レバレッジが数百倍・1000倍 | 個人向けのFXは証拠金の25倍まで(金融庁)。無登録の海外業者は国内規制を大きく超える倍率を宣伝していると注意されている |
| 海外のライセンスがあるから安全 | 外国の許可は日本の登録とは別物。登録のない業者が国内の個人を相手に営業するのは違法(金融庁・消費者庁) |
| ゼロカットで借金にならない | 無登録業者とのトラブルでは「利益が出たのに出金できない」相談が多い(消費者庁)。損失の上限より、出金できるかが問題になりやすい |
| みんな使っている有名業者 | 無登録の海外業者は実態の把握が難しく、トラブルになっても追及は極めて困難(消費者庁) |
金融庁は、ブログやSNSの成功体験を見て海外の業者と取引を始めたものの、出金に応じてもらえず連絡も取れなくなった事例を紹介しています。動画の中の成功談も、同じように「その人の話」でしかありません。
もう一つ知っておきたいのは、動画の概要欄にある口座開設リンクが、紹介者に報酬が入る紹介用リンクになっている場合があることです。報酬を受け取る立場の人の説明は、中立な比較とは限らないと考えて見るのが無難です。
金融庁は、「自動売買ソフトを使えば何もしなくても儲かる」といった誘い文句でFXや暗号資産の取引に誘う勧誘に注意を呼びかけています。国民生活センターの2024年1月23日の発表には、副業グループで自動売買ソフトの購入を名目に50万円相当の暗号資産を海外に送ったものの、利益が出ず返金にも応じてもらえないという相談がありました。
お金をもらって「どの通貨を、いつ買うか売るか」を会員に指示するようなサービスは、内容しだいで金融商品取引法の投資助言・代理業として国の登録が要ります。登録済みの事業者は、金融庁が公開している登録業者リストで探せます。サロンの運営者名で見当たらない場合は、入会を見送る判断材料になります。
「特典の受け取りはLINEで」と個別のトークに移されると、そこから先は第三者の目が届きません。警察庁の集計によれば、SNS型投資詐欺でお金を渡した時点のやり取りは、ほとんど(9割超)がLINE上で行われていました。グループに入った後の流れはLINEグループでの勧誘の記事も参考にしてください。
筆者の考えでは、登録の有無を確かめる前に「どれくらい稼げるか」を計算し始めたら、いったん動画を閉じるのが正解です。先に確認、あとで検討の順番を崩さないことが、動画経由の被害を防ぐいちばんの近道です。
「FXの基礎を学べる」という動画から入り、無料講座、LINE登録、有料サロン、口座開設と進んでいく流れに注意が必要です。どの段階でも、次のステップに進む前に「この人や会社は何の登録を受けているか」を一度確かめるだけで、多くの入口は避けられます。練習したいなら、国内の登録業者が用意しているデモ口座(仮想のお金で取引できる口座)を使う方法もあります。
国内の25倍では物足りないと感じて、高い倍率を扱う海外の業者を動画で探す人もいます。取引の経験があるほど「自分なら見抜ける」と考えがちですが、問題になるのは相場の読みではなく、出金に応じてもらえるかどうかです。
税金の扱いも変わる可能性があります。国税庁の説明では、金融商品取引法上の店頭デリバティブ取引などにあたるFXの利益は「先物取引に係る雑所得等」として所得税15%(ほかに住民税5%)の申告分離課税となり、損失の3年間の繰越しも認められます。これにあたらない取引の利益は総合課税の雑所得になり、扱いが異なります。海外業者との取引がどちらになるかは内容によるため、税務署などで確かめてください。
気になる広告や動画は、YouTubeの画面から報告できます。広告であれば広告の横のメニューから、動画であれば動画下のメニューから「報告」を選び、詐欺や誤解を招く内容として送ります。報告の前に、広告のスクリーンショット、動画のURL、チャンネル名、概要欄のリンクを保存しておきましょう。報告後に削除されると、あとから確認できなくなるためです。
総務省の報道資料によると、先に触れた7府省庁の要請は、ディープフェイクで著名人の顔や声を勝手に使った詐欺広告が広く出回り、それを入口にした投資詐欺の被害が広がっていることを受けたものです。資料は、見た人の財産が狙われるだけでなく、名前を使われた本人の信用も大きく傷つくと指摘しています。一人ひとりの報告は、事業者が広告を止める判断の材料になります。
金融庁の金融サービス利用者相談室は、無登録業者の勧誘についての情報提供も受け付けています。被害が出ていなくても、「この動画で無登録と思われる業者が紹介されている」という情報は、行政にとって手がかりになります。
警察(#9110 または最寄りの警察署)、消費者ホットライン 188、金融庁の相談窓口(0570-016811)の3つが中心になります。ツールやサロンの代金の返金交渉は、契約内容によって考え方が変わるため、消費生活センターで契約書面や購入画面を見てもらうのが近道です。
A. 登録者数や再生回数は、業者が金融庁の登録を受けているかとは関係がありません。紹介用リンクで報酬を得ている場合もあるため、業者名を金融庁の登録一覧で確かめてから判断してください。
A. 金融庁は、登録を受けずに日本の居住者と取引する業者側の行為が禁止されていると説明しています。利用者に対しては、無登録業者との取引はトラブル時の追及が極めて困難だとして、取引しないよう注意を呼びかけています。
A. 販売者の説明と実際の内容が違う場合などは、返金を求める余地がある場合もあります。購入画面、説明動画、やり取りを保存し、消費者ホットライン 188 で契約の考え方を相談してください。
A. 有名人の写真や映像を勝手に使った広告から投資詐欺に巻き込まれる被害は、警察庁の統計資料にも表れています。本人や所属事務所の公式発信で関与を確かめ、広告からはLINE登録や入金に進まないでください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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