ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
マッチングアプリで知り合った、外国人を名乗る相手から「LINEで話そう」「WhatsAppのほうが使いやすい」と言われた。そんな段階で迷っている人向けの記事です。
結論から書くと、まだ会っていない相手から早い段階で外部アプリに誘われたら、移る前にいったん立ち止まるのが安全です。警察庁も、アプリで出会ってすぐにLINEへ移るよう求められたら、詐欺の可能性を考えてほしいと注意を促しています。相手が外国人かどうかは関係ありません。問題になるのは、アプリ運営の目が届かない場所へ会話を移したがる動きのほうです。
ここでは、外部アプリへの誘いがなぜ分かれ目になるのか、移る前に何を確かめればよいか、すでに移ってしまった場合にどう動くかを、警察庁・国民生活センター・消費者庁が公開している資料で確かめながら順に見ていきます(情報は2026年9月時点)。
警察庁がSOS47の特設ページで示している被害の流れを見ると、SNSやマッチングアプリで出会った次の段階として、他のサービスでやり取りをするよう持ちかけられることが挙げられています。2022年3月に国民生活センター(越境消費者センター)がまとめた相談の分析でも、マッチングが成立した後、実際に会う前にアプリ以外のサービスでやり取りしないかと持ちかけられる段階が、被害に至る流れの一部として示されています。
統計にも同じ傾向が出ています。令和7年(2025年)の警察庁確定値によると、SNS型ロマンス詐欺の認知5,645件の入口は、マッチングアプリの1,846件(約3件に1件)が一番多くなっています。ところが、だまされた時点でやり取りに使われていたアプリを見ると、LINEだけで5,294件と9割を超えます。つまり、出会いはマッチングアプリでも、お金の話が進むのは多くの場合アプリの外です。
理由の一つは監視の範囲です。消費者庁が2021年12月にまとめた「マッチングアプリの動向整理」は、アプリ内のやり取りは運営事業者の監視などで悪質な行為の検知が行われている一方、アプリ外のサービスは監視等の対象とならないと指摘しています。外部アプリに移った時点で、規約違反を見つけてくれる第三者がいなくなると考えておくとよいでしょう。
外部アプリに誘う言い方はさまざまです。以下は相談事例や公的機関の注意喚起に出てくる流れをもとに、よく見かける言い回しを整理したものです。言い回しそのものが悪いわけではありませんが、会う前のこの段階で重なったら警戒を強めてください。
| 言われ方の例 | 相手が挙げる理由 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 「このアプリはもうすぐ退会する」 | 有料期間が終わる、恋人を見つけたから | 国民生活センターの事例でも、相手がアプリを退会して無料の会話アプリへ移った後に投資を勧められている |
| 「アプリの翻訳機能が使いにくい」 | 母国語で話したい、写真を送りたい | 言語の事情はもっともらしく聞こえるが、移る理由の確認にはならない |
| 「仕事中はアプリを開けない」 | 海外勤務、船上や基地での勤務 | 会えない理由と外部アプリへの移動が同時に出てくる |
| 「特別な人とだけ話したい」 | あなたにだけ本気だから | 好意の表現と移動の提案がセットになっている |
国民生活センターが同年12月に出した「騙されないためのチェックリスト」でも、アプリからLINEなどへ早々に切り替えようとする提案は注意項目の一つです。このリストには「自称外国人」という項目も含まれますが、センターは、真剣に相手を探している利用者でもいくつかの項目に該当しうると注記しています。国籍の項目だけで判断せず、行動の組み合わせで見るのが妥当です。
外部アプリへ移るかどうかは、次の5点を確かめてから決めても遅くありません。一つでも引っかかるなら、アプリ内のやり取りを続けるか、関係をいったん止めることを考えてください。
編集部としては、5のアプリ内の記録を残す作業を最優先にすることをすすめます。外部アプリに移った後のやり取りは自分の端末にしか残らないことが多く、出会いの経路を示せる記録はアプリ側にしかないからです。
もう一つ、自分の外部アプリのIDを渡す前に、そのアプリで公開しているプロフィールを見直しておくと安心です。表示名やアイコン、投稿した写真から、勤務先や住んでいる地域が推測できてしまうことがあります。
移ってしまったこと自体を責める必要はありません。気をつけたいのは、移った後の会話の中身です。次のような展開があったら、そこで止まってください。
国民生活センターが2022年12月に紹介した相談(2021年8月受付)では、マッチングアプリで知り合った相手と無料通話アプリでやり取りするうちに、相手から「アドバイザー」と呼ばれる人物を紹介され、外国のFX取引アプリを入れるよう言われた流れが示されています。警察庁も、翻訳アプリや生成AIを使えば誰でも他人になりすますことができ、ビデオ通話で仲良くなっても本人とは限らないと注意しています。
外部アプリでは、相手の表示名やアイコンは簡単に変えられます。友だち登録した日、相手のID、最初に送られてきたメッセージは早めに保存しておきましょう。投資グループへの招待を受けた場合の抜け方は、マッチングアプリで投資を勧められたらでも扱っています。
移動を断るのは失礼なことではありません。次のような言い方なら、相手を責めずに自分の方針として伝えられます。
「会うまではこのアプリの中で話すことにしているので、ここで続けさせてください」
「実際に会えたら、そのときに連絡先を交換したいです」
大事なのは、断った後の相手の反応です。本当に交際を望んでいる相手なら、アプリ内でのやり取りを続けることに大きな不都合はないはずです。反対に、次のような反応が返ってきたら、それ自体が判断材料になります。
断った途端に連絡が途絶えた場合、それは損をしたのではなく、早い段階で離れられたと考えてよいと編集部は考えています。ほかのアプリで同じ写真や似た身の上話を見かけたときの確かめ方は、別アプリの相手と同じ身の上話?で紹介しています。
相手の誘い方が規約違反にあたりそうなら、マッチングアプリの通報機能から運営に知らせてください。消費者庁の資料によると、アプリ運営事業者の中には、規約違反を報告できる通報窓口を設け、他サービスへの誘導を含む違反行為を監視し、明らかな違反にはアカウント停止などの対応をとっているところがあります。自分が被害を受けていなくても、通報は次の利用者を守ることにつながります。
お金の話が出ている、あるいはすでに送金した場合の相談先は、主に次の三つです。
相談の際は、アプリ名、相手のプロフィール画面、外部アプリのID、移動を持ちかけられた日時とメッセージを手元にそろえておくと話が早く進みます。当サイトでも相談の予約を受け付けています。この記事は公開情報にもとづく一般的な解説で、個々の結果や返金をお約束するものではありません。
A. アプリによって扱いが異なります。外部連絡先の早い段階での交換を禁止事項にしているアプリもあるため、利用規約のページで確かめてください。規約で許されていても、会う前に相手が交換を急ぐ場合は慎重に判断するのが安全です。
A. アプリの種類で危険度が決まるわけではありません。どのアプリであっても、マッチングアプリの運営の監視が届かない場所に移ることに変わりはありません。移る理由とその後の会話の中身、特にお金や投資の話が出るかどうかで判断してください。
A. 退会後の扱いはアプリによって異なりますが、問い合わせ窓口から相手の表示名、やり取りの日時、保存した画面を添えて知らせることはできます。退会前に画面を保存しておくと説明しやすくなります。
A. グループには参加せず、招待のメッセージとURLを保存してください。送金や投資アプリのインストールはしないでください。すでにお金を入れた場合は、#9110や188に早めに相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。