仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
Facebookのタイムラインに、有名な経営者や投資家の写真とともに「上場前のNFTプレセール」「一般販売の前に買えるホワイトリスト枠を限定で譲ります」という広告が流れてきた。Messengerで問い合わせると、枠の代金を銀行口座か暗号資産で送るよう言われた——。この記事は、そうした案内を前に支払うかどうか迷っている人と、すでに払ってしまった人のためのものです。
先に要点を示します。ホワイトリスト(アローリストとも呼ばれます)は、プロジェクトが特定のウォレットアドレスに優先購入の権利を与える仕組みで、公式が案内していない第三者に代金を払っても、自分のアドレスが本当に登録されたかを確かめる手段はほとんどありません。公式サイトやDiscordで告知されていない枠の販売や「代理ミント」には、お金を払わないのが編集部の結論です。
Facebook経由の案内は、大きく3つの形で届きます。
令和7年の被害を集計した警察庁の確定値(2026年6月)では、投資をうたう詐欺のうちFacebookを起点とするものが822件ありました。最初の接触がバナーなどの広告だった被害は全体で3,785件あり、警察庁はその特徴として、有名人の写真や映像が本人に無断で流用されていたこと、「必ずもうかる」「元本保証」とうたう文言も見られたことを挙げています。恋愛感情を利用するロマンス型でも、Facebookが入口になった被害は1,049件にのぼります。
広告の出来がよく、実在の人物が映っていても、その人物が関わっている証拠にはなりません。
NFTの新規発行(ミント)では、一般販売の前に、プロジェクトが選んだ人だけが先に買える期間を設けることがあります。この優先権のリストがホワイトリストです。登録は通常、次のように進みます。
権利がアドレスに結びついているため、枠を他人に「譲る」ことは仕組みの上で簡単ではなく、プロジェクトによっては譲渡を認めていません。第三者から枠を買うと、次のような問題が起きやすくなります。
枠を勧められたら、販売者の説明とは別に、プロジェクトの公式サイトとDiscordを自分で探して次の点を確かめます。ホワイトリストの募集がいつ、どんな条件で告知されたか。枠の譲渡や販売について公式が何か書いているか。ミントの日時と価格、使われるコントラクトのアドレスはどこに載っているか。販売者が示した情報とひとつでも食い違えば、その時点で手を引いてください。公式サイトそのものが見つからない、あるいは販売者が教えるURLにしか存在しないプロジェクトは、実在を前提に考えないほうが安全です。
シードフレーズを他人に教えることは、ウォレットの中身をすべて渡すのと同じ意味を持ちます。どんな名目でも伝えないでください。
株式の新規上場を連想させる「上場前」という言葉がNFTの勧誘で使われることがありますが、NFTには取引所への上場審査のような仕組みはなく、誰でも発行してマーケットに出品できます。国民生活センターの月刊誌『国民生活』(2023年10月号)のNFT特集は、消費者がNFTを取引するときに気をつけたい点として次の3つを挙げています。
| 留意点 | プレセールの勧誘に当てはめると |
|---|---|
| そのNFTを持つと何ができるのか(保有者の権利) | 「特典」「配当」の中身が規約に書かれているか。口頭やMessengerの説明だけではないか |
| 正当な権利者が発行したものか(本物かどうか) | 発行元の会社・作者が実在し、公式に販売を告知しているか |
| 発行や受け渡しはいつか(発行・移転のタイミング) | 代金を払った時点でNFTが届くのか、「後日発行」なのか |
同特集は、消費者がすでに発行済みのNFTを買ったつもりでいたのに、実際にはまだ発行されておらず、受け取りにさまざまな条件があったと認識していなかったケースを問題になる例として挙げています。「先にお金を払えば後日NFTが届く」形のプレセールは、届かなかったときに何も手元に残らないことを前提に判断してください。
広告に出ている人物の公式サイトや、本人が以前から使っているSNSアカウントを自分で開き、その企画を本人が告知しているか確かめます。本人が無関係だと注意を出している例もあります。
金融庁は令和6年10月1日、SNSで見かけた投資詐欺らしい広告や投稿の情報を集める専用の受付窓口を開きました。偽の広告などをきっかけに投資を勧められた、あるいは被害に遭った場合に、広告や投稿の情報を入力フォームから24時間受け付けています。集めた情報は、SNS事業者と連携した広告の削除などに使われます。ただし、この窓口は情報提供のみを受け付けるもので、個別の相談には応じていません。自分のケースについて相談したいときは、同庁の金融サービス利用者相談室を案内しています。
消費者庁は、SNSをきっかけに勧められる「もうけ話」の中に、著名人や有名人になりすましたとみられる相談があるとして注意を呼びかけています。同庁は、著名人本人だけでなく、評論家・投資家のアシスタントや弟子、親族を名乗るケースも含めて相談件数を集計・公表しています。投資資金の振込先に個人名義の口座を指定されたら振り込まないこと、被害回復をうたう二次被害にも気をつけることも、あわせて求めています。国民生活センターも2026年9月1日に、SNSで著名人が勧める「もうかる方法」に関する注意喚起を出しました。
広告やページ、アカウントは、Facebookの報告機能から通報できます。報告する前に、広告主の名前、広告の文面と画像、リンク先のURLを画面ごと保存しておくと、あとで警察や相談窓口に説明するときに役立ちます。
枠やプレセールの代金をどう払ったかで、最初に連絡すべき先が変わります。どの方法をとっても、お金が戻ると決まっているわけではありません。
| 支払い方法 | 最初にやること |
|---|---|
| 個人・法人名義の口座への振込 | 振込先の金融機関と警察へ連絡する。口座凍結が間に合い残高が確保できれば、救済法の手続きで一部が被害者に戻る場合もある |
| 暗号資産の送付 | 送付に使った国内の交換業者へ、送り先アドレスと経緯を伝える。送付自体は取り消せない |
| クレジットカード | カード会社に連絡し、支払いについて調査や取り消しの対象になるか相談する |
| 電子マネー・ギフトカード | 発行会社の窓口に、カード番号と利用日時を伝えて利用停止を相談する。時間がたつほど使われてしまう |
代金の支払い後に「登録手数料」「ガス代の立て替え」など追加の請求が来ても、応じないでください。支払いのたびに被害額が増えるだけになりやすいからです。
Facebookの広告は短期間で入れ替わるため、次の情報を早めに保存します。
保存の手順は証拠の残し方で詳しく説明しています。
NFTを使った勧誘の全体像はNFT詐欺の記事、登録していない業者の見分け方は金融庁への情報提供の記事も参考にしてください。
A. ホワイトリストは通常、プロジェクトが特定のウォレットアドレスに優先権を与える仕組みで、第三者に代金を払っても登録を確かめる手段がほとんどありません。公式が告知していない枠の売買には応じないことをおすすめします。
A. 広告に写っていることは本人の関与を示しません。警察庁は、著名人の画像や動画を無断で使った投資の広告を確認しています。本人の公式サイトやアカウントで告知されているかを確かめてください。
A. 支払いの記録とやり取りを保存し、追加の請求には応じずに、警察と消費生活センターへ相談してください。銀行振込なら振込先の金融機関にもすぐ連絡します。
A. 広告そのものの情報は、金融庁が令和6年10月に設けた投資詐欺広告の情報受付窓口へ送れます。あわせてFacebookの報告機能でも通報してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。