ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
友人から「海外の石油リグで働いている、いい人がいる」と紹介され、メッセージのやり取りが始まった。何度かお金を送ったあと、手元の貯金が尽きたと伝えると、「カードローンで借りればいい」「家族や友だちに少し借りられないか」と言われるようになった。この記事は、そう頼まれて迷っている人に向けて書いています。
先に一つだけお伝えします。会ったことのない相手のために、借金をしてお金を用意するのはやめてください。送ったお金が戻らなくても、借りたお金の返済はあなたに残ります。「借りてでも」という頼みが出てきた時点で、相手の関心があなた自身ではなく、あなたが動かせるお金に向いていないかを考えるきっかけにしてください。
石油の掘削現場にいると話す相手を取り上げている連載のうち、今回は借金を勧められる段階と、友人の紹介で知り合った場合の注意点を扱います。
石油リグ勤務を名乗る相手からの頼みは、はじめは通信費や荷物の手数料など、少額のことが多いものです。やり取りが続き、あなたの貯金が減ってきたことを伝えると、次のような言葉が出てくることがあります。
国民生活センターが2022年に公表した相談事例には、マッチングアプリで知り合った相手に投資を勧められ、銀行や消費者金融から借り入れて約500万円を投じた後、出金のための保証金を求められてさらに50万円を借りた、というケースが載っています。残りの額を相談していたところで連絡が途絶えた、とされています。
相手がこうした提案をするとき、あなたの収入や生活の事情を気にかける言葉はほとんど出てきません。返済が苦しくなったらどうするのか、と尋ねても、「すぐに返すから心配ない」と話をそらされることが多いはずです。本当にあなたを大切に思う人なら、恋人に借金を背負わせることにためらいを見せるのが自然でしょう。
借金の話が出てきたときは、これまでに送った合計額を一度書き出してみてください。「あと少しで終わる」と言われ続けてきたのに、終わりが見えていないことに気づくかもしれません。
相手に頼まれて借りたお金でも、借入の契約を結ぶのはあなた自身です。そのため、次のことを前提に考える必要があります。
「契約が終われば倍にして返す」という約束は、相手の給料や資産が実在することを前提にしています。その前提を、あなたは確かめることができていないはずです。確かめられない返済の約束と、確実に発生するあなたの返済義務を、同じ重さで比べないようにしてください。
また、借入の申し込みで「お金の使い道」を偽るよう指示されることもあります。相手の指示どおりに申込書に事実と違うことを書くと、あなた自身が不利な立場に置かれかねません。
信頼している友人からの紹介だと、相手も信用できる人だろうと感じるのは自然なことです。けれども、紹介という形には次のような可能性もあります。
警察庁の令和7年の統計では、SNS型投資・ロマンス詐欺で受け子などとして検挙された304人のうち、そうなった経緯として「知人等紹介」が115人(37.8%)を占めました。これは送金をだまし取られた人ではなく、お金の受け取りなどに加担させられた側の数字ですが、知人の紹介が詐欺のグループに人を引き込む経路になっている実態を示しています。
もう一つ気をつけたいのが、相手から「あなたの友だちも紹介して」「友だちにも投資を勧めて」と頼まれる場合です。応じると、あなたが意図せず友人を被害に巻き込む側に回ってしまいます。紹介を頼まれたら断り、その頼み自体を相談の材料として記録しておきましょう。
友人を疑うように感じて気が進まないかもしれませんが、確かめる相手は友人ではなく、「紹介された人物」です。友人と直接会うか電話をして、「紹介してくれた人に、直接会ったことはある?」「あなたも何か頼まれていない?」と尋ねてみてください。友人も困っているなら、一緒に相談先へつなぐきっかけになります。
金融機関から借りられなくなると、身近な人に借りようと考えることがあります。ただ、家族や友人からの借金には、お金以外の負担も伴います。
逆に言えば、家族や友人に借りようとしている今は、周りの人に事情を話す絶好の機会でもあります。「お金を貸して」ではなく、「こういうことを頼まれていて、迷っている」と話してみてください。国民生活センターも、国際ロマンス詐欺では周りの人が気づいてサポートしたことで被害を防げた例があるとしています。
家族や友人の側も、「なぜそんな相手に」と責めるより、まずは話してくれたことを受け止めてもらえると、その後の手続きを一緒に進めやすくなります。借りる・貸すの話し合いではなく、相談先に一緒に電話をかける、警察署や銀行に付き添う、といった形で力を借りることを考えてみてください。
話し方に迷う場合は、家族に打ち明けるときの順番をまとめた記事も参考にしてください。
「頼まれるとまた借りてしまいそう」と感じるなら、自分で借入にブレーキをかける制度があります。金融庁が紹介している貸付自粛制度です。
全国銀行協会は、登録された情報は会員の審査判断を拘束するものではないと説明しています。つまり、借入が必ず止まるわけではありません。それでも、勢いで借りてしまう前の一呼吸として役立ちます。申告の方法は、日本貸金業協会はウェブでも、全国銀行個人信用情報センターは郵送で受け付けています。
借りたお金を送ってしまった場合は、送金の被害と借金の返済を分けて考え、それぞれの窓口に相談します。
借金をしてまで相手の頼みに応えたのは、それだけ相手を大切に思っていたからです。自分を責めすぎず、まずは一つの窓口に電話をかけるところから始めてください。
A. 紹介してくれた友人自身が相手と会ったことがない、友人も同じ相手に頼まれている、といった場合があります。誰の紹介かよりも、一度も会っていない人がお金の話をしてきているという事実のほうを重く見てください。
A. おすすめできません。返すという約束は確かめようがない一方で、あなたの借金の返済義務は確実に残ります。国民生活センターの相談事例でも、借り入れて送金した後に連絡が途絶えたケースが紹介されています。
A. 申告は原則として本人です。全国銀行協会の案内では、本人の同意を得ることが難しいなど一定の要件を満たす場合に、配偶者や二親等内の親族などが申告できるとされています。詳しくは日本貸金業協会か全国銀行個人信用情報センターに確認してください。
A. 送金先で被害にあっても、正規の金融機関との借入契約がそれだけで無くなるわけではありません。返済が難しい場合は、金融庁が案内する多重債務相談窓口や法テラスに早めに相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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