国際ロマンス詐欺の証拠の集め方・残し方

国際ロマンス詐欺の証拠の集め方・保存方法を解説。警察や弁護士に相談する前に整理しておくべき情報とスクリーンショットの取り方をまとめました。

国際ロマンス詐欺の被害に遭ったと気づいたとき、最初に行うべきことの一つが「証拠の保全」です。詐欺グループはやりとりの痕跡を残さないよう、アカウントを削除したりブロックしたりすることがあります。また、被害者自身が「恥ずかしい」「見たくない」という気持ちから証拠を削除してしまうケースも少なくありません。しかし、証拠は警察への被害申告・弁護士への相談・行政手続きのいずれにおいても不可欠な情報です。この記事では、どのような証拠を、どのように集め・残すかを具体的に解説します。

なぜ証拠が重要なのか

詐欺被害の相談・申告において、証拠がなければ何も始まりません。特に以下の場面で証拠が必要になります。

  • 警察への被害申告 — 被害の事実を示す記録(やりとり・送金明細)が必要
  • 金融機関への振込停止・口座凍結申請 — 送金先口座・送金日時・金額の記録が必要
  • 弁護士への相談 — 被害の経緯と金額を把握するために必要
  • 振り込め詐欺救済法」に基づく手続き — 被害申告と送金記録が前提となる

集めるべき証拠の種類

1. やりとりの記録(最重要)

相手との会話履歴は最も重要な証拠です。削除される前に必ず保存してください。

LINEの場合

  • 画面をスクロールしながらすべてのメッセージをスクリーンショット
  • トーク履歴のバックアップ機能(設定→トーク→トークのバックアップ)も活用
  • LINEのトーク履歴テキストエクスポート(設定→トーク→特定のトークのバックアップ)

InstagramやFacebookのDMの場合

  • 画面スクロールしながらスクリーンショットを撮影
  • 各SNSの「データのダウンロード」機能でメッセージデータをエクスポート

WhatsAppの場合

  • チャット履歴のエクスポート機能(チャット→その他→メール送信)を使用

メールの場合

  • 受信メールを印刷またはPDF化して保存
  • メールヘッダー情報(差出人のIPアドレスなど)も保存しておくと有益

2. 相手のプロフィール情報

  • 相手のSNSプロフィールページのスクリーンショット(名前・写真・経歴)
  • プロフィールのURL(コピーして記録)
  • 相手が使用したアカウント名・ID・電話番号・メールアドレス
  • 相手が名乗った氏名・職業・居住国・所属会社などの情報

3. 送金の記録

  • 銀行振込明細書(各送金ごと)
  • 通帳のコピーまたは取引履歴のダウンロードデータ
  • 暗号資産を送金した場合:送金先ウォレットアドレス・トランザクションID・送金額・日時
  • 電子マネーやギフトカードで支払った場合:購入・送信の際のスクリーンショット

4. 相手から送られてきた書類・画像

  • 「本人確認」として送られてきたパスポート・IDカードの画像(偽造の場合が多い)
  • 「税関からのメール」など、詐欺的な誘導に使われた書類
  • 写真・動画(偽のプロフィール写真など)

5. 被害の経緯をまとめたメモ

  • 最初に連絡があった日時・プラットフォーム
  • どのような経緯で信頼関係が形成されたか
  • 送金を求められた日時・理由・金額(時系列で記録)
  • 追加要求があった場合はその内容も記録

証拠の保存・管理方法

スクリーンショットの取り方

  • iPhoneの場合:サイドボタン+音量大ボタンを同時押し
  • Androidの場合:電源ボタン+音量下ボタンを同時押し(機種によって異なる)
  • 日時情報が含まれるよう、スマートフォンの日付・時刻設定を正確にしておく

バックアップと保管

  • スクリーンショットや書類は複数の場所に保存(スマートフォン内・クラウドストレージ・PCへの転送)
  • Google DriveやiCloudに自動バックアップするよう設定しておく
  • 重要なファイルはUSBメモリや外部ストレージにもコピーしておく

連絡先の削除やブロックについて

証拠を保全した後であれば相手をブロックしても問題ありません。ただし、ブロック前にすべてのやりとりと相手の情報を保存してください。アカウントが削除されると相手のプロフィール情報にアクセスできなくなります。

証拠・準備物チェックリスト

  • [ ] 相手とのやりとり全履歴(スクリーンショット+エクスポートデータ)
  • [ ] 相手のSNSプロフィール(スクリーンショット+URL)
  • [ ] 相手が使用した連絡先情報(電話番号・メールアドレス・LINE ID等)
  • [ ] 各送金の日時・金額・送金先(一覧表を作成)
  • [ ] 銀行振込明細書・通帳コピー(全送金分)
  • [ ] 暗号資産の場合:ウォレットアドレス・トランザクションID
  • [ ] 相手から送られた書類・画像
  • [ ] 被害経緯のメモ(時系列)
  • [ ] 相手が名乗った情報(氏名・職業・国籍など)

公的相談先

| 機関 | 連絡先 | 備考 |

|——|——–|——|

| 警察相談専用電話 | #9110 | 証拠の持参方法も案内してもらえる |

| 消費者ホットライン | 188 | 消費生活センターにつながる |

| 国民生活センター | 03-3446-1623 | 相談記録・証拠の整理アドバイスあり |

| 法テラス | 0570-078374 | 弁護士費用の立替制度あり |

よくある質問

Q: LINEのやりとりを相手がすでに削除してしまいました。証拠はなくなりましたか?

A: 相手側で削除されても、自分のアプリ内にトーク履歴が残っている場合があります。LINEは相手が削除しても自分側のデータは消えません(「送信取消」された場合は消える)。自分のスマートフォンのトーク履歴を確認し、残っていればすぐにバックアップしてください。

Q: 証拠のスクリーンショットは何枚くらい必要ですか?

A: 枚数より「やりとりの全体像が把握できること」が重要です。送金を求めてきた経緯・具体的な金額・送金方法の指示などが含まれるメッセージは特に重要です。できる限り全履歴を保存することを目指してください。

Q: 相手のプロフィール写真が本人の写真かどうか確認できますか?

A: Googleの「画像で検索」(画像を右クリック→「Googleで画像を検索」または画像URLをアップロード)を使うと、同じ画像がネット上の他の場所で使用されているかどうか確認できます。外国人モデルや軍人の写真が使用されていることが判明するケースがあります。

Q: 証拠を警察に持って行く際、スマートフォンを持参すればいいですか?

A: スマートフォン本体の持参も有益ですが、スクリーンショットをまとめてPDFに変換したものやプリントアウト、または一覧表(日時・内容のまとめ)を作成していくと、警察官への説明がスムーズになります。

Q: 証拠を集める前に相手にブロックされました。

A: ブロックされても、すでに保存した履歴は有効な証拠です。相手のアカウントにアクセスできなくなった場合も、保存済みのスクリーンショットや送金記録を使って申告・相談を進めることができます。

まとめ

証拠の保全は、被害申告・相談・法的手続きのすべてにおいて出発点となります。気づいたその瞬間から、削除や散逸を防ぐために証拠を保存してください。複数の場所にバックアップし、経緯をまとめたメモを作成しておくことで、その後の対応が格段に進めやすくなります。

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本記事は、弁護士監修のもと一般的な情報提供を目的として作成されています。個別の事案における法的判断や返金・解決を保証するものではありません。具体的な対応については、弁護士または公的相談機関にご相談ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。