ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
SNSやマッチングアプリで知り合った相手がロマンス詐欺かもしれないと気づいたら、最初にやるのは「これ以上お金を出さない」ことです。相手を問い詰めたり、トークを消したりするのは後回しにしてください。
この記事では、気づいた直後の初動を お金の出口・記録・個人情報・相手への対応・相談 の5つの領域に分け、チェックリストの形にしました。上から順に確認していけば、抜けを減らせます。送金前で迷っている段階なら ロマンス詐欺の見分け方、経過した日数ごとの相談先は 経過時間で変わる相談先と連絡の順番 もあわせて参考にしてください。
ロマンス詐欺では、相手が「利益の出金に手数料が要る」「税関で荷物が止まった」などと理由を変えながら支払いを求め続けます。まずは次の項目にチェックを入れてください。
送金手段ごとの最初の連絡先は、おおむね次のとおりです。
| 送った手段 | 最初に連絡する先 |
|---|---|
| 国内の銀行口座への振込 | 振込先の銀行と自分の銀行、あわせて警察 |
| 暗号資産の送付 | 購入・送付に使った国内の交換業者、警察 |
| クレジットカード | カード会社 |
| 電子マネー・ギフトカード | 発行会社(未使用分が残っていれば停止を相談) |
| 海外への送金 | 送金を依頼した銀行や送金サービスの運営会社 |
国内口座への振込なら、振込先の口座が凍結されると残っている資金が振り込め詐欺救済法の手続きにつながる場合があります。手続きの詳細は 振り込め詐欺救済法の分配金を申請する手順 にまとめています。
銀行への連絡では「SNSで知り合った相手にだまされて振り込んだ可能性がある」とはっきり伝え、振込日・金額・振込先の銀行名・支店名・口座番号・名義を読み上げられるようにしておきます。窓口によっては、警察への相談状況を聞かれることもあります。
暗号資産の場合、外部のアドレスへ送り終えた分を交換業者が取り消すことは通常できません。それでも、自分のアカウントにまだ残っている資産を守る手立てや、警察に提出する取引記録の出し方は相談できます。相手に教えられて開いた「取引所」が国内の登録業者かどうか分からないときは、金融庁の登録業者一覧で名称を確かめてください。
相手が警戒すると、アカウントや投資サイトは短期間で消えることがあります。削除される前提で、次の順に保存してください。
スクリーンショットは日時が分かるように撮り、スマートフォンの外(パソコンやクラウド)にも複製を置くと安心です。保存する範囲や整理の仕方は、ロマンス詐欺の証拠をまとめた記事で項目ごとに解説しています。
暗号資産で送った場合は、交換業者のアプリに残る出金(送付)履歴の画面に加え、送付先アドレスとトランザクションIDを文字でも控えてください。画面の表示は後から変わることがあり、警察や交換業者に伝えるときは英数字の文字列そのものが必要になるためです。
やり取りの中で、身分証の画像や勤務先、口座番号を伝えている人は少なくありません。お金の被害とは別に、名義を悪用される被害を防ぐ手当てが必要です。
最後の項目は見落とされがちですが、受け取ったお金を指示どおりに送り直すと、知らないうちに犯罪収益の移転に関わってしまうおそれがあります。心当たりがあれば、その事実も含めて警察に伝えてください。免許証やマイナンバーカードの画像を渡した場合にとる手続きは、身分証の画像を送った後の対処に分けて書いています。
気づいた直後は、相手に「詐欺だったのか」と問いただしたくなります。けれども、問い詰めた直後に相手がアカウントを削除し、記録が取りにくくなる場合があります。
相手は、こちらの様子が変わったことに気づくと、急に優しい言葉を重ねたり、「あなたのせいで計画が台無しになる」と責めたりして、関係を戻そうとすることがあります。どちらも、送金を再開させるための働きかけと考えて差し支えありません。
編集部としては、返信を止めてから記録を保存し、そのうえでブロックする順番をすすめます。相手が別アカウントや電話番号で連絡してきた場合も、同じように保存しておくと、警察に相手の手がかりとして渡せます。
最後に、話を聞いてもらう先を決めます。どこか1か所に相談するだけでも、次にやることが整理されます。
どの窓口も、相談しただけで手続きが勝手に進むことはありません。話を聞いてもらったうえで、被害届を出すか、弁護士に頼むかを自分で決められます。迷っている段階でも連絡してかまいません。
警察に行く前に、送金の一覧と時系列メモを1枚にまとめておくと話が早く進みます。弁護士への相談を考えるときは、依頼の流れと注意点を ロマンス詐欺の弁護士相談 で確認してください。
警察では、相手を特定する手がかりになる情報が重視されます。表示名や顔写真よりも、振込先口座、暗号資産のアドレス、電話番号、LINE ID、SNSのURLのように、機械的に照会できる情報を優先して伝えてください。
チェックリストの項目を一度に片付けようとすると疲れてしまいます。目安として、次のように日を分けて進めると無理がありません。
| 時期 | 進めること |
|---|---|
| 当日 | 送金をやめる、銀行や交換業者に連絡、トークとプロフィールの保存 |
| 2〜3日目 | 送金の一覧表と時系列メモを作る、パスワード変更と2段階認証 |
| 4〜5日目 | 警察署に相談して被害届を出すか決める、188への相談 |
| 1週間以内 | 弁護士への相談を検討、家族か信頼できる人に経過を共有 |
体調がすぐれない日は、記録の保存だけ済ませて休んでもかまいません。大切なのは、途中で追加の送金をしないことと、記録を消さないことの2点です。
焦っているときほど、後から取り返しのつかない行動を取りやすくなります。次の表の左の列に当てはまるものがあれば、右の列の行動に置き換えてください。
| 避けたい行動 | なぜ避けるか | 代わりにすること |
|---|---|---|
| トークやアプリを削除する | 警察や弁護士に見せる材料が消える | 通知を切って、記録はそのまま残す |
| 損を取り戻そうと追加で入金する | 被害額が膨らむだけになりやすい | 入金をやめ、画面を記録する |
| 「必ず返金」とうたう業者に申し込む | 着手金だけ払って終わる二次被害がある | 公的窓口で相談してから依頼先を考える |
| 相手に口座凍結などを予告する | 引き出しや資金移動を急がせてしまう | 黙って銀行と警察に連絡する |
| 一人で抱え込む | 追加の要求を断りきれなくなる | 相談窓口か身近な1人に話す |
被害の後に届く「返金できます」という広告やメッセージへの向き合い方は、返金実績をうたう広告についての記事で取り上げています。
A. 銀行のなかには、盗難や不正利用の連絡を夜間・休日も受け付けているところがあります。送金に使った会社のサイトで受付時間を確かめ、つながるなら連絡しておきましょう。警察への相談は翌朝でもかまいませんが、記録の保存はその夜のうちに済ませてください。
A. ブロックしてかまいませんが、先にトーク全体とプロフィール画面を保存してください。ブロック後は相手の情報が見えにくくなる場合があります。
A. 時間がたっていても、警察への相談や、振込先口座が振り込め詐欺救済法の公告に載っていないかの確認はできます。取り戻せるかどうかは状況次第ですが、記録を整えて相談する意味はあります。
A. 口座番号を知られただけで、預金が勝手に引き出されることは考えにくいものの、身に覚えのない入金があった場合は、手を付けずに銀行へ連絡してください。自分の口座が他人のお金の受け皿に使われるおそれがあるためです。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。