国際ロマンス詐欺の追加送金要求に応じてしまった場合

国際ロマンス詐欺で追加送金を繰り返してしまった場合の対処法を解説。追加送金を止める方法・被害総額の整理・相談窓口への伝え方をまとめました。

「最初は少額だったのに、いつの間にか何十万・何百万円も送金してしまった」——国際ロマンス詐欺では、一度送金を始めると追加要求が続き、被害が雪だるま式に膨らむケースが多くあります。「ここまで送ってしまったのだから、もう少し払えば解決するかもしれない」という心理(サンクコスト効果)が、さらなる被害を招きます。この記事では、追加送金を繰り返してしまった場合の対処法と、今後の行動指針を解説します。

なぜ追加送金が続いてしまうのか

サンクコスト効果

「今まで投資した分が無駄になる」という心理は、行動経済学でサンクコスト効果(または埋没費用の誤謬)と呼ばれます。詐欺グループはこの心理を巧みに利用します。

「あと〇〇万円払えばすべて解決して、今まで送った分も全部返ってくる」という言葉は、まさにこの心理を狙ったものです。しかし現実には「もう少し」が来るたびに新たな「問題」が発生し、解決はしません。

感情的なつながり

長期間にわたるやりとりを通じて形成された感情的なつながりは、「この人を信じたい」「裏切られたと認めたくない」という気持ちを生みます。詐欺だと認めることは、その関係の否定にもなるため、受け入れるのに時間がかかります。

孤立

「誰にも相談できない」「家族や友人に知られたくない」という孤立感が、詐欺グループとの関係を断ち切る判断を遅らせます。詐欺グループは意図的に「誰にも言うな」と伝えて孤立を促します。

追加送金を止めるためにすること

ステップ1:今日から送金を止める

どんな理由を言われても、追加の送金をしないことが最優先です。「払わないと今まで送った分が無駄になる」という言葉は事実ではありません。追加送金をしても被害が回復することはなく、新たな損失が生まれるだけです。

ステップ2:相手との連絡手段を遮断する

感情的な圧力を受け続けることを防ぐため、相手をブロックすることを検討してください。ブロック前に必ずすべての証拠(やりとり・送金記録)を保存してください。

ステップ3:家族または信頼できる人に打ち明ける

孤立を解消することが、追加被害を防ぐ大きな力になります。話すのが難しい場合は、まず相談窓口(消費者ホットライン188など)に電話するだけでもかまいません。

ステップ4:被害総額を整理する

全送金の日時・金額・送金先をまとめた一覧を作成します。被害総額を客観的に把握することが、冷静な判断の助けになります。

ステップ5:公的相談機関に連絡する

警察(#9110)または消費生活センター(188)に連絡し、被害の状況を説明して次のステップを案内してもらいます。

被害総額の整理方法

以下の形式で送金記録を一覧化します。

| 日付 | 金額 | 送金手段 | 送金先 | 理由 |

|——|——|———|——–|——|

| 例:2026/01/10 | 50,000円 | 銀行振込 | ○○銀行 ○○支店 口座番号000000 | 「税関手数料」 |

| 例:2026/01/20 | 100,000円 | 暗号資産 | ウォレットアドレス1A2b… | 「医療費」 |

この一覧表は、警察・弁護士への相談時に非常に役立ちます。

証拠・準備物チェックリスト

  • [ ] 全送金の日時・金額・送金先の一覧(被害総額がわかるもの)
  • [ ] 銀行振込明細書・通帳コピー(全件分)
  • [ ] 暗号資産の取引履歴・ウォレットアドレス
  • [ ] 相手とのやりとり全履歴(スクリーンショット)
  • [ ] 追加送金を求めてきた際のメッセージ(理由・金額が記載されたもの)
  • [ ] 相手のSNSアカウント情報
  • [ ] 被害の経緯メモ(いつ・どのように始まったか)

公的相談先

| 機関 | 連絡先 | 備考 |

|——|——–|——|

| 警察相談専用電話 | #9110 | 被害申告・口座凍結の案内 |

| 消費者ホットライン | 188 | 消費生活センターにつながる |

| 国民生活センター | 03-3446-1623 | 相談・情報提供 |

| 法テラス | 0570-078374 | 弁護士費用の立替制度あり |

| よりそいホットライン | 0120-279-338 | 24時間対応の相談窓口(精神的サポートも) |

よくある質問

Q: 合計で500万円以上送金してしまいました。今さら相談しても手遅れではないですか?

A: 被害金額の大小にかかわらず、相談はいつからでも可能です。時間が経つほど追跡・手続きの難易度は上がりますが、被害申告を行うことで捜査のきっかけとなる可能性があります。また、追加被害を防ぐためにも今すぐ行動することが重要です。

Q: 「今日中に払わないと口座が凍結される」と言われています。

A: これは緊急性を演出する典型的な手口です。本当の税関・金融機関がそのような要求を突然行うことはありません。この言葉には従わないでください。

Q: 相手から「警察に行ったら詐欺に加担した共犯になる」と言われています。

A: この言葉は被害者を威圧して相談・申告を妨害するための典型的な脅し文句です。詐欺被害者が警察に被害申告を行うことで不利になることはありません。安心して相談してください。

Q: 追加送金をやめると相手から激しく責められます。精神的につらいです。

A: 精神的なサポートが必要な場合は、よりそいホットライン(0120-279-338)に相談することもできます。詐欺グループは意図的に感情的なプレッシャーをかけて判断を鈍らせます。信頼できる人や専門家に話し、一人で抱え込まないようにしてください。

Q: 被害申告をすると、送金した全額が戻ってきますか?

A: 口座凍結・被害回復手続きによって一部が戻る可能性はありますが、全額回収は困難なケースが多いです。手続きを取ることの意義は、被害回復の可能性を検討することと、同じ口座を使った他の被害者の救済に協力することにもあります。

まとめ

追加送金を繰り返してしまったとしても、今すぐ止めることが最も重要です。サンクコストの罠を意識し、冷静に状況を整理して相談窓口に連絡してください。被害額の大小にかかわらず、公的機関は相談を受け付けています。

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本記事は、弁護士監修のもと一般的な情報提供を目的として作成されています。個別の事案における法的判断や返金・解決を保証するものではありません。具体的な対応については、弁護士または公的相談機関にご相談ください。

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本記事の監修

詐欺返金相談ナビ 編集部

監修
本記事の監修範囲:一般的な手口の説明および相談前の準備に関する記述について、法的観点から確認しています。個別事案の結果を保証するものではありません。

参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。