友人の紹介で知り合った外国人に送金した後|海外送金の取り戻し手順

友人のSNSでつながった海外の人、友人が「いい人だよ」と紹介してくれた外国人。共通の知り合いがいる安心感から親しくなり、頼まれるままに海外へお金を送った後で、急に連絡が途絶えたり、さらに送金を求められたりして不安になっている——この記事は、そうした状況の人が次に何をすればよいかをまとめたものです。

送金してしまった後は、時間との勝負です。まず送金に使った銀行や送金サービスへ連絡し、並行して警察に相談してください。友人の紹介だったことは、送金の依頼を疑ってはいけない理由にはなりません。以下では、送金直後の手順、送金方法ごとに取れる手段の違い、紹介してくれた友人との話し方、相談先の順に見ていきます。

本記事は2026年9月時点の公的資料などに基づく一般的な情報です。個別のやり取りが詐欺かどうかを断じるものではなく、送ったお金が戻ることを約束するものでもありません。

友人の紹介だったから信じた、は珍しくない

知らない人から突然届いたメッセージなら警戒しても、友人のフォロワーや、友人と親しげにやり取りしている人からの連絡には気を許しがちです。けれども、その「友人とのつながり」自体が、あなたを信用させるための材料として使われている場合があります。友人のアカウントが乗っ取られて紹介役に使われていたり、友人自身も同じ相手とやり取りしてお金を送っていたりする例も考えられます。

2025年分として警察庁がまとめた数字を見ると、ロマンス型の被害は男性で3,633件、女性で2,012件にのぼり、年代は40代から60代が中心とされています。やり取りの途中でLINEに移る例が9割を超える点も特徴です。紹介の経緯がどうであれ、会ったことのない相手にお金を送った後で連絡が不自然になったなら、被害を前提に動き始めて構いません。

お金の渡し方にも変化があります。同じ統計で、ロマンス型の被害のうち口座への振込によるものは3,055件(54.1%)と半数を超える一方、暗号資産を直接送らせたものが2,177件(38.6%)と急増しました。暗号資産交換業者の口座への振込も含めると、実質的に暗号資産で被害金が渡った割合は件数で40.4%、金額では48.6%に達しています。自分がどの方法で送ったかによって、次の章で説明する連絡先が変わります。

送金した直後に取る行動の順番

  1. 送金に使った銀行・サービスに連絡する:銀行の外国送金なら取扱店、送金アプリなら運営会社の窓口に、詐欺の疑いがあることと送金日時・金額を伝え、取り消し(組戻し)や支払停止ができないか相談します。
  2. 警察に相談する:#9110か最寄りの警察署へ。被害届を出す場合に備えて、次の3の記録を持参します。
  3. 記録を保存する:相手のプロフィール、紹介のきっかけになった友人の投稿やメッセージ、送金を頼まれたやり取り、外国送金の依頼書の控え(受取人名、受取銀行、口座番号、SWIFTコードなど)、アプリの送金履歴を保存します。
  4. 相手にはまだ問いたださない:詐欺を疑っていると伝えると、アカウントが消えて手がかりが減ることがあります。追加の送金には応じず、返事を急がないようにします。

この順番にしているのは、送金の取り消しが相手側の引き出し前でなければ難しくなるからです。記録の保存は、窓口に電話をかけながらでも進められます。

送金方法によって取れる手段が違う

送った方法主な連絡先知っておきたいこと
日本の銀行から海外の銀行口座への外国送金送金を依頼した銀行の取扱店組戻しを依頼できるが、相手側の銀行や経由銀行の対応次第で、戻らないこともある
日本国内の銀行口座への振込振込先の銀行と警察口座が凍結されれば、残高から分配金を受け取れる可能性がある
送金アプリ・国際送金サービス運営する資金移動業者支払前なら止められる可能性がある。運営会社が登録業者かも確認
暗号資産の送付利用した暗号資産交換業者と警察送付先アドレスと取引IDを控える。取り戻しは難しい傾向

外国送金の組戻しで気をつけること

組戻しは、送金した側の依頼で送金を取り消し、資金を戻してもらう手続きです。ただ、外国送金では複数の銀行を経由するため、国内の振込より時間がかかります。みずほ銀行の案内を例にとると、組戻しには手数料がかかり、関係銀行の手数料や為替の状況によっては損失になる可能性があると説明されています。手数料をかけても戻らない場合があることを承知のうえで、それでも依頼するかどうかを窓口と相談してください。

送金アプリを使った場合

銀行以外で送金を扱えるのは、資金決済法第37条の登録を受けた資金移動業者です。使ったアプリの運営会社が金融庁の登録一覧に載っているかを確かめ、載っていれば、その会社の問い合わせ窓口に詐欺の疑いを伝えて、支払前の送金を止められないか相談します。受取人がまだ受け取っていない段階なら、取り消しに応じてもらえる余地があります。一覧に見当たらない海外のサービスだった場合は、その事実も含めて警察に伝えてください。

振り込め詐欺救済法が使えるのは国内の口座

振り込め詐欺救済法は、詐欺に使われた口座を凍結し、残高を被害者に分配する制度です。同法が「金融機関」として挙げているのは銀行、信用金庫、労働金庫、信用協同組合など国内の機関で、海外の銀行口座に直接送ったお金はこの制度で取り戻すことができません。逆に、相手から「日本の代理人の口座に」と言われて国内の個人名義口座へ振り込んだのであれば、振込先の銀行へすぐに連絡する意味があります。

紹介してくれた友人と話しておくこと

友人を責めたくなる気持ちは自然ですが、まずは事実の確認を優先してください。次の点を、LINEやSNSのメッセージではなく電話か対面で尋ねるのが確実です。アカウントが乗っ取られている場合、メッセージで返ってくる答えは本人のものとは限らないからです。

  • その相手を本当に紹介したのか。友人のアカウントから送られた紹介は、友人本人の意思だったか
  • 友人自身は相手と会ったことがあるか、どういう経緯で知り合ったか
  • 友人も相手からお金を頼まれたり、実際に送ったりしていないか

友人も送金していた場合は、二人の記録を持ち寄って一緒に警察や相談窓口へ行くと、相手の手口の全体像が伝わりやすくなります。編集部としては、友人との関係を守るためにも、「どちらが悪いか」ではなく「同じ相手に狙われた」という前提で話し始めることを勧めます。

次に来る「取り戻せる」「口座を貸して」に注意

送金した後には、別の形の依頼が続くことがあります。

回収をうたう連絡

「海外の弁護士が回収する」「送金を追跡できるので調査費を」といった連絡が、見知らぬアカウントや広告から届くことがあります。相手の名乗る資格や所属を公式の窓口で確かめられないなら、費用を払う前に消費生活センターや警察に相談してください。

あなたの口座を使わせてほしいという依頼

「返金するためにあなたの口座が必要」「自分宛ての送金を代わりに受け取って転送してほしい」と頼まれることもあります。通帳やキャッシュカード、ネットバンキングのログイン情報を、他人が使うと知りながら渡す行為は、犯罪収益移転防止法で禁止され、拘禁刑もありうる罰則の対象です。自分の口座が詐欺の受け取りに使われると、口座が凍結されるうえ、あなた自身が捜査の対象になりかねません。こうした依頼には応じず、そのやり取りも記録して警察に伝えてください。

相談先と、窓口に持っていくもの

  • #9110(警察相談専用電話)または最寄りの警察署:被害届の相談
  • 188(消費者ホットライン):お金の取り戻しや二次被害の相談
  • 送金した銀行・送金サービスの窓口:組戻しや支払停止の相談

送金のために借金をしていたら

カードローンや知人からの借入れで送金資金を用意していた場合、返済の負担が生活を圧迫し始めることがあります。返済に困る前に、借入れの一覧を作っておき、消費生活センターや弁護士に借金の整理についても相談してください。詳しくは送金で借金が残ったときの相談先で扱っています。

持参・準備するもの

  • 送金の控え(外国送金依頼書、アプリの取引明細、振込明細)
  • 相手とのやり取りの記録と、相手のアカウント情報
  • 友人からの紹介の経緯がわかる投稿やメッセージ
  • 送金した日時・金額・名目を時系列にまとめたメモ

記録の残し方は証拠の残し方、国内の口座に振り込んだ場合の手続きは口座に振り込んでしまったときの対処法で説明しています。送金をためらって銀行で声をかけられた段階の人は銀行で送金を止められたときの考え方も参考にしてください。当サイトへのご相談は相談予約からお申し込みいただけます。

よくある質問

Q. 友人から紹介された外国人に海外送金してしまいました。お金は戻りますか?

A. 送金方法と経過時間によって変わります。銀行の外国送金なら組戻しを依頼できますが、相手側の銀行の対応次第で戻らないこともあります。まず送金した銀行と警察に連絡してください。

Q. 海外の口座に送ったお金は、振り込め詐欺救済法で取り戻せますか?

A. この制度は国内の金融機関にある口座の凍結と残高の分配を定めたもので、海外の口座に直接送ったお金は対象になりません。国内の口座に振り込んだ部分があれば、その振込先の銀行へ連絡してください。

Q. 紹介してくれた友人のアカウントが乗っ取られていたかもしれません。

A. 友人に電話など別の手段で確認し、乗っ取りなら友人にもSNSの運営への報告とパスワード変更を勧めてください。友人のアカウントから届いたメッセージの記録も、警察に相談する際の資料になります。

Q. 相手から「返金するから口座を教えて」と言われました。

A. 返金を口実に口座を使わせる依頼は、詐欺の受け取りに利用される恐れがあります。口座情報は伝えず、そのやり取りを保存して警察に相談してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。