インスタグラムのDMで台湾系投資ロマンス詐欺で困ったときの相談窓口
インスタグラムのDMで台湾系投資ロマンス詐欺に注意が必要なケース n インスタグラムのDMで台湾系投資ロマンス詐欺のような状況に遭遇した場合、その内容に不審な点…
先に結論をお伝えします。恋人を名乗る相手にだまされ、投資の名目で送ったお金を確定申告で取り戻すことは、あまり期待できません。災害や盗難で受けた損害を所得から差し引く「雑損控除」について、国税庁は詐欺と恐喝を対象から外しているためです。お金を取り戻す手がかりは税の手続きではなく、振込先口座を止めてもらう依頼や警察への相談のほうにあります。
それでも税の扱いを整理しておく意味はあります。「控除で戻る」とうたう代行話に乗らずに済みますし、暗号資産で送金していた人は、同じ年の別の取引の申告に影響が出ることもあるからです。この記事は、X(旧Twitter)で知り合った恋人の勧めで投資を始めて損失を抱えた人に向けて、税と家計の後始末を順番に説明するものです。
警察庁が公表した令和8年1〜6月の暫定値では、SNS型ロマンス詐欺2,509件のうち、X(Twitter)が最初の接点だったのは131件で、割合にすると5.2%でした。マッチングアプリやInstagram、Facebookと比べると、ロマンス型の入口としては多い部類ではありません。
一方、恋愛の形をとらない投資の勧誘に目を移すと、Xの存在感は大きくなります。同じ期間のSNS型投資詐欺では、Xが入口になった被害が677件あり、Instagramに次ぐ2番目でした。そのうち354件は、ダイレクトメッセージではなく投稿を見たことがきっかけとされています。令和7年の1年間で見ても、SNS型投資詐欺のX経由の被害は815件で、前年の約2倍に増えました。
Xでは、相場や趣味の話題でリプライを重ねるうちに親しくなり、恋愛めいたやり取りと投資の話が同時に進むことがあります。どちらの統計に数えられるかにかかわらず、お金を失った後の税の扱いは同じ考え方で整理できる、というのが筆者の見立てです。
雑損控除は、思いがけない損害を受けた人の税負担を軽くするための所得控除です。国税庁のタックスアンサー(No.1110)では、対象となる損害の原因を次の五つに限っています。
そのうえで、同じページに「詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません」とはっきり書かれています。恋人を名乗る相手を信じ、自分の操作で振り込んだり暗号資産を送ったりした場合、形の上では相手の言葉を信じて自ら渡したことになり、盗難や横領とは区別されます。
ただ、事情によっては線引きが難しい場面もあります。たとえば、相手に教えたパスワードで口座やウォレットに勝手に入られ、自分が知らないうちに資産を移されたような場合です。こうしたときは自分で結論を出さず、送金の経緯を時系列にまとめたメモを持って、所轄の税務署に相談してください。
「詐欺ではなく投資に失敗しただけ」と考えて、損失をほかの所得と相殺できないかと考える人もいます。しかし、ここにも壁があります。
国税庁が公開している暗号資産の税務FAQは、雑所得を計算するなかで出た損失について、給与所得など別の所得から差し引くことはできないと答えています。所得税法で他の所得と通算できる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の計算で生じたものに限られるためです。
そもそも、恋人に案内された投資サイトで実際に取引が行われていたかどうかは、利用者の側からは確かめようがありません。画面に並ぶ売買の履歴も、相手が表示させているだけという可能性があります。筆者は、確定申告で損失を取り返すという発想はいったん脇に置き、手元の記録を「警察や銀行に説明するための材料」として整えることに力を使うほうがよいと考えます。
損失を抱えた人のもとには、投資サイトや恋人から「利益に税金がかかるので、先に納めないと出金できない」という連絡が届くことがあります。日本の所得税は、本人が税務署へ確定申告をして納めるか、源泉徴収の仕組みがある口座で差し引かれる形が基本です。取引の相手が指定する口座へ、出金の条件として前払いする仕組みは税の制度にはありません。
この請求は、国民生活センターが紹介したロマンス投資詐欺の流れの中で、「出金しようとすると別の名目で送金を求められる」段階にあたります。名目が税金、保証金、手数料と変わっても、支払えば出金できるという保証はありません。請求の文面は保存したうえで、支払わないでください。請求への対応は「出金には税金が必要」と言われたときで詳しく扱っています。
国内の暗号資産交換業者で円から暗号資産を買い、それを相手の指定するアドレスへ送った人は、次の点を確かめておくと後で慌てずに済みます。
取引履歴は、警察に被害を説明するときにもそのまま使えます。暗号資産の送付は送った側から取り消せないため、記録の質がその後の相談の進み方を左右します。画面の撮り方やファイルの保管先については、証拠の残し方のページにまとめました。
「控除では戻らない」と聞くと、もう打つ手がないように感じるかもしれません。けれども、税の手続きとは別に、支払い方法ごとに試せる手段があります。どれも全額が戻る保証はなく、動き出すのが遅いほど可能性は小さくなると考えてください。
| 送った方法 | まず連絡する先 | その後の流れ |
|---|---|---|
| 銀行振込・ネットバンキング | 振込先の金融機関と警察 | 凍結の時点で口座にお金が残っていれば、振り込め詐欺救済法にもとづく分配の対象になり得る。対象口座は預金保険機構のサイトで公告される |
| 暗号資産の送付 | 送付に使った交換業者と警察 | 送付の取消しはできない。送付先の情報は捜査の手がかりとして警察に提出する |
| カードでの購入 | カード会社 | 利用の経緯を説明し、支払いの扱いについて相談する |
警察に相談するときは、相手のXのアカウント名(@から始まるID)とプロフィール画面、最初にやり取りした投稿やリプライの画面も持参してください。IDの変更や削除があると、後日そのページを開いても同じ内容は表示されないので、気づいた今のうちに撮影しておくのが安全です。
この表に税務署が入っていない点が、この記事でいちばん伝えたいことです。確定申告の時期を待つ必要はなく、被害に気づいた日に銀行と警察へ連絡するほうが先です。凍結された口座の公告や分配を申し込める期間は、相談の流れとあわせて確かめてください。
投資資金をカードローンや消費者金融からの借入れでまかなっていた場合、返済は被害の有無と関係なく続きます。まず、これ以上の借入れを止めることが先です。返済日が迫って苦しいときも、別の会社から借りて前の返済に充てる形は負担を大きくしやすいので、その前に下の窓口へ電話してください。
返済計画の立て方や債務整理の選び方は送金で借金が残ったときの相談先で取り上げています。家計の立て直しと並行して、被害の相談も止めずに進めてください。
A. 国税庁の説明では、雑損控除が使えるのは災害や盗難、横領で損害を受けたときで、詐欺と恐喝は除かれています。だまされて自分で送金した分は、原則として控除の対象外と考えてください。パスワードを悪用されて勝手に資産を移された場合など判断が難しいときは、経緯のメモを持って税務署に相談しましょう。
A. 画面の数字は、出金して手元に入るまで実際のお金とは言えません。受け取っていない利益の扱いや、一部だけ出金できた場合の扱いは事情によって変わるため、取引の記録を持って税務署に確認してください。サイトや恋人が求める「税金」を先に払う必要はありません。
A. 送金の控えや明細、暗号資産交換業者の取引履歴と年間取引報告書、相手とのやり取りのスクリーンショット、経緯を日付順にまとめたメモがあると説明しやすくなります。警察に被害届を出していれば、その受理番号も控えておきましょう。
A. 詐欺の損失は雑損控除の対象外とされているため、その説明には注意が必要です。代行費用を前払いで求められたら、契約する前に188(消費者ホットライン)や税務署に確認してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。