電話で突然連絡が来たLINE公式を装った詐欺の見分け方と注意点
電話で突然連絡が来たLINE公式を装った詐欺に注意が必要なケース n 電話で突然連絡が来たLINE公式を装った詐欺のような状況に遭遇した場合、その内容に不審な点…
「税金の還付金があります」「定額減税の関係でお金が戻ります」と電話やメールで言われ、心当たりがあるような、ないような気がして迷っている方へ。本物の税金の還付がどう進むのかを先に知っておくと、その連絡が本物かどうかを落ち着いて判断できます。
結論から書きます。所得税の還付は、多くの場合、自分が還付申告(確定申告)を出したことが出発点で、還付金は申告書に書いた本人名義の口座などに振り込まれます。受け取るためにATMを操作したり、電話で口座番号や暗証番号を伝えたり、手数料を先に払ったりする手順はありません。国税庁も、還付金の受取のためにATMの操作を求めることはないと公表しています。
この記事では、本物の還付の流れと時期、かたる連絡との違い、自分の還付の状況を確かめる方法、そして情報を伝えてしまったときの対応を順に説明します。
会社員の場合、所得税は毎月の給与から源泉徴収され、年末調整で精算されます。それでも、年の途中で退職して年末調整を受けていない、医療費控除や住宅ローン控除を受けたい、といった事情があると、納めすぎた税金が生じることがあります。これを取り戻すための手続きが「還付申告」です。
つまり、何も申告していないのに、見知らぬ相手から突然「あなたには所得税の還付金がある」と知らされ、その場で受取の手続きを迫られるという展開は、この仕組みとは順番が逆です。編集部としては、「申告した覚えがあるか」を最初の確認点にすることを勧めます。心当たりがなければ、その時点で話を打ち切って構いません。
なお、医療費の払い戻しや介護保険料の過払い分など、市区町村や保険者が扱うお金を「還付金」と呼ぶ連絡もあります。こちらは税務署の手続きとは別物で、手口とATMでの対処は還付金詐欺でATMを操作してしまったときの記事で扱っています。
国税庁の「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A」などから、所得税の還付金の届き方をまとめると次のようになります(2026年9月時点で確認)。
| 項目 | 本物の還付の流れ |
|---|---|
| 受取先 | 申告書の「還付される税金の受取場所」に書いた本人名義の預貯金口座、登録済みの公金受取口座、またはゆうちょ銀行・郵便局の窓口 |
| 口座の名義 | 申告者本人の氏名だけの口座。屋号入りの口座には振り込めない |
| 時期の目安 | 自宅などからe-Taxで出した還付申告は3週間程度。2〜3月の申告期は、書面の場合おおむね1か月から1か月半 |
| 振込の知らせ | 「国税還付金振込通知書」(はがき)。e-Taxで電子通知を選んだ人はe-Taxの通知書等一覧で確認 |
| 受取に必要な操作 | 申告書に振込先を書くだけ。ATM操作や手数料の支払いは不要 |
振込先は申告の時点で自分が書いた口座に決まっています。後から電話で「振込先を確認したい」「別の口座を教えてほしい」と言われる流れは、この表のどこにも当てはまりません。申告書の口座に誤りがあった場合の確認などが必要なときも、自分で税務署に問い合わせれば済みます。
マイナポータルで公金受取口座を登録している人は、申告書の「公金受取口座の利用」欄に丸を付けるだけで、その口座を振込先に指定できます。申告書にマイナンバーが正しく書かれていないと使えない点には注意が必要です。また、令和5年6月からは、e-Taxで還付申告をするときに振込通知の電子交付を選べるようになりました。電子通知を選んだ場合、はがきは届かず、マイナンバーカードなどで認証してe-Taxの通知書等一覧を開いて確認します。はがきが来ないことを不安に思わせて「代わりに手続きします」と近づく相手には応じないでください。
国税庁は、還付金を口実にした連絡として、電話とメールの両方の事例を公表しています。
本物の手続きと並べると、違いがはっきりします。
| 確認点 | 本物の所得税の還付 | 還付をかたる連絡 |
|---|---|---|
| 始まり | 自分が還付申告を出す | 相手から突然連絡が来る |
| 振込先の決め方 | 申告書に自分で書く | 電話やメールで聞き出される |
| 暗証番号 | 聞かれない | 聞かれる |
| ATM | 使わない | 操作を指示される |
| 期限 | 申告は5年間可能 | 「今日まで」と急がされる |
警察庁の統計(令和7年・確定値)によると、還付金詐欺の認知件数は3,179件で前年より891件減ったものの、被害額は61.9億円にのぼります。還付金詐欺では、犯人が最初に接触する手段の9割以上が電話でした。件数が減っても一件ごとの被害は小さくないため、電話で「お金が戻る」と言われたときほど慎重になる価値があります。
「本当に還付が残っているのでは」と気になるときは、連絡してきた相手ではなく、自分で公式の窓口を確かめます。
e-Taxソフト(WEB版)にログインし、「マイページ」から「還付・納税関係」を開いて「還付金処理状況を確認する」を選ぶと、手続きの進み具合が表示されます。表示は「申告書の内容を確認しています」「振込先の確認」「支払手続完了」の順に進み、支払手続が決まると日程も示されます。確認できるようになるのは、e-Taxで申告した場合は2週間ほど、書面で申告した場合は1か月ほど経ってからが目安です。
メールアドレスを登録していれば、処理状況が更新されたときに「還付金の処理状況に関するお知らせ」というメールが届きます。このメールも中身は「ログインして確認してください」という定型文で、振込先の入力を求めるものではありません。
申告書の控えを手元に用意し、管轄の税務署に電話で問い合わせます。番号は国税庁のサイトで調べ、連絡してきた相手が伝えた番号は使いません。
住民税は市区町村の税務担当課、医療費や保険料の払い戻しは加入している健康保険の保険者や市区町村が窓口です。どの窓口でも、確かめるときは自分で調べた代表番号からかけるのが基本です。
やり取りの中で情報やお金を渡してしまった場合は、次の順で動きます。
家族が被害に遭ったと分かったときは、責めるよりも先に、上の連絡を一緒に済ませることを優先してください。時間が経つほど、振り込んだお金が引き出されてしまうおそれが高まります。
税務署を名乗る電話や訪問の見極め方は税務署を名乗る電話・訪問の記事で、未納の税金を支払わせようとする偽の納付案内は国税の本物の納付方法と偽の支払い要求の記事で詳しく説明しています。
A. 所得税の還付は、多くの場合、自分が出した還付申告にもとづいて、申告書に書いた本人名義の口座に振り込まれます。国税庁は、還付金の受取のためにATMの操作を求めることはないと公表しています。電話で口座番号や暗証番号を聞かれたら答えずに切り、税務署に自分で問い合わせてください。
A. 申告した覚えがあっても、還付金は申告書に書いた口座へ振り込まれるため、電話で振込先を教える必要はありません。進み具合はe-Taxの「還付金処理状況」か、管轄の税務署への問い合わせで確かめられます。
A. 国税庁は、定額減税を口実に口座番号や暗証番号を聞き出そうとする電話の事例を公表しています。すぐに金融機関に連絡してカードの停止や暗証番号の変更を依頼し、警察にも相談してください。お金を振り込んでいなくても、早めの連絡が被害を防ぎます。
A. 国税庁によると、自宅などからe-Taxで出した還付申告は3週間程度で処理されています。2〜3月の確定申告期は、書面の場合おおむね1か月から1か月半かかります。振込の際は「国税還付金振込通知書」が届くか、電子通知を選んだ場合はe-Taxで確認できます。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。