仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
YouTubeの動画や広告で「この取引所で資産が増えた」「著名人の投資グループに無料で参加」と案内され、気になっている人へ。先に結論を書くと、動画の中の説明ではなく、金融庁の登録一覧と取引所の公式サイトで自分で照合することが出発点です。国内で暗号資産の売買や交換を仲介するには、資金決済法に基づく登録が必要で、登録業者が出す広告には商号と登録番号を載せるルールがあります。
警察庁の統計では、SNS型投資詐欺の入口としてYouTubeが急増しています。この記事では、その数字、動画から個人とのやり取りへ移っていく流れ、登録番号の照合手順、著名人の名前が使われた広告への向き合い方、支払った後の動き方を順に説明します。すでに入金している人は、後半の「支払った後」から読んでください。
警察庁が2026年5月に公表した確定値では、2025年(令和7年)のSNS型投資詐欺は認知件数9,523件、被害額1,288.0億円でした。被害者が最初に接触したツールを見ると、YouTubeが1,229件で、前年から1,171件増えています。Instagram(1,934件)に次ぐ多さです。
最初の接触手段では「バナー等広告」が3,785件あり、そのうちYouTubeが1,024件と最も多くなっています。警察庁の分析によると、広告経由の被害は令和7年3月ごろから増えており、有名人の写真や映像を本人の許可なく流用した広告のほか、「必ずもうかる」「元本保証」とうたう広告も見つかっています。
つまり「YouTubeで見た」という事実は、安全の裏付けにはなりません。動画配信サービスの広告枠は、審査があっても偽物が紛れ込む余地があると考えて、中身を別の手段で確かめる必要があります。
国民生活センターが2026年9月1日に公表した注意喚起には、動画サイトに出た「著名人が主催する投資グループ」の広告をきっかけにした相談が載っています。概要は次のとおりです。
こうした広告では、動画の中で利益が出た取引画面や入金明細が映されることもあります。業界団体の日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)も、偽造された収益画面や取引履歴を見せて信用させる手口に注意するよう呼びかけています。画面の数字は作ることができるので、動画に映った残高は判断材料にしないでください。
動画そのものは入口にすぎず、実際のお金のやり取りはメッセージアプリと、登録の有無が分からない取引サイトで行われる。ここがポイントです。国民生活センターは、株やFXなどの通常の取引で個人名義の口座に振り込ませることはないとして、個人名義の振込先を指定されたら振り込まないよう呼びかけています。
資金決済法第63条の2は、暗号資産交換業を内閣総理大臣の登録を受けた者だけに認めています。そのうえで第63条の9の2は、登録業者が広告をするときに表示しなければならない事項として、次のようなものを挙げています。
さらに第63条の9の3は、登録業者やその役職員が、広告や勧誘で虚偽の表示をすることや、暗号資産の性質について誤解させる表示をすること、支払い手段としてではなくもっぱら利益を得る目的の売買をあおるような表示をすることを禁じています。
このルールから言えるのは、「必ずもうかる」「元本保証」とうたう広告は、登録業者の広告として出てくる形ではないということです。逆に、商号や登録番号が書かれていても、それだけで本物とは限りません。番号を書き写しただけの広告もありうるため、次の手順で照合します。
動画の概要欄や広告のリンクは使わず、次の順番で確かめてください。
国内の登録業者によく似た名前の偽サイトや偽アプリもあります。見分け方は取引所を名乗るメール・SMSは本物?で、海外の無登録業者の警告資料の読み方は金融庁の警告を受けた海外取引所は使っていい?で詳しく扱っています。
国民生活センターは、SNS上には消費者を信用させるために著名人の画像などを無断で載せているものがあるとして、著名人本人の公式サイトや公式アカウントで、投資に関する注意喚起が出ていないかをまず確かめるよう勧めています。実際に、名前を使われた側が「投資の勧誘はしていない」と告知している例は少なくありません。
確かめるときの目安は次のとおりです。
怪しいと感じた広告は、YouTubeの広告に表示されるメニューから報告できる仕組みがあります。報告しても返金にはつながりませんが、同じ広告を見る人を減らす助けになります。報告の前に、広告の画面、チャンネル名、表示された日時をスクリーンショットで残しておくと、後の相談で役立ちます。
支払った手段によって、最初に連絡する先が変わります。
| 支払い手段 | 最初に動くこと |
|---|---|
| 個人名義の銀行口座への振込 | 振込元の銀行と警察に連絡し、振込先口座の凍結を要請する。振り込め詐欺救済法による分配の対象になる可能性がある |
| 国内の取引所で買って外部へ送付 | 取引所の公式窓口に経緯を伝え、送付の記録(日時・数量・送付先アドレス)を保存する |
| クレジットカード決済 | カード裏面の番号からカード会社へ連絡し、利用の経緯を説明する |
どの場合も、出金のために「税金」「手数料」「保証金」の追加入金を求められたら、払わずに止めてください。払っても出金できる保証はありません。「被害金を取り戻せる」と後から近づいてくる業者にも注意が必要です。「取り戻します」という勧誘による二次被害は、国民生活センターの同じ注意喚起でも取り上げられています。
暗号資産を外部へ送った後の取引所とのやり取りは国内取引所から送った暗号資産は戻る?、証拠の残し方は証拠の残し方を参考にしてください。
YouTubeの広告や動画から始まった投資の勧誘について、話を聞いてもらえる公的な窓口です。
| 窓口 | 向いている状況 |
|---|---|
| 金融庁 詐欺的な投資に関する相談ダイヤル:電話0570-050588、IP電話の場合03-6206-6066(平日10〜17時) | 著名人をかたる広告やSNSの投資勧誘。まだ入金していなくても相談できる |
| #9110(警察相談専用電話) | すでに払った、出金を理由に追加の支払いを迫られている |
| 188(消費者ホットライン) | 契約や解約、返金の交渉をどう進めるか迷っている |
広告のURLや画面の保存、グループ名と参加した日、相手のアカウント名、振込・送付の記録を日付順に並べておくと、どの窓口でも説明がしやすくなります。弁護士と話したい場合は相談予約フォームをご利用ください。
A. 広告として表示されたことは、金融庁の登録を受けていることの証明にはなりません。警察庁の統計では、2025年のSNS型投資詐欺でYouTubeのバナー等広告が最初の接触手段になった例が1,024件ありました。取引所名は金融庁の登録一覧で確かめてください。
A. 登録業者の広告には登録番号の表示が求められていますが、番号を書き写しただけの偽広告もありえます。金融庁の一覧で商号・登録番号・所在地を照合し、公式サイトのURLやアプリの提供元名が一致するかまで確かめてください。
A. 本人や所属事務所の公式サイト・公式アカウントで、投資勧誘に関する注意喚起が出ていないかを見るのが近道です。途中から「弟子」「アシスタント」を名乗る別人が窓口になり、個人名義の口座へ振込を求められた場合は、振り込まずに相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。