ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
Facebookで友達申請が届き、プロフィールには海外の石油・ガス関連の会社名と「エンジニア」の肩書き。ヘルメット姿で洋上の設備を背にした写真もあり、やり取りが進むと社員証やパスポートの画像まで送ってきた。それでも、どこか引っかかる。この記事は、相手の写真や勤務先が本物かどうかを自分で確かめたい人に向けたものです。
最初に結論です。写真、肩書き、身分証の画像は、どれもそれだけでは本人である証明になりません。自分で確かめられるのは、主に二つ。「その写真が、別の場所で別人として使われていないか」と、「名乗った会社が実在し、その会社の公式窓口が何と答えるか」です。ただし、確かめて問題が見つからなかったとしても、相手が本物だと言い切れるわけではありません。
確認の結果がどうであれ、会ったことのない相手にお金を送らないという線は動かさないでください。そのうえで、迷いを小さくするための手順を順に紹介します。
Facebookは実名での利用を前提にしたサービスという印象が強く、プロフィールがそろっていると安心しやすい場所です。けれども、次のような要素はどれも作ったり借りたりできます。
警察庁がまとめた2025年の確定値を見ると、この年のSNS型ロマンス詐欺は計5,645件あり、そのうち入口がFacebookだった例は1,049件でした。警察庁は同じ年、SNS型投資・ロマンス詐欺に使われたとして、FacebookとInstagramのアカウント351件の情報をMeta社に提供し、利用停止などを促しています。見た目の整ったプロフィールでも、それだけで安心材料にはならないと考えてください。
連邦取引委員会(FTC)も、恋人を装う詐欺に備える方法として、プロフィール写真を画像で逆引きする検索を挙げています。日本からでも、Googleの「画像で検索」(Googleレンズ)で同じことができます。
写真と並行して、相手の名前と会社名を組み合わせて検索するのも有効です。同じ名前で別の顔写真のアカウントがいくつも見つかる、あるいは名前と写真の組み合わせで注意喚起の投稿が出てくる、といった手がかりが得られることがあります。反対に、名前が一般的すぎて何も絞り込めないことも多いので、結果が出ないことを気にしすぎる必要はありません。
調べるのは顔写真だけにしないでください。現場の写真、子どもやペットの写真、送られてきた「自撮り」も一枚ずつ確かめます。顔写真は見つからなくても、背景の写真が求人広告や別人の投稿から持ってこられていることがあります。
別の名前で、別の職業の人物として同じ写真が出てきたら、強い警戒のサインです。一方で、何も見つからないからといって本物だとは言えません。鍵のかかったSNSから取られた写真や、AIで作られた画像は検索に出にくいためです。米FBIが運営するインターネット犯罪の苦情窓口IC3の2025年版年次報告は、AIが関与したとみられる恋愛・信頼関係型の詐欺の被害額を1,900万ドル超と記録しています。画像検索の限界については画像検索で調べる方法と限界も参考になります。
疑われていると感じた相手が、自分から身分証の画像を送ってくることがあります。国民生活センターが紹介した国際ロマンス詐欺の相談には、相手のパスポートが送られてきたことで信用し、荷物の受け取りを引き受けたところ高額な手数料を請求された、という例が含まれています。
画像を受け取ったときに押さえておきたいのは次の点です。
外務省の注意喚起も、ネット上に公開された写真に翻訳アプリやAIを組み合わせれば、他人になりすますのは難しくないと指摘しています。画像がそろっていくほど信じたくなりますが、枚数は証明の強さになりません。
次に、相手が名乗った勤務先を確かめます。会社名は相手から聞いたものでも、連絡先は必ず自分で探してください。
問い合わせても、個人の在籍については個人情報として答えてもらえないことが多いと考えておきましょう。そのかわり、会社の方針なら尋ねられます。たとえば「御社の社員を名乗る人から、業務の費用を個人で立て替えるよう頼まれている。会社としてそういうお願いをすることはあるか」と聞けば、個人情報に触れずに答えられる質問になります。
相手の会社が実在していても、それは「その会社がある」ことの確認にすぎません。実在する大手企業の名前ほど、なりすましに使われやすい面もあります。
確認の結果と、その受け止め方の目安を表にしました。どの行に当てはまるかを、一人で決めずに家族や相談窓口と一緒に見てもかまいません。
| 確認の結果 | 受け止め方の目安 |
|---|---|
| 写真が別の名前・別の職業で見つかった | 相手がどう説明しても、なりすましの可能性が高いと考えて、お金や個人情報のやり取りを止める |
| 写真は見つからず、会社は実在した | 本人かどうかはまだ確かめられていない状態。お金の話には応じない |
| 会社が「個人に立て替えを頼むことはない」と答えた | 頼まれている支払いは、会社の業務とは関係のない話と考えられる |
| 確認しようとすると相手が怒る・急かす | 確認を嫌がる反応そのものを判断材料にする |
筆者の考えでは、この作業のいちばんの目的は、相手を本物だと証明することではなく、自分の中の迷いを整理することにあります。どの結果になっても、会ったことのない人への送金を断るという結論は変わりません。確認に時間をかけるほど、急かされても動かずにいられる余裕も生まれます。
おかしいと感じたら、まず記録を残します。相手のプロフィールページのURL、表示名、プロフィール写真、勤務先の表示、メッセージのやり取りを、スクリーンショットで保存してください。アカウントが消されると見られなくなるため、報告やブロックはその後にします(証拠の残し方)。
Facebookには、プロフィールやメッセージを運営に報告する機能があります。LINEなど別のアプリに移っている場合は、そちらのやり取りも同じように保存します。
相談先は、状況によって選びます。
やり取りの中で「通信が悪い」「会えない」という説明が続いている場合は通信が不安定という話の確かめ方も役に立つはずです。
A. 言い切れません。鍵のかかったSNSの写真やAIで作られた画像は、検索に出てこないことがあります。見つからなかったことは「別人の写真だと確認できなかった」という意味にとどまります。
A. なりにくいと考えてください。友達申請を多く送れば共通の友達は増えます。気になる場合は、その共通の友達に、相手と実際に会ったことがあるかを別の手段で聞いてみてください。
A. 個人の在籍は答えない会社が多いものです。そのときは、会社として社員に個人的な立て替えを頼ませることがあるか、社名をかたる詐欺の相談が寄せられていないか、といった方針や注意喚起について尋ねてみてください。
A. 送らないでください。身分証の画像は、口座の開設や契約など名義の悪用につながるおそれがあります。すでに送った場合は、警察に相談したうえで、使われた場合に備える手続きを進めてください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。