美女・美男アカウントの詐欺被害は何歳が多い?警察庁統計で見る年代と性別

「美女の写真に引っかかるのは一部の人だけ」と思われがちですが、警察庁の統計はそう単純ではないことを示しています。SNS型ロマンス詐欺の被害者は男女ともに40代から60代が中心で、女性の被害も全体の約4割を占めています。

この記事では、警察庁が公表した令和7年(2025年)の確定値と令和8年(2026年)上半期の暫定値をもとに、被害者の年代と性別、Facebookが最初の接触ツールになった件数と被害額、犯人が名乗った身分を整理します。自分や家族がどのくらい当事者になりうるのかを、数字で確かめる材料にしてください。

SNS型ロマンス詐欺の全体像

令和7年の確定値として警察庁が公表したSNS型ロマンス詐欺の規模は、認知件数が5,645件、被害額が546.4億円です。前年と比べて件数は1,821件(47.6%)、被害額は145.5億円(36.3%)増えています。SNS型投資詐欺(9,523件、1,288.0億円)と合わせると、SNS型投資・ロマンス詐欺全体では15,168件、1,834.3億円にのぼります。

令和8年上半期の暫定値では、SNS型ロマンス詐欺は2,509件、246.6億円で、前年同期とほぼ同じ水準でした。また、令和8年分からは、SNS型投資・ロマンス詐欺が特殊詐欺の手口の一つという扱いで集計されるようになりました。

SNS型投資・ロマンス詐欺全体では、1日あたりの被害額が5.0億円、既遂1件あたりの被害額が1,213.3万円と算出されています。平均すると、1件の被害で1,000万円を超える金額が失われている計算です。

被害金の渡し方にも変化が見られます。令和7年は、暗号資産を送らせる形が2,177件と前年のおよそ2.8倍に増え、振込で暗号資産交換業者の口座に入金させた分と合わせると、実質的に暗号資産で被害にあったものが件数の40.4%を占めました。

性別で見ると男性が約6割、女性も約4割

令和7年認知件数(全体に占める割合)被害額(全体に占める割合)
男性3,633件(64.4%)328.7億円(60.2%)
女性2,012件(35.6%)217.7億円(39.8%)

割合は警察庁の件数・金額から編集部が計算しました。件数でも金額でも、男性が全体のおよそ6割です。女性の写真を使ったアカウントが男性に近づく形が多いことは、この数字からもうかがえます。これを裏づけるように、Metaが2026年3月に削除・無効化を発表した1万5,000件以上のアカウントやページなども、日本人女性のふりをしてミレニアル世代や中高年の男性へ交際を持ちかける詐欺的アカウントに関連するものでした。

一方で、女性の被害も軽くはなく、2,012件・217.7億円で、件数は前年より603件(42.8%)多くなっています。被害額を件数で割った1件あたりの平均は、女性が約1,080万円、男性が約900万円で、女性のほうが高い計算です。「美男」の写真を使ったアカウントが女性に近づく形も、決して少数ではありません。女性側の典型的な流れはFacebookでイケメンから申請が来た女性向けの記事で扱っています。

年代別の件数:中心は40代から60代

令和7年の年代別の認知件数は次のとおりです。

年代男性女性
10代7件7件
20代165件138件
30代430件226件
40代729件551件
50代1,100件620件
60代903件362件
70代268件95件
80代以上31件13件

男性は50代が1,100件で最も多く、60代、40代と続きます。女性も50代が最多で、次いで40代、60代です。警察庁は、幅広い年代に被害が及びつつも、男女ともに40代から60代が多数を占めていると分析しています。

令和8年上半期の暫定値でも、50代が755件(83.5億円)で最も多く、60代589件(70.3億円)、40代539件(46.9億円)、30代268件(13.6億円)の順でした。50代と60代だけで件数の53.6%、被害額の62.4%を占めています。

Facebookが入口になった件数と被害額

被害者が最初に犯人と接触したツールを見ると、令和7年はマッチングアプリ1,846件(32.7%)、Instagram1,288件(22.8%)、Facebook1,049件(18.6%)の順で、この3つで全体の約7割でした。

令和8年上半期は、マッチングアプリ753件、Instagram486件、Facebook449件、TikTok284件の順です。件数ではFacebookは3番目ですが、被害額はマッチングアプリの67.7億円に次ぐ63.2億円で、Instagramの51.8億円を上回っています。単純に割ると、Facebookが入口になったケースの1件あたりの被害額は約1,400万円で、マッチングアプリ(約900万円)やInstagram(約1,070万円)より大きくなっています。

この差が生まれる理由までは、統計からは読み取れません。ただ、1件あたりの金額が大きいということは、送金が何度も重なった結果である場合が多いと考えられます。少額のうちに立ち止まれるかどうかが、被害の大きさを左右します。

犯人が名乗る身分は「海外の美女」だけではない

警察庁の確定値は、犯人が詐称した身分や職業も集計しています。令和7年は、詐称した地域が日本(国内)だったものが3,461件で、認知件数の約6割を占めました。東アジア、日本(国外)、東南アジアなど海外を名乗るケースもありますが、「外国人を名乗る相手だけ警戒すればよい」とは言えません。

詐称した職業は、投資家627件、会社員507件、会社役員378件が上位で、医療関係や芸術・芸能関係などさまざまでした。美しい写真に「投資で成功している」「会社を経営している」といった肩書が添えられているときは、それが後の投資話への布石になっている可能性があります。

警察庁は、SNS型ロマンス詐欺のうち投資に誘導される手口が約7割以上を占めると説明しています。お金の話が恋愛の延長で出てくる点が、この詐欺の特徴です。

日本在住の日本人を名乗り、自然な日本語で話す相手であっても、写真が別人のものであることは十分ありえます。肩書や国籍より、実際に会えるかどうか、お金の話が出るかどうかを判断の軸にしてください。

統計を読むときの注意点

ここで紹介した数字は、警察が被害を把握した「認知件数」です。被害にあっても届け出ていない人、恥ずかしさから誰にも話していない人は含まれていません。実際の被害は、統計に表れた数より多い可能性があります。

また、令和8年上半期の数字は暫定値で、年間の確定値が公表されると変わることがあります。年代別の表は各年代の件数を示したもので、利用者の人数に対する割合(被害にあいやすさ)を示すものではありません。「50代が最も多い」というのは、50代が特にだまされやすいという意味ではなく、被害の件数として最も多く表れているという意味です。

統計が教えてくれるのは、特定の誰かではなく、幅広い年代と性別の人が同じ流れで被害にあっているという事実です。自分は当てはまらないと考えず、手口の流れのほうを覚えておいてください。

年代ごとに気をつけたい場面

統計の数字を、日々の行動に置きかえて考えてみます。以下は数字から導いた注意点で、年代によって手口が決まっているわけではありません。

20代・30代

件数は多くありませんが、暗号資産やスマートフォンの投資アプリを使った話に誘われやすい世代です。送金の操作に慣れている分、少額から始めてしまうハードルが低い点に気をつけてください。

40代・50代

件数・被害額ともに最も多い層です。仕事や家庭の忙しさから、相手とのやり取りが一日の息抜きになり、深入りしやすい面があります。「二人の将来のために」と投資を持ちかけられたら、まず送金を止めて第三者に相談してください。

60代以上

退職金や年金などのまとまった資産を持つ人が多い年代です。子どもや周囲に知られたくない気持ちから、相談が遅れがちになります。家族の側も、Facebookで始まる詐欺と家族の気づき方を参考に、日頃から話題にしておくと気づきやすくなります。

当てはまると思ったら、送金の前に相談を

統計上の「よくある被害者像」に自分が重なっても、それだけで被害にあうわけではありません。大切なのは、会ったことのない相手からお金の話が出たときに、送金の前に立ち止まれるかどうかです。

  • 相手の写真が本人のものか確かめる:画像検索の手順
  • 判断に迷う:警察相談専用電話 #9110
  • アプリや投資サービスの契約トラブル:消費者ホットライン 188
  • 送金済み:振込先の金融機関、最寄りの警察署

窓口では、相手のプロフィールURL・会話のスクリーンショット・送金記録を日付の順に並べて見せると話が早く進みます。記録の取り方は証拠の残し方にあります。

迷ったまま動けないときは、当サイトの相談予約で状況を話してみてください。

よくある質問

Q. SNS型ロマンス詐欺の被害は何歳が一番多いですか?

A. 警察庁の令和7年確定値では、男女とも50代が最も多く、男性は1,100件、女性は620件でした。令和8年上半期の暫定値でも50代が755件で最多です。

Q. 女性もロマンス詐欺の被害にあっていますか?

A. あっています。令和7年は女性の被害が2,012件、217.7億円で、全体の約4割でした。美男の写真を使ったアカウントや、医師・経営者などを名乗る相手から近づかれる例があります。

Q. Facebookはロマンス詐欺の入口としてどのくらい使われていますか?

A. 令和7年に最初の接触がFacebookだったのは1,049件(18.6%)で、順位はマッチングアプリ、Instagramの後の3位です。令和8年上半期は449件で、被害額は63.2億円とマッチングアプリに次いで大きくなっています。

Q. 相手が日本人を名乗っていれば安心してよいですか?

A. 安心材料にはなりません。令和7年は、犯人が詐称した地域が日本(国内)だったものが約6割を占めました。国籍より、会ったことのない相手からお金の話が出るかどうかに注意してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

この記事をシェアして注意を広める

詐欺返金相談ナビの相談前整理事例

サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。

相談前に、被害状況を整理しておきましょう

LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。

LINEでチェックリストを受け取る 登録は無料 / 一般情報の提供を目的としています

参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。