Xで海外投資家を名乗るアカウントの実績は本物?利益画像と認証マークの見方

X(旧Twitter)で、海外在住の投資家を名乗るアカウントが毎日のように利益の画像を投稿している。返信やDMで「無料で銘柄を教える」と声をかけられ、気になっている。この記事は、そうしたアカウントの「実績」をどう受け止めればよいか迷っている人向けです。

最初に押さえておきたいのは、利益画像、フォロワー数、青い認証マークは、どれも投資の腕や身元を証明するものではないという点です。判断材料として頼れるのは、最後にお金を入れるよう言われる先に金融庁の登録があるかどうか、この一点です。登録が確かめられないまま入金を求められたら、応じずに相談窓口へ連絡してください。

Xを入口にした投資の勧誘は1年で倍近くに

令和7年に警察庁が把握したSNS型投資詐欺のうち、最初の接触がX(Twitter)だったものは815件でした。前年比で407件、率にして99.8%の増加です。件数そのものはInstagramの1,934件、YouTubeの1,229件より少ないものの、伸び方は目立ちます。一方、お金をだまし取られた時点の連絡手段を見ると、9割以上にあたる8,906件がLINEでした。Xで知り合い、LINEに移ってからお金の話が進む流れが多いと読み取れます。

同じ統計で、犯人が名乗った職業は「投資家」が3,288件と最多でした。海外在住、元ファンドマネージャー、資産数十億円といった肩書きは、確かめようのないまま信用だけを集める手段になっています。なお、これらは警察が認知した件数で、相談に至らなかった被害は含まれていません。

海外投資家アカウントの話はこう組み立てられやすい

海外投資家を名乗るアカウントの投稿や声かけには、似た組み立てが見られます。個々の文面は違っても、順番を知っておくと自分がどこにいるか分かります。

  1. 自己紹介:シンガポールやドバイ、ニューヨークなどに住み、長年ファンドで働いてきたと語る
  2. 共感:「日本の年金は不安」「真面目に働く人ほど損をしている」と、読む人の不安に寄り添う投稿を重ねる
  3. 無料の提供:銘柄の予想や相場の見方を無償で配り、恩を感じさせる
  4. 限定:「本気の人だけ」「今月は残り数名」と、特別なグループへの参加を持ちかける
  5. 入金:グループ内で紹介するアプリや口座に資金を入れるよう指示する

1から3までは、それだけを見れば普通の情報発信と見分けがつきません。判断の分かれ目は4から5へ進むところです。「本気なら」という言葉で決断を急がされたら、一度やり取りを止めて、次の章以降の確認をしてください。

証拠にならない「実績」5つ

見せられるもの証拠にならない理由
取引アプリの利益画面画像は加工でき、デモ口座や他人の画面を使うこともできる。利益の出た日だけを選んで載せることも可能
フォロワー数や「いいね」の多さ数が多くても、中身の正しさや投稿者の身元を示すものではない
青い認証マークXのヘルプでは、青いチェックマークはX Premiumの有効な購読があり、所定の要件を満たすアカウントを示し、本人確認済みを意味するものではないと説明されている
海外の街並み、高級車、ホテルの写真他人の写真を転載したり、画像生成で作ったりできる
「生徒さん」からの感謝の返信同じ運営者が複数のアカウントを使って書き込める

金融庁の注意喚起でも、LINEの投資グループでは犯人グループが多数のアカウントを使い分け、成功者がそろっているかのように演出する例が挙げられています。Xの返信欄でも、同じ構図が作られている可能性を頭に置いておきましょう。

投稿を見て自分で確かめられること

身元を確かめることは難しくても、アカウントの振る舞いから読み取れることはあります。

アカウントの年齢と主張が合っているか

プロフィールの登録年月と、「10年間勝ち続けている」などの主張を見比べます。開設から間もないのに長い実績を語る、以前は別の話題を投稿していて途中から投資アカウントに変わった、という場合は、アカウントを買い取ったり名前を変えたりしている可能性があります。

損失の記録が一度もないか

相場には必ず下げる局面があります。利益の画像だけが並び、損をした記録が一度も出てこないなら、都合のよい画面だけを選んでいると考えるのが自然です。

最終的に何を求めてくるか

無料の銘柄配信を続ける目的は、どこかで収益を得ることにあります。LINEの「VIPグループ」への登録、特定のアプリでの口座開設、入金の指示が出てきたら、その取引先の運営会社名を控え、金融庁の金融事業者一括検索で登録を調べてください。登録が見つからなければ、そこで止めるのが安全です。

返信欄に出てくる「なりすましアカウント」にも注意

有名な投資系アカウントの投稿の返信欄に、本人とそっくりのアイコンと名前をつけた別のアカウントが現れ、「DMで個別に教えます」と書き込むことがあります。表示名は自由に変えられるため、見た目だけでは区別がつきません。

  • @から始まるユーザー名が本人と一文字でも違っていないか
  • フォロワーが極端に少なくないか
  • 本人のプロフィールに「DMで勧誘はしない」と書かれていないか

本人がDMで投資の勧誘をしないと明言しているなら、そのDMは本人からではないと判断してよいでしょう。

逆に、あなたが返信欄に「どうすれば勝てますか」と書き込むと、それを見た別のアカウントから一斉にDMが届くことがあります。質問を公開の場に書いたこと自体が、勧誘の入口として拾われるわけです。投資の悩みを書き込むときは、DMを受け付けない設定にしておくと、こうした接触を減らせます。Xでは、DMを誰から受け取るかを設定画面で選べます。

X上でできる対処と、情報提供の窓口

  1. やり取りする前に、プロフィール画面、問題の投稿、DMをスクリーンショットで保存する。投稿のURLも控える
  2. 相手をブロックし、Xの報告機能で詐欺やなりすましとして報告する
  3. 投稿のURLなどを、金融庁が設けたSNS上の投資詐欺広告等の情報受付窓口へ送る

この窓口に送った内容は、個人を特定する情報を外してSNSの運営側へ回されます。一方で、個々の相談に答える窓口ではないため、自分の被害について話を聞いてほしいときは、後に挙げる相談先を利用してください。

相手のアカウントが削除されると、投稿もDMも見られなくなります。報告やブロックの前に保存を済ませる、という順番を守るのが大切です。

家族がXの投資アカウントに熱中しているとき

親やきょうだいが、Xで知った海外の投資家の話ばかりするようになった、という相談もあります。本人は「自分で調べて納得している」と感じていることが多く、頭ごなしに否定すると、かえって相手のアカウントの言葉を信じる方向に傾きがちです。

声をかけるときは、投資そのものを止めさせるより、一緒に確かめる作業を提案する方が受け入れられやすくなります。たとえば、勧められているアプリの運営会社名を聞き、金融庁の金融事業者一括検索に並んで入力してみる。振込先の名義が個人か法人かを一緒に見る。結果が画面に出れば、家族の意見ではなく公的な情報として受け止めてもらえます。

すでにお金を入れている様子なら、責めるより先に「追加で払うのは待ってほしい」とだけ伝え、188へ一緒に電話する段取りを作ってください。家族への伝え方は家族が被害に遭っているかもしれない時の対応でも扱っています。

入金してしまったときに最初の24時間でやること

お金を送った後で不安になった場合は、次の順に動いてください。

  1. 追加の入金、出金手数料や税金名目の支払いを止める
  2. 振込なら、自分の銀行と振込先の銀行に連絡して詐欺の疑いを伝える
  3. 暗号資産なら、送金に使った交換業者に連絡し、送金先アドレスと取引IDを確認する
  4. Xのアカウント、LINEのトーク、取引アプリの画面、入出金の記録を一か所にまとめる
  5. 警察に相談し、必要に応じて被害届を出す

銀行振込であれば、振込先の口座の凍結が間に合った場合に、そこに残ったお金から振り込め詐欺救済法の仕組みで分配を受けられることがあります。公告は預金保険機構が公開しています。暗号資産で送った分は、この仕組みでは戻りません。

この段階で「返金を手伝う」「犯人の口座を押さえた」とXで声をかけてくるアカウントが現れることがあります。前払いの費用を求める返金代行の話には乗らず、自分で調べた公的な窓口か弁護士に相談してください。被害に遭った直後は焦りから判断を誤りやすく、二度目の被害につながりかねません。

相談先

窓口番号向いている場面
消費生活センター188契約や支払いの相談全般
警察の相談窓口#9110被害届を出すか迷っている
金融庁 金融サービス利用者相談室0570-050588投資の勧誘そのものを相談したい(平日10〜17時)
証券取引等監視委員会0570-00-3581無登録業者の情報を届けたい
法テラス0570-078374弁護士に相談したい

記録の整理は証拠の残し方を参考にしてください。出金を拒まれている場合は出金できないと言われたら確認すること、税金名目の請求を受けている場合は「税金を払えば出金できる」という要求の特徴が参考になります。

よくある質問

Q. Xで海外投資家を名乗るアカウントに青い認証マークが付いていました。本人確認済みですか。

A. Xのヘルプでは、青いチェックマークはX Premiumの購読と所定の要件を満たしたことを示すもので、本人確認済みを意味しないと説明されています。マークだけで身元や実績を判断しないでください。

Q. 無料で銘柄を教えてもらうだけなら問題ありませんか。

A. 無料の配信そのものでお金は動きませんが、多くはLINEグループへの登録や口座開設、入金へと進みます。入金を求められた時点で、取引先が金融庁の登録を受けているか確かめてください。

Q. 相手をブロックすると証拠が消えますか。

A. ブロックや報告の後、相手のアカウントが凍結・削除されると投稿やDMを見られなくなることがあります。先にスクリーンショットと投稿のURLを保存してから対処してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。