Facebookの友達に国際支援金を勧められて払ったら|被害後の流れ

Facebookで友達から「国際機関の助成金が振り込まれた。あなたも対象だから担当者に連絡して」とメッセージが届き、言われたとおりに手数料を払ってしまったなら、まず友達本人に別の方法で連絡を取り、あわせて支払いに使った手段の窓口へ今日中に連絡してください。友達のアカウントが乗っ取られ、知り合いを装って勧誘に使われている可能性があります。

この記事では、友達の名前で届いた支援金の話がどういう仕組みなのか、本人かどうかの確かめ方、払ってしまった後に当日・数日後・数週間後と進む手続きの流れを説明します。国際通貨基金(IMF)の公式説明、警察庁の統計、金融庁の制度案内などをもとにしています。

友達の名前で届く「助成金をもらえた」メッセージの仕組み

この形の勧誘は、見知らぬ人からの連絡よりも警戒されにくいのが特徴です。流れはおおむね次のとおりです。

  1. 誰かのFacebookアカウントがパスワードの流出や偽のログイン画面によって乗っ取られる。
  2. 乗っ取った側が、その人の友達一覧に向けて「国際機関の支援プログラムで大金を受け取った」「あなたの名前もリストに載っていた」とメッセージを送る。
  3. 「担当エージェント」とされる別のアカウントやWhatsApp、LINEへの連絡を勧める。
  4. 担当者から、受け取りのための書類作成費・送金手数料・税金などを請求される。
  5. 払うと「最終手続き」「保険料」と次の名目が続き、支援金は届かない。

SNSで知り合った相手に恋愛感情を抱かせてお金をだまし取る手口について、警察庁は2025年(令和7年)の入口の内訳も公表しています。Facebookが入口だったものは1,049件で、およそ5件に1件(18.6%)にあたります。Facebookを入口にした詐欺は恋愛や投資の名目に限らず、友達のつながりを利用する形でも起きています。

国際機関の側の説明とも照らし合わせておきましょう。IMFは公式の詐欺注意ページで、個人や企業に助成金を出すことはないとしたうえで、IMFを名乗る補償金や助成金の案内に注意するよう呼びかけています。名前を使われている機関が自ら否定している以上、「国際機関から個人に助成金が出た」という話そのものに疑いの目を向けてよいはずです。

友達本人が送ったものか確かめる

確かめる方法はシンプルです。Facebookのメッセンジャー以外の手段、たとえば電話や、以前から使っている別のアプリで、友達本人に「このメッセージを送った?」と聞いてください。メッセンジャー上で「本当にあなた?」と聞いても、乗っ取った側が「もちろん私だよ」と答えるだけです。

乗っ取りを疑うサイン

  • 普段と違う言葉づかい、不自然な日本語、敬語とため口の混在
  • 電話で話そうとすると「今は話せない」と避けられる
  • 友達のタイムラインに、見覚えのない投稿や同じ文面のシェアが増えている
  • 友達のプロフィール写真や名前が最近変わっている

友達から「そんなメッセージは知らない」と返事が来たら、アカウントが他人に使われていると見てよいでしょう。Facebookには、アカウントが乗っ取られたと思うときの復旧手続きのページ(facebook.com/hacked)があるので、友達に伝えてあげてください。あなた自身も、そのアカウントを「なりすまし・乗っ取り」として報告できます。

友達が本当に送っていた場合

まれに、友達自身が支援金の話を信じて、善意で紹介してくることもあります。その場合は、友達も手数料を払わされていないかを気にかけてあげてください。「受け取れた」と言っていても、実際には画面上の残高が増えただけで、引き出そうとすると新たな費用を求められている、という状況かもしれません。「念のため188で聞いてみよう」と、二人で窓口に電話してみる提案も、相手の気持ちを傷つけにくい声のかけ方です。

払ってしまった当日にすること

支払いから時間が経つほど、お金は別の口座や暗号資産に移されて追いにくくなります。当日のうちに、使った手段の窓口へ連絡しましょう。

支払い方法当日の連絡先伝えること
銀行振込振込に使った自分の銀行、振込先の銀行詐欺の疑いがあること、振込日時・金額・振込先の口座
クレジットカードカード会社の紛失・盗難窓口または問い合わせ窓口利用日・金額・明細に出る加盟店名、だまされた経緯
電子マネー・ギフトカード購入したカードに書かれた発行元の問い合わせ先番号の控え、買った店舗と時刻、番号を相手に送った時刻
暗号資産送金に使った交換業者送金先アドレス、トランザクションID、日時

同じ日に、警察の相談窓口(#9110)か最寄りの警察署にも連絡しておきます。振込先の口座を止めるには、金融機関が詐欺の疑いを把握していることが大切で、警察への相談はその裏付けにもなります。

電子マネーについては、日本資金決済業協会も、番号を相手に教えるとすぐに使われてしまうおそれがあると注意を呼びかけています。発行会社に連絡しても残高が残っているとは限りませんが、使われる前であれば止められる可能性があります。

数日後から数週間後に進む手続き

警察への被害の届け出

相談の段階から一歩進めて、被害届を出すかどうかを警察と相談します。メッセージの画面、担当者を名乗るアカウントの情報、支払いの記録を持参すると話が進みやすくなります。

振込の場合:口座凍結と分配金の手続き

振り込め詐欺救済法では、詐欺に使われた疑いのある口座を金融機関が凍結し、預金保険機構のウェブサイトで公告したうえで、口座に残っていたお金を被害者に分配する仕組みがあります。公告から一定の期間内に申請が必要なため、振込先の口座名義や支店名を控え、ときどき公告を確認しておきましょう。分配されるのは残高の範囲内なので、全額が戻るとは限りません。

カードの場合:支払停止の抗弁

分割払いやリボ払いで払っていて、金額などの条件を満たすなら、割賦販売法の「支払停止の抗弁」を使い、これから先の支払いを止めるよう書面でカード会社に求める道があります。日本クレジット協会が申出書の様式を公開しています。一括払いの場合でも、カード会社が加盟店に事情を確認する対応をとることがあるため、まずは相談してみてください。

消費生活センターへの相談

どの手続きが使えるか分からないときは、消費者ホットライン「188」で近くの消費生活センターに相談できます。弁護士に依頼するかを考えるのも、この段階です。

相談の前に、支払いを1枚の表にまとめる

名目を変えて何度も払っていると、いつ・いくら・何のために払ったのかが自分でも分からなくなりがちです。窓口で説明する前に、次のような表を紙かメモアプリに作っておきましょう。

日付名目(相手の説明)金額方法と送り先
例:9月3日書類作成費3万円銀行振込・〇〇銀行△△支店
例:9月5日国際送金の手数料5万円ギフトカード(番号を写真で送信)

表の行は、振込の控えやカード明細、レシートと1対1で対応させます。最初に勧誘してきた友達のアカウント名、担当者を名乗った相手のアカウント名や電話番号も、表の下に書き添えてください。これがあるだけで、警察・金融機関・消費生活センターのどこに行っても同じ説明ができ、何度も一から話す負担が減ります。

自分のアカウントと周りの人を守る

乗っ取られた友達とつながっていたということは、あなたのところにも同じ種類の偽ログイン画面が送られてくる可能性があります。

  • Facebookのパスワードを、ほかのサービスと使い回していないものに変える
  • 二段階認証を有効にする
  • 設定画面でログイン中の端末を確認し、心当たりのないものからログアウトする
  • メッセージで届いたリンクからログインしない

共通の友達にも、「〇〇さんのアカウントから支援金の話が来ても応じないで」と、Facebook以外の手段で知らせておくと被害の連鎖を止めやすくなります。乗っ取られた本人を責める言い方は避けましょう。本人もまた被害を受けた立場です。

返金をうたう連絡に注意する

一度お金を払うと、「支援金詐欺の被害金を取り戻せる」「国際機関の補償窓口です」といった連絡が届くことがあります。調査費や着手金、補償の手数料を先に求めてくるなら、新たな被害の入口と考えてください。取り戻しを誰かに頼むときは、自分で調べた法律事務所や公的な窓口を選び、SNSで向こうから声をかけてきた相手には任せないのが安全です。

相談までの進め方はご相談の流れにまとめています。カード払いだった方はチャージバックの解説を、振込だった方は振り込め詐欺救済法の手続きの記事をあわせて読むと、次に何をするかが見えやすくなります。国連職員を名乗るFacebookの相手から荷物の受け取りを頼まれる形はこちらの記事で扱っています。

よくある質問

Q. Facebookの友達から国際機関の支援金を勧められました。友達本人なら信用してよいですか?

A. 友達が本当に送ったかどうかを、電話など別の手段で確かめることが先です。本人だった場合でも、友達自身がだまされている可能性があります。IMFは個人に助成金を出さないと公表しており、受け取りに手数料が必要な支援金の話には応じないでください。

Q. 支援金の手数料を振り込んだのは1週間前です。今からでも手続きできますか?

A. できます。振込先の銀行と警察に詐欺の疑いを伝え、口座の凍結につながるかを確認してください。振り込め詐欺救済法の分配は、口座にお金が残っていることが前提のため、早いほど有利ですが、数日経ってからでも公告を確認して申請できる場合があります。

Q. 乗っ取られた友達に何と伝えればよいですか?

A. Facebook以外の手段で「あなたのアカウントから支援金の勧誘が届いている」と知らせ、facebook.com/hacked の復旧手続きとパスワード変更を勧めてください。本人も被害者なので、責めずに事実だけを伝えるのがよいでしょう。

Q. 担当者とのやり取りを消してしまいました。相談しても意味がありますか?

A. 意味はあります。支払いの記録(振込明細、カード明細、電子マネーの購入レシート)が残っていれば、それを中心に時系列を説明できます。相手のアカウント名や連絡先を思い出せる範囲でメモしておきましょう。記録の残し方は証拠の残し方を参考にしてください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。