ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
ロマンス詐欺の相談を消費生活センターに持ち込んでも意味がないのでは、と感じる方は少なくありません。答えを先に言うと、相手個人への送金そのものは警察と金融機関の領分ですが、そこに「事業者」が関わっている部分は消費生活センターの出番です。恋人に勧められた投資サイト、課金したマッチングアプリ、支払いに使ったクレジットカードや決済サービス、被害のあとに契約した「返金代行」業者などがそれにあたります。
この記事では、消費者ホットライン188に電話してから話がまとまるまでの流れと、センターに頼めること・頼めないことを、ロマンス詐欺の場面に当てはめて説明します。警察や金融機関とどう並行して動けばよいかもあわせて整理しました。
消費生活センターは、消費者と事業者のあいだの契約トラブルについて、相談を受けて助言し、必要に応じて事業者との話し合いを仲介する窓口です。ロマンス詐欺の被害を分解すると、センターが力を発揮できる部分とそうでない部分がはっきり分かれます。
| 被害の中身 | センターでの扱い | 主な窓口 |
|---|---|---|
| 恋人を名乗る相手個人の口座へ振り込んだ | 話は聞いてもらえるが、口座の凍結や捜査はできない | 振込先の金融機関、警察 |
| 相手に勧められた投資サイト・業者に入金した | 業者が特定できれば助言や仲介の対象になりうる | 警察、金融庁の相談ダイヤル |
| マッチングアプリや出会い系サイトでポイントを買い続けた | 運営事業者との契約として相談できる | 消費生活センター |
| クレジットカードや後払いで支払った | カード会社や決済事業者への伝え方を助言してもらえる | 消費生活センター、カード会社 |
| 被害のあとに「返金代行」「調査」業者と契約した | 契約の解除や返金の交渉について相談できる | 消費生活センター、弁護士 |
つまり、センターに相談する意味があるかどうかは「お金を受け取った側に、名前と連絡先のある事業者がいるか」でおおむね決まります。相手がまったく正体不明の個人なら、センターは警察や金融機関への連絡を促す役回りになります。
最初のひと言で「何に困っていて、どうしたいか」を伝えると、相談員は必要な質問に早くたどり着けます。たとえば「マッチングアプリで知り合った人に勧められた投資サイトに合計で数十万円を入れた。出金できないので、業者に返金を求めたい」といった形です。そのあとで時系列を話し、事業者の名前と支払いの合計額をメモを見ながら伝えます。恥ずかしさから経緯をぼかすと、使える手段を見落とすことがあります。相談員は同じような相談を日常的に受けているので、ありのまま話してください。
解決までの期間は、相手の対応しだいで数日から数か月まで幅があります。事業者と連絡が取れない場合は、センターでの手続きが途中で止まることもあります。国民生活センターの紛争解決の仕組み(ADR)については国民生活センターのADRとはで紹介しています。
国民生活センターは、海外の相手から荷物の受け取りを頼まれ、通関料などを請求される国際ロマンス詐欺の相談が目立つとして、不安を感じたら送金する前に188へ相談するよう呼びかけています(2020年2月)。センターには同じような相談が各地から寄せられているため、手口の特徴を踏まえた助言を受けやすいのが強みです。
2022年3月の国民生活センターの発表によると、ロマンス投資詐欺に関する相談は2018年度に12件だったものが、2020年度には109件へと急増しました。同センターは、アプリなどで出会った人の言うとおりに投資するのはやめるよう求めています。勧められたサイトに事業者名や所在地が表示されていれば、その表示が実在するかどうかも含めて相談できます。
相手とのやり取りを続けるためにマッチングアプリで課金した、相手の指示で商品やサービスをカードで購入した、というように支払い先が事業者なら、カード会社への申し出や解約の進め方について助言を受けられます。
被害のあとで「取り戻します」と広告する業者に着手金を払ったものの、何の連絡もないという相談も見られます。弁護士法は、弁護士でない者が報酬を得る目的で他人の法律事件の交渉などを扱うことを禁じています。契約書や広告の画面、支払いの記録を持って、センターに解約や返金の求め方を相談してください。
消費生活センターは「契約の相手は誰か」「何にいくら払ったか」を軸に話を聞きます。警察向けの準備とは少し視点が違うため、次のものを意識して集めてください。
証拠をどう残すかはロマンス詐欺の証拠保全と被害届の出し方、ほかの窓口との使い分けはロマンス詐欺の相談窓口まとめで詳しく説明しています。
2026年9月14日からは、国民生活センターのウェブサイト「消費者トラブル解決ナビ」も使えるようになりました。よくある質問から解決のヒントを探せるほか、全国の消費生活相談窓口の案内や、ウェブのフォームからの相談申し込みにも対応しています。電話で順を追って話すのが苦手な方は、こちらから始めるのも一つの方法です。使い方は消費生活センターにWebで相談する方法にまとめています。
IP電話の一部、プリペイド式の携帯、電話リレーサービスからは188につながらないので、その場合は住まいの地域の相談窓口に直接かけてください。188が話し中のときは、国民生活センターが平日の日中に受ける番号(03-3446-0999、10時〜16時)もあります。
運営者が海外にあるときの相談先は、越境消費者センター(CCJ)です。国民生活センターが運営する窓口で、海外の事業者から買った商品やサービスでもめたときに、解決の手助けをしてくれます。詳しくは越境消費者センターの使い方をご覧ください。
編集部がいちばん伝えたいのは、センターへの相談を理由に、金融機関や警察への連絡を後回しにしないことです。振込先口座の凍結は時間との勝負で、相手が引き出してしまえば振り込め詐欺救済法による分配金も受け取れなくなります。センターに相談するのと同じ日に、振込先の金融機関と警察にも連絡してください。
順番が前後しても構いませんが、金融機関への連絡だけはできる限り早く済ませてください。
本人が相談をためらっている場合は、家族が先に相談することもできます。国民生活センターは、本人以外、たとえば同居の家族や介護のヘルパー、地域包括支援センターの担当者が相談しても構わないとしています。家族が代わりに相談するときの伝え方は家族の詐欺被害を代わりに相談するにはで説明しています。
A. 返金が約束されるわけではありません。センターは助言や事業者との話し合いの仲介を行いますが、事業者に払い戻しを命じる力までは持っていません。相手が正体不明の個人の場合は、警察や金融機関への連絡を案内されるのが一般的です。
A. 相談自体は受け付けてもらえます。ただ、口座の凍結や犯人の捜査はセンターではできないため、振込先の金融機関と警察への連絡をすすめられるでしょう。送金前に迷っている段階であれば、188でも#9110でも早めに相談してください。
A. 相談料はかかりませんが、案内先の窓口と話し始めた時点から通話料が発生します。電話は施設点検日と年末年始を除けば原則毎日受け付けていますが、実際につながるセンターの開所日や時間帯は市区町村・都道府県によって違います。
A. できます。国民生活センターは、本人でなく家族や介護にかかわる人からの相談にも応じると明記しています。本人の支払いの記録ややり取りの画面があると、より具体的な助言を受けやすくなります。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。