ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
ロマンス詐欺に気づいたら、証拠は消えやすいものから順に残してください。最初に押さえるのは相手のアカウント情報と、勧められた投資サイトの画面です。相手がアカウントを消したりサイトが閉鎖されたりすると、あとから取り戻すのは難しくなります。送金の記録は金融機関にも残りますが、口座の凍結を急ぐためにすぐ手元にそろえておきます。
この記事では、ロマンス詐欺ならではの記録の残し方と、それをもとに警察署で被害届を出すまでの流れを説明します。警察には、被害の届出を管轄にかかわらず受理するという規則と、原則として即時に受理するよう求める通達があります。その中身も知ったうえで窓口に向かうと、落ち着いて話ができるはずです。
相手に気づかれたと感じさせると、アカウントの削除やメッセージの送信取消が一気に進むことがあります。まずは相手とのやり取りを続けたまま、次の順で保存してください。
スクリーンショットは日時や相手の名前が写るように撮り、撮った画像はスマートフォンの外(パソコンやクラウド、印刷)にも保存しておきます。
だまされたと気づくと、相手を問い詰めたくなるものです。けれども、こちらの疑いが伝わった時点でアカウントを消されることがあります。問い詰めたり、別れを告げたりするのは、記録を残し終えてからにしてください。その間に追加の送金を求められても、応じる必要はありません。「今は用意できない」とだけ返し、それ以上の約束はしないでおきます。
撮り方の基本は証拠になるスクリーンショットの撮り方、LINEやSNSのやり取りを丸ごと書き出す方法は公式の書き出し機能の記事で紹介しています。
ロマンス詐欺では、相手が作り上げた人物像と、お金を求めるまでの筋書きそのものが重要な手がかりになります。外務省は、詐欺師が友人や弁護士、空港係官などを演じて共謀する場合や、1年以上かけて信頼関係を築く場合もあると注意しています。個々のメッセージだけでなく、話の流れがわかる形で残してください。
恥ずかしさから、恋愛のやり取りを消してしまう方もいます。けれども、恋愛感情を利用してお金を求めた経緯こそが、ロマンス詐欺であることを示す材料です。消さずにそのまま残してください。
| 支払い方法 | 残す記録 | すぐ連絡する先 |
|---|---|---|
| 銀行振込(窓口・ATM・ネットバンキング) | 振込の控え、通帳、取引明細。振込先の金融機関名・支店名・口座番号・名義 | 振込先の金融機関、自分の取引銀行 |
| 暗号資産 | 交換業者の取引履歴、送金先アドレス、トランザクションID、日時と数量 | 利用した交換業者 |
| 電子マネー・ギフトカード | 購入時のレシート、カードの裏面や番号の写真、相手に伝えた日時 | 発行会社 |
| 海外送金サービス | 送金の依頼内容、受付番号、受取人として指定された名前と国 | 送金サービスの運営会社 |
| 現金の手渡し・郵送 | 受け取りに来た人物の特徴、宅配便の伝票や受付控え | 警察(すぐに) |
2025年のSNS型ロマンス詐欺では、銀行振込が3,055件、暗号資産を直接送る形が2,177件でした。振込の場合は、振り込め詐欺救済法により口座が凍結され、残高があれば分配金を受け取れる可能性があるため、記録をそろえて金融機関へ急いで連絡します。暗号資産は送った後に取り戻すのが難しいとされますが、送金先アドレスとトランザクションIDは捜査の手がかりになるので、必ず控えてください。
警察で最初に聞かれるのは「いつ、どこで、誰に、何を言われ、いくら払ったか」です。次のような表を1枚作っておくと、説明の抜けが減り、事情聴取の時間も短くなります。
| 日付 | 出来事 | 相手の言葉(要約) | お金 | 記録の場所 |
|---|---|---|---|---|
| 記入例:○月○日 | アプリで最初のメッセージ | 趣味が同じなので話したい | なし | 画像1〜3 |
| 記入例:○月○日 | LINEへ移動 | アプリはあまり開かない | なし | 画像4 |
| 記入例:○月○日 | 投資サイトを紹介される | 2人の将来のために増やそう | ○万円(振込) | 振込控え1、画像5〜8 |
上の行はあくまで書き方の例です。金額は1回ごとに行を分け、最後に合計を書き添えます。記録の場所の欄には、スクリーンショットのファイル名や印刷物の番号を入れておくと、警察官に証拠を示すときに迷いません。警察に行く前の持ち物は時系列メモと持ち物の記事も参考にしてください。
住んでいる地域の警察署が一般的です。事前に#9110や警察署に電話し、ロマンス詐欺の被害届を出したいこと、送金の回数と合計額を伝えておくと、担当の部署につないでもらいやすくなります。
警察官の捜査のルールを定めた犯罪捜査規範には、届出を受けた事件が自分の署の管轄かどうかにかかわらず、被害届を受け付けるよう求める条文(第61条)があります。さらに警察庁は2024年3月22日の通達で、届出の内容が明白な虚偽か著しく合理性を欠く場合を除き、即時に受理するよう各都道府県警察に求めました。管轄外の事件でも即時に受理したうえで、捜査は適切な警察に引き継ぐこと、その引き継ぎ先から事情聴取などを求められる場合があると説明することも定められています。
窓口を出る前に、今回の対応が「被害届の受理」なのか「相談として記録した」段階なのかを確認してください。あわせて、担当する部署と担当者の名前、今後どのように連絡が来るのか、追加の証拠をどう届ければよいのかも聞いておきます。後から金融機関や弁護士に経緯を説明するときに、この情報が必要になります。
被害届とは別に、犯人の処罰を求める意思をはっきり示す「告訴」という手続きもあります。どちらを選ぶかは警察や弁護士と相談してください。被害届の書き方の詳細は被害届の書き方、受理されないと感じたときの対応は被害届が受理されないときはで説明しています。
アカウントが消えた後の集め直し方は証拠を消してしまったときに集め直せる記録、相談窓口の全体像はロマンス詐欺の相談窓口まとめにまとめています。
A. 出せます。警察の規則上、事件の場所が管轄の外であっても被害届は受け付けることになっています。相手の所在がわからない、海外にいると名乗っていたという場合も、まずは住んでいる地域の警察署に相談してください。
A. お金の話が出るまでの流れは、恋愛感情を利用してだましたことを示す大切な材料です。すべてを細かく読み上げる必要はありませんが、消さずに残し、警察官に求められたら見せられるようにしておいてください。
A. 自分の端末に残ったトーク履歴、送金の記録、相手の名前やIDのメモ、通知の履歴などが手がかりになります。アカウントが消えていても、送金の記録があれば被害の相談はできます。
A. 被害届は捜査のきっかけになるもので、返金の手続きそのものではありません。振込の被害は、金融機関への連絡と振り込め詐欺救済法の手続きが返金につながる主な道です。戻るかどうかは口座の残高などによって変わり、約束されたものではありません。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。