Facebook広告からサクラサイトへ|誘導の仕組みと広告ライブラリの確かめ方

Facebookのフィードに流れてきた「気軽にメッセージ交換」「無料で占います」といった広告からサイトに登録し、やり取りを続けるうちにポイントの購入が止まらなくなった。そうした相談の入口として見落とされやすいのが、友達申請やメッセージではなく「広告」から始まる誘導です。

この記事は、Facebookの広告をきっかけに出会い系・占い・メッセージ交換のサイトへ登録した方、登録しようか迷っている方に向けて、広告からサクラサイトにつながる仕組みと、Meta(Facebookの運営会社)が用意している広告ライブラリで出し主を確かめる手順を説明します。先に要点を言うと、広告の見た目よりも「誰がいつから出している広告か」「リンク先に運営者の表示があるか」の2点を見るほうが判断を誤りにくくなります。

広告からサイト登録へ:Facebookで起きる誘導の流れ

サクラサイトの誘い文句について、消費者庁は出会い型・同情型・利益誘引型・そのほかの4つに分けて注意を呼びかけています。Facebookの広告で見かける文言も、多くはこのどれかの形をとっています。

  • 「近くの人と今すぐつながる」「登録無料・メッセージし放題」(出会い型)
  • 「あなたの今年の運命を無料で鑑定」「今だけ特別鑑定」(占いサイトへの入口)
  • 「在宅で話を聞くだけで報酬」(利益誘引型に近い副業の体裁)

広告をタップした先は、多くの場合、登録ボタンだけが大きく置かれた縦長のページ(いわゆるランディングページ)です。メールアドレスやLINEの友だち追加だけで登録が済み、登録直後から「あなた宛てのメッセージが届いています」と通知が続きます。ここまでは無料でも、返信や写真の閲覧にはポイントが必要になり、相手との話が盛り上がったところで無料分が尽きる、という進み方がよく見られます。

SNSが絡む消費者トラブルについて、国民生活センターは発端別に「SNS上の広告がきっかけのもの」「SNSで知り合った相手に誘われたもの」「個人間の取引によるもの」の3つの型が見られるとしています。友達申請からの誘導は二つ目にあたりますが、この記事で扱うのは一つ目、広告を入口とする形です。

広告文で立ち止まりたい表現

次のような言葉が並ぶ広告は、登録前の確認をいつもより丁寧にしてください。

  • 「完全無料」「0円で何通でも」と書きながら、料金のページへのリンクが見当たらない
  • 「芸能人も利用」「〇〇万人が登録」など、確かめようのない実績の数字
  • 「今日だけ」「残りわずか」と、登録を急がせる表示
  • 「お金に困っている方を支援」など、出会いや占いとは関係のない利益をほのめかす一文

どれも、それだけで問題のあるサイトだと言えるものではありません。ただ、急いで登録させたい理由があるから入っている言葉だ、と受け止めておくと、落ち着いて次の確認に進めます。

Metaが公表している詐欺広告の削除件数

Metaは、日本を対象にした詐欺広告の対策状況を公表しています。2024年7月の発表によれば、2024年3月5日から6月1日までの間に、日本をターゲットにした詐欺広告を約527万5,000件、広告アカウントを5,400件削除したとされています。あわせて、新しく広告を出す人に対して、広告アカウントに結びついた電話番号の確認を求める仕組みを入れたことも説明されています。

削除の件数が多いということは、裏を返せば、それだけの数の詐欺広告が出稿されようとしていたということでもあります。審査をすり抜けて表示される広告が残る可能性を前提に、見る側でも確かめる手段を持っておくと安心です。

なお、出会い系や占いのサイトを紹介する広告のすべてが問題というわけではありません。確かめたいのは、広告の出し主とリンク先のサイト運営者が名乗り出ているか、料金がはっきり書かれているか、という点です。

広告ライブラリで出し主を確かめる4つの手順

Meta 広告ライブラリは、FacebookやInstagramで配信されている広告を検索できる公開ツールです。気になる広告を見かけたら、次の順で調べてみてください。

  1. 広告の出し主の名前を控える。広告の上部に表示されているページ名(出稿しているFacebookページの名前)をメモします。
  2. 広告ライブラリで検索する。地域を「日本」、広告のカテゴリを「すべての広告」にして、控えたページ名か、広告文に含まれる特徴的な言葉を入れます。
  3. 出てきた広告を見比べる。同じページが、まったく違う商材(投資、ダイエット、占いなど)の広告を次々に出していないか。掲載開始日がごく最近のものばかりではないか。広告のリンク先がそのたびに違うドメインになっていないか。
  4. ページの情報を開く。ページの作成日や、名前を変えた履歴が確認できる場合があります。作られたばかりのページや、名前が何度も変わっているページには注意が必要です。

ただし、広告ライブラリで見つかったからといって、その広告や事業者が信頼できるという意味にはなりません。掲載が終わった広告や、出たばかりの広告は検索結果に出てこないこともあります。あくまで「出し主の顔ぶれを知るための道具」として使い、判断は次のリンク先の確認と組み合わせて行います。

広告のリンク先で登録前に見る表示

広告をタップして開いたページでは、登録ボタンを押す前に次の表示を探します。

確かめる項目見る場所と見方
運営者名・住所・電話番号ページ最下部の「特定商取引法に基づく表記」「会社概要」。表示が見当たらない、電話番号が携帯番号だけ、という場合は慎重に
料金1ポイントあたりの円額と、送信・受信・画像閲覧それぞれの消費ポイント。「登録無料」の文字だけで料金表が見つからないページは避ける
サイト名の一致広告に書かれたサービス名と、リンク先・登録完了メールに出てくるサイト名が同じか
退会方法退会の手順が規約やヘルプに書かれているか

インターネット上で申し込みを受けるサービスは、特定商取引法の「通信販売」として、事業者の氏名や住所、電話番号などを表示するよう定められています。広告の段階では華やかな宣伝文しかなくても、リンク先で名乗るべき情報が欠けているなら、その時点で登録を見送る理由としては十分です。

広告ではなく、知らない人からの友達申請やMessengerで声をかけられた場合は友達申請をきっかけにした誘い方の記事で、ポイントの料金表の読み方はポイント制サイトの料金表と購入画面の確かめ方で扱っています。

広告を報告する前に残しておくもの

怪しいと感じた広告は、広告の右上にある「…」のメニューから報告できます。報告の理由として詐欺や誤解を招く内容を選ぶ形です。Metaは日本の利用者向けに詐欺対策の案内ページも設けており、なりすましやアカウントの乗っ取りについての報告先もまとめられています。

報告する前に、次の3つを残しておくと後で役に立ちます。

  • 広告そのもののスクリーンショット(ページ名と広告文が写るように)
  • 広告ライブラリで表示した、その広告の画面とURL
  • リンク先ページのURLと、登録ボタン周辺・運営者表示のスクリーンショット

広告は配信が止まると見られなくなります。報告によって削除された場合も同じです。登録や課金をしてしまっているなら、「どの広告から入ったか」は後で経緯を説明するときの出発点になるため、報告より保存を先にしてください。

また、報告は広告を減らすための手段であって、払ったお金を取り戻す手続きではありません。お金の話は、次の章の窓口で進めることになります。

同じ広告を家族や友人が見ている可能性もあります。怪しいと感じた広告の特徴を身近な人と共有しておくと、別の人が同じ入口から登録するのを防ぐ助けになります。特に、SNSの利用歴が短い親世代は広告と普通の投稿の区別がつきにくいことがあるので、一言伝えておく価値があります。

広告から登録してポイントを買ってしまったら

広告から登録し、すでにポイントを買っている場合は、次の順で進めます。

  1. これ以上ポイントを買わない。「受け取りまであと少し」「今やめると損をする」という言葉は、支払いを続けさせるためによく使われます。
  2. 入口から出口までの記録を一本にまとめる。広告の画面、リンク先ページ、登録完了メール、サイト内のメッセージ履歴、ポイント購入履歴を、日付順にフォルダへ入れていきます。
  3. 支払いの窓口に連絡する。カード払いならカード会社に経緯を伝えて請求の扱いを相談します。銀行振込なら振込先の金融機関と警察に早めに知らせることで、口座の利用停止につながる場合があります。電子マネーなら、発行会社にカード番号と購入日時を伝えます。
  4. 公的な窓口に相談する。188(消費者ホットライン)でつながる消費生活センター、警察相談専用電話の#9110が入口になります。

記録の残し方は証拠保全のページに、手続き全体の流れはご相談から解決までの流れにまとめています。返金の可否は支払い方法や業者の対応によって変わるため、見通しについては弁護士に個別に確かめてください。

よくある質問

Q. Facebookに出ている広告なら、Metaの審査を通っているので安全ではないのですか?

A. Metaは広告の審査や詐欺広告の削除を行っていますが、公表されている削除件数からも分かるとおり、問題のある広告がすべて事前に止まるわけではありません。広告に載っていることを安全の根拠にせず、出し主とリンク先の運営者表示を自分で確かめてください。

Q. 広告ライブラリで検索しても、見た広告が見つかりません。

A. 配信が終わった広告や、出たばかりの広告は表示されないことがあります。見つからない場合は、手元のスクリーンショットとリンク先のURLを記録として残しておけば足ります。

Q. 広告を報告すれば、払ったポイント代は返ってきますか?

A. 報告は広告の表示を止めてもらうための仕組みで、返金の手続きではありません。お金については、カード会社や銀行、消費生活センター(188)や警察(#9110)、弁護士に相談して進めることになります。

Q. 占いの広告から登録したサイトでも、サクラサイトの相談として扱ってもらえますか?

A. 占い師や鑑定士を名乗る相手とのやり取りでポイント代が膨らむ相談も、消費生活センターなどで受け付けています。占いサイトに特有の論点は占い詐欺のページも参考にしてください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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詐欺返金相談ナビの相談前整理事例

サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。